Ronald Stevenson 投稿者:Micci 投稿日:2004/05/16(Sun) 21:00 No.2241

どうも、ミチ改めMicciです。
ロナルド・スティーヴンソンという作曲家・ピアニストをご存知でしょうか。以前、コダーイやリャプノフの作品でリストの名を冠した曲があることがこちらで話題になりましたが、このスティーヴンソンもリストにちなんだ作品を残していました。「Symphonic Elegy for Liszt」というピアノ曲があるそうです。
この人はブゾーニとソラブジの信者で、ピアニストとしてはブゾーニ直系のピアニスト(孫弟子)です。イギリスの音楽学校時代、後輩にオグドンがいて、「君なら弾ける」とソラブジとブゾーニをオグドンに叩き込んだらしいです。(笑) 

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ふゆひこ > ロナルド・スティーブンソンという人は初めて聞きました。その曲も聴いてみたいですね。いまだにリャプノフの曲は聴けずじまいです。オグドンもスパルタな先輩を持ってしまいましたね(笑)。今日、CDをネットで調べていたら、僕も面白いのを見つけました。現代の作曲家で、ジョン・マカベという人がリストのファウスト交響曲のモティーフで幻想曲を作っているようです。CDはこれ↓
http://discount-shopping-mall.com/cgi-bin/store_feed-item_id-B00001R3I4-search_type-AsinSearch-locale-us.html (5/18-02:29) No.2243
ふゆひこ > ロナルド・スティーブンソンは筋金入りのブゾーニ信者ですね。スティーブンソンのCDを見ていたら、“ファウストゥス博士”のテーマを使った幻想曲?も作ってました。他にジョン・オグドンを追悼する作品、CDもでていました。リストの19世紀スタイルに憧憬を持っている作曲家のようで、“20世紀オペラのファンタジー”として、“ファウストゥス博士”の他にベルクの“ヴォツェック”R・シュトラウスの“ばらの騎士”をピアノ曲に編曲してますね。 (5/18-02:39) No.2244
ふゆひこ > これはNAXOSのスティーブンソンを紹介したページ。↓
http://www.naxos.com/composer/btm.asp?fullname=Stevenson,%20Ronald%20

スティーブンソンの最も優れた作品は“DSCHの名によるパッサガリア”だそうです。DSCHはドミトリ・ショスタコーヴィッチから取られているとの事。リストの“BACHの名による幻想曲とフーガ”みたいですね。 (5/18-02:44) No.2245
ふゆひこ > ↑リンク失敗しました。
http://www.naxos.com/composer/btm.asp?fullname=Stevenson,%20Ronald%20 (5/18-02:46) No.2246
ふゆひこ > だめでした。興味があれば、貼り付けるか、NAXOSサイトから行ってみてください。 (5/18-02:47) No.2247
ふゆひこ > ちらちら調べていたら“DSCH”というモティーフはショスタコーヴィッチ自身が使っているようですね。バッハもそうか。 (5/18-02:58) No.2248
Micci > http://www.classical-composers.org/cgi-bin/ccd.cgi?comp=stevenson
ここにも色々書いてありました。この人おもろい。
「B.A.C.H.による幻想曲とフーガ」はバッハも書いていますが、僕はリストに軍配を上げたいと思います。 (5/18-23:13) No.2249
Micci > http://www.altarusrecords.com/AltarusMainCatalogue.html
ここにスティーブンソンの自作自演やら、色々あります。「リストの主題によるプレリュードとフーガ」というオルガン曲もあるみたいですね。どうでもいいけど、このレーベルはソラブジやらゴドフスキがあり、購買層のターゲットが明確で面白い。オグドン演奏のソラブジの3時間半の大作は手に入らないみたいですが。
オグドンはこの人と出会わなかったら、ソラブジを取り上げなかったかもしれませんね。わかりませんが。メシアンやらストラヴィンスキーのような現代音楽を得意としていたみたいなので。アルカンやブゾーニを弾くのはエゴン・ペトリの影響でしょうか。フィリップスの「20世紀の偉大なるピアニスト」シリーズにアルカン、ブゾーニは収録されています。 (5/18-23:30) No.2250
ふゆひこ > スティーブンソンの作品リストは見れば見るほど面白いですね。聴いてみたいです。現代に生きる19世紀的作曲家なんでしょうか。“リストの主題によるプレリュードとフーガ”は“12音のテーマ”によるってなってますね。12音技法なのかな。1949年に“ショパンの断片によるフーガ”というのを作っていて、これはショパンの没後100年に際してのようですね。それと“リストのための交響的エレジー”は1986年。リストの没後100年に際してのようです。コダーイの“フランツ・リストに捧げるオード”が没後50年でしたね。ますます生誕200年に期待。3時間半の大作って、ピアノ独奏曲で3時間半なのでしょうか??ソラブジは1曲も聴いたことないです。 (5/19-01:05) No.2251
Micci > John McCabe は多分、ジョン・マッケイブと読むんだと思います。違ったらごめんなさい。
僕は、音楽理論とかまったくわからないんですけど、12音技法にしたら「リストの主題」もくそもないんじゃないでしょうか?(笑)(12音技法のことをよくわかってないで書いているので流してください。)
ソラブジの大作はピアノ独奏曲です。上のアルタラスレコードのカタログにある「Opus Clavicembalisticum」(CD4枚組!!)がそれです。販売はしてないようです。 (5/20-23:56) No.2259
ふゆひこ > おお、ジョン・マッケイブで検索したらいっぱいヒットしました。僕もよくわかりませんが、感覚的になんとなくできそうな気がしたりして(笑)。もちろん主題の形跡はとどめないでしょうけど(笑)。スティーブンソンの曲は、12音技法とは関係なく、12の音符でできているリストの主題を使っているのかな。ソラブジの独奏曲ってすごいですね。聴いてみたいけど、ディスクが手に入らないのは残念です。録音する人もすごいな(笑) (5/21-01:35) No.2262


リストとグリンカ 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/15(Sat) 23:47 No.2236

リヒテルのDVD『エニグマ』で、リヒテルがリストを演じた『グリンカ物語』(ほんとにこういう邦題なんでしょうか?)がちらっと紹介されます。そこでリストは観客のいるホールでグリンカの“ルスランとリュドミラ”からチェルケシュ行進曲を演奏します。そして、遅れてきた(?)グリンカと、感動的な(しかしリヒテルの演技に笑ってしまう(笑))握手をします。

ほんとかな、とか思ってたら、この辺のエピソードがVYに書かれていました。まずP375、1842年4月8日のサンクト・ペテルブルグの話です。

ウラディミール・スタソフという批評家の文章で、そこでは、まずホールに最初からスタソフ、グリンカ、セーロフという作曲家達がいて、そこにどよめきとともにリストが登場。リストが演奏したのは“ウィリアム・テル序曲”“ランメルモールのルチアのアンダンテ”“ドン・ジョヴァンニの回想”シューベルトの“魔王”“セレナーデ”ベートーヴェンの“アデライーデ”そして“半音階的大ギャロップ”、とヴィルトゥオーゾ時代の定番レパートリーですね。

ただ、グリンカもやはり回想文を残していて、それはP380に載っています。そこでリストはリヒテルの映画のとおり“ルスランとリュドミラ”のチェルケシュ行進曲を“初見で弾いた”と、書かれています。リストはロシアには1843年と47年にも行っていて、チェルケシュ行進曲の編曲はハワードのクレジットだと1843年なので、“グリンカ物語”のエピソードは1843年のコンサートなのかもしれないですね。もしくは2つのエピソードをミックスしたのかも。

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ふゆひこ > サンクト・ペテルスブルクのサイトを見つけました。http://www.300.years.spb.ru/eng/3_spb.html
ここの、≫St.PETERSBURG≫CULTURE≫DID I REALLY LISTEN TO LISZT? というところに一連のエピソードがウォーカーよりも詳細に書かれていますね。なんかだんだんよくわかんなくなってきた(笑)。オペラ“ルスランとリュドミラ”は不評だったはずなんだけど、グリンカは2回のカーテンコールだそうです。 (5/16-00:06) No.2237
ふゆひこ > 上のリンク、トップページではなかったです。トップはこっち。http://www.300.years.spb.ru/eng/ (5/16-00:12) No.2238
じょるじゅ > ふゆひこさん、上の貴重なリンクありがとう。私も調べていたんですがうまくみつからないんです。ロシア関係は。
マダムサモイロフのこととか。
ツァー・ニコラスとかいれると二世の方に行っちゃうし。 (5/16-01:57) No.2240
Micci > 僕がユージナの所にアマゾンのリンクを貼った、モンサンジョンの著書は「エニグマ」と深い関連性があるようです。同時に作られたものなのでしょう。エニグマは、まだ観たことがありません。面白そう。 (5/16-21:08) No.2242
ふゆひこ > デュオ・エグリ&パーティスのマリア・エックハルトによるCDライナーで、もう少し詳細に書かれていました。グリンカが草稿をリストに見せたのは、スタソフがレポートしているコンサートの後、リストがしばらく滞在していたときで、続く11月17日(と12月9日?エックハルトの文章では併記されています)にグリンカの完成したオペラ“ルスランとリュドミラ”を観賞したとのこと、そしてリストがサンクト・ペテルブルクを離れるときに開かれた告別演奏会で、リストはカール・フォルヴァイラーによる“ルスランとリュドミラ”のテーマによる幻想曲、そしてリスト自身の“チェルノモールの行進曲”を演奏したとの事です。リストの曲は“チェルケシュ行進曲”となっているのですが、なんでそういうタイトルを付けたのかは不明、とエックハルトは書いてます。“ルスランとリュドミラ”の悪魔の名前は“チェルノモール”で、本当は“チェルノモールの行進”としなければならない。 (7/1-01:17) No.2432

リュッツォウの猟人団 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/16(Sun) 01:00 No.2239

下の書き込みに続いて、ちょっと不明瞭なこと(笑)。前にリストの超絶技巧練習曲 第8番“荒々しき狩”について、“ケルナーの詩“リュッツォウの荒々しき狩”がヒントになるのでは”というようなことを書きました。ケルナーの詩もネット上で公開されているのですが、ドイツ語で僕にはよく分かりません(ちなみにに第2外国語はドイツ語でした(笑))。

そしたらですね、今日、図書館で『カフカ、映画に行く』ツィシェラー著 瀬川祐司訳 みすず書房 という本を借りてきたら、なんとカフカが、1912年に無声映画で『テオドーア・ケルナー』というケルナーの生涯を扱った映画を観ているんですね。カフカは日記に“テオドーア・ケルナー、リュッツォウの猟人団”という記述を残します。詳細がよく分からないのですが、そこでケルナーの略歴をちらちら知ることができました(P98〜P107)。

どうもケルナーは、たった23歳しか生きていない。彼は1813年に詩人、劇作家として成功した年に、リュッツォウの自由部隊に入り戦死してしまったようです(その辺がロマン主義の芸術家達に好まれたのでしょうか)。ということは“リュッツォウの荒々しき狩”というケルナーの詩の内容は、行軍の模様をヴォータンの“荒々しき狩”にイメージを重ねたようなものなのでしょうか?



ゲンリヒ・ネイガウス(1888〜1964) 投稿者:ミチ 投稿日:2004/05/03(Mon) 21:24 No.2199

ユージナのところで出てきましたが、長くなりそうなのでこちらでゲンリヒ・ネイガウスの紹介をさせていただきます。興味がない場合スルーしていいです。
ネイガウスは一言で言えばロシア・ピアノ界でルビンスタイン兄弟に次ぐ最重要人物だと思っていただいていいと思います。演奏家としても教師としても大きな足跡を残しています。ネイガウスの師はフェルディナント・ヒラーに師事した父・グスタフ・ネイガウスのほかに、フェリックス・ブルーメンフェルト、レオポルド・ゴドフスキ、アレクサンドル・ミハロフスキがいます。ゴドフスキの説明は必要ないですね。ブルーメンフェルトはアントン・ルビンスタインの助手を務めてたことのあるヴィルトゥオーゾピアニストで弟子はネイガウスの他に、ホロヴィッツ、シモン・バレールなどがいます。ミハロフスキはタウジヒとミクリに師事したピアニストということで、リストとショパンの孫弟子です(無理矢理リストを登場させました(笑))。
 今度はネイガウスの弟子なんですが、優秀なピアニストが多すぎてこちらでは紹介しきれませんので、ネイガウスが特に優秀と語った弟子を紹介させていただきますと、ギレリス、リヒテル、ヴェデルニコフ、ザークの4人がいます。前者3人は説明の必要はないかと思います。ザークは知名度が低いですが、なぜかというと、教育の方に活動の重点を置いていたからです。しかも目立つことが好きではなかったそうです。そんな彼も第3回ショパンコンクールの優勝者なんですが。影響力という点で、おそらく現在でもネイガウス・スクールの存在感は大きいものだと思います。
 錚々たる人物たちに囲まれていますが、だからすごいというわけではありません。演奏家としては、僕がCDを聴いた感想を書いてもあまり意味がないので、リヒテルのエピソードを引用します。リヒテルはシューマンのクライスレリアーナを取り上げなかったのですが、その理由が「ネイガウスの演奏があるから」と語ったそうです。

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ミチ > そんなネイガウスも色々な不運に見舞われてます。作曲ではシマノフスキ(ゲンリヒの従兄弟)にかなわない、演奏はアルトゥール・ルービンシュタイン(友人)にはかなわない、と悲観し、自殺を図ったこともあるそうです。その他、笑えないエピソードとして「ドクトル・ジバコ」で有名な詩人ボリス・パステルナークに奥さんをとられてしまいます。それでもパステルナークとは、その後も友人だったとか。せつない... (5/3-21:25) No.2200
ふゆひこ > ネイガウスの弟子達もリストの流れにあると言えるんですね。ピアニストの系譜というのも複雑で広いです。聴いたことがあるのはギレリスとリヒテルだけかな(ミチさんのご好意で聞かせてもらったギレリスのスペイン狂詩曲は素晴らしいですね。あとアルゲリッチのソナタもめちゃめちゃ感激しました)。ネイガウスのクライスレリアーナって録音があるのかな。リヒテル絶賛の演奏ということでは聴いてみたいです。パステルナークはそんなことしてるんですか(笑)。僕は『ドクトル・ジバゴ』はデヴィッド・リーンの映画で観ましたが、確か不倫がとり上げられたストーリーだったと思います(笑)。 (5/5-01:02) No.2202
ふゆひこ > ネイガウスのクライスレリアーナ、普通にありました。

http://www.hmv.co.jp/news/newsDetail.asp?newsnum=304150042&category=1&genre=700&style=705&pagenum=4

