ペンの構造と各部寸法決定

<- 目次 ->

■構造をみる

ここで各部品の断面図およびペン全体の概略図を見て下さい。

図は別ウィンドウで表示させます。Click!
下記の 計算式をご覧になる際にも表示させておくと便利かと思います。
(管理人注:別ウィンドウで表示しません。理由は目次を読んでください。)
なお別ウィンドウ内の各図は以下のとおりです。

後述しますがストッパーはアンテナ内部に入っている部品で、抜け止めと同時に各段がガタ つかないように支える役目ももつ部品です。各部の寸法は伸縮時の長さ決定の際に関係してき ます。

実際に製作してみて分かったことですが、伸縮時それぞれの長さもさることながら、大事なのは「伸ばすときに指でつまめる部分」、つまり「縮めたときに2段目からのぞいている1段目部分の長さ」でした。

事実このペンは2本作成しましたが、1本はこの部分の長さが短くて、伸ばすときに指がペン先に触れてしまいます。ペン先からインクがボテていれば指先がインクで汚れますよね。
私の指はやや太め。参考までに書きますと、右手親指先の幅が約19〜20mm、人差指は約17mm。ちなみに左手薬指の指輪サイズは19号(笑)
でいろいろ試してみたところ、私の場合この部分の長さは15mm以上必要なようです。

この寸法、試作1号機では18mm、2号機は10mm。2号機は指先に力を入れてつままないといけないのでちょっと使いにくい失敗作です。
ただこの長さは伸縮時の全長と密接な関係にあるので、慎重に決める必要があると思います。


■寸法決定の計算式

さて各部の寸法を決めましょう。もう一度各パーツの画をみながら以下の計算式をご覧下さい。
ただし実際に製作するとあっちこっちで誤差が出るのでアバウトに設計するのがポイントです(笑)。

  1. 伸ばしたとき
    替え芯67mm−ストッパーのイボより前 になる部分11.5mm+2段目(b)mm+ネジのアタマ1.5mm+誤差1mmくらい
    =67mm−11.5mm+b+1.5mm+1mm
    b+58mm
  2. 縮めたとき(収納場所ギリギリより少し余裕を持たせること)
    1段目から出るペン先の長さ7mm+1 段目(a)mm+ネジ部(c)mm+ネジのアタマ1.5mm+誤差1mmくらい
    =7mm+a+c+1.5mm+1mm
    a+c+9.5mm
  3. つまみ部分の長さ
    1段目(a)mm−{2段目(b)mm−ネジ部 (c)mm+誤差1mm}
    a−b+c−1mm

以上の3つの式からa,b,cの3変数を導き出せばOKです。
この内(c)の長さはネジの長さなのであまり自由度はありません(ネジを切断するのは難しいから)。さらに替え芯の長さが決まっているので(a)は最低でも65mmは必要。
(c)を通常いちばん短い3.5mmとすると縮めた時の長さは78mmとなり、これより短くはできないことになります。このときつまむ部分の長さを15mm以上取ろうとすると(b)は52.5mm以下でなければならず、伸ばしたときは110.5mm以下になります。

意外と自由な長さにはできないもんですね(長くするのは楽ですが)


ちなみに私の作った2本は、

  1. 110mm以上(以前使っていた手帳用ミニシャープペンの長さ)
  2. 83mm以内(収めなければならないケースの内寸)

を目指して作りました。けっこうギリギリですね(笑)
ただし前述したようにつまむ部分の長さは考えていなかったのでa,cとも適当に決めてしまったため失敗作ができてしまった、というわけなのです。今なら1)2)3)すべてが決められますから楽勝っすね!

参考までに成功作の方では
  a=68mm,b=54mm,c=3.5mm
となっています。組み立ててみると計算とわずかに違ってました。

  1. 計算113mm 実寸112mm
  2. 計算81mm 実寸81.5mm
  3. 計算16.5mm 実寸18mm

写真

ま、これは愛嬌ということで。

それでは設計値に合わせて各部品を加工しましょう。

<- 目次 ->
Copyright 2001-2002 MM三太, Hideo Morotomi
感想、要望は、moro@deneb.freemail.ne.jp又は、掲示板へお願いします。
個人的にはMAILより掲示板に書きこんでもらえた方が嬉しいです。
当Web Site に関する補足事項