チベット旅行記
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成都 - ラサ
2日目 4/28(Fri)

成都出発

4:30にモーニングコール、5:15にホテルのロビー集合。ちょっと眠いけど、ラサにちょっとでも早く着いて、高所順応を始めたい。
忘れずにダイアモックス(高所順応薬)も飲んだぞ。

飛行機に乗ると隣の女の人が中国語で話しかけてきた。最初は腕を指差しているので、腕時計で時間を見せていたりしたけど、続けざまに中国語で話しかけてくるので、「中国語は分からないよ」と中国語で答えた。
「これで中国語ではこないだろう」と思ったのもつかの間、ニコニコしながらじゃんじゃん中国語で話しかけてくるよ。
「ごめん、中国語話せないよ」と今度は英語で言ってみた。しかし、これはさらに効果なし。どうやら英語はかなり簡単な単語(ホテルとか)でも理解できないみたい。

結局、手帳を取り出して漢字で筆談。中国の人との意思疎通はやっぱりこれが一番!
「休息一天」と書いてくれた。「一天って一番のこと?」って聞くと「No-」。「じゃぁ大事ってこと?」って聞いても「No-」。後で分かったことだけど、「ラサついたら高度が高いから1日何もせずにゆっくりしろ」って意味だったみたい。
そんな感じでよく分からない漢字がたくさんあるけど、元気な中国人との筆談は一度やったらやめられないかも。

ラサ到着

ガイドらしき人物が私たちの名前の書いてある紙を持って立っている。 「ハロー」とだけ声をかけあった。 この時だけでなく、このガイドはとうとう最後まで私たちの名前を呼ぶことはなかった。
私たちの運転手タシ(左)とガイドのワンダ(右)
ガイドの名前は「ワンダ」。その気がなくてもどうしても缶コーヒーを思い浮かべちゃう。漢族っぽくも見えるけど、チベット人。今のチベットで仕事をする上で中国語会話は必須なので話すことは全く問題ないようだけど、やっぱり漢字を読むのは少し苦手なようだった。こちらの指定通り英語の話せて日本語は全く知らないガイド。
運転手の名前は「タシ」。英語は話せないけど、ワンダに対しては文句を言う(ワンダよりも年上なのも大きな理由)ので、ワンダはわがままな注文を言う私たちとの間に入って苦労してたみたい(チベット語なので内容はほとんど分からない)。

彼に白いスカーフをかけてもらう。ネパール以来のこの出迎えにチベット圏に来た実感がわきはじめた。 ここでもらったスカーフはジョカン寺でのお供え物としてとても役に立った。 スカーフを供える行為自体が楽しいので、今後もスカーフはこういう風に利用しよう。

「タシデレ」(チベット語のこんにちは)とおそるおそる言ってみると「タシデレ」という答えが返ってきた。 「タシデレってチベットに住んでるチベット人はあんまり使わないんだよね」 と本に書いてあったことを聞くと、 「使うよ」。
旅の間中「タシデレ」を使いまくったけど、 「チベット内では使われない」ということは全くないようだ。
ネタンの岩壁の大仏
ネタンの岩壁
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ラサの空港からラサの町に行く途中にネタンの岩壁の大仏がある。ガイドたちは車を止めて、「好きに見ていいよ」。彼らは他の知り合いと立ち話をしてた。
そんな横でタルチョ(チベット仏教の経文が書いてあるチベットにしてはかなりカラフルな布の飾り)が揺れている。いよいよチベット旅行の始まりかな。

チベットの道端での数少ない彩り、タルチョ
タルチョ

ラサ市内散歩

世界遺産ポタラ宮
ポタラ宮

05.jpg ラサの中華食堂
(大量のおかず)