リストの協奏曲第2番とカップリングだから買っちゃおうかな。 (5/5-01:49) No.2204
ミチ > ロシアのピアノ界はリストの(リストの弟子の)影響が大きいのは事実なんですが、それ以外にも流れがあります。クレメンティから下ってくる「クレメンティ→フィールド→ヴィルワン→ルビンスタイン兄弟」という流れがあり、ジョン・フィールドはロシアに長い間(30年くらいかな)滞在しました。上に出てきたもので「モーツァルト→フンメル→ヒラー→グスタフ・ネイガウス→ゲンリヒ・ネイガウス」というのもあります。ちなみにヘンゼルトもフンメルの弟子でロシアで活動をしていたのですが、教師には向いていなかったようです。そしてベートーヴェンから始めると「ベートーヴェン→チェルニー→リスト」となりゲンリヒに繋げると「リスト→タウジヒ→ミハロフスキ→ネイガウス」となり上には書かなかったのですが「リスト→ビューロー→ハインリヒ・バルト→ネイガウス」という流れもあります。他には「リスト→シロティ→ラフマニノフ」が有名でしょうか。またチェルニーに戻り「チェルニー→レシェティツキ→サフォノフ→ラフマニノフ・スクリャービン」というわけで色々な流入があったんです。もちろんブゾーニとゴドフスキの影響も大きかったことでしょう。 (5/5-20:54) No.2209
ミチ > 「ショパン→ミクリ→ミハロフスキ→ネイガウス」を忘れてました。

パステルナークがネイガウスの妻を奪ったため、ゲンリヒの次男で名ピアニストのスタニスラフ・ネイガウスはパステルナーク家で育ってます。彼の演奏は技巧は弱いところがあるみたいなのですが、情熱的な演奏で特にスクリャービンが素晴らしいです。ピアノは父に師事しています。 (5/5-21:00) No.2210
ミチ > ふゆひこさんがソヴィエトの政治的背景について触れていますが、ある本に「ソヴィエトの特殊な政治体制により19世紀型のヴィルトゥオーゾスタイルが貯蔵されていた。」とありました。偶然でしょうが、ラザール・ベルマンは「私は、19世紀のヴィルトゥオーゾに属しています。」と語ったことがあるそうです。 (5/5-21:05) No.2211
ふゆひこ > 複雑ですね(笑)。実際の血のつながった家系図よりも複雑です。ピアノ演奏の伝承というのは、一人の指導者からのみではなく、複数の指導者から少しずつ教わっていくんでしょうね。ネイガウスのことをネットでちらちら見ていたら、有名なブーニンの祖父というのもありました。なるほど政治的背景が逆に19世紀スタイルの温存というメリットも生み出したんですね。逆に20世紀型スタイルというのは、明確にあるのかな。僕のイメージとして19世紀型スタイルというのは、叙情的、感情的、耽美的、流麗なスタイルというステレオタイプ的なイメージを持ってるんですが(ザウアー&ワインガルトナーの協奏曲がそれを壊しました)、それの対極でしょうか(ポリーニとか想像しました)。 (5/5-23:35) No.2214
ミチ > ”19世紀スタイル”、非常に興味深いトピックですね。ビューローは”ルビンスタインがミスタッチをしても、誰も何も文句は言わないのに、私が一音でも間違えればたちまち、気づかれてしまう”と語ったそうなのですが、2人は正反対の演奏スタイルだったそうです。ルビンスタインは荒々しく激しい演奏だったそうです。ということはビューローは一音一音を大事に弾くタイプということでしょうか。わかりませんが。要するに、当たり前のことですが、現在と同様に色々なタイプがいたのでしょう。(わはは!なんじゃそりゃ!当たり前すぎる!)でも現在と違うことは「個性を重んじた」ということではないでしょうか。それに対して現在は「正確さを重んじる」ような印象を受けます。”目立つ”ということに関しては、現在の演奏家の方が苦労が多いと思います。正確に弾く上で個性を出さなければいけない、ということで。もちろん、19世紀も音楽マネージメントという仕事が一般的ではなかったので、他の苦労が大きかったことでしょう。 (5/7-23:23) No.2220
ミチ > ふゆひこさんの言うとおり、ピアノ演奏は複数の指導者から伝わっていくのでしょう。上に「モーツァルト→フンメル〜」と書きましたがフンメルはクレメンティにも師事しています。

ブーニンは確かにネイガウスの孫ですが、どれだけ関連性があるか疑問です。上記のスタニスラフ・ネイガウスの子供なんですが、この父とはいっしょに暮らしたことがないです。詳しくはわからないのですが、愛人の子供なのかな?名前をみると、ファミリーネームが違います。(面白いことに、ファーストネームは同じ。)そしてブーニンの先生なんですが、ある本では「ネイガウス門下」と書かれているのですが、別の本では「ゴリデンヴェイゼル門下」と書かれています。ブーニンは父スタニスラフ・ネイガウスに対して、複雑な感情を抱いているようです。ある本にミハイル・リッキーもスタニスラフ・ネイガウスの子だと書かれていましたが、これは本当なんだろうか? (5/7-23:38) No.2221
ふゆひこ > 僕は、上記に書いたように、先入観を持っていたのですが、古い録音をちょっとずつ聴くことで、先入観が壊れていきました(アニー・フィッシャーのソナタの端正さに以前、驚かされました)。ザウアー&ワインガルトナーは僕には新鮮だったんですけど、よく考えると、ミュンヒュンガー指揮のヴィヴァルディ“四季”を聴いたときの印象に近いな…と思ってます(昔はがちがちに厳粛に演奏するスタイルが一般的であったけど→それをイ・ムジチとかがイメージを払拭した→けれどイ・ムジチが定番となった現代人にとっては今度はミュンヒュンガーが新鮮)。現代の演奏家が正確さを重視するのは、レコーディング時代の影響もあるでしょうね。それと音楽では不協和音が開放され、ますます響きが繊細になりちょっとしたミスで音楽性を破壊してしまう、ことにつながってしまうんじゃないかな。僕は20世紀スタイルとして、ポリーニとグレン・グールドをあげたいです。理知的ということでしょうか。 (5/8-13:25) No.2225
ふゆひこ > 21世紀スタイルとしては、僕のキーワードは“ミクスチュア”“クロスオーバー”時代を通過した結果による“新しい解釈”かな。いろんなジャンル(クラシックに限らず)、時代を混合したような感性で、新しい解釈をする、みたいな。ボリス・ベレゾフスキー、大井和郎さん、アファナシエフ、ファジル・サイとか。 (5/8-13:35) No.2226
ふゆひこ > 文章が抽象的ですいません(笑)。ブーニンは単純にネイガウスっていう名前じゃないですね(笑)。となるとブーニンの場合、ネイガウスとの関連で注目すべきところは教えられた演奏方法とかじゃなくて、素質、遺伝的才能みたいなところかな。リストの隠し子チームとネイガウスの弟子&子どもチームでサッカーやってもらいましょう(笑)。 (5/8-13:39) No.2227
ふゆひこ > アファナシエフのCDライナーをみたら、ヤコブ・ザックとギレリスに師事してますね。あとグレゴリー・ギンズブルグのCDライナーを見たら、ゴリデンヴェイゼルの弟子とのことでした。 (5/8-13:46) No.2228
ミチ > ミクスチュア、クロスオーバーはまさにその通り。そのほかに、20世紀半ば以前はロシア流の奏法だとか、フランス風の奏法だとか様々な様式があったのですが、現在ではその流派の特色も段々インターナショナルになってきているようです。要するに均一化してきているのですが、若いピアニストが留学を頻繁にできるようになったからでしょう。悪く言えば、地域や流派の特色がわかりにくくなってきている。でもどんな時代でも天才は突然現れて私たちを楽しませてくれるので、心配はしていません。ホロヴィッツのような人は出てこないかもしれませんが。。
ファジル・サイは確かに新しいタイプの演奏家ですね。僕は彼の斬新さにまだ戸惑っていますが。リストの言葉を引用しますと、リストはタウジヒに「おまえは偉大な巨匠になるか、デクの棒になるかのどっちかだよ」と言ったそうなのですが、僕はファジル・サイはペテン師か、偉大な芸術家のどちらかだと思います。(笑) (5/8-20:53) No.2231
ミチ > ポリーニとグールドが20世紀スタイルというのは、同感です。彼らは、響きやテクスチャを重視しているような演奏だと思います。興味深い事実として、この二人の共通点は新ウィーン学派の作品をはじめとする現代音楽を取り上げていることですね。(CD屋さんで、シェーンベルクのピアノ曲の棚でこの二人のCDをよく見ます。)「アート・オブ・ピアノ」でバレンボイムのインタビューで「(過去の)巨匠たちは、調性(トナリティ)の世界に住んでいた」みたいなことを言っていましたが、ポリーニ、グールドはアトナリティの世界でも成功をしています。まさにルービンシュタインやバックハウスの世代とは違う世界に入り込んだピアニストでしょう。 (5/8-21:03) No.2232
ミチ > ゴリデンヴェイゼルの門下も、僕は密かに注目しています。4人代表選手を挙げると、フェインベルク、ニコラーエワ、ベルマン、ギンズブルグです。前者2人はロシアの代表的なバッハ弾きで、ニコラーエワはショスタコーヴィチが24のプレリュードとフーガを作る際に助言を与えているとか。(ニコラーエワとショスタコーヴィチは”密接した関係”だったらしいですが、本当なのかな?)後者2人は我等、リスティアンにとっても注目すべきリスト弾きですね。 (5/8-21:20) No.2233
ふゆひこ > 時代、地域の“特色”や、リードする強い影響力を持った主義やスタイルというものが“ない”、というのはピアノ演奏だけでなく、現代のすべての分野における傾向でしょうね。それが悪いことなのか良いことなのかは僕には分からないです(僕個人の感覚では、正直、倦怠感とジレンマの匂いを感じます)。そういえば、ポリーニ、グールドはシェーンベルクとか演奏しますね(僕はグールドの“ナポレオンの頌歌”しか聴いたことないです)。シェーンベルクとかを通過した演奏家が、バッハ、ベートーヴェンとかを演奏すれば、19世紀スタイルに対して、明確な差が出るのだと思います。フェインベルクとニコラーエワは聴いたことないです(僕はリストをメインで弾かないピアニストを知らなさ過ぎる(笑))。 (5/9-03:37) No.2234
ミチ > フェインベルクとニコラーエワはそれほど有名ではないかもしれないので、知らない人は多いと思いますよ。
ところで「リストの隠し子チームとサッカー」は「ランプ一個しかつけてなかったのかよ!」と同じくらい笑いました。(笑) (5/9-19:40) No.2235

Weinen, Klagen, Sorgen, Zagen 投稿者:ミチ 投稿日:2004/04/30(Fri) 23:00 No.2166

以前お話した、マリヤ・ユージナのバッハ変奏曲をついに手に入れました。僕がリストの最高傑作として愛してやまない作品についてふれさせてください。この曲はブレンデルの演奏を絶対的な基準として聴いてきました。そして今でも一番の愛聴盤です。残念ながらユージナの録音は状態がよくないです。でも、その録音の悪さに耐えることができればこれは恐ろしい説得力を持った演奏に聴こえます。この「恐ろしい」という言葉はユージナを表すキーワードだと思ってください。彼女はバッハを得意としていたのですが、平均律の演奏についてリヒテルは「彼女に比べれば、グールドなんてかわいいものだ」と語ったそうです。そしてリヒテルは彼女の一番素晴らしい演奏を、なんと、バッハ変奏曲だと言ったそうです。「ピアノ曲ではなく、ミサ曲のようだ」と語ったリヒテルの言葉はすごく納得できます。ブレンデルの演奏は構築感があり、大建造物を眺めているような演奏です。一方、ユージナは生々しさを感じます。抽象的な表現ですが、全身血だらけの満身創痍の演奏という印象を受けました。演奏に傷があるという意味ではないですが、良くも悪くも、やはり恐ろしい演奏です。まだ好きか嫌いかは判断できません。
”マリヤ、あなたは聖母ではなく、悪魔だ”

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ふゆひこ > 僕もこの曲はブレンデルの演奏で聴きます。マリア・ユージナの演奏を僕は一度も聴いたことがないです。あのリヒテルに、ユージナが得意とするバッハ・オリジナル作品よりも、リストの“涙し、嘆き、憂い、畏るることぞ〜”が彼女のベストだと言わしめるなんて、相当すごい演奏なんでしょうね。 (5/1-02:58) No.2171
ミチ > http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4276217342/qid=1083424441/sr=1-2/ref=sr_1_2_2/250-3004434-6010626
↑こちらの本にリヒテルのユージナへ対するコメントが載ってましたよ。興味あればどうぞ。 (5/2-00:15) No.2176
ミチ > ロシアのピアニストの歴史は本当に幅が広い。特筆すべきピアノ教師が4人いまして、ネイガウス、ゴリデンヴェイゼル(ベルマン等の師)、イグムノフ(オボーリン等の師)、ニコラーエフがいます。前者3人はモスクワ音楽院に属していますが、ニコラーエフだけはペテルスブルグ音楽院の教師です。そしてそのニコラーエフが育てた優秀な生徒たちの筆頭にユージナやソフロニツキーがいます。ペテルスブルグ音楽院出身のこの二人のコンサートピアニストとしての活躍はすごかったらしいです。でも日本での知名度はいまいちですね。なんでだろう。 (5/2-00:28) No.2178
ふゆひこ > こんど図書館で探してみます。ネイガウスってよく聞きますね。リヒテル関連で知ってるのかも。他の3人は初めて聞いた名前です。一時期、ロシアのピアニストは、政治的な背景から情報がほとんど西側諸国には入ってこなかったと聞いています(リヒテルすら伝説のように語られていたとか・・・)。そんな背景が、現在の知名度の低さにつながっちゃってるのかもしれないですね。 (5/2-23:45) No.2186
ミチ > 僕もこのリヒテルの本は図書館で読みました。僕がバッハ変奏曲について密かに思っていることがあります。それは、まずこの曲を録音しているピアニストをその得意とする作曲家とともに見ていただきたいのですが、ブレンデル(ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト)、ユージナ(バッハ、ベートーヴェン)、オピッツ(ベートーヴェン)、ダルベルト(シューベルト)、マイセンベルク(シューベルト)、カツァリス(ショパン、リスト)という具合になります。よーく見るとカツァリス以外はドイツ・オーストリア系の作曲家が目立ちます。だからこの曲はドイツ音楽に共通するなにかを含んでいるのではないでしょうか。それが”厳格さ”なのか”重厚さ”なのかはわかりませんが。そういう風に思っているからかもしれませんが、カツァリスだけ、この曲をすごいヴィルトゥオジティで料理しているように感じます。こっちも好きです。最後にこの曲をブゾーニもレパートリーにしてたことを付け加えておきます。 (5/3-21:38) No.2201
ふゆひこ > シプリアン・カツァリスだけ名前の響きからして浮いてますね(笑)。この話は、前にもちらっと話題にしたことがあるんですが(過去ログでとっておいてないです)、リストをフランス系と考えるか、ドイツ系と考えるか、というところにもつながりますね。リストのワイマール時代はまさにドイツ的性質が強くなる作品群が集中すると思います。ミチさんの言われるように、僕も“涙し、嘆き、憂い、畏るることぞ〜”は(もともとがバッハの主題の変奏曲であることも理由として)ドイツ的性格を強く持った作品だと思います。 (5/5-01:11) No.2203
ミチ > 僕は肝心なことを忘れていました。バッハのカンタータから作ったのだからドイツ的なのは当たり前でしたね。恥ずかしい。 (5/5-21:08) No.2212
ミチ > リヒテルがリストのキリストについて絶賛した後に「最初は恐ろしくて入り口から入っていけない。これは何回も聴く必要がある。」とコメントしてるんですが、僕のユージナのバッハ変奏曲への印象も同じです。どろどろしたものが地を這い回っているような演奏です。デモーニッシュとは彼女のためにある言葉です。恐ろしい!

