特定秘密保護法
国防機密保護の強化、スパイ防止法制定は必要だが、特定秘密保護法は秘密保護と知る権利を調整する国際指針のツワネ原則にほど遠いと米国のオープンソサイエティー財団は21世紀の民主国の秘密保護法で最悪の法律と深い
憂慮を表明している。
この法律をごり押しした石破幹事長は大声で反対をさけぶデモはテロだと恫喝してこの法案をごり押ししたが、その彼は2006年8月、防衛庁長官として毎日
新聞・鳥取版に
自民党内の若い議員を見ても、怖い。過去の戦争を「すべて正しかった」と考えていて、
頭は大丈夫かと疑いたくなる。日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国併合は植民地化で、自衛戦争の面がある太平洋戦争でも、インドネシアの人を日本人化し
ようとしたのは間違っていた。なぜ戦争を始め、途中で止められず、負けたのか――。そこから目をそらし、責任の所在を不明瞭にするのは愛国心ではない。戦
争を語ることがタブーとされてきた反動で、「戦争に負けた」と教わった昭和40年代前半までとそれ以降の世代の分水嶺が消え、社会が左から右に大きく振れ
ている。この2〜3年、大っぴらにナショナリズムが叫ばれ、不快だ。国は戦中、言論統制により新聞など批判勢力を排除し、従わなければ「非国民」と斬り捨
てた。なぜ同じことを繰り返すのか。そんなやり方では、国を誤っても幸せにすることはあり得ない。愛国心をあおって戦争し、負けたのが日本だ。
全文
と語っていたと田中さんから教わった・・・「巧言令色、鮮なし仁」。この毎日新聞のアーカイブは特定秘密指定第一号になるかも。
「劣化国家」を
書いた
ニーアル・ファーガソンなら石破は日本を「アクセス制限型」国家にし、国家を劣化させた男と断定するだろう。ヴォルテールの正しさを納得する。
この石破発言を読んだ原さんから
小生も石破茂には失望させられた一人です。添付メールで彼の防衛庁長官時の発言思い出
しました。当時これを聞いた時には、“本音かな?”という疑念は少しは抱いたものの自民党も棄てたものではないと見直す気になったものだった。が、最近の
彼の言動から見て当時の発言は人気取りのためのゼスチュアに過ぎなかったことは明らか。幹事長になったからと言って政治家としての立ち位置は変わっていな
い。秘密保護法案を強引に通した国会運営のやり方は戦前の軍部と同じで、“多少妥協した言動は止むを得ない”の限度をはるかに超えている。口先のごまかし
で成り上がった政治屋は軍備強化を謳っている安部一派より危険。これでは中国・韓国の反日は収まらないし、他のアジア諸国も日本に対して警戒心を解かない
でしょう。
と書いてきた。
同じく長谷川さんからも
石破氏に関するインタビュー記事を紹介していただきありがとうございました。再軍備と
いう祖父から受け継いだ信念を持って行動している安倍氏より、信念を持たない石破氏の方がずっと危険なのかもしれません。「ナチスを見習え」といった麻生
氏といい、「デモはテロ」という石破氏といい、この国の政治家は気がくるっているのではないか、と思ってしまいます。ハクスレーの「
すばらしき新世界」が
思い起こされる時代になってきたようです。自分の手で、平和や人権や知る権利や平等や、を獲得してこなかった私たち世代のひ弱さが露呈しているのでしょ
う。とはいえ、このままでいるとまたもや戦前のような国家犯罪を防ぐことが出来なくなるという危機感があります。今からでも、今迄空気のように与えられて
いた(と錯覚していた)諸々の権利を自分の手で取り返していかなければならないのでしょう。気の遠くなるような道のりです。
私は
原さんも言及していましたが確かに安倍より石破のほうが危険かもしれませんね。今、
NHKアーカイブの「司馬遼太郎からのメッセージ」を観終わったところです。12月8日という日米開戦の記念日と今回の特別秘密保護法成立にちなんだ番組
のようでした。新潮社の元編集長(女性)がでてきて彼女が司馬さんに「ノモンハン事件」の小説をかいてくださいとたのんだのですが、「それ書いたら私は死
んでしまうだろうな」と言ったそうです。「竜馬がゆく」を書くための調査費は当時の金で1,000万円かけたそうです。そして無論「ノモンハン事件」の資
料もあつめたけれどついに1行もかかなかった。そして昭和を舞台にした小説はついに書かないで死んだそうです。徴兵され、陸軍の戦車隊に編入されたが、そ