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11:00 ホテル(金谷飯店、Gold Grain Hotel)の部屋に到着して、薬や水分を補給した後、12:00から昼食へ出発。車に乗ってポタラ宮の目の前の中華食堂に連れて行ってもらう。
ポタラ宮って思ってた以上にかっこいい!。もう少し雲がなければベストかな。食堂の窓から一生懸命ポタラ宮の写真を撮る。しかし、この宮殿の目の前に車道を通しちゃう中国政府の神経ってどんなものなんだろう。。。
昔のポタラ宮の写真(当然車道はない)を撮れた人たち、というかその時代のポタラ宮を見れた人たちってうらやましいな。そもそも、その時代のチベットを見れたことがうらやましい。「今のチベットは中国化が急速に進んでいる」このガイドブックの説明を否定するものは何もない。。。

昼食は四川料理。これでもか、と思うほど料理が出てくる。日本人の感覚で「残したら失礼だから」と思って無理して食べるけど、実は「食べれないくらいたくさん出すのが中国のもてなし」だと知ったときは後の祭り。高所に順応しきれていない体は夜になって悲鳴を上げて重度の腹痛に悩まされることに、、、まぁ、ある程度のことは覚悟してたけどね。

今日はラサ初日。機内で忠告されなくても休息に徹すること!この後の旅を楽しくするためには我慢しないと。ここで我慢せずに悲惨なチベット旅行になった人は結構多いらしい。
自分の体調に気を配りながら町に出てみた。確かにちょっと歩いただけですぐに息が切れるし、体もだるいような気がする。無理せず花壇に腰掛けたりしながらゆっくりゆっくり市内の散歩を続けた。
ポタラ宮が見えるので写真を撮ろうとすると、無意識に息を止めるのでかなりクラクラしてくる。写真の前に一息、写真の後に一息を忘れずに!

「こりゃ、いい気になって普通に観光したら終わりだね」ということで、ポタラ宮の見える町角に最近できたというデパートに入ってみた。
「チベットに着いたら絶対買おう!」と心に決めていたマニ車を購入。恐る恐る値切ってみたけど、やっぱりチベットといえどもホテルは値切れないみたい。チベット人にとっては割高かもしれないけど、それはそれで気を使わないで楽だったりして、、、
後でガイドが言うには「チベット人でも年寄りしかマニ車は持ってないよ」だって。全然OKよ。

デパートの1階でくじ引きをやっていた。それ自体は日本と大きく変わるわけじゃないんだけど、問題はその引いた後のくじの処理。みんなその場の床に平然と捨てていくので、その付近はすっかり紙くずだらけになっている。
デパートの中は漢族だらけだから、これはチベットの習慣、というよりは中国の習慣、というべきか。

薬王山
薬王山
泊まったホテル→
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↓散らかし放題のくじ引き所
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デパートの前の本屋でチベットの地図を探そうとするけど、いくら探してもチベット全土のものばかり。チベット自治区だけでもかなりの広さがあるので、今回の行程(ラサ〜チョモランマBC往復)程度だと、ちょっと大雑把すぎる。 どれも山の名前や等高線などは不十分なものばかりで、結局諦めることにした。

ポタラ宮前の道路

手前は食堂などのお店が入っている建物

車の交換

ラサの町中にはいろんな車が走っているけど、やはりランクルなどのオフロード車がとても多い。私たちの乗るランクルはちょっとぼろめ(15年物)。確かに同じくらいぼろいのも走ってるけど、結構快適そうな新車も走ってる。
ガイド(ワンダ)と運転手(タシ)とぼろいランクル
010.jpg これからまだまだ長い車の旅なので、駄目もとで車の交換を希望してみた。ガイドは単に雇われの身なので「上司に相談してみるよ」。しばらくしたら上司が新品のランクルと一緒にやってきて、「新品は官庁関係の所有物で、旅行会社にお古がやってくるんだよ。ラサ市内だけならなんとか新品のランクルに変えれるけど、ラサ市外には乗っていっちゃいけないんだよ」とのこと。

私たちが「ラサ市内はもともとそんなに車に乗らないでしょ?これからの長旅が今の体調だとつらいかな、って思っただけだから、長旅で使えないならさっきの車でいいよ」と言うと、「体調っていうのは腹痛のこと?後で薬を持っていくし、ホテルも追加料金なしでもっといいホテルに変更してあげよう」。
なんか、かなり我がままを言ってしまったようだけど、この後彼らにもらった薬がびっくりするくらい効いたので、相談したこと自体は正解だったかも。