すいません。リストのキリストってクリストゥスのことですかね? (5/5-21:14) No.2213
ふゆひこ > “キリスト”となるとオラトリオの“クリストゥス(キリスト)”でしょうか。オラトリオとしてリヒテルは聴いたのかな。それともピアノ独奏曲に編曲されたピースについて言っているのかも。知名度的にマイナーな曲にリヒテルは目をつけているんですね。僕はあまり“クリストゥス”を聴き込んでいないので、なんとも言えないですが“恐ろしさ”というものは感じなかったです。同じキリストをテーマにしている“十字架の道行”のピアノ独奏曲版ならば、リヒテルの発言も僕にはしっくりくるのですが。あの曲は恐ろしいです。 (5/5-23:52) No.2215
ミチ > もう一度本を見てみたら、キリストはアンタル・ドラティ指揮ということで、オラトリオです。もう一度引用すると、”そうなのだ!リストは天才であり、信じられないほどに大胆な男なのだ。音楽について言っているわけではない、宗教上の考え方も含めての話なのだ。彼は通常許されている範囲から逸脱して勝利をおさめた。(それは特にこのオラトリオの第二部に当てはまる。)彼はあえて、人間的立場から、自分自身に対し挑戦を課したのだ。この作品は単純とは程遠い曲であり、何度も繰り返して聴く必要がある。初めて聴くときにはむしろ恐ろしさを感じて素直に中に入ってゆけない。”と言っていました。 (5/7-23:05) No.2218
ミチ > http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480885129/qid=1083938817/sr=1-3/ref=sr_1_2_3/250-3004434-6010626
↑こちらに載っていました。この本も非常に面白い。 (5/7-23:08) No.2219
ミチ > いまさらですが、CD情報として。
「Maria Yudina・Russian Piano School」
RCD16298 Russian Disc
1. Chromatic Fantasia and Fugue J.S.Bach
2. Variations on a theme by Bach Liszt
3. Fifteen Variations with a Fugue Beethoven
4. Duma Mussorgsky
5. Meditation Mussorgsky
6. Une Larme Mussorgsky
7. Scherzo Mussorgsky
です。ムゾルグスキーの曲は初めて聴いたんですがなかなか面白かったです。バッハのクロマティックファンタジーとフーガは僕の中でベスト演奏です。 (5/7-23:45) No.2222
ふゆひこ > それは意外でした。ドラティ指揮ということはリヒテルはフンガロトンのCDを聴いているのかな。1985年の録音で、僕も持ってます。10年ぐらい前に買って、一時期聴いてたんだけど、それほど好きになれず手放しました。それで1年前ぐらいに中古屋で見つけて、また買って持ってます。リヒテルの言葉に従って僕も聴きなおしてみたいと思います。ディスクの紹介ありがとうございます。見つけたら買ってみたいと思います。ムソルグスキーの曲は珍しそうな曲ばかりですね。 (5/8-13:53) No.2229
ミチ > この本では、CDを聴いたのか、コンサートを聴いたのかわかりませんでした。 (5/8-20:35) No.2230
Micci > kyou hajimete shittanodesuga, Bartok mokonokyokuwo rokuonshitemasu....to omottara,sonorokuonha fragment shika nokosareteinaiyoudesu. demo hoshii! kacchaoukana? Hungaroton kara deteimasu. title ha
"BARTOK RECORDINGS FROM PRIVATE COLLECTIONS
Bartok Plays and Talks (1910-1944)"desu.
chinamini Dohnanyi tono kyouen niyoru concerto pathetique mo shuurokusareteimasu. (6/19-00:53) No.2369
ふゆひこ > それは聴いてみたいですね。検索してみたらここのお店で、LP盤ですが収録曲が紹介されていました。カタログ≫スペシャリティのところに載ってます。(コルトーの手紙とかも売ってる!このお店はWEBもお店自体もセンスがいいですね)http://www.classicus.jp/index.html
会話が聞いてみたいな。意味分からないけど。 (6/19-11:43) No.2372
Micci > kono kyoku bokugashirukagirideha 20shurui ijouno rokuonga arimasu. demo nazeka "minor na image" gaarimasu. nandedarou?
chinamini Horowitz to Fiorentino ha "Weinen, Klagen, Sorgen, Zagen"prelude wo rokuonshiteimasu. Variationen wo rokuon shitehoshikatta... (6/22-22:49) No.2391
ふゆひこ > ホロヴィッツが変奏曲の方を弾いていたら聴いてみたいです。“涙し、嘆き、憂い、畏るることぞ”による前奏曲の方はもっとマイナーですね(笑)。 (6/23-01:27) No.2395
ふゆひこ > FRANZ LISZT STUDIES VOL10の書簡集をちらちら見ていたら興味深い書簡を見つけましたよ。P221 LETTER NO.260 1881年4月16日付け、リヒャルト・ポールに宛てた手紙です。
“親愛なる友よ。ペスト、プレスブルク、オーデンブルク、ウィーンでの、いくつかのコンサートを含むたくさんのイベントのために、すぐに私の哀悼の心情を書くことができなかった。我々はまだ“涙し、嘆き、憂い−”そして苦しみの世界にいるのだ。”その後の訳がちょっと分からないです。これは1881年の3月にセゲドで起こった、2度目のティサ川の水害についての文章です。リストは1879年のセゲドの水害で“REVIVE SZEGEDIN!”という曲を編曲し、チャリティーコンサートを催してます。“涙し、嘆き〜”の曲の世界にある、死への深い悲しみ、悼みを感じるリストの書簡です。 (7/1-01:44) No.2434


リストの自筆稿 サザビーズ・オークション 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/05(Wed) 20:09 No.2208

ハワードのCDライナーを読んでいると“リスト協会がオークションで買った草稿”とか、“オークションで誰かが落札したけれど行方不明(パンセロンのシャンソネッテによる性格的大独奏曲)”とかいう記述がでてきます。

興味を持って、サザビーズのサイトで調べたら、結構普通にリストの草稿が出品されてるんですね。サザビーズ↓

http://search.sothebys.com/

ここで“LISZT”で検索しましょう。“グノー〜リスト シバの女王より子守歌”“ものみな涙あり”“エステ荘の糸杉に”“バラード第2番”が出品されるようです。8000ポンドとか、それぐらいの値段だったから、日本円で160万円ぐらい?でしょうか。

ハワードとかデュオ・エグリ&パーティスなんていう人達は、こういうオークションで出てくる草稿を、所有者から借りてきて録音してるんでしょうね。“パンセロン〜”みたいに行方が分からなくなる、なんていうのは残念です。

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じょるじゅ > オークション、はまると怖い。
ううー。でもほしいぞ〜。
こういう資料は、売却する前に必ずヴァイマールかブダペストに資料登録して、必ず後でアクセスできることを条件にして売却するべきですよ。
じゃなければ、買った人が、そのあと「はながみ」に使っても文句は言えないわけだし。
もし買い取った人がまた売却したい時は、サザビーがやる、とか、買い取った時点で、その人の遺書に死後、ヴァイマールかブダペストに寄付することを前提とするか。 (5/6-01:24) No.2216
じょるじゅ > 私もエヴァのサインの入ったダニエルビューローの本、もし息子が興味ないならヴァイマールかブダペストに寄付します。
(というように遺書に書く。) (5/6-01:27) No.2217
ふゆひこ > なんか難しい問題ですよね。文化遺産か、個人の財産か、という問題。絵画とかは個人所蔵になって一般公開されていないもの、行方知れずのものなんて、膨大にあるはずです。絵画は、個人鑑賞用としての目的があるから(そうでない巨大な大作もたくさんありますが)、納得できるんですが(自室で一人で観賞すべきような名画を美術館で黒山の人だかりになっているというシチュエーションは本来の目的から外れていると思う)、楽譜の草稿というのはちょっと違うかな…と。いずれにしてもサザビーズのオークションなんて、庶民の感覚を超えた世界なので、何を言っても的外れですが(笑)。 (5/8-13:06) No.2223
ふゆひこ > こんどはイギリスのサイトで、草稿、書簡等のディーラーのサイトを見つけました。ここでもリストの書簡が売っています。LISZTで検索すると、何点かヒットします。ただし現在売っているのは、ルイス・ケントナーのプログラム。“SEARCH”で検索ボックスのページ。inの後のボックスで、アーカイブ・イメージにすると、すでに売却されたリストの書簡が出てきます。金額は分かりません。楽譜草稿よりも安いでしょうね。
http://manuscripts.co.uk/


(5/8-13:10) No.2224


ジャスミンの魔女 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/05(Wed) 16:51 No.2207

先ほど、ハワードの第20巻『旅人のアルバム』の感想をUPしました。と更新情報をこの場をかりて。
でですね、本文にも書きましたが、2枚目の最後の方に収められている“道化者の羊飼 ジャック・ジャスミンのフランソネットの詩によるシャンソン”S236/1 という曲です。

この曲は詩人ジャック・ジャスミンという詩人が1840年に発表した『フランソネット』という詩集に収められた作品で、ジャスミン自身が旋律を与えているものによるそうです。で、ネットで調べていたら、どうも『フランソネット』は魔女裁判を題材にしているようで、それをもとにエマヌエル・ル・ロワ・ラデュリーという歴史学者が『ジャスミンの魔女』という題名で書籍を発表していました。これが『ジャスミンの魔女』日本語にも翻訳されています。↓

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4794803702.html

曲を聴くと美しい静かな曲調で、リストは魔女云々については知らなかったのではないでしょうか?実際リストは、この曲を思い出のカロリーヌ・サン=クリックに献呈しています(笑)。


ハインリヒ・ポージス 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/29(Thu) 11:08 No.2148

GSさんの指輪の質問で“RING,LISZT・・・”とかで検索かけていたら、面白いサイト・ページが出てきました。ポージス家についてのサイトです。http://perso.wanadoo.fr/porges/porges/HomeGeneral.html
でこのサイトのページで、ハインリヒ・ポージスという人物がでてきます。http://perso.wanadoo.fr/porges/porges/FamilyTreesBiographies/SimonPorges1801-1869.html

新ドイツ学派の音楽監督?指揮者でいいと思うんですが、ワーグナーやリストの作品を上演している。肖像写真もリストの“キリスト”上演のとき、となっています。このページで、リストからの書簡が2通載っていますね。“理想”や“山上にて聞きしこと”“ダンテ交響曲”の演奏が素晴らしかった、とかなんとか、ちょっと事務的な印象は受けます。

ウォーカーのFYではたった一行ハインリヒ・ポージスは出てきます。ワーグナーがイタリアで死去して、コージマはワーグナーの遺体と共に、特別にチャーターした列車でドイツに戻ります。そのとき、いくつかの駅で停車し、同行するために乗ってきた人の一人がハインリヒ・ポージスです。
あとリストの写真集でも、弟子とか関係者大勢の180番、181番の写真でポージスがリストといっしょに写ってるようなんですが・・・本文内でポージスの名前が出てくるんですよね。写真ではよく分かりません。
で、なにが面白いのかというと、紹介したハインリヒ・ポージスのページをよく読むと、ファミリー・ツリーのところに、こう書かれている。

He was supposedly an illegitimate son of Franz Liszt.

