82. 十和田湖の観光

著者:近藤 純正

2007年9月下旬北海道を観光したのち、29日朝青森駅前からJRバスに乗車、 八甲田山、焼山、奥入瀬渓流を経て十和田湖を訪問。 1泊して9月30日奥入瀬渓流を下り、八戸から東北新幹線で帰宅。 十和田湖は50年ほど前に湖面蒸発の研究で長期にわたり過ごした想い出の 湖である。今回の観光では思いもよらず、当時お世話になった船頭さんに お会いすることができた。(2007年11月1日完成)

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  	  もくじ
		1.青森から十和田湖へ
		2.十和田湖
		3.十和田湖から八戸へ
1.青森から十和田湖へ
2007年9月29日朝8:40青森駅前発JRバス「みずうみ4号」に乗車。バスは 萓野茶屋と蔦温泉で休憩し、焼山を経て奥入瀬渓流を上流へと進む。 奥入瀬渓流に沿って遊歩道ができており、歩く観光客も多い。

八甲田と蔦温泉
八甲田山(左)と蔦温泉(右)

銚子大滝で下車し、子の口まで歩く。渓流の最上部には十和田湖からの 水流を止める水門があり、昼間は観光用に開け、夜間は閉めていたが、 現在はどうしているのか不明である。開閉しているなら遠隔操作であろう。

銚子大滝
奥入瀬渓流(左)と銚子大滝(右)

2.十和田湖
渓流の最上流端にくると視界が開け、子の口である。十和田湖の海抜は401m である。桟橋や旅館、土産店は昔の面影はあるが、東北電力KKの 保養所はなくなっており、そこへ登る階段は残っていた。

子の口と大畳岩
子の口(左)と大畳岩(右)

子の口から反時計まわりに回る(北方向への)道路は舗装され、拡幅されて いる。50年ほど前の観測場所を訪ねることにした。この道はめったに車は 通らない。ここはブナ林である。昔を思い出しながら、しばらく歩くと、 広い平らな大畳石の近くに到着した。この付近の道路は、ほとんど人が歩か なくなっているようである。

木々の隙間から見ると、大畳石は水面上に露出している。 木の枝を頼りに崖を下りて大畳石に乗る。岩は平らだが、湖側は急に深く なっている。


50年ほど前には、水位は大畳石の上30~40cm程度はあった。
ここに、昔の大畳石の写真を掲載しておこう。

大畳石の観測塔
(昔の写真、1959年10月)大畳石に建てた高さ7mの気象観測塔2基、左は風速観測用、 右は気温と湿度観測用、いずれも5高度に測器を設置。 (本ホームページの「身近な気象」の「5.十和田湖物語」の図5.6に同じ)

次は昔の御門石の写真である。
御門石観測塔
(昔の写真、1962年11月)御門石の観測塔(高さ=5.5m)、南西方向から 撮影。(本ホームページの「身近な気象」の 「5.十和田湖物語」の図5.7に同じ)

およそ50年ほど前に十和田湖で行った研究は「身近な気象」の 「5.十和田湖物語」に掲載されて いる。


子の口の戻り、こんどは遊覧船に乗り、湖のほぼ中央にある御門石を探すこと にした。遊覧船は御門石から離れたコースを通るので、最上階のグリーン室に 乗る。望遠カメラで撮影のチャンスを待つ。

この日(9月29日)の午後は多少の風があり、小さな岩礁の御門石 は見づらい。やっと、それらしい岩礁が2つ並んで見えた。

御門石
御門石の望遠写真

この船は双胴船「第三八甲田」(326トン、定員804名、内グリーン室72席) である。グリーン室には他の乗客はいない。船長の加賀春美さんに、私が 御門石で昔気象観測したことを話したところ、昔のことを知っているという 機関長・野中精一さんをつれてきてくれた。

御門石では1962(昭和37)年11月21日から1964(昭和39)年4月1日まで観測 したのだが、そのとき、学校を出たばかりの野中さんが宇樽部または子の口 から御門石まで小舟で私たちを送り迎えしてくれた船頭さんだった。

なんという奇遇、私は驚いてしまった。十和田湖には遊覧船は10隻以上もある のに、その一つに乗船したことも偶然である。

野中さんは十和田観光電鉄を定年後、嘱託として現在も引き続き勤務して いらっしゃる。 船長も機関長も勤務中なので、休屋桟橋に着いてから写真を撮影させて いただくことにした。

遊覧船は東湖から中湖に入る。十和田湖の最深部(327m)がこの中湖にある。 中湖は東側の御倉半島と、西側の中山半島に囲まれている。中山半島の先を 過ぎると西湖に入り、休屋に向かう。六方石や恵比須大国島などを眺めながら 休屋桟橋に到着した。

御倉半島と中山半島
湖の最深部付近から見た御倉半島(左)と中山半島(右)

中山半島と休屋遠望
中山半島(左)と休屋の遠望(右)

船長と川むら
船長と機関長(左)と旅館「川むら」(右)

宿泊した「湖四季の宿・川むら」は休屋でもっとも古くからの旅館だという。 ここから湖岸に出ると、木製のボードウオーク「開運の小道」と名づけられた 遊歩道があり、御前ヶ浜には高村光太郎の作品「乙女の像」がある。

乙女の像
湖岸の遊歩道(左)と乙女の像(右)

3.十和田湖から八戸へ
9月30日の朝は穏やかな湖面、朝食前の湖岸を歩く。再び乙女の像、十和田 神社を巡る。ほかに散歩する人々にも出会った。

休屋の十和田湖駅発JRバス8:05発「おいらせ20号」に乗車、御倉半島の 瞰湖台、宇樽部、子の口、奥入瀬渓流、焼山、十和田市を経て、八戸駅西口 に10:15到着。途中の道の駅でバスは 休憩し、八甲田山連峰を一望すること ができた。

休屋桟橋と御倉山
朝の休屋桟橋(左)と宇樽部からの御倉山の眺め(右)

南からの八甲田山
道の駅からの八甲田連峰の眺め

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