この旅行会社の上司の人はずいぶんと私たちのことを気にしてくれていたようで、旅の最後にも本をプレゼントしてくれた。日本人はかなり大事なお客なのだろう。

バルコル(1回目)

ジョカン(大昭寺)正面
ジョカン(大昭寺) ホテルから歩いてバルコル(八角街)へ行ってみた。
遠くからでも煙(お香?)が立ち込めているのが見える。やっぱり漢族のデパートよりもこっちの方がチベットらしくて○。

ジョカンの中国名は大昭寺(ダージャオスー)というらしい。「そんな呼び方必要ないじゃん」と軽く考えていたら、漢族の人と話す場合にはこの言い方でないと通じなかったりする。英語が通じないばかりか、チベット語も通じない、そんな状態が今の中国化の進んだチベットの現状。
ジョカン正面で五体投地をする人々
五体投地 ジョカンの正面では噂どおり多くの人たちが五体投地をしている。 そもそも宗教心が薄い私たち日本人にはこの行為の意味を理解することは難しいのかもしれないけど、 見よう見まねで何回かやってみた。気分だけでも彼らに近づけたかな?

バルコルを歩き始める。本当にみんな右回りに歩いている。ここで逆周りで歩くのは勇気がいる、というかすごく歩きにくそう。

ちょっと恥ずかしかったけど、マニ車も手に持って回してみた。周りの人たちはすごく奇異な目(カメラなどを持っているので現地人でないことはすぐばれる)で見られているような気もするけど、マニ車をまわしながらバルコルを歩く気分はかなりハッピー!
マニ車に囲まれたチャムパ・ラカン(弥勅堂)
チャムパ・ラカン(弥勅堂)バルコルの途中でチャムバ・ラカン登場。ネパールを思い出しながら、建物の周りのマニ車を回して一周。
建物の中に入ると直径が2m以上ありそうな巨大なマニ車が回っている。「こりゃぁ、回すしかいないでしょ」お布施(1元くらいでもニッコリ)をしてから他の信者に混じって回そうとするけど、予想外に速い!
ほとんど回っている縄跳びに入るような気持ちで飛び込んで一緒に回してみた。スピードにも慣れてくるとなんかとっても楽しくなってきて、すっかりふざけた信者となっていた。。。

バルコルを歩いていると僧侶たちが地面に座って念仏を唱えているのに何度も遭遇する。まじめにやっている人(五体投地しながらバルコルを回る人も)もいるが、やけに楽しそうな人たちも少なくない。
お布施(1元程度でもニコニコ)をしてあげれば写真も全然OK。言葉は通じなくても笑顔は万国共通だね。
バルコル(八角街)の道の真中で朝食
バルコル(八角街)

バルコル(八角街)

修行中のようだがすごく楽しそう

バルコルからホテルに帰るときに、興味もあってリクシャーに乗ってみた
たぶん英語で言っても通じないだろうと思って中国名のホテルの名称(金谷飯店)をメモしておいたけど、彼らは中国語のホテル名を読むことができないようだった。 それでも値段だけ3元と約束をさせて、走らせることにした。 まぁ、今考えても十分な値段だろう。
リクシャーの運転手はどこのホテルなのか(というかホテルということさえ)分かっていないのだから大変!交差点のたびにこちらを振り返るので、「真っ直ぐ!」と指さしてあげるとニコッとして元気よくこいでいく。
ホテルにつくと「5元」などと寝ぼけたことを言う。「ははは、3元だよ」と言って渡すと「OK、Thank You」と笑って握手した。この程度のやりとりはコミュニケーションのうちだね。

夕食は18:30から。昼食の量もあったので、とても食べきれることはできなかった。食べきろうと努力していただけこの時点では体調がよかった、ということかもしれないけど、、、
今日の心拍は妻66、夫64。ちゃんと測れてるのかな?

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