6.マリオネット、そしてマリオケ

吉田剛士


マリオネットは、かつて「ミュージックマガジン」の中村とうよう氏に「インターナショナルポップ・エスニックニューエイジミュージック」とカテゴライズされたように、異国情緒を漂わせつつも、特定の地域性に縛られず幅広い表現を包括するジャンルとして、「ラテン系の撥弦楽器の魅力を生かしつつ」「日本人としての感性を生かした曲作り」を進め、一定の成果を収めてきた。
マリオネット・マンドリンオーケストラは文字通り「マリオネット」という名前のマンドリンオーケストラである。アコースティックデュオ「マリオネット」の巨大な弟分であり、もっぱらマリオネットの楽曲を演奏するオケである。ならば、まさにマリオネットと同様のコンセプトに位置づけることが出来るのではないだろうか。つまり、そういう聴き方のできるオケとしてポジションを固めていくということ、これが第一のポイントである。

もう一点は、表層的な模倣ではなく、何よりマリオネットの「音楽に対する姿勢」を受け継ぐことを求めるということである。真摯に音楽に取り組み、繊細かつ大胆に神経の行き届いた音楽表現を目指すと同時に、あくまで聴く人の立場に立ち、何を大切にして音楽を作り届けるかということを問題としなければならない。これが第二のポイントである。

マリオネット・マンドリンオーケストラは、以上の二点を基軸として、マリオネットの旗印の下に集まってくれた約100名の同志の結束のもと、マンドリン合奏の新しい価値とポジションを勝ち取るべくチャレンジするプロジェクトである。


7.マリオケの目指すもの