A11.深浦観測所見学、2011年10月15日

報告者:岡前憲秀(青森県気象予報士会会長・気候観測を応援する会メンバー)
青森県日本海沿岸にある深浦気象観測所の見学会を本年6月25日に続き2011年10月15日に 行った。今回の見学会は青森県気象予報士会とウオッチング青森(青森県自然観察指導員 連絡会)による合同見学会として行ったものである。(完成:2011年10月29日、付記: 2011年11月2日)

本ホームページに掲載の内容は著作物であるので、 引用・利用に際しては”近藤純正ホームページ”からの引用であることを 明記のこと。

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更新記録
2011年10月29日:ほぼ完成作成
2011年11月2日:付記を追加


	目次
        11.1 はしがき         
        11.2 実施年月日と参加者
        11.3 見学会の概要
        付記 気象庁に現状を知らせる     


11.1 はしがき

日本海沿岸にある深浦気象観測所は史跡公園「御仮屋」に設置されている。長い間放置 され、気象観測の障害となっていた周辺の樹木の伐採や剪定が2009年11月と2011年2月に 行われ、見違えるような好環境の観測所となった。 その後、6月25日に「気候観測を応援する会」主催による見学会が行われ、今回はそれに 続く見学会である。

今回の見学会は青森県気象予報士会とウオッチング青森(青森県自然観察指導員 連絡会)による合同見学会として行ったものである。

11.2 実施年月日と参加者

実施年月日
2011年10月15日(土)11:00~12:00

参加者(9名)
青森県気象予報士会 岡前会長 他2名
ウォッチング青森  小関代表理事 他5名

当日は小雨模様のあいにくの天気だったが、深浦町字岡町の高台にある観測所に予定通り 11時に集合した。

11.3 見学会の概要

説明
青森県気象予報士会の岡前から、「気候観測を応援する会」を立ち上げ、全国的な活動を 展開しておられる東北大学名誉教授の近藤純正先生の呼びかけで、深浦町役場や地元 有志の方々が協力し、2年ほど前から観測所周辺の草刈りや風を遮っている樹木の 枝打ち等の作業を行っていることを説明した。 また、観測所内にある観測機器等についても説明した。

環境状態
今回の観察会では、樹木の枝打ちや伐採が行われた跡を確認することができた。

観測露場の外側(フェンス外側)の広い範囲が最近草刈されてあった。より良い観測条件 を保つため地元の方々が尽力されていることや正確な観測データを残すことの大切さを 改めて認識した。

その後、御仮屋公園内を散策し、ウォッチング青森の方から公園内にあるクロマツ について説明してもらった。また、伐採した木の根元に治療した痕跡があることが わかり、参加していた樹木医の方からは、樹木の治療方法は時代とともに変わって きていることなどの話も聞くことができた。

小雨模様のため、公園内にある展望台からは美しい日本海の景色を見ることはできな かったが、標高66mの高台にあるため気象観測所としては好条件であることが確認 できた。また、当時の津軽藩藩主の旅宿の地として使われていたとの史実から、 「当時は津波に対する防災意識が高かったのではないか」といった意見なども出て、 地震や津波などについても参加者が考える一幕もあった。

ウォッチング青森の会員の方からは、「青森県内に住んでいても、普段は見ることの ない場所での見学会だったので有意義だった」といった感想をいただいた。

見学風景1
写真11.1 見学会風景その1、露場の南側にて(2011年10月15日)。

見学風景1
写真11.2 見学会風景その2、露場の南側のフェンス付近。

見学風景1
写真11.3 見学会風景その3、露場フェンスの東側にて。



付記 気象庁に現状を知らせる

深浦の住民有志により、観測所のフェンス外側の広い範囲が引き続き草刈されて、 観測環境が良好に維持されていることが確認された。これを気象庁に伝えておく べきと考え、次のメールを10月31日に送っておいた(近藤純正)。

青森台長・高尾俊則様
 同 次長・菅原光夫様
仙台管区台長・藤村弘志様
前 青森台長・大島広美様
cc.気象庁長官・羽鳥光彦様
cc.観測ネットワーク調整官・木俣昌久様

青森県の深浦観測所の周辺環境が良好な状態にあることをご報告いたします。

先日10月15日(土)に青森県気象予報士会会長・岡前憲秀氏(気候観測を応援する会 メンバー)が青森県自然観察指導員連絡会の仲間たちと合同で深浦観測所の見学会を 行いました。その結果によれば、観測所フェンスの外側の広い範囲まで草刈りされて おり、露場の風通しが良い状態に保たれておりました。

すなわち、深浦の岡町町内会長・兼平惣七氏(気候観測を応援する会メンバー)の 呼び掛けにより、フェンス外側の広い範囲まで、毎月1回の頻度で町内有志により 草刈りが引き続き行われております。

これら地元住民の献身的な協力は全国の見本となります。今回、気象庁の皆様に お伝えするしだいです。住民の理解と協力による観測所の環境維持は理想的な 姿だと思っております。今後、何らかの形で謝意を表すことが重要と思います。

これが実現できるようになったのには、昨年、私の活動が行き詰っていた時、 仙台管区台長と前青森台長の連携による深浦町長・吉田満氏への働きかけによると 思っています。さらに、本年6月25日の深浦観測所見学会には青森地台次長が参加 してくださり、兼平町内会長と教育委員会委員長・西崎正二氏(共に気候観測を 応援する会メンバー)にお会いできたことが大きいと思っています。

なお、深浦観測所は広い史跡公園「御仮屋」の一部分にあり、公園は教育委員会の 管理となっております。

観測所周辺環境が今後とも好条件で維持されますことを願っております。ありが とうございました。

近藤 純正

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