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CMぎらい

 僕は、少年のころから民放のテレビをあまり見ず、NHKばかり見て過ごしてきました。思えば不思議な少年でありました。
 理由はいろいろ考えられますが、どうやら結局、テレビコマーシャルがきらいだから、というところに行き着くようです。

(2001.05.05)


 NHKのテレビ番組しか見なくなったのは、小学校6年生のころ(1979年)からだったと思います。
 毎日夕方、NHKで「600こちら情報部」という子ども向けの情報番組があり、欠かさず見ていました。系譜としては、今の「週刊こどもニュース」に連なるものですが、もう少しやわらかい感じでした。
 放送内容の例を挙げるならば、「翔んでる職業!! ファッションモデル」とか、「ビバ!! 国際児童年“ゴダイゴ”」とか、「空中散歩!! これがモーターハング」とか、「官邸直撃訪問!! 大平さんに聞く」とかいった具合。
 「マンガよりも面白く、塾よりもためになる」というのがコンセプトで、なるほど、小学生の背丈にちょうど合った魅力的な番組でした。
 「イラストコーナー」もあり、僕の投稿した作品が「きょうのナンバー1」に選ばれ、立派なバッジをもらったこともあります。そうすると、さらに熱心に見るようになるわけです。



 リモコンがなかった時代ですから、このようなひいきの番組がひとつ出来ると、チャンネルを他局に替えるのがなかなかおっくうで、引き続き夜までNHKのチャンネルのままになったりしました。
 とはいえ、そういう物理的な事情だけで民放の番組を見るのをやめたわけではありません。
 何というのかなあ、思春期の潔癖性のような、性格的なものが関わっていたとでも、とりあえず言っておきましょうか。
 小学生の僕の目からは、民放には軽薄で安易な「おふざけ番組」が多いように見えました。といっても、「8時だョ!全員集合」のようなのは好きでした。この番組は職人的に作りこんであって、軽薄な印象は受けませんでした。それとは別に、元手をかけずに、ばかなタレントを使って、人をからかったり失礼なことをしたりする番組がありますね、昔からああいう番組は多かったのです。
 見ていると、こちらの品性までいやしくなるような、こちらの頭まで悪くなるような気がし、「これよりはNHKのほうがずっといいや」ということになるのでした。


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