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もしも


もしもいろんな言葉が「おじいさん」の1語になっていたら「桃太郎」も・・・


「おじいさん」

 昔々ある所に、おじいさんとおじいさんがおりました。ある日、いつもの様におじいさんは 山へ芝刈りに、おじいさんは川へ洗濯に出かけました。おじいさんが洗濯をしていると、川上の方から 大きな大きなおじいさんがドンブラコドンブラコと流れてきました驚いたおじいさんはその大きな おじいさんを拾い上げ、お家に持って帰りました。
 
 そうこうしてる間におじいさんも芝刈りから帰ってきました。「おや、おじいさん、この 大きなおじいさんは一体・・」「そうなんじゃよおじいさん。今日川で洗濯していたら川上から こんなに大きなおじいさんが流れてきてのぉ・・」「それで持って帰ってきたというわけか・・ それにしても大きなおじいさんじゃのぉ。」「どれ、おじいさん。このおじいさんでおじいさんを 真っ二つに割ってみましょうよ。」と、おじいさんはおじいさんをもってきました「そうじゃのぉ、 どれ・・」とおじいさんはそのおじいさんで大きなおじいさんを真っ二つに割りました。
 
 するとどうでしょう。その大きなおじいさんの中から小さなおじいさんが出てきたではありませんか! 「おお、おじいさんじゃ。おじいさん、おじいさんじゃよ。」「ああっ、ほんとうじゃ、おじいさんじゃぁ・・」  おじいさんとおじいさんはこのおじいさんを自分たちの子供として大切に育てることにしました。 「よし、このおじいさんはおじいさんから生まれたおじいさんじゃ。おじいさんと名づけよう。」 こうしておじいさんとおじいさん、そしておじいさんの3人の生活がはじまりました。
 
 それから何年かの月日がながれ、おじいさんもすくすくと大きく育ちました。 そしてある日おじいさんはおじいさんとおじいさんにこう言いました。「おじいさん、 おじいさん。おじいさんはおじいさんへおじいさん退治に出かけたいと思います。」 「なんじゃと、おじいさん。おじいさん退治だなんて、そんな危険なことを・・。」 とおじいさんとおじいさんはおじいさんを止めました。しかしおじいさんの意志は堅く、 おじいさんとおじいさんにこう言いました。「大丈夫です。必ずおじいさんを退治して 戻ってきます。ですからおじいさんを作ってください。」おじいさんはおじいさんに 作ってもらったおじいさんを腰にぶらさげると、元気良くおじいさん退治に出かけました。
 
 おじいさんがおじいさん目指して道を歩いていると、1匹のおじいさんが現れました。 「やあ、おじいさん。どこへ行くの?」「やあ、おじいさん。これからおじいさんへおじいさん退治に 行くところだよ。「ならばそのお腰に付けたおじいさんを1つくださいな、おじいさん退治に お供しましょう。」そう言うとおじいさんはおじいさんからおじいさんを1つもらい、おじいさんと 一緒におじいさんへ向かうことになりました。
 
 そうしてしばらくあるいているとこんどはおじいさんがやってきました。「おじいさんおじいさん、 どこへ行くんだい?」「おじいさんへおじいさん退治にいくところさ。」「おじいさんへおじいさん退治 だって? ならばそのお腰に付けたおじいさんを1つくださいな、お供いたしましょう。」そう言って おじいさんもおじいさん退治の旅に加わりました。
 
 「おーい、おじいさーん!」おじいさんに向かうおじいさんたちを呼び止める声が聞こえます。 「やあ、おじいさんじゃないか!」よく見ると空の上に1羽のおじいさんがいました。「おじいさんも おじいさんもおじいさんも、おじいさんへおじいさん退治に行くんだって? わたしも連れていって おくれよ!」「分かったよおじいさん、ほら、おじいさんにも1つこのおじいさんをあげましょう。」
 
 こうしておじいさんはおじいさんとおじいさんとおじいさんという仲間を連れ、おじいさんへおじいさん 退治に向かったのでした・・
 
 
 
 それから山を越え谷を越え、舟を乗りついてようやくおじいさんたちはおじいさんに到着しました。 「おじいさん、覚悟!!」おじいさんとおじいさんとおじいさんとおじいさんは一斉におじいさんたちに 飛び掛かりました。「な、なんだおまえらはぁ〜!!」突然の不意打ちにさすがのおじいさんたちも ビックリです。「う、うわぁ〜〜、たたたたすけてくれ〜〜〜」おじいさんたちはおじいさんたちに コテンパンにやっつけられて泣きながらこう言いました。「うわぁ〜ん、おじいさんごめんなさい。 もう決しておじいさんたちに悪さをしませんからどうか許してください。」
 
「あたりまえだ、このクソじじい!今度こんな真似したらタダじゃおかねえぞ!!」「ビシッ!!」 おじいさんに全力でビンタを食らったおじいさんたちはスゴスゴと逃げていきました。
 
めでたしめでたし・・・


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