リストの私生児だと思われる、ということですよね?確かに顔が似てる(髪型も意識しているようですが)。リスト似というより、ブランディーヌやコージマに似てます。もしそうだとしたら母親は誰なんでしょうか?アグネス・ストリートの間の隠し子の可能性の話はGSさんから教わりましたが、アグネスとは年号が合わないです。

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じゅーるす(じょるじゅ) > 母親はポージスのお母さんとリストが1837年初めに会ってないとダメですね。 (4/29-12:21) No.2151
じゅーるす(じょるじゅ) > サイモンの妻シャルロットが母なのでしょう。
(4/29-12:28) No.2152
じゅーるす(じょるじゅ) > でも、似てる。たしかに。 (4/29-12:28) No.2153
ふゆひこ > 母親は明確でしたね(笑)。シャルロット・ポージスの結婚前の姓がはっきりすればいいんだけど・・・。何冊か、シャルロット・??でINDEXを見てみましたが、この人、っていうのは出てきませんでした(シャルロッテ・フォン・ハーンはぜんぜん違う)
1837年はヴィルトゥオーゾ時代の絶頂期あたりでしょうか。タールベルクとの決闘の年ですね。まぁ、別に、忙しくても(笑)。うーん、どこからハインリヒ・ポージスがリストの私生児という話が出てきてるのかな。オルガ宛の書簡でもハインリヒ・ポージスの名前がちらちら出てきますが、リストの音楽活動の報告みたいな感じです。 (4/29-23:40) No.2157
ふゆひこ > 似てますね。ほんとに。鼻すじとか。絵でいうとバラバーシュのリストに似てる。リストは若いころの明瞭な写真がないから、僕はリストの若い頃は、こんな感じじゃないかと思ってるんです(今まではブランディーヌ、コージマの写真から想像していました)。 (4/29-23:47) No.2158
じゅーるす(じょるじゅ) > 37年初期は忙しくても一人でパリに滞在している時期がある。(何を示唆しているのでしょうか)でも、パリからは離れていないはず。 (4/30-04:38) No.2160
じゅーるす(じょるじゅ) > 本人が何も言い訳してない辺り怪しい。というのは、リストの弟子でフランツサーヴェイという人がいるでしょう?やはり髪型もそっくりで彼の晩年の写真なんか特にリストの晩年と同じ。)でも、リストはちゃんと説明してます。
『フランツの母親とは手紙でしか知り合いではない。そして、そういうことは、手紙で手配できることではないのだ。』と笑える説明をしてます。 (4/30-04:44) No.2161
ふゆひこ > 写真集の151番、152番の人ですね。本文の方にもサーヴェイがリストの私生児かどうか、みたいなことが書かれているようです(ドイツ語でさっぱりわかりません)。リストはそんな説明をしているのですか(笑)。誰も何も言及していないという点が、普通に僕はポージスが私生児であると考えることが難しいように思いました。コージマもワーグナーもリスト本人も、ハインリヒ・ポージスと付き合いがあって、もし私生児の疑惑があったのならば、誰かが何か言っていないと、全員で口裏合わせたかのようです。 (5/1-02:27) No.2168
じゅーるす(じょるじゅ) > 誰が言ったのでしょうね。ただ似てるから回りがそう噂したのか。本人はそれによって金儲けしよう(売れよう)とした形跡はないし。きっと、ちょっと似てるからという、あの、ルビンがヴァン二世(ベート)とよばれていたのにパターンが似てますね。 (5/1-15:34) No.2173
じゅーるす(じょるじゅ) > サーヴェイに関してはフランスで、一冊本が出てるみたいです。(私より上がいた。)ちなみにサーヴェイはオルガヤニーナがハンガリーから逃げてきた時に実家にかくまって、サーヴェイの母親が警察に密告したとか言うことがマイエンドルフ夫人の書簡の本解説部分にのっていたような。(いつもの出典不明の情報。) (5/1-15:38) No.2174
ふゆひこ > ハインリヒ・ポージスは情報の出典が明確にならないとなんとも言えなさそうですね。サーヴェイはリストと付き合いが深いんですね。オルガ・フォン・マイエンドルフ宛書簡でもちらちら出てきます。サーヴェイは作曲家でもあって、“タッソー・カンタータ”なるものを作曲しているとのこと。オルガ・ヤーニナのエピソードは、僕の持っているオルガ・フォン・マイエンドルフ宛書簡集でインデックスからパラパラ調べたのですが載っていないようでした。別の書簡集なのかな。 (5/2-23:18) No.2182
じょるじゅ > サーヴェイの話は、サーヴェイの父、『チェロのパガニーニ』フランソワ・サーヴェイを調べていた時にネットで見たのかもしれない。リスト関係でそこまで詳しくサーヴェイについて言及しているものが無い。 (5/3-12:55) No.2198

アントン・ザイドル 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/03(Mon) 12:32 No.2196

オーケストラ伴奏歌曲“火刑台上のジャンヌ・ダルク”を歌ったマリアンヌ・ブランドのことを調べていたら、またまたリストの隠し子の話が・・・。ワーグナー・オペラの指揮者アントン・ザイドルです。この人もリストの隠し子と噂されたとのこと。この話は結構有名らしいので、いくつかのネット上のページでも書かれています。これはザイドルの肖像写真↓

http://www.picturehistory.com/find/p/4869/mcms.html

“髪型が似ている”“顔が似ている”ということで当時リストの隠し子ではないか?という噂は、なんの根拠もなく流布したんでしょうね。悪意なく、その才能を認めるあまり“リストの血を継いでいるのでは?”というのが最上の褒め言葉だったのかもしれません。そのうちリストの隠し子と噂された人達だけで野球チームができそうです(笑)。

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じゅーるす(じょるじゅ) > わははははは。へへへ。
あれだけいろいろ関係があって、こどもがマリーとの間に三人だけ。当時は避妊方法も特に無く1850年代後半にはペッサリーのようなものが出来ていたらしいが、それを提供する医者などなかなか見つけられなかったようだ。という事は、完全にフランツ任せ(!)(というようなことを、確かウオーカーが言及していた。カロリーヌのところで書いていたはずだ。コレは本当に私ではないぞ。) (5/3-12:51) No.2197

リストとバレエ 2 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/03(Mon) 00:35 No.2188

前に話題にしたことですが、SCHOTTのサイトを見ていたら、バレエ作品“マルグリットとアルマン”のスコアがありました。ピアノソナタロ短調のオーケストラ編曲なんですが、なんと編曲しているのはハンフリー・サールでした。ハンフリー・サールの他の作品の楽譜もたくさんありますね。

あとバレエ関係で追加で知ったこと。1994年に5分程度のバレエ作品で“コンソレーション 第3番”を使ったものがあります。

前にニジンスキーのリストについての言及がみられない、と書きましたが、発言どころかニジンスキーは“メフィスト・ワルツ”の振り付けをしていました。

ついでに下のラヴェル関連で。図書館でニジンスキーの本をパラパラめくったのですが、ラヴェルとピアノ連弾するニジンスキーなんていう貴重な写真がありましたよ。

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じゅーるす(じょるじゅ) > 毎回、あなたには驚かされる。知らなければ調べようと言う気も起きないではないか。メフィストは、バレエにもなっているのか。 (5/3-00:46) No.2192
ふゆひこ > 自分のPC環境がブロードバンドになってから、面白いように情報が手に入るので、楽しくてしかたがないです(笑)。ニジンスキー振り付けのメフィストというのは、その片鱗だけでもいいから、どんなものであったか知りたいです。 (5/3-01:25) No.2195


デュオ・エグリ&パーティス 新譜 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/29(Thu) 11:29 No.2149

連弾、2台ピアノ版のハワードといってもいい、リスティアン期待のデュオ・エグリ&パーティス の新譜がフンガロトンから出ます。なんとタールベルクのオペラトランスクリプション集です。ジャケットもフラゴナールの絵でキレイですね。これは買いたいな。日本で店頭に並びだすのは、たぶん3ヶ月後ぐらいじゃないでしょうか?
http://www.hungaroton.hu/classic/ujdonsag.php?info=1559

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じゅーるす(じょるじゅ) > おおお、私もこの二人のCD店にあるのはみんな買ってきましたよ。
この二人も「隙間の芸術』ですね。 (4/29-12:16) No.2150
ふゆひこ > デュオ・エグリ&パーティスのCDは僕はあと“メンデルスゾーンの無言歌による演奏会用大独奏曲”の入っているやつと“オペラ・トランスクリプション”のやつを持ってます。オペラ・トランスクリプションは素晴らしいですね。昔の録音なんだけど、僕は店頭でつい最近見つけて買ったんです。モーツァルトの魔笛“アダージョ”が入っているのには驚きました。金銀財宝は得てして隙間にあることが多いです(笑)。 (4/29-23:24) No.2156
じゅーるす(じょるじゅ) > オペラ〜完全収録版というのはやはりうれしい。「ドンファンの回想」厚みがすごい。二枚組みで7310フォリントでした。32ドル程度。
あと私もメンデルの奴持ってます。『ラコツイが欲しくて買った。』メンデル君の曲が入っているのは今言われるまで気が付かなかった。(はい、カバーとか読みません。)かってすぐCDプレーヤーにいれて「ながら聞き」 (4/30-09:52) No.2164
ふゆひこ > 僕は“ノルマの回想”と“ヘクサメロン”ばかり聴いてます。“ヘクサメロン”はエンターテインメント性は最高の版なんじゃないかな、いろんな旋律が付け加わってて楽しいです。 (5/1-02:31) No.2169
ふゆひこ > すいません、どなたか質問なんですが、そのオペラ・トランスクリプションのCDで、ディスク1の1,4,5とディスク2の4は“TWO PIANOS AND FOUR HANDS”ってクレジットされてるんです。それってどういうことなんでしょう?それ以外は“ONE PIANO AND FOUR HANDS”ってことなんでしょうか??うーん、S634aのモーツァルトの魔笛“アダージョ”はピアノ連弾曲なんだけどな・・・。S654のヘクサメロンは2台ピアノだし・・・。クレジットと合わないです・・・。昨日、ピアノ連弾曲のページを作っていて混乱しました。1台4手曲は2台ピアノで弾けても、2台ピアノ用は、1台4手では弾けないんじゃないかな。 (5/1-02:51) No.2170
じゅーるす(じょるじゅ) > ウウーそれは本当か?楽譜はどこの版を使っているかちょっと見には解らなかったが。 (5/2-00:28) No.2179
ふゆひこ > オペラ・トランスクリプションの方は、

“E.H.zu S.-C.-G.のモティーフによる祝祭行進曲”“ヘクサメロン”“夢遊病の女”がJUL.SCHUBERTH &Co LEIPZIG 。“魔笛”“ドン・ジョヴァンニ”がEMB。“ルスランとリュドミラ”がJUL.SCHUBERTH。“ランメルモールのルチア”と“ノルマ”がSCHOTT。“アド・ノス”がBREITKOPF&HARTEL。

のようです。CD裏表紙に記載されてました。“ラコッツィ”のアルバムの方は楽譜の記載はないですね。“ラコッツィ”はS608 ってクレジットされてるんですけど、サールの番号表では“FOUR HANDS”のところで“TWO PIANOS”のところじゃないんですよね。ラコッツィについてのライナーを読むと、この版は出版されなかった、と書いてありますが・・・。 (5/3-00:02) No.2187
じゅーるす(じょるじゅ) > ラコツイは私も楽譜持っているので、説明できる。
このアレンジの元になったのがS117オーケストラ版のラコマーチ。リストは数ある中でも、この版を重視していて1871年にライプチヒのシューバートからこれのピアノ版を出版している。
S244/15bが1P2H
S608が1P4H(ふゆひこさんの仰るとおり)2P4Hは、現在自筆稿所在不明であり、カタログ番号が振られていないようです。
この楽譜はシューバート版(作曲家のシューベルトと区別したいので)の2p4hが元になっているようです。したがってカタログ番号は同時出版された1p版を出しているらしい。
(解りにくいことするなといいたい。)
と言うわけで、ウエのも、似たような経緯ではないでしょうか。

(5/3-00:38) No.2189
じゅーるす(じょるじゅ) > もしかしたら、『リストの監修の元に、弟子の一人が編曲した可能性もあるのでは?』だから、自筆稿または下版の補修稿で確認出来ない限り、番号を振っていない可能性もある。(ハワードはちゃんと入れると思いますけど。?番号として) (5/3-00:43) No.2191
ふゆひこ > おお、ありがとうございます。ということはデュオ・エグリ&パーティスの2台ピアノ版ラコッツィは、紛れもなく2台ピアノ版だけど、CDクレジットで間違ったS番がふられている、ということですね。うーん、S番号のややこしさにはまいっちゃいますね。ハワードのカタログにますます期待(笑)。ピアノ独奏曲のラコッツィについて、僕のサイトでは第51巻“パラリポムネス”のところでまとめたのですが(それプラス“新発見リスト”に入っているもう1曲で全部じゃないかな)、ハワードがふったS番号だと1871年の1P2H(←こう書けば楽ですね(笑))版はS244 bになってますね。“15”という曲順番号が外されてます。管弦楽からの編曲だからかな。 (5/3-01:21) No.2194


ゾフィー・メンターのピアノ・ロール 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/03(Mon) 01:04 No.2193

ゾフィー・メンターの録音って残ってないのかな・・・と前にイッター城のこと書いたときに思ったのですが、前にミチさんかな?紹介してもらったピアノ・ロールのサイトで見たら思いっきりありますね。ショパンのエチュードとか、リストの小品、メンター作曲のものもありました。これは聴いてみたい!CDになってくれればいいんだけど。ピアノ・ロールのサイト→http://www.rprf.org/

ハワードのカタログの最新情報 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/05/01(Sat) 03:05 No.2172

リスティアン待望のハワードのカタログですが、出版社のPENDRAGON PRESSのサイトに最新情報が載ってました。書籍の内容も知ることができます。ここからNEW TITLESのところをクリックし、目的の書籍のタイトルをクリックしましょう。
http://www.pendragonpress.com/
発売予定は、夏から秋冬?どうも1巻、2巻に分かれ、2巻は2005年発売予定とのこと。僕はサール番号を最新研究結果で整理したような感じかな、と思っていたら、アルファベット順にタイトルを分類している???ようですが・・・。

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ミチ > 「リスト・ルネサンス本格化!」という感じですね。楽しくてしょうがない。値段が高いのでしばらくは買えませんが。(笑)ショパンの再評価をさせるためにショパンコンクールを開いたと言いますが、その時がショパンルネサンスなら、リストルネサンスは間違いなく現在ですね。今リストを好きでいることを幸せに思います。 (5/2-00:34) No.2180
ミチ > すみません。単独で書き込むのをどうかと思いましたので、こちらに書かせていただきます。ブゾーニ編曲の「忘れられたワルツ」がナクソスで出ます。6月の新譜の「ブゾーニ チェロとピアノ作品集」のところで試聴できます。なんかバレエ音楽みたいに感じました。 (5/2-20:56) No.2181
ふゆひこ > ハワードのカタログは期待大ですよね。基本となるようなカタログを期待しています。ミチさんが前にリストアップしてくれたブゾーニ編のところにもある“忘れられたワルツ”ですね。聴いてみたいです。NAXOSは日本に入ってくるのは遅いのかな。前の練習曲の新譜もまだ店頭に並ばないですね。 (5/3-00:40) No.2190



ホロヴィッツ 投稿者:ミチ 投稿日:2004/04/25(Sun) 17:16 No.2099


ホロヴィッツがデビューしたての頃、誰だか忘れましたが、
ある批評家(肝心なとこなのに...)がホロヴィッツのことを
「今までで存在する最高のピアニスト」
と評したそうです。当然のごとく他の批評家たちからバッシングを受けました。「リストの演奏を聴いたことがあるのか!」と。
そして数日後その批評家は改めてホロヴィッツの演奏を聴きこのように評しました
「おお!私は間違えていた!________」

つづく(気になるでしょ?(笑))  

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ふゆひこ > 気になります(笑) (4/25-17:36) No.2101
ミチ > その批評家が放った言葉は
「おお!私は間違えていた!これから生まれてくるピアニストも含めて彼は最高のピアニストだ!」と言ったそうです。
ずいぶん大きくでましたね。この人。(笑) (4/25-17:50) No.2103
ふゆひこ > 期待通り(笑)。前言を撤回しない気骨ある批評家ですね(笑)。僕が持っているNAXOSのホロヴィッツのソナタロ短調のCDライナー(ジョナサン・サマーズによるライナー)でも似たようなことが書かれていました。1928年のニューヨークデビューの時、批評家の意見が分かれたそうです(なんとなく意味が分かるんですけど、上手く訳せないです)。肯定派がオーリン・ダウンズというニューヨークタイムズの批評家で、反対派がピッツ・サンボーンというニューヨークテレグラムの批評家。サンボーンの文章では“ハイ・スピード・マサカー"とかって書かれてます。けっこうかっこいい(笑)。 (4/27-00:24) No.2109
じょるじゅ > 「高速大量殺人」?!ええ? (4/27-02:05) No.2115
ふゆひこ > 原文は

