ラテン語の景色
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●ラテン語

●なんで、ラテン語
 星座の名前などは「ラテン語」で表記されています。星座のお話は「ギリシア神話」が中心ですので、 どうしても古代ギリシアにばかり目が向きがちです。 私もローマ神話やラテン語を軽くみてきたかなと思います。

 そこで少しはラテン語でもやってみようと思いまして、このページを作りました。 それゆえ、初級にも達していないですし、間違えばかりなのでしょうが(^^;)
ラテン語が初めての人にも、それなりの景色ぐらいは、ながめていただいて、なにかしらの興味を持っていただけたらと思います。

●ラテン語とは
 ラテン語は、むかしむかしローマ帝国で使われていた言葉です。今、公用語(日本なら日本語)としてラテン語が話されている国は、 ローマ法王がいる世界中でもっとも小さな国としても知られている「バチカン市国」だけです。
 また、ノーベル賞の授与式はラテン語でなされます。

 ラテン語の中で日本でよく見聞きする言葉は、車の名前や会社の名前などに多く見かけます。 ものの名前は少し分からないほうが好まれるため(英語ですと分かる方が多いので)や ヨーロッパ各国での事も考慮してラテン語が使われるようです。 例えば、コロナ(coro_na:コローナ)は「冠」という意味です。

 ラテン語は、時代が経つにつれて各地の言語と交じり合い、やがてイタリア語・フランス語・スペイン語などの言葉(ロマンス諸語)になっていきます。 書き言葉としては長い間使われてきました。今でも植物などの学術名はラテン語が使われます。

 どのように言葉が変化しいったかの詳細については、下記のページを参照していただくと良いでしょう。


【ラテン語からフランス語へ】

●ラテン語はどんな言語か

●自由な語順
 私が書くのですからラフに書きますからね。

英語 英語は基本的に「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」ですね(70%は第三文型でしょ)。

Antony(S) loves(V) Cleopatra(O).となります。

 文型で意味を表しますから、SVOの順番は変えられませんね。

日本語  日本語ではどうでしょう。

アントニーはクレオパトラを愛している

 普通の語順なら「主語(S:私)+目的語(O:少年)+動詞(V:です)」
 という順番です。「クレオパトラをアントニーは愛している」と順番を変えても構わないですね。

ラテン語  ラテン語では、標準的に日本語と同じ順番です。
 「主語(S:アントニウスは)+目的語(O:クレオパトラを)+動詞(V:愛している)」となります。

Anto_nius Cleopatram amat.

 語順はどの順番でもokです。強めたい言葉を先頭に持ってきます。動詞が先頭に来ても構いません。



●膠着言語と屈折言語
 英語は文の型を決めることで意味が決定します。

 日本語は「名詞は変化させず」、その後につく助詞(が、の、に、を)を変化させます。 「アントニー(は)クレオパトラ(を)」のようにですね。 名詞の後に助詞を膠(にかわ)でくっ付けるので「膠着(こうちゃく)言語」と言います。

 ラテン語はどうでしょう。
日本語でいう助詞(が・の・に・を)の働きは、各単語の語尾を変化させることで表現します。 アントニーと言ったのにAnto_nius(アントーニウス)の「us」の部分(少々語弊があります)、 クレオパトラと訳したのにCleoratram(クレオパトラム)の「am」の部分です。

 クレオパトラはアントニウスを愛している(クレオパトラはあんまり気はなかったらしいですが^^;) をラテン語訳すると

「Cleoratra Anto_nium amat.」

このように語尾に変化形をズラズラと持ってくるのです。これを屈折言語と言います。

「クレオパトラは[Cleoratra]」(cleopatr-a:主格)
「アントニウスを[Anto_nium]」(Anto_ni-um:対格)
「愛している[amat]」(ama-t:三人称)

と名詞変化や動詞活用がセットになった3つの言葉でできているので、言葉の順番を変えてもよいのです。

 英語と違って、なんとなく日本語の感覚がある程度通じそうな気がしますでしょ。 「がのにを」が単語にくっ付いているだけだと思い込んでしまいましょう(^^;)/・・・ああ、勘違いは後で直せば良いのです。景色、景色(^^;)

文法を知りたい方こちらで【ラテン語(lingua Latina)】
●アルファベット
 うん・・細かいこと抜きでいきましょう。  英語のアルファベットと同じですけれど「W」がありません。読み方はローマ字と同じです。 もともとラテン語風の読み方をローマ字読みというのですからね(^^;)

 注意点を幾つか挙げましょう。発音は日本人の発音が一番正しいと思ってください。 概ね母音(a,e,i,o,u,y)で区切って発音します。カタカナ・ラテン語が一番よい発音です(^^;)
学習用に文字の上に長音記号(アッパバー)を付けるのですが、ブラウザでは表示できないので文字の後ろに「_」を付けて代用します。 アクセントは後ろから2番目か三番目の母音に高低アクセントあります。高低アクセントというのは「飴」と「雨」の発音の差みたいのね。

cカ行の発音。
hこの文字は無視してよい。ギリシア語からの借用語などに見られます。
r巻き舌。ドイツ語のRと思えば良いです。
uとvウと発音。
iとjとy「イ」と発音、後ろに母音が来ると口を尖らせた「ヤ行」発音。