の戦車はヤスリで削れるような普通鋼で製造され、射程は600mでシャーマン戦車の1,000mに太刀打ちできない。群馬の太田に配属されたが、いざ首都
圏が攻撃されたら、避難民をひき潰して反撃せよと命令されたという。このような22歳の原体験で持った疑問、「どうしてこんなことになったのか」に答えることがその後の著作活動のモーティベー
ションだったという。しかし明治期までは書けても合理的精神と倫理をもった指導者を持てな
かった昭和の日本を書くことはつらかっらのだろうと
半藤一利氏はいっておりました。司馬遼太郎は今の日本を見ればなんというだろうかと?安倍も石破も麻生
も民主党の連中と同じで自分では法律条文を書けないので官僚に丸投げするからこういうことになるのでしょう。そして官僚はその見識も磨かず、というか磨くと
障害になるので素人のまま、エスカレーターで登ってきた連中です。その無能な官僚が適当に書きなぐっているだけではありませんか?政治家も政治家、みんなの党はわたなべの党に
なっていますし。
と返した。そして12月8日のNHKスペシャル「真珠湾攻撃の謎」について下記のように書いた。
原さん
今日のNHKスペシャルは英、米、ロシアの60年間にわたる情報封印が解けて新しい情報満載でしたね。
対米戦争へのポイント・オブ・ノー・リターンはドイツ軍の支配下にあるヴィシー政権の黙認による日本のインドシナ進駐でした。日本は指導グループが内向きのロジックで戦略を作り、その実施過程で新しい情報が入ってもそれを無視し当初の方針を変わることがありません。
これに対し欧米の指導者は集めた情報を100%利用して政策を変えてくる。
日本海軍の高須四郎少佐に雇われて主に米英に関する情報収集を行った元イギリス空軍少佐フレデリック・ラットランド(コードネーム新川)はロサンゼ
ルスのビバリーヒルズに住み、実業家を装い、高級クラブに通い、情報提供者のネットワークを築いていった。ラットランドは、頻繁に米海軍の造船所を訪れて調
査。ラットランドは英国空軍の元エースパイロットで、日本でもパイロット養成に携わっていた。
チャーチルは英国のトップクラスの学者を動員してエニグマの解読機をつくった。その技術で日本の暗号も解読し、蒋介石ルートを遮断するための日本のインド
シナ進駐計画を実施の2日前にチャーチルにもたらした。チャーチルはこれを新聞に故意に漏らし、駐日大使クレイギーを使って日本の南進について日本外務省に
懸念を申し入れた。日本側は情報漏洩に驚き、進駐の5日間の延期を行った。この間にチャーチルはハリファックス駐米大使を使ってルーズベルトに対日経済封
鎖を働きかける。ルーズベルトの財務次官補ハリー・ホワイト(
Harry Dexter White)はユーリストというソ連のスパイで、ソ連が東西の両戦線で戦うことをさけるために、日本の北進をとめるために日米を戦わせようとハルノートのドラフトを書いた。一方インドシナ進駐を受け入れる
暫亭案とよばれるものもあり、日本が仏印から撤退すれば経済封鎖はしないというものだった。これに対し、蒋介石は無論反対、英国の上海領事の日本軍の動向報告をスチムソン長官
が拡大してルーズベルトに報告したため、妥協案は吹っ飛び、ハルノートが出された。
新川
(にいかわ)こと、フレデリック・J・ラットランドは米国の二重スパイで日本敗戦後自殺、ハリー・ホワイトはソ連のスパイだったためマッカーシー旋風のとき不審死した。自殺とされている。
日本海軍のスパイの総元締め海軍武官横山一郎は部下をFBIに逮捕されるにおよんで、米国の拠点を閉鎖した。かれは1940年の米国の軍艦建造速度は日本
の数倍で、戦力の格差は増大一方だと本国に報告していたが、日本の指導部はそれなら差が開かないうちに決着をつけようと考えた。それはすでに無理と説いた
が完全に無視された。
当時の日本の指導グループの内向きのロジックで戦略を作り、その実施過程で新しい情報が入ってもそれを無視し、当初の方針を変わることがないと
いう特質は今も何も変わっていない。したがって、どんな立派なスパイ組織をつくっても情報を利用する能力はなく、破綻するまで当初の方針を変えることがな
いと予想できる。秘密保持法は指導部が内輪の思い込みで立案した戦略を外部に漏らさないだけという役目しかなく、国民を共づれにして自爆に落ち着くという結果しか予想
