真のコンプリートめざして

 ゲームの世界では最近は複数のエンディングが用意されたものが主流となっています。
 とりあえず目の前の目的を達して、ほどほどに強いボスを倒して得られる通常のエンディング。そのあとではるかに強いボスや難易度の高いステージが用意されていて、それをクリアすることによってようやく真のエンディングを見ることができます。さらにレアアイテムの入手やとんでもなく強い敵との遭遇など、際限なくゲームにはまりこめるようになっており、下手をするとクリアしたあとの方がプレイ時間が長いなんてこともあります。

さてこれをサンリオSF文庫収集にあてはめてみましょう。

1.正規の197冊を入手
 
狭義のコンプリートで通常のエンディングにあたりますが、これですら現時点ではたいへんです。ほとんど不可能といってもいいくらいの困難な道のりです。

2.正規の197冊+新装版4冊
 サンリオSF文庫の全表紙絵入手です。狭義のコンプリートが達成できれば、比較的簡単です。

3.正規の197冊+新装版4冊+異装版
 帯付きの収集という方向もありますが、あえて本体のみにこだわってみましょう。サンリオ文庫に移行したものは除いて、異装版が何冊かあります。とりあえず青背に変わった3冊は把握していますが、これ以外にもあるかもしれません。

ここまでは外から見てわかる装丁のコンプリートです。
そして真のエンディングともいうべき最終形態が、

4.初版、重版を含めてすべての版を収集(当然、新装版も異装版もすべて含まれてしまいます)
 このまったく無駄で無益な収集、これこそ
真のコンプリートと勝手に定義してしまいます。

 問題は重版がどの程度存在するかという把握が極めて困難ということ。「ある」ということは現物を手に入れてしまえば証明できますが、「ない」という証明は非常に難しい。幸いにもサンリオSF文庫はそのほとんどが初版止まりということはわかっているので、重版分をこまめにチェックするしかなさそうです。その意味では真のコンプリートは終わりの見えない作業といえそうです。
 さらに悩ましいのは、店頭売りされているサンリオSF文庫の多くが厳重に袋掛けされているということ。これでは気軽に奥付を確認することができません。いちいち店員さんに確認をとってあけてもらう必要があります。となると不本意ながらネットの力を借りることが多くなりそうです。ネットの古書店は文字情報のみでの売買ですので、初版か再版かはほとんど表示されています。
 以下とりあえずネット上で情報を収集して重版が存在するタイトルを挙げてみました。


辺境の惑星 二刷 1981年
辺境の惑星 三刷 1981年
辺境の惑星 四刷 1983年
天のろくろ 新装版 1984年
ロカノンの世界 二刷 1981年
幻影の都市 二刷 1982年
時は乱れて 新装版 1987年
死の迷宮 二刷 1984年
暗闇のスキャナー 二刷 1986年
流れよ我が涙、と警官は言った 二刷 1983年
流れよ我が涙、と警官は言った 三刷 1986年
ヴァリス 二刷 1982年
ヴァリス 三刷 1984年
ヴァリス 四刷 1986年
聖なる侵入 二刷 1984年
怒りの神 二刷 1982年
ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック1 二刷 1984年
ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック1 三刷 1984年
ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック2 二刷 1984年
最後から二番目の真実 二刷 1984年
万華鏡 二刷 1980年
万華鏡 新装版 1986年
ブラッドベリは歌う 二刷 1985年
ステンレス・スチール・ラット 二刷 1984年
ステンレス・スチール・ラット世界を救う 二刷 1984年
ステンレス・スチール・ラット諸君を求む 二刷 1984年
ザ・ベスト・オブ・サキ 二刷 1980年
ザ・ベスト・オブ・サキ 三刷 1984年
迷宮の神 二刷 1984年
ラスプーチン 二刷 1984年
手で育てられた少年 二刷 1981年
どこまで行けばお茶の時間 二刷 1983年
フレドリック・ブラウン傑作集 二刷 1982年
フレドリック・ブラウン傑作集 三刷 1983年



 これらは全部ではなく、まだまだ確認できていないものがあるはずです。なお、あくまでネット上で調べた情報ですので正しいとはかぎりません。

 これをこまめに集めていくのはレア本を探すのとは異なる、いわば苦痛を伴う作業となりそうです。なによりすでに持っている本を延々と買うことになるのでモチベーションの維持が大変です。とりあえず買った本は発行順リストに加えていくことにします。

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