異装版あれこれ その2

 好評につき第2弾突入!、というわけではありませんが、思いのほか長くなってしまったので分割しました。ここまでいろいろとみつかるとは思いませんでした。ただし、もはやあら探しの領域に達しています。


g.初回配本のポスター引換券

 初回配本の6冊には裏表紙見返りにポスター引換券なる火星人マークが付いています。それぞれ1から6までの番号が付加され、全部揃えれば特製ポスターがもらえるという特典です。こういったものは有効期限(78年10月31日)を過ぎれば不要なので、サンリオ側としては混乱を避けるために一刻も早くはずしたいはずです。ということでこのマークのないヴァージョンが存在しています。
 ただし「ノヴァ急報」と「レベル・セブン」にはマークがないものは確認できていません。また「万華鏡」は二刷以降はマークがありませんが、初版にマークなしがあるかどうかは不明です。

 (追記)「レベル・セブン」にもマークなしが確認できました。

  

A:「ビッグ・タイム」初版、○
a:「ビッグ・タイム」初版、×
B:「辺境の惑星」初版、○
b:「辺境の惑星」再版、×
C:「時は乱れて」初版、○
c:「時は乱れて」初版、×
(○:引換券マークあり、×:なし →ここには写っていません)

 このうちbはサンリオSF文庫初の重版(二刷ではなく再版)で、初版発売後わずか1ヶ月で登場しています。ただしこれは重版なので異装版には含めないことにします。余談ですがこれを買うと有効期限内であってもポスター応募はできません。
 問題はaとcです。版違いではなく、マークがあるかないかのヴァージョンが存在するので異装版と認定します。とくにcは背表紙のサンリオSF文庫の文字も小さくなっており、外観からでも区別ができます。この文字は初回配本の6冊のみ大きなもので、bとcおよび第2回配本以降は小さくなっています。


h.紹介文のあら探し

 重版を集めていると裏表紙の紹介文が微妙に替わっているものがみつかります。「フレドリック・ブラウン傑作集」の差し替えは別格ですが、些細な誤りをさりげなく変更してあるものもいくつかみつかっています。

 

「万華鏡」初版、三刷
増刷で短編の数も増えた? いえいえ、最初から23篇です。


 

「辺境の惑星」初版、三刷
どっちでもいいんですが、一応本文がファーボーンですので。


 

「幻影の都市」初版、二刷
ハンド・レザー=手作りの革細工? 武器には不向きですね。


 

「ステンレス・スチール・ラットの復讐」初版、三刷
SSRの主人公の名前ですが、ちなみに綴りは”James Bolivar diGriz”です。同じ綴りでシモン・ボリバルという南米の英雄がいるそうで、ベネズエラの通貨単位もこの人にちなんでボリバルです。いや別に弁護するつもりはないですけど。


 この頻度でいくと初版止まりの中にも相当数の間違いがあるはずです(探すつもりはありませんが)。たまたま訂正してしまったがゆえに目について、こうして20数年後に取りざたされるとは、思ってもみなかったでしょう。

サンリオSF文庫の部屋