3-3-1.遺跡探訪


3-3-1.遺跡探訪


ストーンサークル(環状列石)

ストーンサークルと言えば謎の遺跡?としてテレビなんかで紹介されていますが北海道にもそのストーンサークルがあります。 謎なんて言うと不思議なイメージがありますが現在使っているものでも遺跡として出土すれば謎になってしまいそうなものは山ほどあるような気もします。 祭の時に使用されたとか墓であるとか諸説あります。

■忍路環状列石

小樽に程近い忍路に規模の大きいストーンサークルが存在します。 巨石と小石が立ち並ぶ様子を眺めていると自分が時間を溯ってその作られた当時に引きずりこまれそうなそんな独特な雰囲気があります。 森のほんのわずかな隙間にある石たちのすべてが生き物であるかのような不思議な空間です。

この程近くにフゴッペ洞窟と呼ばれる遺跡も存在します。 発掘が行われた時この洞窟は遺物にあふれ、壁面には幾つもの壁面画が描かれていました。 現在この洞窟は整備されそのままの姿を直接観察することができます。 思うにこの忍路、余市周辺は古代において住みやすく先進的地域であったのではないでしょうか。

(交通:小樽-JR[22分]-蘭島-JR[6分]-余市/小樽-バス[21分]-忍路小-バス[2分]-蘭島-バス[8分]-余市)



■音江環状列石

こちらは忍路に比べると規模の小さいストーンサークルです。 森の中の草原に小さな石が環状に置いてあります。 ストーンサークルと言われなければキャンプ場のかまどの跡と勘違いする人もいるかもしれません。

(交通:深川-バス-稲見山入口-バス-滝川)












オホーツク海沿岸遺跡群

■常呂遺跡

サロマ湖岸にある竪穴式住居の遺跡です。 東京大学によってずっと発掘が続けられていてその成果は東京大学文学部常呂資料館に収められています。 建物自体はそんなに広くはありませんが所狭しと並べられた土器は壮観です。

またところ遺跡の森が遺跡のある台地に整備されています。 復元された住居やところ遺跡の館と呼ばれる資料館もその森の中にあります。 ところ遺跡の館では土器などの一般的な展示物から常呂遺跡全体の様子の模型までたいへん充実しています。 遺跡散策を映像で楽しめるプログラムもあります。 オホーツクの文化の接点であり3つの文化が同じ地に生活を育んだ常呂遺跡を満喫しましょう。

サロマ湖ではワッカ原生花園、幌岩山など見所がたくさんありますのでそれらとセットで周るといいのではないでしょうか。

(交通:網走BT-バス[62分]-栄浦-バス[7分]-浜佐呂間-バス[77分]-中湧別)




■モヨロ貝塚

オホーツク文化の代表的な遺跡です。 貝塚だけでなく住居跡も幾つか発掘されています。 モヨロ貝塚館でその遺物が展示されています。 その展示物を見るとその時代の交流の広さを垣間見ることができます。 現代においてその交流圏は国境という目に見えない線によって区切られていますが昔はもっと自由な世界が海を越え広がっていたのでしょう。

(交通:網走駅-バス-モヨロ入口-バス-潮見団地・東京農大)









■ポー川史跡自然公園

標津の歴史的資料を一括してまとめてあるのがこのポー川史跡自然公園です。 バス停から入園料を払い入ると歴史民俗資料館があり開拓時代の資料が展示されているほか、開拓時代の農家、学校などが整備され立ち並んでいます。

そこから標津湿原を抜けて行く木道があり湿原を渡りきった所に伊茶仁カリカリウス遺跡があります。 7000年前からの竪穴式住居跡がどこまでも延々と続いていた場所でそのうちの一部が復元され展示されています。 またここは湿原から一段登った台地の上にあり湿原、オホーツク海を望むことができます。 この遺跡に人が住んでいた時代はこの湿原まで遠浅の海で漁労が盛んであったのではないでしょうか。

この遺跡のある周辺は雑木林の覆われ熊も時々出没します。 行ったらこの遺跡は立ち入り禁止で湿原途中までしか行けなかったなんてこともありました。 行ける時でも夕刻なんかは自主規制した方が無難でしょう。

(交通:標津-バス[5分]-ポー川史跡自然公園前-バス[25分]-峰浜-バス[30分]-羅臼)







  
北海道旅情報巻頭  3-3.歴史探訪