できない。
ところで日本の暗号解析能力はどうなっているのだろうか?私の古い知識ではスパコンで100桁の素数の割り算ができないと解けないとのことだが。
でも歴史とは面白いもので日本の仏印進駐は米国がその後、ベトナムで泥沼にはまり込む原因となっている。
原氏から次のメールが来た。
日中戦争を始めた頃から第二次大戦終了までの期間における日本の政・官・軍の指導者の
無能を通り越した無責任極まる言動はどこから来たのか判らないが、こうした行為は一人や二人の傑出した人物の指導に依ってなされたものではなくたくさんの
エリートが加わった集団の総意としてなされていることに脅威を感じます。このエリート集団がそのように教育されロボット化されていたから、”大勢の総意”
形成(全体としての方向について決めないから夫々が勝手な方針で突き進む、と言ういうのが総意となる)は容易だったと言えるかも知れないが、誰(外国の)
に強制された訳でもないのにこれ程長い期間に亘ってこうした愚かなシステムに国が動かされたのは何故?こう言う状況がしばらく続いた時には、”おかしい”
と異を唱える人がもっと多く出て来るのが普通(欧米は勿論ロシア・中国のおいても)なのに日本のこの時期にはあまり多くなかった。ブリキ程度の鉄板製装甲
車を戦車として戦場に向かわせる程の愚かさに司馬遼太郎も匙を投げ出してしまったが、それ程に日本人の程度は低いのか?自己の欲望達成の為には手段を選ば
ない人間が集団形成する能力はどこから来るのか?結局は、保守反動一色の安部自民党を為政者として選ぶ一般民衆の民度が低いからなのだろうが‐‐‐。
かようにいろいろ考えていると嫌になって来ますね。
私の返答は
日本ではなぜ賢い指導者がでてこないのか、私も長年考えてきました。日本人のノーベル
賞受賞者もでているしでDNAには問題ないのは確か。そこで浮かび上がるのは国の仕組みとか、人々の意識にあるのでしょう。日本では縦割りの組織または集団の壁が
厚くかつ深い。ここまでなら英米と同じ仕組み。違いはこの集団の壁を越えて人が移動することが難しいことでしょう。昔から脱藩は死を賭しておこなうこ
とだったわけで、この裏切りを許さない風土、精神構造が原因なのでしょう。個が確立しておらず、集団に寄り掛かるという風土もあるでしょう。だから日本では転職はほとんどしない。転職を繰り返した原さんは平均的日本人で
はないというわけです。それでも国境を越えてはじめて可能となったのでしょう。だからそれぞれの集団が利益集団とならざるをえず、それぞれの集団が利益最大化に努める
ことになる。それぞれが部分最適化にはげみ、グローバル最適化には無関心となる。日本の利益団体の典型は戦前なら陸軍と海軍ですね。
陸軍は北進、海軍は南進を主
張しないと自分の存在理由を主張できない。そして自分の行動が世界を敵に回していることに気が付かない。なかには気が付いた人もいるが、利益集団の掟に逆
らえば裏切り者となる。それを首相がグローバルな立場で調整しようとするとそれぞれの利益団体内でそそのかされた若手過激派に暗殺されてしまう。だからビ
ビッてみな知らぬ顔で利益団体の好き勝手にさせる。というわけです。集団が表に掲げる目的と内部目的に乖離がしょうじるから対外的にウソをつくことにな
り、システムが機能しなくなる。欧米では個が確立しているから同じ考えをもった個が集まって集団を作るので内部調整に無駄なエネルギーを割く必要がない
し、ウソをつく必要もないし、群れへの裏切りを掟(秘密保持法)で縛る必要もない。
戦後の利益団体は財界・通産省・文部省、建設省、農協・農水省です。電力・通産省・文部省は原発推進に突進。米国や韓国がまだ原発をけ継続しているではな
いかといいますが日本と同じく、既得権をそう簡単に手離そうとしないだけ。まー惰性ですね。建設省はダム、土手、道路、橋、港湾を必要以上に作りまくる。
そしてほとんどすべてのウォーターフロントをコンクリートで固めたがる。メンテナンスなんて組織に利益をもたらさないので無関心。農水省は減反政策と関税
で農協の利益を図るという構図ですね。そしていまだにその道をひた走っている。これから防衛省が特定秘密保護法を隠れ蓑に勝手をして金食い虫になるかもし
れず、近隣を刺激して国際関係は戦争に向かってまっしぐら???