“the sonata 'oscillated between ineffectual mooning and orgies of high-speed massacre, achieving a general obliteration of rythm and destruction of design' ”

です。上手く訳せないんですが、単語を調べて僕が適当に訳すと、“ソナタは効果のない夢想と、高速でめちゃくちゃにする乱痴気騒ぎの間を揺れ動き、しまいにはリズムは消えうせ、様式は破壊された”っていう感じでしょうか。うーん“侮辱”の素晴らしい見本です(笑)。 (4/28-00:52) No.2119
ミチ > わはは!その批評は面白い!こういうこと書く人好きです。そして、書かれる人も好きです。今となってはこの悪評すら伝説の一部のように感じます。 (4/28-02:26) No.2127
じょるじゅ > この人が米国人なら
mooningは、露出(テクニックのひけらかし)、orgies of massacreは乱交大量殺人両方とも下品さの究極みたいな言葉選び、

ふゆさんの翻訳はまだ、上品で通常の言葉ですよ。ただ下手だといっているんではない、もしかしたら、逆にこの人は褒めているかもしれないと思わせるほど極端な訳をしましょう。 (4/28-04:27) No.2132
ふゆひこ > mooningというのは“テクニックのひけらかし”という意味なんですか。けっこう悪態っぽく訳してみたんですが、まだまだなんですね(笑)。上手く訳せないですが、サンボーンの文章から感じるのは、前に紹介した“ヴォータンの荒々しき狩”のイメージなんですよね。ホロヴィッツ特有のデーモン。中村紘子さんの本に載っていたと思うのですが、ホロヴィッツが街を歩いたら、すれ違ったおばあさんが十字を切ったなんていうの、読んだ記憶あります。 (4/29-02:28) No.2137
じゅーるす(じょるじゅ) > オジーオズボーンがステージでも良くやる後ろむいて、お知りを見せる奴。あれがムーニングなんですよ。
勿論、ホロヴィッツはもっとお上品なので、テクニックのひけらかしと理解したわけです。(直訳はやはり出来ない。)
(4/29-08:36) No.2141
じゅーるす(じょるじゅ) > わはは。 (4/29-08:37) No.2142
ふゆひこ > それは下品ですね(笑)。オジーの名前が登場すると、ますます“ヴォータンの荒々しき狩”や“悪魔主義”のイメージが強くなりますね。 (4/29-23:10) No.2154
ミチ > 最近、初めて知った面白いことがあります。
ホロヴィッツのリサイタルの後、小柄な紳士がホロヴィッツに近づいてきて「君はラヴェルをリストのように弾いたが、あれで良いんだ。ラヴェルは印象派じゃない」と言ったそうです。そしてその紳士はラヴェル本人だったそうです。ホロヴィッツがスクリャービンやラフマニノフに会ったことがあるのは知っていたのですが、ラヴェルにまで会ってたとは。 (4/30-22:23) No.2165
じゅーるす(じょるじゅ) > それは面白い。ミチさんも勉強してますね。本人は得てして周りと違う見方のほうが多いです。でもラヴェルが印象じゃなかったら他に名前が浮かばん。( (4/30-23:32) No.2167
ミチ > そんな、勉強だなんて。とんでもないです。興味のある本を読んでいるだけですよ。たしかにラヴェルが印象派じゃなかったらなんと言っていいかわかりませんね。ラヴェルはとにかくドビュッシーとは区別をして欲しかったみたいですね。つーか、ラヴェルをリストみたいに弾くって、どんな弾き方をしてたんでしょうね。(笑) (5/2-00:11) No.2175
じゅーるす(じょるじゅ) > 「ドビュッシーと区別して欲しかった」
わらえますね。本音ですね。ミチ君、貴君の観点も面白い。ふゆひこさんとは実は遠縁ではないかの?
ラヴェルをリストみたいに弾く...うーん解らん。わたしにも。「リスト=ベトベンを受け継いだロマン派ピアニスト」と理解していたのではないか? (5/2-00:26) No.2177
ふゆひこ > 僕のサイトでも紹介してるんですが、ラヴェルは“水の戯れ”について“もちろんリストのように弾くんだ”と言ったそうですね(僕が参照したのはCDのライナー)。ヘルム著『リスト』(野本由紀夫 訳 音楽の友社)では巻末に、ラヴェルとバルトークのリストについての言及が載っているのですが、似たようなスタンスなんですよね。正確に引用すると、ラヴェル“リストの全作品にどんな欠点があるか、そんなことがわれわれにとっていったい重要なことなのか。彼の騒然とした、煮えたぎるような、とてつもない、すばらしい音楽的素材のカオス、そこにみなぎる強さだけでは、不十分なのか。”(P260〜261)バルトーク“これらの事がらによって、リストは作曲家として巨匠の列に昇格させられるのですし、巨匠たちのためにも、私たちは彼の作品をあるがままに、その弱点を含めて愛するのです”(P262)。両者に共通しているのは“弱点を含めて愛する”という点ですね。これは現代のリスティアンにとっても同じ姿勢ではないでしょうか。 (5/2-23:33) No.2183
ふゆひこ > “事実は小説よりも奇”なので、僕はミチさんと遠縁であっても、驚きません(笑)。 (5/2-23:34) No.2184
ふゆひこ > ちょっと話がずれますが、先日、図書館でアドルノ=ベンヤミンの書簡集、それと僕が持っているアドルノ著『不協和音』(平凡社)というのをちらちら読んでたのですが、アドルノは結構反リストですね。ベルリオーズ〜リスト〜ワーグナーといった新しいスタイルの音楽について“素人よりひどいときがある”のようなことを書いてました。言いたいことは非常によく分かるんですが、いかにも職人的というか玄人的な作曲家であるラヴェルが“リストのカオス”について上記のような姿勢であるのに、アドルノの文章は面白く思えました。 (5/2-23:39) No.2185


Pau 1844  投稿者:じゅーるす(じょるじゅ) 投稿日:2004/04/28(Wed) 13:12 No.2134

今、1844年のPau にふらんつがいます。
昨日はジョルジュサンドに、今日はブランデイーヌに手紙を書きました。(マダムモリーナとのコンサートは本当です。)

明日はどうなるかふゆひこさんは見当が付いているでしょう。

チェックして下さい。


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ふゆひこ > 今、読んできました。前にここの掲示板でもちらっと出た話ですね。あれはロマンティックなエピソードです。マリー・プレイエルの話も面白いですね。 (4/29-02:37) No.2139
じゅーるす(じょるじゅ) > あのロマンテイックな奴の代わりにお下品な奴が。
実は指輪のことで、ちょっと確認できないことがあるんですよ。ふゆひこさん内緒で教えて下さい。実はラテン語が彫られた指輪の存在が明らかになったんですよ。でもそれが17か、33のときにわたされたのか、書き残されたものと同じものなのか解らないんですよ。 (4/29-08:41) No.2143
ふゆひこ > うーん、ちょっと分からないです。WYP561の遺書では“ラテン語が彫られている”とは書かれてないですね。タリスマンが埋め込まれた指輪となっています。あと同じ遺書で、誰がもらったかは分からないですけどハンス・フォン・ビューローとかブロンザートとか新ドイツ学派のうちの誰かに、リストのイニシャルが書かれた指輪をあげてよい、となってますね。あとここで、指輪のこととかちらっと書かれてますが、おそらくこの資料も、ウォーカーが出典じゃないかな・・・。http://ourworld.compuserve.com/homepages/Basil_Howitt/Liszt.pdf (4/29-10:14) No.2145
じゅーるす(じょるじゅ) > うう、こまった。ブレスレットは私も知っていたのだが。
プリンセスカロリーネにも何か指輪あげてたかな?
ちなみにラテン語は(すぐかるひと少ないから先にバラします)
"expectans expectavi" です。
意味があまりにもあのエピソードにぴったりなので。
(4/29-10:31) No.2146
じゅーるす(じょるじゅ) > 入れ込みすぎですね。明日書こう。あのリンク、きっと大学論文かなんかでしょう。うちの息子もああいう形式でレポートかいてます。 (4/29-10:34) No.2147
ふゆひこ > うーん、わかんないですね。そのラテン語が彫られた指輪というのは、どこかの美術館とか博物館に所蔵されているものなのかな? (4/29-23:19) No.2155
じゅーるす(じょるじゅ) > おお、リスト博物館の、所蔵物カタログをみてみよう。 (4/30-04:46) No.2162
じゅーるす(じょるじゅ) > おお、わかった。
今日だけじゃ終わりません。追加したので読んでね。
ウオーカーも、ワトソンも、モリソンもこのことは書いてません。気が付かなかったのかもしれない。1848年の意外な人宛の書簡で、リストは告白してました。 (4/30-07:45) No.2163


ウォーカー 投稿者:さくら 投稿日:2004/04/26(Mon) 20:34 No.2108

結構前からこのサイトには来ているのに今更こんなことでスレを立てるのはなんだか恥ずかしいのですが分からないので思い切って聞きます。「ウォーカー」って何ですか…?本ですよね?どこで手に入りますか?値段は?言語は?著者は…?教えて下さい!

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ふゆひこ > すいません。引用、参照する回数が多いので、いつも省略しちゃってるんです。アラン・ウォーカーというイギリスのリスト学者の書いた書籍です。リスティアンにとってはバイブルみたいな書籍です。ペーパーバックだと3冊に分かれていて、『ヴィルトゥオーゾ・イヤーズ』『ワイマール・イヤーズ』『ファイナル・イヤーズ』になります(僕のサイトでは、それぞれVY、WY、FYで略しちゃってます)。僕はAMAZONで買いました。値段は1冊3千円ぐらいじゃないかな?出版社はCORNELL UNIVERSITY PRESS。原語はオリジナルが英語で各国版が出ていると思います(NMさんが仏語版で持っていたと思います)。残念ながら日本語版がないんですよ。海外のリスティアンと日本のリスティアンとの情報格差は、このウォーカーの書籍が翻訳されていない、というところに原因あり。 (4/27-00:50) No.2112
ふゆひこ > これは『ヴィルトゥオーゾ・イヤーズ』↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0801494214/qid=1082994683/sr=1-8/ref=sr_1_8_8/250-8860931-6333839
ハードカバーもそんなに値段変わらないんですね。僕の持ってるやつ傷んできちゃったから、買いなおそうかな…(傷むほど読んだわけじゃなくて、竹のかごに雑に入れてるから傷むんです(笑))。 (4/27-00:54) No.2113
じょるじゅ > ちなみにブダペストのリスト博物館では英語版のハードカバーが格安で売ってます。
私は、ちなみにマジャール語版VY持ってます。(爆笑)
密かにウオーカーを翻訳したいというのが私の計画です。 (4/27-01:57) No.2114
じょるじゅ > ふゆさん、葉書、送ってません。すみません。ナンか、他にもあげようと思って探しているうちにどんどん日にちが...
なんかこっちに会って、そっちに無くてくだらないもので欲しいものありますか? (4/27-07:36) No.2117
じょるじゅ > どうも皆表紙が違うようだ?
マジャール語(ハンガリー語)ハードカバーVY表紙は「ハンガリーの衣装を着たバラバシュのあれ」です。
英語版ソフトカバーの表紙は『別のシェファーが書いたジュネーブのリスト』
です。 (4/27-09:43) No.2118
ふゆひこ > ウォーカーの翻訳って皆で手分けして邦訳できないですかね(笑)。非営利目的で。ぜんぜん、そんな急がれなくて。“アメリカにあって、日本にない、くだらないもので、欲しいもの”わははは(笑)。めちゃめちゃ難しいなぞなぞですね(笑)。うーん、なんだろう。映画とかコンサートの広告とか。なんてダメでしょうか(笑)。 (4/28-01:13) No.2120
ふゆひこ > バラバーシュのリストはハンガリーの美術館に保管されてるからかな。それで、わざわざデザインを変えたのかもしれないですね。 (4/28-01:15) No.2121
ミチ > 「リスティアンの聖書」、僕も手に入れなければ。ウォーカーの翻訳、面白そう。僕も足手まといにならなければ参加したいです。(笑) (4/28-02:29) No.2128
ふゆひこ > 僕とミチさんとで、一ヶ月P10ずつやっていったら、VYはP450ぐらいなので、2年ぐらいですか。6〜7年継続すれば完訳(笑)。僕はそれでも、自分のためにちょっとずつやっていく予定。 (4/29-02:11) No.2136
じゅーるす(じょるじゅ) > それは全然無理の無い計画ですね。
こちらでは、映画のポスターみたいなの日本みたいに貼ってないんですよ。だから夜盗みにいけない。(盗んだこと無いけど)
プログラムみたいなのも売ってないし。
チラシみたいなのあったら取っておきます。 (4/29-08:45) No.2144
さくら > ウォーカー、分かりました。欲しいです!私は英語は苦手なんですけど頑張って読みたいです。ありがとうございました。
一冊目は中古になってますね…。 (4/30-01:13) No.2159


“ダンテソナタ”のピアノと管弦楽版 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/28(Wed) 01:57 No.2123

で、この『エミール・ザウアー・プレイズ・リスト』に収録されているもう1曲。なんと“ダンテソナタ”のピアノと管弦楽版です!