ラテン語読み方意味 摘要
astrum(アストルム) アストロ(星に、星から)とかアストラ(星ゞを)などと言いますね
autumnus(アウトゥムヌス) 音節で区切ると、au-tum-nus.この場合のauは二重母音
septem(セプテム)7 英語で9月はseptmber
月名はゆえあって二ヶ月後ろにずれます
octo_(オクトー)8 <英語で10月はoctober>
noven(ウェン)9 英語で11月はnovenber
decem(ケム)10 英語で12月はdecember
Deus(ウス) 時代劇でキリシタンがデウス様といっているでしょ
Jupiter(ピテル)ゼウス ギリシア神話のゼウスはこちら

●格変化
 英語は名詞の性や格などを殆どなくしてしまいました。he-his-himや三人称のSなどで一部残っていますけどね。 そのため格とか不定法を表すのに前置詞を使うとか、時象や相などを示す助動詞を使った動詞表現とか、文型 というものが必要になったのですね。

 「え!? それって、面倒だからなくなったんじゃないの?」というのは、あたりです(^^;)

 反面、表現が多彩になるとか、言葉か少なくて済む、意味が厳格になる、という利点があります。
 英語で「I am.」私は存在するって意味ですけど、ラテン語ですと「sum」だけでスムのです(^^;)。 人称代名詞を書く必要がないわけですね。

 でも動詞は140種類の変化形があるから、文法が分からないと 一人称単数に戻せないので辞書すらひけない・・・良いの!独学なんだからか違ってても!と思えばいい(^^;)
 景色・景色・・・古典ギリシアとちがって殆どが規則変化ですからね。ギリシア語はめげた。 英語の格言でもIt's Greek to me(それは私にとりギリシア語だよ→チンプンカンプンだぜ!って意味)って言うでしょ(^^;)

 ま、語学教室ってわけではないので、このぐらいにしておきます。統計の取り方にもよるようですれど、 ものの本によりますと、英語の単語にしても用法にしても、30-48%がラテン語の影響を受けています。 語源と思うとたいていは間違えなんですが、単語もどこか似ています。 イギリスには長い間ローマ軍が駐屯していましたし、フランスの支配も受けていたこともある影響ですね。

●我流の無理やりな文法
 次の文法は間違っていますが、最初はめんどくさいので、思い込んでしまいましょう(^^;)

名詞最後にがきたら、女性名詞(国名など、アメリカとかイタリアとか)
名詞の最後にウスが来たら、男性名詞(ユリウス、ブルートゥス、アントニウスとか)
名詞の最後にウムがきたら、中性名詞(元素名など、アルミニュウムとか、プルトニュウムとか)
形容詞は名詞と同じ変化って感じ
動詞の最後がOかMなら「私が」ということ(audio_,アウディオー、私は聞く
動詞の最後がなら、「あなたが」ということ。
動詞の最後がなら、「彼又は彼女が」ということ(三人称ということで彼と彼女は区別しない。
同じく動詞の最後(mus我々が、tisあなた方が、 nt彼ら<彼女ら>が)

 めんどくさいから、これで良いよ(^^;)/


●では

●よく聞くラテン語
 このページも徐々に作っていきますので、とりあえずは、思いつくまま始めます。

 よく耳にするラテン語を紹介してみましょう。

AVE MARIAアウェー・マリア(AVE MARIA GRACIA PLE[NA])
egoエゴ(わたしは、わたしが)
homo-sapiensホモー・サピエンス
infra_インフラー
magnitu_doマグニトゥード(大きさ:英語読みするとマグニチュード)
virusウイルス(毒:今では病原菌の意味で使われていますね)


●参考資料

●お勧めの本
 ラテン語の本は、次の本をお勧めします。

【大西 英文 『はじめてのラテン語』 講談社現代新書】

 ラテン語を取り巻く脱線お話がとても良いです。覚え方のコツも書いてありますし、 お話としてもザット読める本です。

●主な参考文献
有田潤『インデックス式ラテン文法表』第八刷、白水社、2004。
有田潤『初級ラテン語入門』第三二刷、白水社、2003。
泉井久之介『ラテン広文典』第二刷、白水社、2005。
逸見喜一郎『ラテン語の話-通読できるラテン語文法-』第十刷、大修館書院、2005。
風間喜代三『ラテン語とギリシア語』第八刷、三省堂、2005。
木下文夫『和羅辞典』第三刷、国際語学社、2004。
小林標『ラテン語の世界』中公新書、2006。
田中秀央『羅和辞典』第四十冊、研究社、2005。
柳沼重剛『ギリシア・ローマ名言集』第六刷、岩波文庫、2004。
S.A.Handford. & Mary Herberg,"Poket Latin Dictionary.", Langenscheidt, 1966.

朝倉季雄『朝倉初級フランス語』第二二刷、白水社、1982。
高橋久『イタリア語文法入門』第二版、大学書林、S55。
爪谷良平『スペイン語の入門』第十九刷、白水社、1981。



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