わんだふる 白神ブナの森

はじめに
 9月21日(金)の夜から24日(月)の3日間、東北青森の白神山域(ブナの森)へ行ってきました。日本の山なので、特別報告することもないかと思ったのですが、東京からはかなり遠く、関東以西の方々で行かれた方は少ないかと思い、情報提供の意図で報告します。私自身、今まで行った東北の山の中で一番北の山は八幡平になります。そのため、地理感覚がよくわからず、とりあえず山の地図を急遽買い求め、それを頼りに車で出かけました。ちょっと強行軍でしたが、とてもよい天気に恵まれ、白神山域とブナの森をたっぷりと楽しむことができました。
 なお、途中で写真を挿入したり、文章の一部を書き換えたりすることがあるかと思いますが、ご了承ください。
                                                         2001年10月7日(日)
      
1. 二つ森 (9月22日(土))
      
2. 白神岳 (9月23日(日))
         
3. 白神林道 (9月23日(日))
          4.  おまけ八幡平 (9月24日(月))

 <行程概要>
 21日(金)夜8時に自宅を出発し、東北自動車道に入り、一路北へ向かいました。最初は土砂降りの中の走行となりましたが、栃木あたりで雨は上がりました。夜の2時ころ、盛岡の手前の平泉・前沢SAに到着し、ここで仮眠をとりました。車の中で寝袋に入って寝たのですが、その日は山に初雪が降るほどの冷え込みとなり、ときどき目が覚めるほどの寒さでした。
 翌日22日(土)は、5,6度と冷え込みましたが、快晴となりました。6時に起き、すぐに北へ向かって出発しました。小坂IC(十和田湖ICの次)を降り、西へ向かい、能代から北へ、日本海沿いに進みました。八森から二つ森(かつて白神山地のブナを守るために中断された青秋林道になります)を往復し、再び北へ向かい、岩崎に宿をとりました(満員のところが多く、宿を探すのに苦労しました)。
 23日(日)も快晴でした。6時には宿を出て、本命の白神岳を登山しました。3時前に戻り、岩崎を経由して、白神林道(3つの峠を超えるハードなドライブです)を西から東へ走り、暗くなってからようやく弘前に到着しました(途中で宿を探しましたが、すべて断られました)。
 最終日24日(月)は、6時に出発、弘前ICから南へ向かいましたが、矢板の前から渋滞に巻き込まれ、夜の9時にようやく家にたどり着きました(快晴のため、途中八幡平に立ち寄りました)。

1.二つ森 (9月22日(土))

 平泉・前沢SAを6時20分に出発し、一路北へ向かった。空気は冷たいが、空は晴れ渡り、快適なドライブである。9時に小坂ICを降り、西へと向かった。能代までの一般道路はきれいで、渋滞はなく、道に迷うこともなく順調に走ることができた。能代の市街地も比較的楽に抜けることができたが、途中から雲が多くなり、にわか雨にも遭ってしまった。30分ほど日本海岸沿いを走り、鹿の浦という景色のよい海岸で昼食をとった。イクラ丼、刺身、それに焼きイカを食べたが、どれもおいしく、また安かったので、感激してしまった(単純なので、すぐに感激してしまいます)。
 鹿の浦から八森まで行き、そこから右へ、二つ森に向かって登り始めた。山に入ると山頂は雲に覆われており、やや暗い気持ちとなった。道路は舗装されており、ぐんぐん高度を稼ぐ。途中、道の真中に熊らしきものを見つけた。熊は慌てて山側を登っていった。カナディアンロッキーズでもグリズリーに出遭ったが、まさか東北の山で見かけるとは想像もしていなかった(こちらは車なので、別に危険は感じなかったが)。40分くらい登ると、二つ森登山口(およそ800m)に着いた。ここは20から30台くらい止まれる駐車場、それにトイレと避難小屋もあった。すべて最近整備されたようで、トイレも小屋もログハウスで、きれいである。車は5,6台駐車していた。雨が降りそうな天気であったが、なんとかもちそうだったので、ここから二つ森まで往復(約2時間)することにした。

 登山道の入口には、新しい掲示板もあった。12時15分出発。登山道はよく整備されており、ところどころに木道が敷かれており、歩きやすい。ただ、前日あるいは先ほどの雨の影響か、ぬかるみが多く、閉口した。また、あまり人が入らないようで、クマザサが張り出しているところも多く、クマザサをかき分けるところもあった。


すぐにブナの木が現れ始める。ブナの他には、ダケカンバ、オオカメノキ、イタヤカエデやハウチワカエデ、コミネカエデ、それにナナカマドなどである。林縁はクマザサが多い。途中には、あたり一面がブナの林といったところがあり、きれいであった。ただ、山道の脇には、ブナの巨木といったようなものは見当たらなかった。最後の山頂までちょっと急な登りとなる。1時15分山頂(1086m)に到着した。


登山途中のブナの森 山頂から白神岳方面を望む

山頂付近はクマザサに覆われた草原?であったが、花はあまりなく、ヨメナやヒヨドリバナ、キンミズヒキを見付けたくらいである。曇り空ではあったが、山頂からは360度の景色を望むことができた。東側の山々(世界遺産指定地域)はブナの木で覆われ、なかなか壮観であった。北西の方には、明日登る予定の白神岳も遠望できた。北東には、はるかかなたに岩木山までが眺められた。西は日本海が広がっており、輝いて見えた。
 帰り際に、二人の親子(母親と娘)を連れた山のガイドさんに会い、話しを聞くことができた。ガイドさんによると、今年はブナの実が少なく、ネズミが多く(すなわちブナの実をたくさん食べる)、またそのためか、熊がよく出没し、海岸まで出てきているとのことだった。やはり来る途中で見たのは熊に間違いないと思った。2時15分に登山口にたどり着いた。
 山を下り、八森から再び北へ向かった。宿を決めていないので、あちこちに電話をしたが、すべて断られてしまう。途中十二湖という観光地(といっても、山の中ではあるが)によって、ログキャビンを探してみたが、食事は出せないというのでここも断念した。ようやく、岩崎村で旅館(静観荘)が見付かり泊めてもらうことにした。
 旅館には、鉱泉で沸かし湯であったが、とてもよい温泉風呂があった。料理も日本海の新鮮な魚貝類がたくさん出て、とてもおいしかった(宿泊代は一人8000円で、これはリーズナブルといえる)。


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