154. 神代農場(調布市)
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東京都立農業高校神代農場の湧水温度を測るために深大寺から東に向かって
歩く。道路脇の記念碑「深大寺小学校発祥の地」に、次の説明がある
(写真①)。
写真① 深大寺小学校発祥の地の記念碑。
『深大寺小学校は、明治5年の学生令に基づき深大寺村戸長・富沢松之助と
浅田権蔵等村内有志がはかり、深大寺の末寺であった多聞院の建物を借りて、
明治6年(1873)に設立された。このあたりが多門院のあった場所で
あり、深大寺小学校発祥の地である。この地つづきに建つのが現在の深大寺
小学校である。
開校当時は、「弘道学舎」と称し、その後、「階梯学舎」と改称され、
「深大寺学校」という名に改められたのは、明治8年のことである。
開校当時の生徒数は、男子43名、女子16名で、職員は3名であった。
深大寺、佐須、柴崎の三村を学区としたという。』
ちなみに現在の深大寺小学校の生徒数は546名である。
東へ進む坂道は武蔵野台地の南縁に沿うもので、崖の石垣は大きな石で
築かれ、その上に深大寺小学校がある(写真②)。石垣はいつ築かれたのか
分からないが、現在のような重機の無い時代に大きな石で築かれたことに
驚く。
写真② 深大寺小学校の石垣。
小学校の北側にある青渭神社に、調布市の市天然記念物「青渭神社のケヤキ」
がある(写真③)。説明板によれば、高さ34メートル、樹齢数百年の
老樹とある。江戸時代の名所図会にも、数百年の老樹と記されて、目立つ
巨木であった。ケヤキは武蔵野の防風林として特色を持っていたという。
写真③ 青渭神社のケヤキ。
青渭神社の向かい側、三鷹通りの東側に都立農業高校の神代農場がある
(写真④)。農場は見学者が多いらしく、掲示版には毎月2回、木曜日に
公開している案内が張りだされている。
写真④ 神代農場の門。
深い崖下に降りていくと、ワサビ田の北側に築かれた石垣の下端から湧き水
が噴出している。私は、毎回、副校長先生に電話し、許可を得て湧水の水温
を測りに来ている。2016年5月からの水温は17.3℃でほとんど一定で
ある。
深大寺の延命観音の湧水の17.1℃より僅かに高いのは、北側の涵養域が
植物園(深大寺)と住宅地(神代農場)の違いによるものだと私は考えて
いる。つまり、湧水温度は周囲の環境が森林や田畑か、住宅地か都市化の
進んだ地域であるかを表し、東京都心では、さらに1℃ほど高温となる。
神代農場では両側の崖下の谷地形に養殖池がつくられており、養魚が泳い
でいる(写真⑥)。
写真⑤ 湧水のあるワサビ田。正面奥の石垣の下から湧き水が出ている。
写真⑥ 養殖池。
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