演奏はですね、ピアノがルイス・ケントナー、指揮はコンスタント・ランバート。で、オーケストラはサドラーズ・ウェルズ・オーケストラ。編曲者はランバート自身。

CDライナーを読むとこの編曲版の誕生背景が分かります。ライナーを書いているのは、アラン・サンダーズという人。

作曲家であり指揮者、そして著述家のコンスタント・ランバートはリストの熱心なファンで、1931年から1947年の間ロンドンのヴィック・ウェルズ・バレエ団(後のサドラーズ・ウェルズ・バレエ団)の音楽監督だったとのこと。そして1940年にバレエ音楽用として、この“ダンテソナタ”を編曲したとのこと。バレエの内容は、第二次世界大戦の初期のイギリスの人たちの風潮、感情を象徴するように、“光の子ども達”と“闇の子ども達”との間の闘争をテーマとしたようです。

このバレエ作品は主要演目となり、ランバートとバレエ団は、オランダにもツアーに行ったとのこと。ところがそこでドイツ軍の侵攻があり慌てて逃げ帰ったとのことです。このピアノと管弦楽版“ダンテソナタ”の総譜は消失し、ダンサー達は、録音をもとに踊りを再構築した、とも書かれています。

歴史を感じる録音ですね。曲は、少なくとも、僕が聴いた感じ、ブゾーニ編曲のピアノと管弦楽版“スペイン狂詩曲”よりかっこよくできています。

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ふゆひこ > 僕が買ったのはこのCD↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001DCXLK/qid=1083085224/sr=1-2/ref=sr_1_0_2/250-8860931-6333839 (4/28-02:01) No.2124
ふゆひこ > ザウアー&ワインガートナーによるピアノ協奏曲なら、このCDでも聴けるようです。こっちはぜんぶザウアーですね。↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000000WUU/qid=1083085302/sr=1-8/ref=sr_1_0_8/250-8860931-6333839 (4/28-02:03) No.2125
ミチ > おお!ルイス・ケントナーというところにマニア心がくすぐられる!ピアノ曲で考えてみればダンテソナタほど協奏的作品が似合う曲、他に見当たりませんね。 (4/28-02:38) No.2130
じょるじゅ > おお、私のにはダンテソナタは入っていないぞ。ザウаヴァインガルトナーのコンチェルトと、「前奏曲」「メフィストのオケ版」うう、そちらの方がおもしろそうだ。 (4/28-04:20) No.2131
じゅーるす(じょるじゅ) > ふたつめのCDザウアーの忘れられたワルツは絶対聴きたい。 (4/28-13:17) No.2135
ふゆひこ > 確かに“スペイン狂詩曲”よりも“ダンテソナタ”の方がピアノと管弦楽にしやすそうですね。もっとしやすそうな“演奏会用大独奏曲”はリスト自身がやってるし。この頃の演奏家が弾くリストのレパートリーってだいたい決まってますね。ピアノ協奏曲、ラ・カンパネラ、リゴレット、3つの演奏会用練習曲、それとハンガリー狂詩曲のいくつか、という感じでしょうか。 (4/29-02:42) No.2140


Emil Sauer plays Liszt 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/28(Wed) 01:42 No.2122

すごいCD手に入れました!DUTTONレーベルの『エミール・ザウアー・プレイズ・リスト』です。収録曲は“ピアノ協奏曲第1番&2番”、それとフランツ・オズボーンのピアノで“呪い”。あと1曲は、めちゃめちゃ興味深いので別スレッドに書きます。

このザウアーのリストの協奏曲はすごいですよ。素晴らしいです。だいたい指揮者がですね、フェリックス・ワインガートナー、つまりリストの弟子。リストの弟子同士でピアノ協奏曲を演奏してます!こんなディスクが存在してよいのでしょうか??

この録音の存在は僕は前から知っていて、すごく聴きたかったんです。なんでかと言うと、ドレーク・ワトソンが主著『LISZT』で紹介しているからです。ワトソンの『LISZT』はディスク評がテーマではない伝記、評伝なのに、おそらくあまりにも素晴らしい演奏であるため、本文内で紹介してしまってるんです。

P262 から僕の適当訳“不運にもこの曲(ピアノ協奏曲第1番)は、とにかく速く演奏するという傾向で演奏されてきた。リストの弟子のザウアーと同じくリストの弟子のワインガートナーの指揮による1938年の録音は威厳と繊細な美しさに満ちた手本である”

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ミチ > そのCD、前々から興味あったんですが、まだリストのコンチェルトを大好きにはなっていなくて(2番は最近好きになりはじめているんですが)買うのをためらいます。でも、欲しくなっちゃいますね。そんなこと書かれたら。(笑)余裕のあるときに買います。(買うんかい!) (4/28-02:34) No.2129
じゅーるすさんど > 同じ音源でしょうか、ピアノコンチェルトは。私のも38年パリ音楽院オケです (4/28-08:42) No.2133
ふゆひこ > 僕は、ザウアーだけのアルバムも買ってしまうかも、DUTTONの方は安いですよ。僕は1000円ぐらいで新品を買いました。同じ音源だと思うな。DUTTONの録音データは、第1番が1938年12月1日、ルー・ダルベール・スタジオ。第2番が同じスタジオで12月2日です。 (4/29-02:31) No.2138


ヘンリー・ダニエル 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/25(Sun) 17:42 No.2102

チャップリンの『独裁者』を久しぶりに見直しました(『独裁者』は人類の遺産級の傑作ですね。偉大すぎる作品)。僕は、前から僕が尊敬する3大芸術家のうちの二人、リストとチャップリンの接点があまりなくて残念に思っていたのですが、今回、見直して驚きました。

『独裁者』において、ゲッペルスのパロディー役“ガービッチ”を演じている俳優、なんとヘンリー・ダニエルです。『愛の調べ』でフランツ・リストを演じた俳優ではないですか!うーん、こんなところに関連があったとは(笑)。

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ミチ > 僕は映画はあまり詳しくないのでわかりませんが、クラウディオ・アラウもリスト役をやったことがあると読みました。
最近、「The Majestic」というジム・キャリー主演の映画を借りてみたのですが、ピアノの先生がハンガリアンラプソディ2番の最初の「ダ、ダァー」っていう和音のところだけ弾いてました。それだけなんですけど。(笑) (4/25-17:55) No.2104
ミチ > 以前こちらで、ショパンの別れの曲は映画の邦題から来たものだという事をお伝えしましたが、この映画、原題も「La Chanson de l'Adieu」です(独仏合作)。ショパンとリストが一緒に演奏するシーンなどがあるそうで、ぜひ見てみたいですね。
フランス語はわからないのですが、シャンソンって歌じゃないんですかね?まあどっちでもいいですが。。
ちなみに映画のピアノ演奏を担当したのはエミール・フォン・ザウアーだそうです。 (4/26-20:14) No.2107
ふゆひこ > ハンガリー狂詩曲第2番はよく使われてますね。チャップリンも『殺人狂時代』でちらっと弾きます。アラウの話は、なんか読んだことありますね。『アラウとの対話』でアラウ自身が語ってたんじゃないかな(ずいぶん前に立ち読みしただけなので、まったく間違ってるかも)。確かチリとか南米の方の映画だったような気がします。(アラウがリスト役をやったというのはちょっと憶えてないです)。こんど確認してみます。エミール・ザウアーが担当しているというのは相当古い映画なんですね。シャンソンって僕も歌のイメージを持っていますが、なので原題は“別れの歌”が正しい邦訳だったのかもしれないですね。 (4/27-00:36) No.2110
ふゆひこ > 僕のサイトでもリストの映画作品、リストの曲が使われている映画を紹介してるんですが、ここのページで完璧なまでに網羅されてるんですよ。↓
http://us.imdb.com/name/nm0006172/ (4/27-00:41) No.2111
たに > 日本でいう「シャンソン」が好きなヤツです。手元の古いカード辞書に「chanson」と打ち込んで日本語に変換したら「uta」と出たのを確認(笑)。「別れの曲」は高校時代にたしかNHK教育テレビにて放送していたのを見ています。「ショパンとジョルジュ・サンド」の話を期待していたのがハズされたためもあったのか、期待はずれでした(^烹^;。リストが出ているシーンというのは記憶していないです。 (4/27-02:18) No.2116
ミチ > 映画でいきなり知ってる曲が流れると「はっ」とします。「ローマの休日」で「ゴンドラを漕ぐ女」が数秒流れるシーンで「この曲こんなに美しかったんだ」と初めて気づきました。これだから音楽の探求はやめられません。 (4/28-02:20) No.2126

アントン・リストの大きなのっぽの古時計 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/24(Sat) 02:52 No.2094

面白いものみつけました。リストの叔父さんにあたるウィーンの時計職人アントン・リストの時計です。

http://www.antiqueclocksatkildonan.com/AntonLiszt.html

ビーダーマイヤー時代の作品ということになるんですね。確かに素朴な感じの普通のアンティーク時計ですね。アントン・リストとフランツ・リストが接触あったのか興味を持って、ウォーカーをパラパラめくりましたが、息子のダニエル・リストが、ウィーンで父の知らないところで一人で会っていました(WY P475)。そこでの注釈で、作曲家フランツ・リストは法律家として高名なエデュアルドを除いて、親類縁者にほとんど興味を示さなかった、ということが書かれています。それはなぜなんでしょうね?リストの自分の家系へのコンプレックスと考えるのは、考えすぎでしょうか。(もっと高名な刑法学者のフランツ・リストは、エデュアルドの長男なんですね。息子にフランツなんてつけるとは、エデュアルドも相当、作曲家フランツ・リストを誇りに思ってたんでしょう)。

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じょるじゅ > コンプレックスというよりは単に多すぎてどうにもならなかったということじゃないですかね。
おじいさんは25人も子供がいたわけだからその子孫全員と付き合うというわけには行かなかったんでしょう。
自分の子供や母親とさえ日にちを数えるほどしか同居してないし。
(4/24-03:54) No.2096
じょるじゅ > それに、お母さん側の叔母さんのことは何時もお母さんと話していて、叔母さんから「何か私のそばにおいて彼女を思い出せるものを下さいと頼んでください、別に高価なものでなくていいです、彼女が普段使わなくなった古いカップとかそんなもの。」とアンナに頼んでます (4/24-05:40) No.2097
ふゆひこ > そうですよね。祖父が同じでも、祖母が変わってしまって、そこから無数の親戚が居ても付き合いきれない、と思います。僕が、まずリストのコンプレックスかと思ったのは、リストの一般階級出のキャリアで上流社会を体験したという前提と、エデュアルドを書簡で“Most honored cousin"というようにすごく持ち上げること(実際そうであることと、音楽家フランツ・リストはかなり世話になった、というのもありますが)、それとフランツが1840年頃に自分のハンガリー出身というバックグラウンド、ルーツ、血筋的なところを強く意識したのにも関わらず関心を持たなかった、という点だけです(ダニエルは実際関心を持って、アントンに会いに行っている)。で、リストが関心を持たなくても、親戚が“金の無心”とかで関係を持とうとしてくるだろうな、と思って調べたら、やっぱりありましたね。VY P259です。“ウィーンに住んでいる、多くのリストとラーガーの名前の双方から金の無心をされているようです(ラーガーは音楽家フランツの母親の旧姓)。音楽家フランツ・リストは、ウィーンに頻繁に訪れたけれども、意識的に彼ら親戚達との接触を避けたそうです。そんな中でエデュアルドが“金をください、なんて言ってこないからうれしい”と音楽家フランツは母親に手紙に書いているそうです(リスト家の人たちを書くと、音楽家フランツと書かなければならず面倒ですね・・・)。 (4/25-17:24) No.2100
じょるじゅ > そのあたりは普通の家系でも似たようなモンです。ナンか下心ありそうな親戚は避けるという...深くは説明しませんが。 (4/26-01:36) No.2105


お菓子屋さん LISZT 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/24(Sat) 02:21 No.2091

東京の文京区に“LISZT”という名前のお菓子と雑貨のお店がありました。センスのいいお店ですね。たぶんお店の人がリストのファンなんでしょう。お菓子の名前とかに、リストの曲名とかをつければいいのにな。

http://www.liszt-sweet.com/

バルトーク 投稿者:ミチ 投稿日:2004/04/05(Mon) 00:57 No.1947

”リスト...好きになりたいのだが、そうはなれない!”

”リスト...素晴しい透かし彫りを施されて錠がかけられている箱。中はからっぽか?いやそんなことはない。これを開ける鍵はどこにあるのか?”

バルトーク初期のリスト論です。リストの名が冠された音楽院で学ぶ彼でしたが、音楽院内では、3人のリストの弟子(イシュトバーン/アラダール/アールパード)を除いては、初代院長のリスト(の作品)を蔑視する傾向がありました。そしてバルトーク本人はリストを理解できないことを苦悩し続け、スペイン狂詩曲、タンホイザー序曲、ロ短調ソナタなどと格闘します。そして最終的にその格闘は終わるのです。私が今、読んでいる書籍にこのようにあります。
”バルトークはひたすらこの曲(ロ短調ソナタ)を弾き、研究し、夢に見、頭はその響きでいっぱいになりました。ただリストと彼がいるのみ。完全に理解し、好きになりました。”

リスト音楽院内での苦悩を乗り越えたバルトークは、リスト生誕90年に行われた公開学生演奏会に参加し、このように祝福されています。

”バルトークの最初の成功というだけでなく、リストの革命的なロ短調ソナタが初めてリストと同じ精神の持ち主により演奏された、ハンガリーの音楽史上、忘れてはならない日付。”
と。
バルトークは努力によりあの箱を開ける鍵を見つけたんですね。感動。