システムを変え、個の確立がない人間の多量生産をかえなければこの悪弊は永久に継続して国家は消えてなくなり、原始時代にもどる。しかしそれをしようとしても強固な官僚機構が抵抗するのででき
ないし、内部昇進は内部軋轢防止のため、トコロテン方式が継続する。政治家も分裂した利益団体を放置すれば当分は楽だし、任期も無事全うできると考える。
田中
利のいう『精神の幕藩体制を越えられなかった』日本人というわけ。太平洋戦争はむろんのこと社畜・モーレツ社員もその延長線上で解読できる。社畜・モーレツ社員のままろくなことはできず国際競争に負けてゆく。
2013/12/11の朝日に紹介されたジョン・キーン教授の説によればギリシアで始まった「集会デモクラシー」は大人口では不可能。西欧で発達した「代表デモクラシー」
はヒトラーによって機能不全になったままで日本を含む世界の先進国が機能不全に陥りおかしくなっている。ここらへんはニーアル・ファーガソンの「
劣化国家」
に詳しい。そこで権力の行使を市民ネットワークが監視する「モニタリング・デモクラシー」が次第に発達してきている。情報が電子化されて、その管理に破綻
したことを発見したジュリアン・アサンジュヤやエドワード・スノーデンがはじめた「ダダ漏れ民主主義」です。これに対抗して特定秘密保護法ができた。戦
後、暗殺こそなくなったが、メンバーの裏切りへの仕打ちは厳しい。今回の特定秘密保護法25条に「特定秘密を漏らしたり、得たりする際に「共謀し、教唆
し、または扇動した者は5年以下の懲役に処する」がまさに裏切り者に罰をあたえようとするものでまさに個の権利を抑圧する悪法だ。刑法学者は@何が特定秘
密か極めてあいまいで罪刑法定主義の原則に反する。A特定秘密の内容が明らかにされないまま公判が開かれれば、憲法82条の裁判公開原則に反すると指摘。
米国もビックリして同盟すべき相手か?と疑問をもったとおもいますよ。
そもそも安倍氏はかの悪名高い陸軍という利権団体の中核で日本を敗戦に追い込んだ、長州出身だ。
解決法は我々市民がしっかりすることだと思います。心ある公務員や記者が「ダダ漏れ民主主義」に賛同して秘密漏えい罪に問われたら憲法21条で戦うでしょ
うからこれを輿論として支持する。そして憲法は改悪させない。ことでしょう。皮肉にも、われわれは敗戦のおかげで良質な憲法をもっているのです。
と原さんから
江戸時代に飼い馴らされた農耕民族が明治・大正・昭和初期を通じて中国輸入の科挙/官
僚制度に更に磨きをかけて官僚支配システムを創り上げた。このシステムは民族の特性にマッチしているだけに時代を経る毎に強固なものになり、”村社会形
成”あるいは”出る杭は直ぐに打たれる”、等々の習慣を根付かせ傑出した人物を出なくした、と言うことですね。この視点に立って考えれば、旧日本軍(特に
陸軍参謀本
部)・原子力村の的外れの作戦・計画及び彼らが創り上げた神話に踊らされたマスコミ・民衆の愚かしさが良く理解出来ます。
小生の疑問は、第二次大戦における壊滅的な敗北を機にこうしたおかしなシステムの変革が何故出来なかったのかと言う点です。戦勝国に依る戦犯裁判を受け入
れた振りをしつつA級戦犯を軍神として靖国神社に祀り、政府あるいは国会に依る第二次大戦の総括はなされない(自衛隊により戦略分析はなされた、と聞くが
発表されていない)。NHK等が散発的に軍部の愚かさを曝露している程度では基本的なシステムの変革など出来る訳がない。こうしたいい加減なやり方を容認
して来ている国民に何百年も維持されて来た強固なシステム変革を望む方が無理なのか(?)とも思えて来る。とは言いながら、我々世代の学生は満鉄の怪物岸
信介を倒す力は持っていた。今は、岸に訓育された安部の反動政策に反対する学生はほんの一握り。貴説の最後の部分(市民の抵抗)には”そうすべきだ”とい
う点では賛同するが、”そうなるであろ
う”と言う点では否定的。また、欧米を含めた民主主義システムの制度疲労が見えて来た、と言う説は当たっていると思うが、彼らのコメントを基に日本のおか
