168. 湘南海岸、平塚
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最近、各地へ出かけることが多く、散歩・ハイキングすることがなかった。
2018年の年が明け、海岸へ出かけた。
私の住む平塚市は、西側の金目川(花水川)と東側の相模川の間にあり、相模湾に
面する間口は3kmで狭いが北側の奥行きは広い。
写真① 金目川(花水川)河口から見た海洋観測塔(2018年1月6日)。
金目川河口から沖合に海洋観測塔が見える(写真①)。この観測塔は死者・不明
5千人を出した1959年の伊勢湾台風の後、防災の基礎研究を行う目的で
1965年に建造された世界有数の施設である。海岸から1km沖合、水深
20mにあり、海面上の高さは25m、海底下20mの深さまで基礎杭が打ち
込まれている。
海面上の垂直円筒の直径は2mあり、その中の螺旋階段を登って上部の器械室に入る。
海洋・気象の観測データは海底ケーブルで陸上施設に送られる。世界中で数値天気
予報が本格的に始められる時代、その精度向上の理学的基礎研究を行うために、
私は30歳過ぎの時代、この施設に5年間半勤務した。
その後、観測塔・陸上施設は当初の役目を果たし無人となり、2009年に東京
大学生産技術研究所へ移管され工学的な研究が行われている。
砂浜から西方を見ると、大磯町があり、遠方に伊豆の山々ある(写真②)。
右に転じると湘南平にテレビ電波塔がある(写真③)。富士山は左方にあるが、
湘南平の尾根に遮られて見えない。
写真② 大磯と箱根連山の眺め。
写真③ 湘南平のテレビ電波塔(右)と展望台(尾根の左端)。
写真④ 湘南大橋。
この海岸から3kmほど東に相模川がある。相模川に架かる全長698mの国道
134号線の湘南大橋がある。湘南大橋に接して最近、新橋が完成し上下4車線
となった。新春の箱根駅伝はこの橋を走る(写真④)。
橋のたもとには次のことが書かれている。
「湘南大橋の碑」
湘南海岸地域は日本の代表的な海浜レクリエーション地域であると共に、温暖で
良好な環境に恵まれた住宅地として知られていますが、昭和の初めごろまでは何の
変哲もない砂浜地帯でした。
昭和六年、県はこの地域の発展のために、藤沢市片瀬から大磯町に至る海岸沿いに
湘南遊歩道路の建設を始め、昭和十一年秋、この事業最大の工事であった湘南大橋
を完成させました。
湘南大橋はその後半世紀もの間、東海道筋の貴重な交通路としての役割を果たして
きましたが、老朽化のためこのたび架け替えを行いました。―以下略―
一九八六年十月
神奈川県知事長洲一二
橋の中ほどから南西方向の遠くに伊豆半島が見える(写真⑤)。相模川河口は土砂
が溜まり、浚渫が行われる。湘南大橋の上流側約1・5kmには、東海道本線と
国道1号線の橋が架かっている。
写真⑤ 相模川河口、遠景は伊豆半島(2018年1月7日)。
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