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ふゆひこ > それは、音楽の友社の『バルトーク物語』セーケイ・ユーリア著というやつでしょうか?僕は図書館でずいぶん前に借りて、このサイトでも紹介しています。バルトークのその話は感慨深いですよね。リスト生誕90年ではバルトークがソナタロ短調を演奏、没後50年でコダーイが“フランツ・リストに捧げるオード”を作曲。さすがハンガリー。 (4/6-01:04) No.1964
ミチ > おお。そうです。バルトーク物語、感動しました。Lisztian virtuoso piecesと呼ばれている、バルトーク初期のピアノ作品も今度機会があったら絶対に聴いてみます。バルトークがルビンシテイン・コンクールでバックハウスに敗れたことが、彼を作曲家へ向かわせたみたいですけど、彼がピアニストを主な活動にしていたらまたどうなっていたかを想像するのも楽しいです。バックハウスに敗れても落ち込むことないのに。(笑)
あのコンクールはオイゲン・ダルベールの弟子のバックハウスとトマーン・イシュトバーンの弟子バルトークの一騎打ちで、最近、気が付いたんですけど、リストの孫弟子対決ですね。 (4/6-10:07) No.1975
ミチ > 以前、フンガロトンからバルトーク全集のボックスが出ていました。リスト全集もだして欲しいですけど、今から作って2011年に出すとなると、かなりの演奏家が必要ですね。もし実現するのであれば、コチシュとラーンキに参加してもらいたい。彼らのリスト演奏は素晴しいです。買っていませんが、バルトーク全集には参加していました。 (4/6-10:15) No.1976
CGS > 急に気が付いてしまった。2011年は生誕200年。
異様にリストが身近で彼が生きているような幻想が。(あぶない) (4/7-23:18) No.1980
ミチ > リストがもし、よみがえるのであれば、現代のヴィルトゥオーゾたちと対決させてみたい。 (4/7-23:44) No.1982
CGS > やはり、アムランとヴォロドスでしょうか。『アムランを友人に、ヴォロドスを夫に、でもやはり、リストは愛人に』
わはは。やはりあれは名言だったのだ。 (4/9-00:46) No.1988
ふゆひこ > 19世紀末から20世紀初めぐらいのピアノ・コンクールではリストの弟子同士というケースが多かったのかもしれないですね。バックハウスに敗れて、作曲家として大成するなんてすごい経歴です(笑)。しかもデビュー・リサイタルで、ブゾーニとゴドフスキーが聴きにきている(笑)。 (4/10-11:08) No.1998
ふゆひこ > フンガロトンはもう相当数のレコーディングがあるので、ピアノ独奏曲のリスト全集を作る場合、それをまとめればいいんじゃないかな。 (4/10-11:11) No.1999
ミチ > 別の本を読んでいたら、ある矛盾に気が付きました。ある本に、バックハウスに敗れたことが作曲家に向かわせた、とありますが、バルトークは同時に作曲のコンクールにも参加して、入賞すらできていません。そして、この二つの敗北により、「失意の底にあった」そうです。作曲のほうでも失敗したのなら、バックハウスに敗れたことが、作曲に向かわせたっておかしいですよね。真相はどうなんでしょうか。 (4/10-23:05) No.2005
ミチ > マダム。どうせなら、タウジヒ、ブゾーニやホロヴィッツなど過去の大ピアニスト達にもよみがえってもらいましょう。マダム、忙しくなりますよ。(笑) (4/10-23:08) No.2006
ミチ > フンガロトンって、そんなに録音あったんですか!知らなかった。是非出してもらいましょう。 (4/10-23:10) No.2007
ふゆひこ > バルトーク自身の発言とかを知りたいですね。もともと作曲の方が向いていたのかな。ルビンシュタイン・コンクールで優勝していたら、バルトークの人生も変わっていたかも、というのはあり得ますね。ハイペリオンがリスト独奏曲全集を出してしまったから、フンガロトンはピアノ独奏曲に関して影が薄いかもしれませんが、ずっと昔から“知られざるリスト”をレコーディングしてきたので、十分な数の持ち駒はあると思います。演奏家はばらばらになりますが。 (4/12-00:47) No.2018
さくら > 今日たまたま図書館で「バルトーク物語」を見つけました。ここのスレッドを読んでいたので先にそのリストの所だけ読んでしまいました。これから一読します。楽しみです。 (4/13-01:27) No.2021
ミチ > バルトークって徹底的なリスト支持者かと思いきや、そうでもないんですね。「ハンガリーにおけるジプシーとその音楽」の中でのリストの見解に真っ向から対立して、「リスト批判」をしています。リストがハンガリー民謡よりもハンガリージプシー音楽を高く評価してしまったからみたいですね。この辺の事情はよくわかりませんが、ハンガリージプシーの音楽がハンガリー民謡の改善なのか、改悪なのかはいまだに判然としていないようです。そしてここが争点のようです。
面白いことに、ラヴェルはバルトークの主張を知っていたのに、「ツィガーヌ」というジプシー風の音楽を書いています。確証はありませんが、ラヴェルはバルトークの主張を逆手に取ったのではないかということです。ラヴェルは、「高雅で感傷的なワルツ」を例にみればわかるように、模倣することが好きだったみたいですね。ラヴェルのヒューモラスでサルカスティックな所は好きです。面白い。 (4/15-21:17) No.2029
ふゆひこ > リストの「ハンガリーにおけるジプシーとその音楽」も、バルトークの論文も読んだことがないので、ちらちら読んだことで持っているイメージですが、バルトークは、リストが提示した“学説まがい”のものを反証したのではないかな、と思っています。別にリストは音楽学者ではないので、彼が作った“ハンガリー”の名を冠した音楽が、本当のハンガリー民謡であるかどうかは、リストの音楽自体への評価には関係ないと思います。シューベルトとかベートーヴェンとかリスト以前にも異国趣味でハンガリー風味の音楽はたくさん書かれているので、それが本当のハンガリー音楽であるかどうかは特に関係ないんじゃないかな。という意味でバルトークは素直にリストの誤りを訂正しただけではないでしょうか。リストもハンガリーへの愛情は並々ならぬものだったはずですが、バルトークの方がさらにそれを上回るんでしょうね。バルトークが熱くなるのはよく分かる(笑)。僕もバルトークの文章を読む必要がありますね。図書館にないかな。 (4/16-02:03) No.2036
じょるじゅ > その後、バルトークはリストの論点を反証するためにコダーイとともにハンガリー中を歩き回り(文字通りリュック背負ってです。)各地の民謡を一曲ごとに書き取って行くんですよ。その行動力がすごい。最初二人は一緒に廻っていたのですがそのうちに、個人行動すれば二倍の仕事が出来ると別行動で本格的にやる。
つまり、それによって初めて『ハンガリー音楽の実態』が明らかになったわけです。
リストの場合は(彼が学術的に論文を進める知識、技術にかけていたのが原因だと思うけど)「個人的な経験-ジプシーの音楽を聴いたこと」を『ハンガリーの音楽の実態』として伝えてしまったから、『カンチガイ』『誤った見識』となってしまったのです。
事実、彼の文章には科学的事実の描写に決定的に欠けてるんです(うう、コダーイ博物館に行かれなかったのが悔やまれる。) (4/16-02:43) No.2042
ふゆひこ > なんの本で読んだか忘れたんですが、リストは晩年ピアノを弾いていたら、はたと演奏をやめ“わたしは間違っていた。もっと時間をかけてハンガリーの各地をまわり音楽を収集すべきだった”とかなんとか言ったとか…。ただし僕がこの発言を読んだ本は、出典が明確でないし、非常に眉唾です…(僕はリストがこの発言をしたということは、出典が明確にならない限り信じてません)。代わりにバルトークとコダーイがやってるんですね。 (4/17-02:10) No.2045
ふゆひこ > でもハンガリーにとってはリスト様様だと思うんですよね。たとえ学術的に間違っていたとしても、ハンガリー民謡というものを、あるていどまとまった形で一般社会に紹介したのはリストが最初だと思うので。バルトークとコダーイによる訂正というのも、リストの恩恵のひとつ、リストが布石となったおかげだと僕は考えます。 (4/17-02:15) No.2046
ミチ > 私もリストの著書もバルトークの詳しい論文も読んでないのでなんともいえませんが。受け売りの知識で言うと、リストは「民俗音楽は退屈で、ジプシー音楽は芸術音楽に匹敵する」と言ってしまったらしいです。そしてその発言が強い影響力を持ってしまったことが問題らしいです。そしてバルトークがそれに反発して、「ハンガリーの国民性を傷つけた」となってしまったんですね。ただリストの真意はハンガリー民謡をけなしてしまったので、代わりにハンガリージプシー音楽を持ち上げておこうという愛国心であるらしいのですが。真相はいかに。 (4/17-22:13) No.2060
ふゆひこ > リストはそこまで言い切ってしまったのですか(笑)。なるほど納得です。リストの音楽を聴いていると、リストが“民俗音楽は退屈で、ジプシー音楽は芸術音楽に匹敵する”みたいな考えを持ちやすいことは容易に想像できます。僕が2036で書いた考えというのは、リスティアンが抱きやすい、あるいは妥協しやすい誤解ともいえますね、そういう風潮を打開すべくバルトーク、コダーイが立ち上がったんでしょうね。彼らの作品や文章ももっと観賞する必要があります。“THE WAR OF THE ROMANTICS”に匹敵する“THE WAR OF THE MAGYAR”でしょうか。 (4/18-14:42) No.2065
ミチ > >“わたしは間違っていた。もっと時間をかけてハンガリーの各地をまわり音楽を収集すべきだった”

この発言ちょっとあやしいですね。(笑)(ふゆひこさんの記憶力を疑っているわけじゃないですよ)バルトークの「リスト批判」を知っている後世の人がリスト弁護のために作ったエピソードみたいな匂いがします。考えすぎかな?

バルトークに関係ないですが、もっとうそくさいエピソードがありました。出典は覚えてません。

※※※
リストとショパンが部屋で二人きり、リストはピアノに向かい、ショパンの曲を弾いていました。そして演奏後

ショパン「僕の曲を弾くなら、楽譜に忠実に弾いてくれ」

そして今度はショパンが同じ曲を弾きます。演奏後、一匹の蛾がランプに迷い込み灯は消え、その部屋は暗闇になりました。
リストはショパンを抱擁しこういいました。

リスト「おお!天才の作品に筆を加えてはならなかった!」
※※※
僕はこう思いました。
「へぇ〜ロマン派の時代だとこんなロマンティックなことがあるんだ〜」
↓5秒後
「...って、なんでやねん!」
危なく信じそうになりました。(笑)
蛾の部分は絶対にありえないですよね。
でも、本当だったら素敵ですね。 (4/19-21:19) No.2078
じょるじゅ > わははは。何か妖しい雰囲気があっていいではないですか。
ショパンの言葉は本当ですが暗闇はあまりにも妖しい... (4/20-00:31) No.2080
ふゆひこ > おお、ミチさんの言うように、僕が書いた眉唾エピソードは、そういう背景っぽいですね。ミチさんが紹介されている“蛾”のエピソードは突っ込みポイント満載ですね(笑)。“ランプ一個しかつけてなかったのかよ!”とか(笑)。それはたぶんショパンの史実に基づいた発言に、誰かが脚色したものが、出典があいまいなまま残ってしまったのかな。事実に部分的に忠実であっても、解釈によって、飾られてしまうということに注意が必要なんですよね。有名な話で、リストも合唱曲にした、ゲーテの最期の言葉“光を!もっと光を!”は、“部屋が暗いから、カーテンを開けてくれ”とゲーテが言ったことが、ロマンティックに脚色されたのだ、と読んだことがあります。 (4/24-02:04) No.2084


アルフレッド・コルトー ≪アート・オブ・ピアノ≫ 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/10(Sat) 13:51 No.2001

DVD『アート・オブ・ピアノ』を手に入れました。素晴らしいですね。まだ全部見ていないのですが、ものすごい存在感を感じたのがアルフレッド・コルトーです。

シューマンの『子どもの情景』を、若いピアニスト達の前でレッスンしながら弾いてあげるシーンは素晴らしいです。コルトーが静かに弾きながら、フランス語で解説の言葉を加えていく。その声の響き、ピアノの音、コルトーの表情、モノクロの画面、それ自体に芸術的感動があります。映画『恐るべき子供たち』でのジャン・コクトーのナレーションを聞くかのようです。コルトーは“ここは連結しないで”とか“ここは問いかけるように”とか演奏上の解釈を指示していくのですが、それらの言葉はまるで深い哲学的暗示を持った詩のように響きます。

