2001年7月、wakwak山歩会は 第15回定例登山として浅草岳と谷川岳連続登山に2泊3日の予定で出かけた。
浅草岳(標高1,586m)は新潟と福島の県境にそびえ、山頂付近に広がるお花畑で有名な1等三角点である。谷川岳(標高1,963m)は新潟と群馬の県境に連なる連峰。その東壁は険しい岩壁で魔の山として有名。標高の高い部分が蛇紋岩や海洋地殻の玄武岩などからなり,標高の低い部分が花崗岩類でできてる。花崗岩類の分布域ではあまり岩石の露出が多くはないが、1,516m より上は,花崗岩類による接触変成作用を受けた蛇紋岩に変わる。
第1日、7月16日(月)
ルートはJR橋本駅 北口8:00集合→ 八王子バイパス→滝山街道→圏央道・関越道 → 塩沢石内IC →塩沢昼食(12:00)→清水街道→巻機山清水登山口
浅草岳登山口の音松荘に夕方到着には時間的余裕があるため、巻機山(1967m)と八海山(1654m)の登山口までの視察も行うことした。
日本百名山にリストアップされている巻機山の登山口の清水には民宿も数軒散見された。沢登など素人にはむずかしそう。
清水登山口から仰ぎ見る巻機山の割引沢の雪渓と天狗岩
塩沢大和線経由で六日町に入り、八海山登山口となる六日町八海山スキー場を視察。八海山は高くはないが、山頂は岩場となってけわしい。
六日市からみる八海山
浅草岳は日本百名山にはリストアップされていない。新潟側から登山する予定であるが、時間があるので福島県側からの登山 口も視察しようと17号→小出町→入広瀬村→六十里越経由只見線の田子倉駅を訪問。途中田子倉湖越しに毛猛山(1,517m)の雄姿を見る。とって返して 当日の宿舎音松荘(Hotel Serial No.188)に夕方到着。六十里越では強い夕立に遭遇した。かって土砂崩れで六十里越ができなかったことを思い出す。
第2日(火)
4:30起床。車で林道経由ネズミモチ平に移動、駐車、登山開始5:40。途中朝食のための休止を入れて急坂を一気に登り、前岳に至る。まだ残っている雪渓をトラバースして浅草岳山頂に至る。雪渓の近くにヒメサユリの群落を発見。
浅草岳のヒメサユリ
山頂からの視界は運悪く雲のためゼロ。守門岳もついに姿を現さなかった。かわりに塩崎慎治氏が国土地理院の地図から作成した3Dグラフィックを浅草岳山頂から 俯瞰する360度パノラマで仮想眺望を楽しむことができる。鬼が面山の上部、下の写真の早坂尾根も先端がすこし見える。
浅草岳山頂
11:00と少し早いがここで昼食。山頂の祠の基礎石の上は山大将の日向ぼっこの場所らしく、逃げもせずとぐろを巻いていた。山頂からはDocomo携帯が使えることを確認。音松荘では使えない。
ピンク色のイワカガミ、至仏山にもある黄色なハナニガナ、そして白色のミツガシワ、鳥海山にもある黄色のキンコウカ、イチョウランなどが咲いている。
ミツガシワ
イチョウラン
帰路は桜ソネ 尾根のダラダラ坂を桜ソネ駐車場まで降る。(2:00)途中鬼が面山の険しい岩壁が一瞬雲の切れ目から姿をあらわすがカメラを取り出す間もなく見えなくな る。桜ソネ駐車場からネズミモチ平までは林道を30分歩かねばならぬ予定であったが、幸い通りがかりの車に乗せてもらう。入広瀬村営の洞窟風呂(Hot Spring Serial No.164)で汗を流して浅草岳登山を完了。
浅草岳の前岳付近からみる早坂尾根
小出ICから水上ICまで関越一気に移動。昨日と同じく車中夕立を経験。谷川岳登山口の土合の土合ハウスに到着。(Hotel Serial No.189)雨は上がる。(5:00)まだ明るいのでブナ林に満たされた湯檜曽川沿いの美しい林間道路を一の倉沢に移動し、日没前の一の倉沢に初めてご対面。その迫力にさすが谷川岳と感服。土合ハウスでは9:00就寝。
第3日(水)
朝食前に再度一の倉沢に行き、旭日を浴びる一の倉沢を再度鑑賞し写真撮影をする。アバランチシュートが発達した岩壁はみごとと言おう他ない。 小泉武栄著「山の自然学」によるとこの様な岸壁は断層によってできたらしい。
土合ハウス前の土合駅の構造が複雑で、興味を持ち、朝食前に探検をした。登り線に使われている清水トンネルは古いらしく 湯檜曽温泉近くでループ状に掘られていて、土合駅では地上に出ることができるため、ホームは地上に設置されているが、その後掘削された今下り線に使われて いるトンネルはループが無い分地下にせざるを得ず、ホームは地下に設置され、登山者は土合駅にでるまで数百段の階段を登らなければならない構造になってい ると推察した。土合ハウスで朝食。一の倉沢を登坂する技術は持たない身のこと、当然ここは敬遠してロ-プウェイ使用の天神平経由の登山とする。週日は8:48にならないとロ-プウェイは運行してくれない。
旭日を浴びる谷川岳 一の倉沢
8:48運行開始の天神平ロープウェーで天神平から天神尾根の登山開始。天狗の溜まり場などを経由して12:00、肩の
小屋到着。ここで昼食。携帯が使えることを確認。あいにくの雲で視界はゼロ。雲の中をトマの耳とオキの耳を往復。トマの耳とオキの耳の東斜面がマチガ沢の
上部である。オキの耳から一の倉岳の間が一の倉沢である。
「日本百名山」によれば昔は谷川岳は耳二つと呼ばれていたそうである。
オキの耳から見たトマの耳
山頂近辺には会津駒ヶ岳にもあるハクサンフウロ、ニッコウキスゲ、シモツケソウ、ヤマブキショウマ、湯の丸高原池の平にもあるウスユキソウ、ミヤマシャジンなどが咲いていた。
シモツケソウ
ヤマブキショウマ
ミヤマシャジン
肩の小屋から天神尾根を2:00に降り始めると小雨が降り出した。4:00に天神平着。往復1万5千歩であった。谷川温泉の町営温泉「湯テルメ谷川」(Hot Spring Serial No.163)で疲れを癒す。ここの露天風呂は見事なブナの大木の下にあり気分がよい。
6:00水上ICから逆コースで帰る。途中猛烈な夕立に遭う。高坂SAで雨があがり、ここで夕食。9:00橋本駅着。自宅には11:00着。
浅草岳(標高1,586m)は新潟と福島の県境にそびえ、山頂付近に広がるお花畑で有名な1等三角点である。谷川岳(標高1,963m)は新潟と群馬の県境に連なる連峰。その東壁は険しい岩壁で魔の山として有名。標高の高い部分が蛇紋岩や海洋地殻の玄武岩などからなり,標高の低い部分が花崗岩類でできてる。花崗岩類の分布域ではあまり岩石の露出が多くはないが、1,516m より上は,花崗岩類による接触変成作用を受けた蛇紋岩に変わる。
アクセス
浅草岳と谷川岳へのアクセスルート(橙色)
2001/7/20
Rev. July 10, 2016