113. 皇居東御苑
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大手門の入り口のお堀端で、秋山長司さんと三井誠三さんから、江戸城天守閣の再建
活動の話を聞き、皇居東御苑を見学することにした。2013年3月2日、天気も
よく、見学者も多い。
大手門を入ると三の丸尚蔵館と同心番所がある。番所は警備詰所のことである。
現在は門の形態はしていないが、次の門跡を過ぎると百人番所、三つめには大番所が
ある(写真113.1)。
写真113.1 大番所(3月2日)。
これら番所は順番に位の高い与力・同心により警備されていた。大番所から坂を上がる
と本丸の入り口・中雀門(ちゅうじゃくもん)跡がある。
中雀門跡を入ると、広い芝生が広がる。地図案内板を見ると最も奥に天守台跡がある。
お年寄りを連れた観光客が地図を見ながら、「此処はどこなの?」と尋ねていた。
私がここに来るまでに見たすべての地図案内板には、現在地がすべて消えていたので、
私は「此処は地図の消えている処です」と説明してあげた。「多くの見物人が『此処』
を指で押すので、現在地が消えたのでしょうね。」
観光客は天守台跡まで行ってみたいようだが、「遠そうだね!」と言うので、
私は地図上で概算し、「大手門から此処までの距離を進むと天守台ですよ!」と
説明してあげたが、「疲れた」と言って帰ってしまった。
広場を北上すると、天守台跡がある。台座の寸法を持参していたレーザー距離計で
測ってみると約45m平方もある(写真113.2)。
写真113.2 東御苑内の天守台。
写真113.3 天守台から南の大芝生を望む(2枚を横に合成)。手前から大奥跡、
中奥跡、表跡であり、表跡の左方遠方に中雀門跡(写真では見えない)がある。
天守台への登り道に置かれている「江戸城本丸御殿」の案内板によれば、南の芝生地は
手前から大奥跡、中奥跡、表跡である。建物の間取りも描かれた説明板もある。表は、
将軍の謁見など公的な儀式・行事、幕府諸役人の執務の場、中奥は将軍の日常生活、
政務を執る場、大奥は御台所、将軍の正妻をはじめ家族や女性たちの生活の場である。
それらの跡地が一望できる(写真113.3)。
写真113.4 桃華楽堂。
天守台から東を見ると、目立った建築物がある。何だろう?
案内板によれば、「桃華楽堂」である。これは香淳皇后の還暦を記念して建てられた
音楽堂のこと。屋根は、
テッセンの花弁を形づくり、八つの壁面は、各面とも羽ばたく鳥を中央に、
それぞれ日月星、松竹梅、楽の音などをイメージした図柄が陶片で描かれている
(写真113.4)。
本丸休憩所には、大嘗宮(だいじょうきゅう)の模型が展示されている。悠紀殿、
主基殿、廻立殿を中心に大小30余の建物が設営されている。大嘗祭は、天皇陛下の
皇位継承の際に、東御苑のこの芝地で挙行された。
本丸休憩所の東側には展望台があり、白鳥濠を眼下に、見晴らしがよい(写真113.5)。
白鳥濠は東御苑の真ん中ほどにある濠である。
歩いてみると、御苑内は想像していたよりも高低差を実感した。
写真113.5 展望台から見下ろした白鳥濠。
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