物質や熱の源が座標 z=0, x=0 にあり、y 軸方向に線源が延び、それに直角の x 方向に風が吹き、
拡散係数 K が一定と近似できる場合(あるいは高度の簡単な関数である場合)の拡散式について
解析解(近似解)が得られている。図83.10の実験では、風下距離 X があまり大きくない範囲に
相当する。
Sutton(1953)によれば、Q を源の強さ(単位時間当たりの物質や熱の発生量)として、風下 x, z に
おける物質濃度(ここでは気温上昇=気温差)は次式で近似される。
気温差≒Q /(2πKX)1/2 exp(-uz2/4KX) ・・・・・・・・・(13)
すなわち、気温上昇は風下距離 X の平方根の逆数に比例する。上記の実験は苗木中心の高さ(z=0)
の風下の気温上昇を測ったものである。
図83.11(下図)は横軸を風下距離 X の平方根の逆数で表したもので、プロットは直線の周辺に
分布している、つまり、式(13)が近似的に成り立つことがわかる。