しな事を説明出来るとは思いません。米英仏は政治社会的におかしな事が大きくなるとこれを糾す力が働いて来る健全さを持っているし、また彼らに独を含めた
国々は偉大なる指導者を輩出する土壌を持っている点が日本と大いに異なっている。
ときた。私は
いよいよ核心にせまりましたね。先に私はサイロの壁が厚い徳川時代の悪弊がまだ残っているためとしましたが、朝日TVを牛耳っていた友人が『精神の幕藩体
制を越えられなかった』日本人と表現しました。太平洋戦争はむろんのこと社畜・モーレツ社員もその延長線上で解読できると表現しました。
ではその精神の幕藩体制をどうして超えられないかったかということになりますが、私はこれを個が確立しないまま大人になった人間集団の宿命と考えました。
何事も集団で合議して決めるか、ボスの言葉に喜々としてしたがう。そういう人間は組織のなかで上昇し、何のとりえもなくとも上位者はいずれ物理的に死ぬか
老齢で役立たずとなりますので待っていれば東条のようにトップにたてる。何の能力もなくとも組織が合議できめて何らかの利益を取ってくるということなんで
すね。これを継続していると集団が表向きに表明する存在理由と内向きの存在理由に乖離が生じる。これが日本の組織がウソをいう本当の理由でしょう。それを
ウソと秘密をばらされるとまずいので、特定秘密保護法の秘密の定義を拡大して掟破りを罰するというのが本音だと石破は語っていますね。戦前でいえば「永田
の前に永田なく、永田の後に永田なし」と言われた英才であった統制派の永田鉄山のように皇道派に暗殺されるか、その後継者の石原莞爾のように左遷されてし
まう。そして無能な東条が日本を敗戦に導くのです。東条は家庭ではやさしいパパであったそうですが、それと国を導く能力はちがうということでしょう。
欧米では個が確立していますからそもそも同じ志を持った同志があつまって集団(パーティー)をつくるため最も能力の高い人間が指導者になれる。半乾燥地帯
に生る遊牧民の運命はリーダーの素質によって左右されます。その組織が役目をおえれば自然に解体され、別の目的集団ができるという生生流転のシステムで
す。組織内外の矛盾がないためウソを言う必要もなく、機密も軍事偵察情報程度に限定できるのです。
欧米の学者は「代表デモクラシー」は機能不全となったから解決法は権力の行使を市民ネットワークが監視する「モニタリング・デモクラシー」しかないといい
ます。ところがおっしゃるように日本では会社員は存在しますが、社畜・モーレツ社員で個が確立した市民ではありません。個を確立する教育とは幼児期の教育
をどうするかということで、まー!我々が生きている間は無理ですね。原さんや私のような個が確立した人間は欧米では自然に受け入れられるのですが日本では
敬遠されます。親としては従順に育てるでしょうね。
というわけで稲作文化をいまだ継承する日本の将来は国際的には適合せず衰退ということになるでしょうね。これからは西欧型の遊牧でも日本型の稲作でもなく
都市文化です、すなわち市民が高度に集積して、先端技術を詰め込んだ製品を開発して相互貿易するという経済になるのは必定。この点で米国はやはりさきを
行っています。昨日散歩かたがた近くの書店で「軍事研究」とう雑誌を買ってよみました。なかに福島第一事故に触発されて米国国務省が傘下の米国防高等研究
計画局に命じて
DARPA Robotic Challenge Trialsと
いうデザイン・コンペを2014に開催という記事です。DARPAは記憶ではインターネットの祖形ARPANETや全地球測位システム(GPS)をオープ
ン形式で開発した組織です。DARPA長官の下には約150名の技術系職員がプロジェクトマネージャーとして各分野の研究をおこなっています。技術系職員
は公募で任期は4〜6年で大半は民間人で軍人は少ない。まずビデオをご覧ください。かなり愕然とするはずです。日本のロボット屋は東大教授を辞職して作っ
たベンチャー企業Schaft以外だれも参加していません。これからの原発修理と戦争はロボットがになうのでしょうね。日本のロボットはアクセス制限型環
