読書録

シリアル番号 1345

書名

日航123便墜落事故に関しての新事実

著者

青山透子

出版社

河出書房新社

ジャンル

技術

発行日

2017/7/30第1刷
2017/10/18第14刷

購入日

2018/08/25

評価



森本卓郎氏が今日の日本の苦境の原因となったプラザ合意に日本が無抵抗だった原因がこの日本航空123便墜落事故にあると主張し青山透子氏の本著を高く評価しているのを知った。陰謀史観というのはどうせ失望するのが落ちだろうと買いたくなかった。だから書評読んで「日本航空123便墜落事故とプラザ合意」とういう備忘録1534を書いてでごまかしていただけだった。

しかし8/25に映画The Postを観るために東京に出た日、藤沢の本屋でこの著者の3部作を読み比べてこの本を1冊だけ小田急車中の読み物として購入。新宿に着くまでにかなり読んだ。

ところが飯田橋について2018年の映画「The Post」を一緒に見た加畑氏からもう一つの陰謀史観である副島隆彦の「人類の月面着陸はなかったろう論」 という古本をいただいた。映画のあと家に帰ると副島隆彦の本の方がおもしろそうだったので先に読破した。人類は月に立ってはいないという本なのでホント?と疑問に思い3日かけて調べ てこの本が書かれた後の2011年にNASAが公表した月上空20kmから撮影した月面車のタイヤの跡をみてそのような陰謀はなかったという認識に落ち着いた。映画The Postだって一種の陰謀史観だが、The PostやNYタイムズ等のメジャーなメディアがこの陰謀に立ち向かって勝った話しで気分がいい。

さてこの本も完読して投下資本回収しようと読んだ。事前に調査した結論「日本航空123便墜落事故とプラザ合意」 に追加するべき事項は:

自衛隊は相模湾でライセンス製造されたGMLS-3 シースパロー短SAM 8連装発射機 × 1基を装備した護衛艦まつゆきが試運転中で短SAMシースパロー(短距離艦対空ミサイル)の垂直発射装置の試験中だったと公表している。垂直発射装置 (VLS)に対応する改修も行われ、試作機は1981年に試射を行っている。1985年にはRIM-7Mの垂直発射版の試射が行われたというので時期は一 致する。The RIM-7M Sea Sparrow is the ship-launched equivalent of the AIM-7M. In addition to the 8-cell MK 29 box launcher, the RIM-7M missiles can also be fired from MK 41 (AEGIS) and MK 48 VLS (Vertical Launch System) launchers. ただセミアクティブ・レーダー・ホーミング(英語: Semi-active radar homing, SARH)なので、発射母体(護衛艦まつゆき)がイルミネーターというアンテナからマニュアル操作で照明用電波を照射する。ミサイルはJAL機が放つこの反射電波をみなが ら自動的に追いかける方式だ。 目標捕捉は発射前双眼鏡でみながらロックオンして発射(Lock-On Before Launch:LOBL方式)、普通ならJAL123にロックオンして発射ボタンを 押すなんてことはしないが視認間違いで、たまたま上空を飛んでいたJAL機にロックオンして発射してしまったということなのだろう。無論弾頭はダミー である。護衛艦まつゆきが目標に電波を照射し、目標からの反射波をミサイルに搭載されたシーカーで検知することで、目標である反射波放射源を追跡する。一 発目の衝撃音に気が付いたJAL機の機長は追いかけてくる2機目のミサイルを目視し(乗客もカメラで補足)気が付いてスコーク7700信号を発信。空自峯岡山分屯基地レーダーよ り JAL123機影消滅地点を司令長官に報告。中曽根は自衛隊の間違いを秘匿するため、夜陰に乗じてミサイルの残骸を回収し。目撃者をゼロにするため火炎放 射器で焼き殺すことを命じたという仮説である。『週刊新潮』最新号にこの本はトンデモ本で非常に困るとの論調の記事が載っているそうだ。困る人が書かせた 可能性あり。米国はこの中曽根の弱みを知っており、中曽根を脅迫してプラザ合意を飲ませた。中曽根は「真相は墓場まで持って行く」いっているという。

この青山透子の陰謀説は明治維新以降の歴史が形つくり日本人の血と肉となった「上層部に対する不信感」が原因だとする小熊英二の説が当たっているのではと 思う。すなわち「政府や軍は愚かで、非合理な戦争だったが、民衆は被害者だった」という思いだ。これは戦後、為政者の責任を日本人の手で裁かなかったこと が原因と指摘している。中曽根もそのときの為政者ですからこう疑われても甘んじてうけなければならないし安倍も同じ。だれがリーダーになっても禊は終わっ ていないので国民に嫌われ軽蔑されるだけ。日本では政治家になるのは愚かなことのように思える。

友人の加畑氏から週間新潮に青山透子の陰謀説を非難している記事があるというので、散歩を兼ねて近くの図書館にでかけて読んだ。青山の3部作で彼女が受け 取った印税は2000万円に達しケシカランというものだった。でも需要があるのだから彼女はいいセンスしていたことになる。当然の報酬だろう。世の中の人が漠 然ともっている「上層部に対する不信感」がこの本が売れた原動力だろう。特に中曽根と安倍の傲慢さに我慢できない人々が買っている。

私が青山透子の2冊目の本が説得力あると感じたのは新造された護衛艦まつゆきが相模湾で試運転中であった。これにはライセンス製造されたシースパロー短SAM 8連装発射機 × 1基が装備されていた。と言う点でした。これなら可能性がある。

しかし週刊誌は3冊目の本「日航123便墜落 遺物は真相を語る」は国産ミサイル88式地対艦ミサイルを取り上げている。これは又の名を略称はSSM-1で、広報を対象とした対外愛 称はシーバスター。部隊内での通称は「SSM」というもので先人が何陰も言及していた古い仮説だ。高度7,000mに達する能力はない。これを海岸に展開 するには目撃者が多くなるが誰も観ていない。青山透子が気が変わったとすれば、思い付きで書いていることになり、その程度の本だということになる。そこで 正式の事故原因報告書に採用された圧力隔壁修理ミス説支持本を借りて来た。

ついでにソ連側からみたアポロ計画と「国産ロケットはなぜ墜ちるのか」という本も借りた。

一旦、本を書くと新たな情報が持ち込まれることがある。そういうものを集めて「日航123便墜落 遺物は真相を語る」が3部作の再新版だが、書評読んでも遺体を火炎放射器で焼いたという仮説の裏付けをこれでもかと書いている。

Rev. August 31, 2018

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