ケフェウス座
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Cas
学名Cepheus
略号Cep
20時の南中月日10月中旬
星座設定者プトレマイオス


ギリシア神話
●エチオピアの王
 ケフェウスは古代エチアピアの王で、妻はカシオペア、娘はアンドロ メダです。妻の言葉で海神ポセイドーンの怒りを招き、エチオピアの国 民はポセイドーンの遣わした海魔ティアマト(鯨座)により苦しめられ ました。ケフェウスはポセイドーンの怒りを鎮めるため、娘アンドロメ ダを海岸の大岩に縛り付け生け贄として捧げました。

 ケフェウスは正確には「ケーペーネス人の王」であるといいますが、 このケーペーネス人とはエチオピア人であるとも、ユーフラテスの河岸に住んでいた 住人でもあるといわれております。

●ギリシア神話なのになんでエチオピア?
 なんでエチオピアのお話がギリシア神話に入っているのかと、その経路を遡りますと、まず 「シュメール神話とアッカド神話」は、「ギリシア神話とローマ神話」の関係に似て いるようで、シュメール神話をアッカド神話が吸収してしまったようなのです。

 ビーナスの経路では、「シュメール神話では女神イナンナ(金星)」で、 「アッカド神話(セム語系)では女神イシュタル(金星)」であるそうです。
 シュメール語の断片で書かれているドゥムジ神話が、 ギリシア神話のアドニス神話(アプロディーテーとデーメーデール とが美少年アドニスを半年ずつものにする話)に発展するらしいのですね。

 言語的に調べましたら、「アッカド語」は東セム語に分類されるようです。 「アラビア語は南セム語」「ヘブライ語は西セム語」になります。
セム系の人々は、アラビア砂漠にいたという説が有力でしたが、最近では アフリカから入ってきたという説が有力なようですね

 とすれば、エチオピアのお話ががギリシア神話に流れ込んでも不思議ではないので しょうか。言語とか語族とか私にはには良く分らないので、またまた どん詰まりになっております(^^; 


同姓同名者

●同姓同名者
 ケフェウスには同じ名前の人物が数人いるようです。
●アルゴ船の乗員
 詳しいお話は「旧アルゴ座」に譲る予定ですが簡単に。 アルカディアの王の子ケフェウスは、 ヘラクレスからアルゴ遠征のラケダイモーンに軍を進めたときに、 20人の息子とともに味方になるように誘われ、ともに戦いますが 父子ともども戦死してしまいました。
●カリュドーンの猪狩り
 ケフェウスはアルカディアの王で、 月の女神アルテミスが放った猪を狩るために、ギリシアの英雄が集められたときに ケフェウスが狩りに参加していたというお話もあります。


参考引用文献
A1☆星座手帳・草下英明著・教養文庫・658・c028
A2☆星座の話・野尻抱影著・ちくま文庫・490・476

B1★星座神話クラブ・脇屋奈々代著・誠文堂新光社
B2★ギリシア・ローマ神話辞典・高津春繁著・角川書店
B3★21世紀星座早見ガイド・林完次著・講談社・B1069


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