読書録

原題：Beyond The Limits 副題：Confronting Global Collapse, Envisining a Sustainable Future

1972年3月に出版された「成長の限界」、原題：The Limits to Growthが世界に与えたインパクトは大きかった。

新聞でその存在を知っていただけであるが、MITのジェイ・W・フォレスター教授が開発したシステムダイナミックス理論で世界モデルを構築し、シミュレーションしたものであったとのこと。

本書は同じ3人の著者による20年後の本である。今回はアウレリオ・ペッチェイ主宰のローマクラブの委託ではない。そもそも３人の著者はフォレスター教授の弟子である。

システムダイナミックス理論は制御工学的メカニズムが生物や社会にも適用できるのではないかとということで意思決定の機構を模擬する手法である。

はじめはMITで開発されたシミュレーション言語ダイナモでプログラムされたが、その後、High Performance Systems, Incが開発したStella（iThink）で書きなおした。

化学工学誌1992年5月号に発表した、私のシミュレーション、「炭酸ガス排出量削減策のパラドックス」 も偶然にiThinkで計算したものである。