61 ネット上のセキュリティについて考える (2002.11.10) 少し前の朝日新聞の記事に、インターネットから警察庁に対して1ヶ所当たり1日平均10回のサイバー攻撃があったというのがあった。アサヒコムの記事はコチラ。この攻撃には接続先を探索することも含まれているようだけど、そうだとすると意外と少ない気がする。以前、ネットワークに詳しい知人が、自宅のパソコンに攻撃を記録するソフトを入れて調べたら、世界中から頻繁にアタックがあったと言っていた。とにかく有名なサイトではなくても、インターネットからの攻撃が多いのは確かなようだ。
我が家でもパソコンの電源を切っておいても、ADSLモデムのDATAランプが点滅することが結構ある。誰かがうちのIPアドレスにアクセスしてくるのだと思うけど気持ちが悪い。現実の世界に置き換えてみれば、ドアが開けっ放しになっている家がないか、一軒一軒ドアノブを引っ張って調べているということだよね。全てが悪意のあるアクセスという訳ではないのかも知れないけど気になる。
うちのパソコンの中に第三者にとって価値のあるものはほとんど無いと思う。たわいのない日記や子供達の成長記録、写真、家計簿程度しか入っていないのだ。しかし、悪意のある人はそのコンピュータが狙いではなく、そこを経由することで自分の痕跡を消して、価値のあるところへアクセスするらしい。知らず知らずのうちに自分のコンピュータが悪事の片棒を担いでしまうことになる。
悪意のある人がパソコンの中まで入ってこられないようにするには、ルータやファイヤーウォール(防火壁)ソフトを入れればある程度は防げるらしい。Windowsだけでも大丈夫なのか?よく分からない。Windows updateを実行すると頻繁にセキュリティ対策用のアップデートがあるけど大丈夫なのかな。うちは一応無線LAN兼用のルータが入っているけど、どこまで安全なのかがよく分からない。
また、実家の母はパソコンから直接ダイヤルアップしてネットサーフィンを楽しんでいる。ダイヤルアップなら接続時間が短いからそれほど心配しなくてもいいのかも知れないが、危険なことは否めない。しかし、それを母に言うと余計な心配してパソコンを楽しめなくなるといけないので黙っている。ウィルスチェックのパターンファイルも更新していないと思うので、ウィルスメールがきたら危ない。
現実世界では子供の頃から、家には鍵をかけるとか、見ず知らずの人にはついていかないとか、道路では車に気をつける、怪しい場所には近づかないなど、安全に社会生活を送るための振る舞いを身につけていく。しかし、ネット生活を安全に過ごすための知恵は十分に身に付いていないのが現状だ。それ以前に、ネット生活も実生活と同様に、あるいはそれ以上に危ないことがあることに自体に気付いていないのが現状ではないだろうか?
パソコンメーカやネットワーク接続業者は、ネットには危険がいっぱいだよとは言いにくい。パソコンやADSLのテレビCMでそういうことを言っているは見たことがない。便利さやADSLの高速性ばかりがアピールされている。例外はパソコン雑誌の記事や広告でファイヤーウォールソフトやウィルス対策ソフトの会社が危険だよと言っている程度だ。これでは普通の人は知る機会が少ないし、読んだとしてもピンとこないんじゃないかな。最近あまり聞かなくなったけど、自治体のIT講習会などではそういう教育をやっているのかな。
携帯電話のワン切りやスパムメール被害はニュースなどで話題になり多くの人が感心を持ち、対策も取られつつある。でも、インターネットの危険性に関してはまだまだ認知度は低いように思える。前話で書いた個人情報の件、不正アクセス、ウィルスメール、悪質なWebページなど、ネット世界の危険についてもっと教えて欲しい。私自身も雑誌の記事などで危ないこともありそうだ、というくらいの知識しかない。
少し前にカム送り解錠とかいう方法で玄関の鍵を開けられて空き巣に入られる危険がニュースで騒がれた。鍵を取り換えて予防した人も多いと思う。同じようにインターネットからの不正侵入も危ないよね。どんな危険があって、どういう対策をとればいいのか詳しく知りたいよ。
セキュリティが気になったという訳でもないが、我が家のインターネットの玄関であるADSLモデムと無線LANルータのファームウェアがバージョンアップされていた。NTT東日本のサイトでフレッツモア(12MのADSL)の情報を見ていたら、うちで使っているモデムのバージョンアップ情報に気づいた。ADSLモデムはセキュリティにはあまり関係なさそうだけど、ADSLリンク速度表示と放送波耐性向上が図られたらしい。無線ルータは色々バージョンアップされたようで、性能向上とセキュリティも少しよくなっているようだ。この辺りが素人ではよく分からない。
バージョンアップ前後で速度を調べてみたが、ほんの気持ちだけよくなった。かな? リンク速度は下りが2,560Kbpsで、上りは704Kbpsだった。フレッツADSLの計測やインターネットの計測サイトで測定した結果は2,100〜2,200Kbpsなので、リンク速度の82〜86%程度でている。まあまあなのかな。ちなみに我が家の距離だと12MbpsのフレッツADSLモアに切り替えると数百Kbps程度よくなりそうなのだが、数百Kbpsアップに工事費の3千円と月々100円の価値があるか? と自問すると、現時点では無いのでしばらくはこのままにするつもり。
前話と今回、2話続けてネット上の危険について素人なりに考えてみた。危険だから何もしないというのではなく、キチンと危険についての知識を持って必要な対策をとり、安全に便利で楽しいネット生活を送りたい。車社会なんて毎日死者がでるほど危険がいっぱいだが、便利な面の方がはるかに大きいから今のようになっているのだ。ネット社会はある面で車の便利さを越えている。知恵と技術とルールで安全で便利なネット社会になって欲しいというのが、今回の結論だ。
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