沖の鳥島桟橋転覆事故

2013/2/23に羽田空港向けに開発されたメガフロートを ブラジル沖の海底油田の採掘にあたる作業員の中継基地としてに提案するという国土交通省の造船管轄部の動きがあまりに無知の塊に見えてメガフロートで批判したが、同じ 国土交通省が2014/3/31に沖ノ鳥島にジャックアップ方式の桟橋を建設しようとして、その ジャックアップ方式の箱型桟橋を転覆させてしまうという大失策を犯した。

 国土交通省関東地方整備局が五洋建設、新日鉄住金エンジニアリングなどに発注したジャッキアップ式プラットフォームが台船を沈めて海に浮かべ タグボートで 横に引っ張った途端、180度ひっくり返って裏返しになり、5人が死亡。プラットフォームのの幅が20mと狭く、厚さが5m程度で薄く、幅の2倍もある鋼 鉄製の45mの長さの脚4本を空中に 垂直に突き出したまま浮かべて台船から引き出したら直ちに傾いて転倒したという。プラットホーム本体の箱が500トンなのに4本脚は680トンがあるとい うから、少しでも傾くと薄いプラットフォームの半分は水没してしまい、復元力が発生せず、そのままひっくり返ることは素人でもわかる。

なぜこんな不安定な 形状にしたかというと既設の長さ40m、幅30mの桟橋を20m延長するために長さ30m、幅20mのプラットフォームを追加しようという設計に無理が あったことになる。この設計では脚を装着せずに台船から浮かべる手もあったのではと思う。それなのに港湾空港部の松永泰男部長何が原因かわからない。ひっ くり返ることは想定していないと「想定外」を繰り返している。これは事 故ではなく茶番劇である。役所の政治学のロジックではアルキメデスの原理によりしっぺ返しをくうという教訓を国土交通省は学べたか?

 March 31, 2014
Rev. April 4, 2014


2014/7/2の報道によると、プラットホーム本体の箱が 500トンで、最大傾斜17.2度であったが、実際には桟橋上部補強のため739トンと増え、これに172トンの足4本合計688トン設置したため、最大 傾斜 13.8度に低下していた。台船を沈めたときプラットホーム上に12トンの移動式クレーンが端に乗っていたため、この重みで9度傾き、あわてて移動式ク レーンを中央に移動させたところ100秒サイクルで振動しはじめた。このままタグボートで引っ張ったら波がプラットホーム上にまで上がり、復元力を失い転 覆。国交省は施工時の安全確保は工事JVの責任としている。桟橋上部補強のため浮力を減じさせた責任はどこがとるのか?

Rev. July 4, 2014

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