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62   デフレパソコン (2002.11.24)

最近、我が家のパソコン需要が高まってきた。子供達がパソコン、というよりインターネットを使うようになったのだ。昔は親がパソコンを使い出すとゲームをしたがっただけだったが、最近はネットサーフィン(死語?)するようになってきた。子供向けのTV番組、アニメやゲームソフトなどのサイトが充実してきたようで、ネットから情報を仕入れようとしている。TV番組の予告編や登場人物、登場するメカなどのページを見ている。また、ゲームソフトの発売予定や、個人ページに載っているゲームの裏技?なども探している。生意気にも三男までもがお気に入りのフォルダを持っているのだ。

という訳で、1台のパソコンをシェアして利用するのが難しくなってきた。ノートのサテライトや8月に買ったLOOXもあるが、どちらも非力さと画面の小ささは子供に向かない。親の方も色々とアプリやデータの入っているデスクトップのエンデバーを使わないとできないことが多いのだ。いつかは一人1台のパソコンが必要になると思っているので、そろそろ子供用に1台導入してもいいかな、と検討してみた。いつものようにハードの検討担当は旦那です。以下、旦那による自作パソコン奮闘記。

子供には最近はやりの新しい装備(DVDやCD-RW、USB2.0、IEEE1394など)は全くいらない。今のエンデバーと同じくらいの性能(PentiumIII 800MHz)で動けば充分なのだ。この辺りの性能をターゲットに、とにかく安いパソコンを探すことにした。ディスプレイは液晶ディスプレイを購入したときに余った15インチのモニターを使うことで環境にも優しい。

パソコンショップのショップブランドでは、セレロン1GHzクラスの廉価版パソコンが3万円後半からある。消費税を入れると4万円ほどだ。しかし、この価格にはOSが含まれていない。Windows XPが入ったものは消費税を入れると5万円を越える。今年すでに2台のパソコン(1台は母のノート、もう1台はLOOX)と液晶ディスプレイを購入した我が家にとって、IT関連機器に5万円もの追加投資はできない。不況でボーナスがどうなるか判らないし(T_T)

1GHzクラスのパソコンなら、エンデバーから外して遊休になっているメモリやハードディスクを再利用して安く作れないか検討してみた。ネット上のショップでケースやマザーボード、CD-ROMドライブを探したがあまり安いものは見つからず、ハードだけで3万円を超えそうだ。3万もかかるなら部品の再利用なんて考えないでショップブランドを購入したほうが断然いい。確実に動作するし、それなりの保証があるからだ。と、一時は新規パソコンの導入は諦めた。

ところがある日、都内にでかけたついでに久しぶりに足を運んだ秋葉原で、意外と安いケースやマザーボードが見つかった。さらに中古のCD-ROMドライブもあって2万円出せばなんとかなりそうなことが分かった。高価な部品だと中古品を買うのはためらわれるがCD-ROMは千円ちょっとなのでダメでもあきらめがつく。

と、いう次第で買い物するつもりで出かけたわけではなかったのに、帰りにはPCケース、マザーボード、CPU、CD-ROMドライブ、キーボードを抱えていた。端数は忘れたが消費税を入れて2万円ジャスト位。隅々まで探せばもっと安い部品もあったかもしれないが、先に検討したときに2万円が目安だったのでこれでよしとした。キーボードはなんと新品で650円(税別)。タッチはよくないが十分使える。

2万円パソコン

OSはWindows XPにしたが、アップグレードで1万3千円もする。エンデバーを購入したときのHDDに入っていたのがWindows98で、そのHDDを再利用するのだからアップグレードでいいと判断した。エンデバーには新しいHDD購入と同時にWindows2000のOEM版を新規購入してあるのでライセンス上の問題はないと思う。この考えがダメなら、エンデバーの方を98からXPにアップグレード、今回のPCを2000のOEM版からXPへのアップグレードと考えればいいはず。