境で咲いたガラパゴス技術でした。安倍政権は日本社会を更にアクセス制限型にして江戸時代に戻ろうと逆噴射しています。まさに亡国の祖ですね。
再び原さんから
日本の社会は未だに幕藩体制を越えることが出来てない、と言うのは武家中心に構成され
た政官の世界の話で、一般民衆が幕藩体制にしがみついてはいなかった筈で、貴兄の友人の言は当てはまらない。が、噂とか評判が好きで直ぐに派閥・村社会を
創りたがり、お上に寄り添いたがる習性は政・官・財・一般を問わず日本人全般に共通した特徴で、これは明らかに江戸時代の名残と言える。こうしたことを指
摘する人は少なくないのに全体としては何時までもこうした悪習から脱却出来ず、安部や石破みたいな戦前の日本を夢見る反動政治家の跋扈を容認してしまう。
いずれの社会でも間違った選択をすることはあるが、西欧世界では間違いが明らかになったら直ぐにこれを修正する力が働くのに、日本ではなかなかそう言う力
が一つにまとまらない。同じシステムを持っているのに。やはり本格的な民衆に拠る革命を体験していない民族の弱さなのでしょうか。革命を起こすだけの強さ
を持っていないから、お上批判が多く見られるようになったら小賢しい知恵を持った奴が出て来ていい加減な妥協で無事に治めてしまい、これを平和的な解決と
してお茶を濁してしまう。かようにして、旧来に習って天皇を神輿に担いだ明治維新が成り、京都のお公家さんスタイルの政治手法(大筋は裏工作で決めてしま
う)が確立した。西郷・大久保・木戸達はそれなりの活躍をしたが、この枠組みから抜け出す事が出来なかったばかりか伊藤博文・山形有朋のような旧弊どっぷ
りの後継者しか作れなかった。
こうしたことを打破するにはどうしたらいいか? ”日暮れて道遠し”ですね。
私の返信は
日本も西洋も基本的には欲に駆動されているのは同じではないかと思います。今ノル
ウェーのTV会社が作成した「バブルがはじける時」という番組をみたばかりですが、西欧世界でも間違いが明らかになってもなかなか修正されません。特に金
融業の規制などまだなにも手もついていないですね。電子技術の進歩のおかげでお札を印刷しなくともいくらでもメモリーのなかで金をレバレッジ(増殖)させ
ることができ
る。これを情報非対称の借り手に安全だとウソ言って貸した結果、バブルを生して金融業自らが苦境に陥っても、倒産させるには大きすぎるだろうと開き直り、
穴埋めは政府にさせるという不道徳なことがアメリカでおこなわれているわけですね。米国政府も米国のマスコミもウォールストリートの利権にからみ取られて
います
から、今後もバブルという詐欺はくりかえされるでしょう。オバマもからめ捕られた人間では?こうしてウォールストリートは世界の富をむさぼっているわけで
。ウォールストリートの行動はこれを取り締まる法がレーガン時代に廃棄されたので本当は大犯罪行為なのですがだれも罪にとらわれません。我欲の
ままに血をもとめて切り込み、敗戦で戦勝国に罰せられた日本の軍部などいうのはかわいい方で、戦後の原発村のほうが昔の軍部より悪質ですね。だれも罰しな
いので政府を乗取って勝手放題。後始末は税金頼り。ウォールストリートも勝手放題。そして
バブルと事故と戦争はくりかえします。
これに対抗するには被害者が自ら体を張って対抗することしかない。ということは民衆に拠る革命しかないのではないでしょうか。そうすればよくなる。そういう意味で米
国人が銃規制に反対するのは理に適っていますね。どこかで臨界点に達し、そういうことは起こる。別に中国の共産党支配を市民が倒すだけでなく、西欧でこそ
そういうことは生じるのではと。日本でもどん底に達すれば明治革命のようなものがいつか生じるでしょう。刀狩以降日本人は意気地がないですが、技術でどうにでもなる。安倍なんかの行動をみていると日本の金融業界
のいいなりですね。原発再稼働問題は原発に貸し込んで首が回らない金融業の救済という面からみれば理解できます。かれらは今さえよければよい。だれがさき
に革命をやるか?世界的革命はすでにアラブでははじまっているのではないでしょうか?
Rev. December 15, 2013