わんだふる 白神ブナの森

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           1. 二つ森 (9月22日(土))
           
2. 白神岳 (9月23日(日))
           
3. 白神林道 (9月23日(日))
           4. おまけ・八幡平 (9月24日(土))

2.白神岳 (9月23日(日))

 9月23日(日)、5時過ぎに起きた。やや寒かったが、空は快晴である。絶好の登山日和といったところであろう。5時45分に宿を出発した。道は能代に向かって南下、およそ15分で白神岳登山口の標識があり、そこを左折する。10分ほど登ると、大きな駐車場(標高240m)に到着した。すでに車も10台くらい入っていた(前日入っていたのか、テントも一張りあった。恐らく、この駐車場も白神山地が世界遺産に指定されて、慌てて作られたようだ。トイレも整備されていた。
 昨夜作ってもらっておいたおにぎりを急いで食べ、6時15分に出発した。100mくらい舗装道路を歩くと、山道の入口に着く。そこには、大きなブナが立っており、登山者を迎えてくれる。ここから緩やかな登り道であるが、ブナはあまり見られない。ミズナラ、カエデの広葉樹とスギ、アオモリヒバの針葉樹が多いようだ。

 7時に二股コース分岐点(標高およそ400m)に到着した。ようやく朝日が輝き始めた(西側斜面なので、朝日は遅くなる)。ここからマテ山までやや急なジグザグの登りになる。ブナとミズナラが優勢になってくる。道を歩いていると、樹上がガサガサと騒がしくなった。よく見るとサルが十数頭群れており、木の上や地上からこちらの様子をうかがっているようだった。野生のサルの群れを間近に見たのは初めての経験であった。途中に2、3か所水場があり、喉を潤すことが出来た。

 8時15分にマテ山分岐(標高およそ840m)に到着した(マテ山の山頂は近いようだが、行かなかった)。ここからはやや緩やかな登りとなり、ブナの原生林となる。ブナは巨木というような大きな木は見られなかったが、それでも直径50cmほどのブナがたくさん登山道脇に立っていた。その他に観察できた木は、ミズナラ、ダケカンバ、ホオノキ、シナノキ、クロモジ、アオモリヒバ、イタヤカエデ、オオハウチワカエデなどである。


ブナの森 樹上のサルの親子
 およそ1000m付近から登りは緩やかになり、9時30分頃森林限界に到達する。急に展望が開け、振り返ると日本海が輝いて見えた。白神岳の頂上も右手に見えた。ここからクマザサの草原を急登する。途中、ナナカマドやリンドウ、アキノキリンソウが見られた。およそ30分ほど登ると、ようやく白神岳の稜線(標高およそ1200m)に到達する。ここで初めて山の反対側(世界遺産で指定された白神山地)が見渡せる。
森林限界からの日本海 白神岳頂上(後ろは岩木山)
 ここから山頂まではなだらかな稜線で、左にブナの森、右に日本海を見ながらのパノラマコースである。立派な避難小屋の前を通って、およそ15分で山頂(標高1232m)に到着した(10時20分)。山頂からの景色はたいへんすばらしく、360度見渡せる大パノラマである。東北には岩木山がくっきりと見え、東には八甲田山まで見渡せる。はるか南には、男鹿半島も見えた。南東には、昨日登った二つ森も見えた。すぐ手前には、白神山地の最高峰、向白神岳(1243m)が見える。
 山頂は平であるが、やや狭く、連休のせいか登山者が20人以上おり、混雑していた。ここで、昼食(これも昨日宿で作ってもらったおにぎりである)とコーヒーをゆったりととった。昼食をとっている間も、登山者がぞくぞくと上がってきた。
 11時30分、山頂を後にする。12時45分、マテ山分岐、13時30分に二股コース分岐、そして14時40分、ようやく駐車場に到着した。およそ8時間半の行程ではあったが、疲れや足の痛みは感じなかった。ここから、白神林道を通って、どこかで宿を探す予定である。




3.白神林道 (9月23日(日))

 3時、駐車場を出発し、昨日宿泊した岩崎へ戻り、そこから白神林道(弘西林道)に入る。美山湖までおよそ40Kmくらいというので、5時前には着くと思ったが、ちょっと甘かったようだ。関東でも狭い山道は何度もドライブしており、慣れているつもりであったが、こちらは、距離が長く、かつ未舗装で、アップダウンも多く、なかなか厳しい山道であった。最初は、笹内川沿いに走り、最初の峠、一ツ森峠を越える。その後一度追良瀬川まで下り、それから再び急な山道を登り、天狗峠を越える。続いて、明石川まで下り、そこからみたび急な山道を登り、3つ目の峠、津軽峠を越える。そこを下ると、ようやくオートキャンプ場のある鳴門大橋に着く。これらの3つの峠はすべて標高800mくらいの高さである。途中道路そのものが危険といった箇所はなかったが、狭いジャリ道を休憩無しで、長距離走ったため大変疲れた。もちろん、山はブナに覆われていたはずだが、運転しているので木々をゆったりと観察している余裕などはまったくなかった。
 鳴門大橋でもう暗くなり始めたので(5時頃)、このキャンプ場で泊まることも考えたが、明日の帰りが心配なので、できるだけ弘前の近くまで行くことにした。ここからは舗装道路であるが、美山湖に着く頃は暗くなってしまい、まわりは暗くて見えなくなった。いろいろと宿を探したが、満員で断られた。さらに下って、岩木山近くまで行き、そこでも宿を探したが、すべて断られた。
 やむを得ず弘前まで行くことにした。弘前には7時頃に着いた。ここでビジネスホテルを探したが、学会があるのでどこも満員だという。そこのホテルの知り合いの人が経営している小さな旅館(食事なし)を紹介されたので、そこに泊まることにした。



4.おまけ・八幡平 (9月24日(月))

 朝5時過ぎに起き、5時45分に宿を出た。気温は低いが、空は快晴である。このため、東京へまっすぐ帰るのは止め、急遽八幡平(アスピーテライン)を通ることに変更した。大鰐・弘前ICで東北道に乗り、一路南へ走り、7時頃鹿角・八幡平ICを降りた。ここから八幡平に向けて走る。やや狭いところもあるが、朝早いせいもあってか車は少なく、快適な道であった。8時15分に八幡平の駐車場に到着した。

 まだ時間的に余裕があると思い、八幡沼を一周し、八幡平頂上まで散策することにした。ここは、20年以上前に、山歩きで来たところであるが、ほとんど思い出せなかった。(その時は、東北本線で盛岡まで来て、茶臼岳から八幡平、後生掛温泉、ここで一泊し、翌日は焼山、玉川温泉、蟹湯で一泊といったコースであった)。写真でお分かりのように、空は晴れ渡り、とても快適なハイキングであった。所要時間はおよそ1時間である。



八幡沼 八幡沼湿原

 10時に八幡平を出発したが、やや遅くなったような気がした。10時半頃、松尾・八幡平ICから東北道に乗り、東京へ向かった。疲れていたので、途中で仮眠をとっての運転となった。栃木に入る頃から車が渋滞し始めた。夕方6時頃には着けるかと思ったが、甘かったようだ。八幡平で遊んだのがまずかった。ようやく家に着いたのは9時であった。さすがに、まる三日間のドライブと山登りは体にこたえたようだが、晴天に恵まれ、気分は爽快だった(ちゃんと翌日は出勤しました)。


                                                   2001年10月14日 完

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