しかしWindows XPは高すぎますね。以前は、ハードの価格も高かったのでそれなりに妥当な価格だったが、ハードが今のように安くなると全体のうちOSの占める割合が高くなりすぎ。新規購入だと2万円近いので今回のハード価格と同じくらいになってしまう。OS価格が半分も占めるのは納得いかない。やっぱりマイクロソフト1社の独占はよくないぞ。e-Japanではオープンソース系のOS(Linux系だよね)を使う方針がでたようだし、中国もLinuxに力を入れているようなので早く独占体制を崩して欲しい。

ハード購入部品(税込み)
マザーボード8,000円(オンボードビデオ、サウンド、LAN)
CPU セレロン1.2GHz6,000円(ヒートシンク、ファン付き)
ケース4,000円(5"*3、3.5"*3、電源300W)
CD-ROMドライブ1,300円(32倍速、中古)
キーボード700円 
ハード小計20,000円 
ソフト購入品(税込み)
WindowsXP13,000円(エンデバーの遊休ライセンスからのアップグレード)
再利用部品
ディスプレイ-(エンデバー遊休品)
メモリ 128MB*2-(エンデバー遊休品)
HDD 6GB-(エンデバー遊休品)
FDD-(エンデバー遊休品;壊れたと思って交換したら壊れてなかったもの)
マウス-(サテライトからの半遊休品)
合 計33,000円(税込み)

帰宅後、子供達にも少し手伝わせて早速組み立てた。ケースは安いだけあってペコペコの薄いスチール製で、なんと少しゆがんでいる。側面パネルは片側しか開かないのでマザーボードやドライブの取り付けが面倒だ。また、前面のプラスティックカバーを外すのに苦労した。パソコンの自作は初めてでしたが、マザーボードに付いてきた簡単なマニュアルを頼りにマザーボードにCPUとメモリを差してケースに取り付け、ドライブもケースに取り付けて、それぞれ電源やケーブルを繋いでできあがり。

ケースの開け閉めや取り付け順序の都合でちょっと手戻りがありましたが、それなりに完成し、ディスプレイを繋いで電源を入れると無事にBIOSが動いた。メモリもHDDもきちんと認識された。心配だった中古のCD-ROMドライブも大丈夫だった。さっそくOSをインストールして一通り完成です。ちょっと呆気なく動いてしまい面白みがないです(^_^) ざっと使った感じではエンデバー並の体感速度で動いている。

HDBENCHというパソコン性能を測るソフトで性能を調べたら総合性能はエンデバーの7割位だが、整数演算と浮動小数点演算の性能はエンデバーの1.5倍と速い。メモリのRead/Write、ビデオ性能、HDDのRead/Write性能が低かった。メモリが遅いのはオンボードビデオとメモリが共有だからかな? HDDも3年半前のものなので遅いのは仕方ない。それより久しぶりに使ったCRTのディスプレイが意外と小さく感じたのと画面が丸いのが気になった。半年前までは当たり前だったのに、液晶画面に慣れたせいですね。

最後に少しクロックアップをしてみた。今回買ってきたセレロンは、FSB100MHz×12倍の1.2GHzで動作させるのが定格だ。FSB100MHzを20%アップした120MHz(CPU 1.44GHz)では問題なく動いた。しかし、133MHz(CPU 1.6GHz)では起動できなかった。メモリが100MHz対応のものなので、CPUよりメモリが耐えられなかったのかもしれない。結局、あまりクロックアップするのも心配なので10%アップのFSB 110MHz(CPU 1.32GHz)で使うことにした。

衝動買いで仕様などよくわからないまま、とにかく安い部品を購入して初めてパソコンを自作したが、意外と呆気なく完成してしまった。ビギナーズラックかもしれないけど思ったより簡単だった。OSを含めた部品代33,000円で、そこそこの性能のものができて満足、満足。余っていた部品も有効活用してエコロジー。自作マニアの人から見ればたわいのないことかも知れないが、なかなか面白い作業だった。

以上、子供達もパソコンの中身が見えてパソコンの仕組みが少しは判ったようです。旦那も子供達の質問に嬉しそうに答えていて、お金には換えられない楽しい経験だったようです。

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