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ミチ > ついに手に入れましたね。私もコルトーの演奏はすごく印象的でした。夢見心地の目をして、瞑想状態で演奏をしているように感じました。そして奏でる音楽は感動的です。 (4/10-23:21) No.2009
じょるじゅ > でしょう、でしょう?
目からうろこです。
あのDVDのおかげでピアノが巧くなったというのは冗談ではないです。 (4/11-00:44) No.2010
ふゆひこ > このDVDは素晴らしいですね。あとパデレフスキーなんて、リストもこんな感じだったんだろうな、と想像させてくれる雰囲気を持っていますね。 (4/12-00:50) No.2019
ミチ > フィッシャーのインタヴューで、平均率の奏法について、ベートーヴェンがチェルニーに、チェルニーがリストに、リストがダルベールに、そしてダルベールがフィッシャーに伝えた、ということを言っていましたが、複数の本で調べても、フィッシャーがダルベールに師事したことが書いてありません。書いてあるのはマルティン・クラウゼのことだけです。フィッシャーがダルベールに師事したかどうか気になります。
ちなみに、カメラがフィッシャーにスクロールしていく途中にブゾーニの写真があったの気がつきましたか? (4/14-02:19) No.2023
ミチ > 自分で変なことを言っていることに気がつきました。本人が言っているんだから間違いないですよね。失礼しました。 (4/14-03:12) No.2024
ふゆひこ > 得てして本人の記憶というのは一番信用ならなかったりしますよ。リストがいい例です(笑)。ただ、教えていただいてDVDを見ましたが“恩師ダルベールに教わった”というのはインタビュアーが付け加えて、それにフィッシャーが無言の承認をしている、という感じですね。客観的なインタビュアーが言っていることなので、ダルベールに教わっているのではないかな。ブゾーニの写真は言われなければ、絶対分かりませんでした(笑)。フィッシャーの演奏も素晴らしいですね。クララ・ハスキルとの列車でのエピソードは、なにかで読んだことがあるんですが…たぶんハスキルの何かの文章が出典なんでしょうね。 (4/15-01:41) No.2026
ミチ > 「リストがいい例です。」←面白すぎ!
フィッシャーはリストの弟子に習っているのに全くリストを取り上げませんでしたね。レッスンでは弾いたのかな。ハスキルのエピソード、笑えますよね。ハスキルの顔が目に浮かびます。
ほかに演出として一番面白かったのが、当人もハンガリーの名ピアニストであるタマーシュ・ヴァーシャリが声を上ずらせて"actually, he plays so fast that I couldn't what was he doing!!"と言ったすぐ直後にシフラのグランドギャロップがかきならされる所です。何回みても笑える。それからあのシフラの演奏、本当に鍵盤の上を指がギャロップ(疾駆)してますね。すごすぎて、いっつも笑っちゃいます。 (4/15-21:29) No.2030
ミチ > すいませんcouldn'tの後にknowが抜けてました。単なる間違いです。 (4/15-21:36) No.2031
じょるじゅ > あの人、本当に楽しそうに話してますよね。「4手の演奏が聞こえてきたのでピアニストをもう一人探したがシフラしかいなかった。」とか。
あのグランドギャロップの後笑っちゃうのはシフラがすごい真面目なマルで何事もなかったような顔で鍵盤から目を離すんですよ。で、シーンが終わる寸前に口元にエミが現れそうになるのを必死でこらえている。気取ってるけど、実は本当におもろい人だったりして。
彼のショパンのワルツと即興曲5曲、すごいいいですよ。テクニックのすごさを感じない。はっきりいってショパンが弾いているといわれたら信じてしまいそうな私。テンポルバートのタイミングが絶妙。またまた、これ以上説明しようとするとやばい方向に。(コルトーみたいに溺愛型ルバートじゃないです。あれも好きなんだけど) (4/16-01:50) No.2033
ふゆひこ > 今、また『アート・オブ・ピアノ』見てます。コルトーは素晴らしい!このDVDすごいですね。シフラのギャロップ聞きました!すごい(笑)。思わず笑ってしまいますねこの演奏のすごさは。フランシス・プランテとかパデレフスキーは、昔のフィルムらしく回転が速いので、動きが早く見えますが、シフラはそのままのはずですよね(笑)。わはは。ほんとだシフラはなんか満足げな表情ですね(笑)。 (4/16-02:15) No.2038
ふゆひこ > このスレッド・タイトル『アート・オブ・ピアノ』にしておけばよかった。過去ログにするとき直そう。 (4/16-02:17) No.2039
ふゆひこ > アラウも素晴らしいですね。“オルガンのような重厚な音”と解説されてます。CDから聴いた印象そのままなんですね。アラウが弾くような“愛の夢 第3番”や“ため息”は他の誰からも聴くことができないだろうな。バレンボイムが“(アラウは)ゲルマン的なものに惹かれた。彼がラテン系であり、正反対なものだからだ(←正確な引用ではないです)”と発言しています。ヴィスコンティがあれだけワーグナーやトーマス・マンのようなドイツ的なものに入れ込んだことも考えて、なんか興味あります。 (4/16-02:24) No.2040
ふゆひこ > アニー・フィッシャーはリストのソナタをCDで聴いたとき、只者じゃないと思いましたが、やっぱ只者じゃないですね。最後の演奏だけでなく、いろいろ発言とかの映像も収録して欲しかったな。 (4/16-02:35) No.2041
じょるじゅ > アラウの「愛の夢」は私の理想とするところです。(ボレーのは反面教師。わはは、愛の夢3番に限ってですが。) (4/16-02:46) No.2043
じょるじゅ > 彼がラテン系だからゲルマン的な(きっと、ストイックなものという事でしょうね)物に魅かれたというのは、なにが根拠なんでしょうね。アラウのベートーヴェンやバッハなどへのアプローチからなのかな。 (4/16-02:48) No.2044
ふゆひこ > バレンボイムはあんまり深く考えずに、“ラテン系の人は陽気で感情的、ゲルマン系の人は厳粛で論理的”みたいなステレオタイプ的な前提と、“普通、人間は自分自身と正反対のものに惹かれる”という、これもまた世間一般で言われるような定説を根拠にしているだけだと思います。アラウは、彼がチリ出身だということを知らなければ、ドイツのピアニストだと思い込んでいる人は多いんじゃないかな。僕はアラウのがっしりとした重厚な演奏の中にある、豊かな感情と野性的で荒々しい感じにラテンの血を感じます。アラウ独特の魅力だと思います。 (4/17-02:22) No.2047
ミチ > わはは!あのシフラの演奏後の「ニヤリ」は笑えますね!
ほかにホロヴィッツの演奏がすごく魅力的でした。「ぶったたき屋」と批判されたことがあったみたいですが、私はそのぶったたきがマイナスに働いてるとは思いません。まさに「鍵盤の魔術師」。
バルトークがデビューの際にブゾーニとゴドフスキが来ていたといいましたが、ホロヴィッツのデビューはもっとすごいことが起こってます。ラフマニノフ、パデレフスキ、ホフマン、シュナーベル、レヴィン、ヘス、ギーゼキング、バックハウスが来ていたそうです。まさに大事件!
音楽之友社の千蔵八郎さんの著書「20世紀のピアニストたち・下」P146に載っていました。 (4/17-22:41) No.2062
ふゆひこ > ホロヴィッツの演奏もすごいですね。僕は『ART OF PIANO』で見るまで、ほとんどの人の映像を見たことがないので感動です。ホロヴィッツのデビューリサイタルにそれだけの人物が来てしまったら、ホロヴィッツも迷惑ですね(笑)。本当なら自分が独占するはずの聴衆の関心とメディアを、半分ぐらい彼らに持ってかれてしまったんではないでしょうか(笑)。 (4/18-14:49) No.2066
ミチ > 錚々たる人物が集まるホロヴィッツのデビューリサイタルでホロヴィッツはすごいことをやってのけます。曲はチャイコフスキーのコンチェルト1番で、指揮者と意見の食い違いがありテンポがホロヴィッツの望むテンポではなかったそうです。しかし第3楽章の例のオクターヴ連打(オーケストラが途切れるところ)で一気にスピードアップし、それ以後はオーケストラをぐいぐい引っ張っていったそうです。大成功だったそうですが、その熱狂が目に浮かびます。
ホロヴィッツやシフラの演奏を聴いていると、ドライショックがショパンの革命の左手パッセージをオクターヴで弾いたというのも、まんざら嘘ではなさそうな気がするのは私だけでしょうか。 (4/19-21:03) No.2076
HSK > 横レス失礼します。確かにホロヴィッツやシフラは凄いですよね。彼のアメリカデビューリサイタルのピアノ協奏曲1番の演奏は凄かったらしいですね。翌日、ピアノの鍵盤から煙が上がった、という伝説さえある程です。
19世紀はとにかく「超絶技巧」という言葉が目に浮かびますよね。リストもショパンの練習曲25-2の右手をオクターブでサラリと弾いたとか。このような細かいパッセージをオクターブで、という発想は現代にも受け継がれているようでChopin=Laistnerの「子犬のワルツ」Mozart=Volodosの「トルコ行進曲」にも見られます。 (4/19-21:18) No.2077
ミチ > おお。そういうエピソードを聞き、考えれば考えるほど、19世紀を見てみたくなります。
ボレットが
”現代のコンサートはその作曲家を聴きにいくものだが、ホフマンやゴドフスキの時代には、その演奏家が作曲家に対して何を言いたいかを聴きに行ったものだった。”
と言ったそうです。今のピアニストで同じ企画の映像を作ってもart of pianoほど面白いものはできないんじゃないでしょうか。現在の演奏かも好きですけどね。 (4/19-21:48) No.2079
ふゆひこ > さすがホロヴィッツ(笑)。“昔のピアノは軽かったがゆえ、可能だった奏法や旋律が、現代の重いピアノでは困難である”みたいなことをよく聞きますが、ホロヴィッツやシフラの演奏を聴くと(見ると)、あまり彼らには関係なさそうです。目を疑います(笑)。“ピアノの鍵盤から煙”ってすごいですね(笑)。現代の演奏家は、ちょっとメディアが発展しすぎたせいで、情報過多となってしまい、昔の演奏家のようなカリスマ性をまとうのは困難でしょうね。大作曲家の時代、大演奏家の時代、現代はいったい何の時代なんでしょう。 (4/24-01:56) No.2083


ゾフィー・メンターの城 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/18(Sun) 15:11 No.2069

ハワードの53b巻の感想をUPしました。でですね、この巻に収められているメンター〜リスト?〜チャイコフスキーの“ハンガリー風の協奏曲”ですが、それの作曲経緯ででてくる舞台で、ゾフィー・メンターが“城”に住んでいたことを知りました。

チロル地方のイッター城というものです。メンターは1884年に購入し、リストは1885年に2日間滞在、その後チャイコフスキーが2週間滞在、ワーグナーも来たことがあるそうです。
ここに写真があります↓

http://www.tibs.at/burgen/burgen_schlosser_tirol/itter.htm

ここでイッター城の興味深い歴史が紹介されています。↓

http://www.itter.org/history/castles.shtml

ナチスにも利用されていた時期があったものの、その後1972年にはホテルとして使われ、スキー客を集めたそうです。残念ながらホテルは1981年に閉鎖。現在は個人所有となり、一般の人は入城できないようです。音楽室はモザイク模様の天井となっているそうで、そこをメンターといっしょにリストやチャイコフスキーが利用したんでしょうね。

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じょるじゅ > おおお、またまたすごすぎふゆひこさん。(ところで、ハワードはこの曲までリストのものとして録音してるのですか。楽譜が売っていてどうしようかと思いました。)
ちなみにメンターの旦那さんはチェロ奏者で作曲家のデイヴィッド・ポッパーです。(今年ポッパー・チェロコンクールがどこかであるはず。)
メンターもリストのなくなる数日前にリストを訪ねています。リストとリナはゾフィーが年の割りに相変わらず美しいこと、ドレスのセンスがいい事などを語り合います。リナはゾフィーがリストの生徒の中では名実ともにトップなのに、リストに対しての恩を忘れていない、謙虚な女性であるとの印象を残しています。 (4/19-01:11) No.2072
ふゆひこ > ハワードの53b巻は、ディスクが3枚組みなんです。けど最後の一枚が、この“ハンガリー風の協奏曲”のみの収録18分ぐらいだけ。ボーナスディスクという取り扱いで、53b巻は2枚組みの値段です。ハワードは“リストの曲とは断定できないけど、おまけで弾いてあげよう”っていう姿勢ですね。ゾフィー・メンターのことを今回、いろいろ調べて、ポッパーの名前を知りました。結構CDとかも出ている名を残している作曲家なんですね。ゾフィー・メンターの写真も見ましたがとても美しい女性ですね。リナやリストが感嘆するのも分かる。ゾフィー・メンターは録音とかは残せなかったのかな…。 (4/24-01:46) No.2082
じょるじゅ > また、おはようございます。そちらはもう土曜日ですか?
10月の来日一応決定しました。
おお、53bですね。買って見ます。ハワードのサイト、メッセージがどうも巧く送れないです。ナンか調子悪いです。 (4/24-02:05) No.2085
じょるじゅ > なんと、私、ポッパーの楽譜持ってました。"spinnlied"のアウエルによるトランスクリプション。(ヴァイオリン用。)
ナンかすごい縁ですよね。私がチェロ弾きならまだしも、数少ないヴァイオリンの楽譜のなかにポッパーの曲があるなんて。 (4/24-02:10) No.2087
ふゆひこ > 日本では、こんばんはです(笑)。暦的には土曜日ですけど、僕的には金曜日の延長です(笑)。おお、とうとうGSさん来日ですね。しかもリストの誕生月。 (4/24-02:13) No.2089
じょるじゅ > おお、気がつかなかった私が愚か者。シバいて下さい。10/22に到着の予定。でも一日早めます。みなで、誕生日を祝いましょう。水曜日かなんかだけど。おお、それはいい企画だ。 (4/24-02:26) No.2093
じょるじゅ > 関係なくてすみません。話し戻ってチロル地方といえばアルプスでもイタリーとオーストリアをはさんだあたりでは?
ローマとバヴァリアの中間でちょうどいいですよね。リストを訪ねるには。マ、当時の交通状況にもよるけど。 (4/24-03:51) No.2095
ふゆひこ > それでは本当にリストの誕生日ですね。地図を見ると、チロル(現代の日本語表記ではティロルみたいです)はオーストリアに属していて、ミュンヘン(バヴァリア)とイタリアに挟まれてますね。イッター城がどこにあるのか、地図で分からなかったです。 (4/25-17:05) No.2098
じょるじゅ > おお、オーストリア領だったのですか。(げげ。地図のばしょはしっていたのだが。オーストリア帝国のころは公国かなんかだったのでしょうか、あの辺りだけ違う色で境界線がひいてある。古い地図なんだろうか。また、歴史的な問題が。ウオーカーの本でも、ユーゴスラヴィアとか、チェコスロヴァキアとかUSSRとかあるし。
おおおお。頭をかきむしる私。その地図でっかい字で、ロンバルデイとか書いてあるし。あれは19世紀はオーストリア領だったはず。混乱している私。) (4/26-10:48) No.2106


パルジファルのイス 投稿者:ふゆひこ 投稿日:2004/04/17(Sat) 22:09 No.2059

インテリアショップのhh.style.comのサイトを見ていたらクールなデザインのイスのミニチュアをみつけました。骨組みだけでできたようなイスで、面白いのが影がついているように余分なフレームがついている。で、名前をよくみたら“PARZIVAL”とあるではないですか。

http://www.hhstyle.com/cgi-bin/omc?port=33311&sid=U1082172359GH7E6UHAR&req=PRODUCT&ett=20020508081941808815000000&parentpage=41982&hier=20010719032914545987000000

どうもこれは高名な舞台演出家のロバート・ウィルソンという人がオペラ“パルジファル(PARSIFAL)”の舞台演出のためにデザインしたもののようです。それがイスとしてデザインが優れているためにヴィトラ・デザイン・ミュージアムがコレクションに加えたようです。で、ミニチュアになって一般の人にも購入できる。

ロバート・ウィルソンは、愛知万博でも何かの演出を担当するとのこと。またルイ・ヴィトンとコラボレートしてバッグを作っているのかな?イサム・ノグチのAKARIをディスプレイしたすぐれた写真を以前見たのですが、これもロバート・ウィルソンの演出のようです。最も有名なオペラ演出はフィリップ・グラスの“浜辺のアインシュタイン”。

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ふゆひこ > ロンドンのデザイン・ミュージアムのページに一連のウィルソンの演出が紹介されてました。http://www.designmuseum.org/designerex/robert-wilson.htm (4/17-22:16) No.2061


Zichy Family 投稿者:じょるじゅ 投稿日:2004/04/11(Sun) 09:10 No.2014
http://85.1911encyclopedia.org/Z/ZI/ZICHY_FAMILY_.htm
驚き、19世紀には伯爵家からたくさんの政治家がハンガリー、オーストリア両国に出ているではないですか。(1848年の革命の時に処刑されたものまでいる。
画家のミハリー・シシーは貧乏画家のための援助団体を設立したりしている。

で、シシー家のお城の一つが今売りに出てますぞ。

http://www.ascot.hu/eng_kastely.html

500ミリオン フォリント(約、私の家4軒分)そんなに高くないです。


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ふゆひこ > そのサイトみました。オドン?(エドモンド)・シシーが処刑されてしまった人ですね。ゲザ・シシーの叔父?にあたるフランツ・シシー伯はリストと同年生まれで1900年まで生きてるとのこと。そんな人の発言とかもいろいろ知りたいですね。500ミリオン フォリントって、500,000,000フォリントですか…。円換算したら、今の相場で1フォリント=0.48円だそうです。だとすると半分にして、250,000,000?。高いです(笑)。けど日本で2億5千万払って家建てるよりはるかにいい買物でしょうね。僕は年末ジャンボに当たればチャンスあり(笑)。 (4/15-01:17) No.2025
じょるじゅ > だって、うちみたいにメキシコが見えるところでさえ、普通の住宅地にそのぐらいの値段の家が建ってるんですよ、となりどおしで。で、とくに大きいわけじゃない。小さなプールがある程度。こんなところで、少し豪邸の端くれみたいなのに住むより、ハンガリーにシシー伯爵家のお城を持っている方がよっぽどリスティアンとしては、価値ありますよ。
ちゃんとリストフェステイヴァルとか毎年すれば、シシー伯家もハンガリーもうれしいと思うんですよ。リスト音楽院の生徒読んだりして。 (4/15-01:58) No.2027
ふゆひこ > それは素晴らしいですね。音楽家としてのゲザ・シシー伯の名前がもっと知られればいいなと思います。 (4/17-02:26) No.2048

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