シリアル番号 | 873 |
書名 |
トリプルボトムライン |
著者 |
エイドリアン・ヘンドリックス、ジュリー・リチャードソン |
出版社 |
創成社 |
ジャンル |
環境 |
発行日 |
2007/4/25初版 |
購入日 |
2007/8/3 |
評価 |
良 |
原題:The Triple Bottm Line does it all add up? by Adrian Hendriques, Julie Richardson
亜細亜大学経営学部教授大江宏先生から贈呈された。先生が同僚の小山良氏と共訳した本である。この本は多数の寄稿者の論文集の形式をとっている。
企業の社会的責任(CSR)や持続可能な発展(SD)の概念を発展させて、企業が経済的な繁栄、環境の質、社会的公平性の三つを同時に達成さえるという目標をたてて活動することをジョン・エルキントンが1994年にトリプルボトムライン(TBL)という新語で表現して以降この言葉は広く使われるようになった。
ジョン・エルキントンが行った企業の4つのタイプの分類が面白い。ここで紹介すると
影響力小 | 影響力大 | |
再生的 | チョウ型 | ミツバチ型 |
非再生的 | いも虫型 | バッタ型 |
バッタ型からミツバチ型への転換が大切なことはいうまでもない。
達成の手法としてトップダウンとインサイドアウトのアプローチがある。
多国間を束ねる単一国家は存在しないのでこれに順ずる国連や国際標準機関(ISO)などが社会的責任のガイダンス規格(ISO26000)を作成中とのこと。これなどはトップダウン方式の一つだ。
このような提言がなされてはいるがしかし経済学は未だに人間活動による環境劣化を体系に組み込み終えていないところが最大の問題だろう。