中軽井沢・アウトレット・東急ハ―ヴェスト旧軽・セゾン現代美術館

2014年9月5-8日、グリーンウッド夫妻は避暑のため、2泊3日の予定で、中軽井沢の親戚の別荘に滞在した。行きも帰りもジープでほぼ完成した圏央道、関越経由で軽井沢往復した。

第1日(9/5)

寒川南ICから部分完成の圏央道にはいるがすぐ寒川北ICで一般道に放り出される。海老名ICからは全て高速道路だ。便利になったが、味気ない。途中2回 SAけ休憩と昼食をとって、佐久ICで降りる。軽井沢ICの看板を見落としたのだ。

約束の時間までの時間潰しにアウトレット(軽井沢プリンス・ショッピング・プラザ)で過ごす。ほとんどは国際的なブランド品だが一つだけ地元産のワインと かジャムがあった。農水省が六次産業の優等生と認定したサンクゼール(St. Couasair)ブランドだ。容器やラベルは垢抜けているが、味はいまいち。



軽井沢プリンス・ショッピング・プラザにて


たまたま別荘のオーナーの義姉が、外食産業向け卸売業葛v世をよく知っており、サンクゼールの創業者はその創業者の三男坊だと教えてくれたので、更に詳しくしらべてみた。

いままで日本経済はグローバル経済一辺倒できたが、グローバル経済に敗けるようになると巨大国際企業のトリクルダウンはあまり期待できなくなる。そうする とサンクゼールのようなローカル企業を育てないと国が崩壊する。NHKが提唱する里山資本主義、農水省がいう六次産業はどうなっているのか興味を持っていたので少し調べててみた。





サンクゼール創業者の久世良三は創業75年の外食産業向け卸売業葛v世(社員400人、創業二世は久世健吉)の創業者の三男坊である。1950年東京生 まれの東京育ち。慶應 義塾大学を卒業後、実家の営業を3年間手伝っていたが、父を口説いて1975年斑尾高原で念願のスキー客向けペンション営業をはじめた。しかし経営は苦 しかった。まゆみ夫人が飯山市の地元の新鮮なりんごを使って、砂糖を極力抑えた無添加のジャムをつくりペンションの朝食に出したところ評判を呼んだ。久世 は手 作りジャムの本格的な商品化を計画。ペンショ ン経営の傍らジャムの製造販売業をスタートさせた。商品開発 はまゆみ夫人、営業と配達は久世が担当。工場はペンションの厨房、 倉庫はジープの荷台というささやかな規模だった。まもなく、信州中野市に小さな倉庫と事務所を借り、地元の工場へ信州産の原料を 持ち込んでジャムを作ってもらうようになった。本格的に商品化したまゆみ夫人の手作りジャムは徐々に市場に広がり、 久世はジャム作りに専念する決断をした。ペンションを売却し、1982年資本金500万円で斑尾高原農場(現社名・(株)サンクゼール) を設立。農業立村の将来像について検討していた長野県北端の三水村(現 飯綱町)の村長との出会いがあり、小高い丘の上に念願のジャム工房とレストランを建てた。“サンクゼール・ワイナリー”は同じ敷地に1988にワイン試験 製造免許取得し、翌年には農業法人を立ち上げてから20回以上の秋のぶどう収穫と、ワイン造りで今に至る。社員数300人。まさに父は外食産業の食材の輸 入販売業で成功したグローバル経済の体現者、三男はこの家業をつぐことを拒否してローカル経済の組織者になったわけで親子でその時代を代表する産業を立ち 上げたことになる。

ただNHKの里山経済の本質である地産地消の理念はなく、定番の結婚式場や観光ワイナリーに投資してもブドウ畑への投資が見えない。モデルとしたフランスやイタリアのシャトーとは本質的にちがう。農水省の提唱する六次産業なんてこんなものしかない。

星野温泉で汗を流し、イタリアンの夕食。

第2日(9/6)

朝食は旧軽の東急ハーベストに出かけた。



東急ハーベスト


朝食後、大賀ホール周辺を散策。大賀ホールは音響効果がよくなく、軽井沢にとっては今や重荷だという。

旧軽井沢の愛宕山山麓にあるI氏の別荘にうかがう。裏は作家有島武郎の別荘(浄月荘)家があったところだ。婦人公論記者で人妻であった波多野秋子と心中した有名な場所だ。I氏はグリーンウッド氏と同い年で三菱石油の社員であったとい う。事務系の人のようで、あまり話は合わない。奥様の別荘に同居しているという。



I氏の別荘

千住博美術館にゆく。絵は兎も角、西沢立衛設計の建物が、地形を利用してすばらしい。



千住博美術館

中軽井沢の「ツルヤ軽井沢店」で買い物。品揃えは別荘族相手のため、豊富で贅沢。午後はこ れを料理して食べ、昼寝。

義姉の孫が漫画家になりたくて早稲田に入り、漫研で修業後、プロのアシスタントで数年修行 したのち、独立して角川の漫画誌ハルタvol2に発表した作品は「ふしぎの国のバード」だという。イギリスの女性旅行家、紀行作家イザベラ・バードが主人公だ。明治時代の東北地方や北海道、関西などを旅行し、その旅行記"Unbeaten Tracks in Japan"(日本語題『日本奥地紀行』『バード 日本紀行』)を書いた。目下スタッフ3名つれて北海道取材旅行中だという。

第3日(9/7)

佐久の片山肉店にでかける。帰りは1000m林道で帰り、英国人の経営する骨董屋や謎のオーナー(一時ビルゲーツと言われた)が建設した巨大な地下別荘な どを観る。

セゾン現代美術館の庭園を散策後、付属カフェテリアで昼食。味も良く、観光客も少なく、別荘族には最高のレストランだ。



セゾン現代美術館のアプローチ


帰って「ソフィーの世界」 を読む。

第4日(9/8)

朝食後、軽井沢ICから高速に乗り、逆コースで帰宅。ただし出口は南寒川ICではなく、新湘南バイパスの藤沢で高速を出る。

September 11, 2014

Rev. July 6, 2016


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