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APEXi ハイブリッドメガホンマフラー装着の巻

〜 筆者の視点によるマフラー装着記 〜
 
●2002-01-29:新製、 ●2002-01-30:校正、 ●2002-02-02:追記&公開
APEXiハイブリッドメガホンワゴンターボ用

1.まえがき
 

私がマフラーを交換した理由は、ズバリ、純正のノーマルマフラーが劣化してきたと判断したからである。そう、新車で購入してから4年間強、ずっとノーマルマフラーで過ごしてきたのだ。エキマニをプローバ製に換えて、センターパイプ(通称)をPRS製→Syms製に換えても、ずっと換えることのなかったノーマルマフラー。しかしながら、いよいよ外観上ではサビの発生が進行し、排気音も体感上大きくなってきたように思えたのだ。マフラーも消耗品なのである。

選択肢としては、(1)そのままノーマルマフラーを新規に購入し装着する、(2)新品の社外マフラーを購入し装着する、の2通りがある。中古のマフラーは最初から選択肢には無かった。これは余談であるが、もし私が中古でマフラーを購入することがあるとすれば、従来から述べてきたように左右2本出しマフラーをワンオフで制作する際の素材として購入することになるであろう(←現時点では単に構想のみであるが)。

ノーマルマフラーの良いところは、GT−BのMT車用であるから可変機構が備わっている点である。個人的には、この可変機構は「エンジン高回転時のパワーを出すためのもの」というよりも、「アイドリング時などエンジン回転速度の低い領域や、アクセル開度の小さな領域での排気音低減を重視している」ように思っている。つまり、あくまで個人的な意見であるが、上下の性能を両立させたというよりは、下の性能(静粛性)に比重を置いたセッティングになっているように思うのだ。

よって、もしも社外品の中で純正と同等な静粛性を確保しているマフラーがあるとすれば、もともと高回転時の性能(パワー)は社外品の方に分(ぶ)がある構造になっているであろうから、わざわざノーマルマフラーを選択する意味合いは薄くなる。社外品の方が軽量であるなら、なおさらである。また私の場合、排気系を「エキマニ」→「センターパイプ(通称)」・・・というように、エンジンに近い側(=排気の上流側)から下流に向かって順に変更してきたという意図・経緯があるので、最下流に位置するマフラーについても、ここらで思い切って社外品を試してみても良い時期だろうという判断も働き、今回のAPEXiマフラーを選択するに至るわけである。

個人的には、総合的な技術力に秀でていると思われるフジツボ製が良かったのだが、消音器内部にグラスウールを用いない構造を採るAPEXiマフラーの方が、何か私に訴えるものがあるように思え、今回の購入となった。メガホン構造、というのも(実際にはそのような効果はほとんど得られないかと思うが)良さげである。私の記憶によると、「グラスウールを消音目的で使用しないので劣化がほとんど無い」との触れ込みでマスメディアに登場したのは、数年前の東京モーターショウ。APEXiが初めて参考出品扱いで一般公開したのが始まりだったように思う。実はそのころからAPEXiマフラーに注目していたのであった。

<大きな梱包から開封して取り出したところ(ハイブリッドメガホン・ワゴンターボ用)>
梱包から取り出したところ大きめの箱に入っている拡張共鳴室の体積は大きめ

なお、APEXiの中でもハイブリッドメガホン・ワゴンターボ用(部番:115-F003)にした理由には、ハヤブサなどの他モデルでは単純に「うるさい」と感じるだろうという判断もあった。静粛性もマフラーの性能の一つ。エンジン高回転(高負荷時)でそこそこ「抜け」が良ければ、あとは静かなマフラーで構わない。というよりも、可能ならば静かなマフラーの方が良い。・・・あぁ、何て身勝手な要求なんだろう。だが実際に、APEXiのメガホン系マフラーを装着したユーザーからは「静かである」という評判が多かったことも、今回のマフラー選びの一助となった。ちなみに、同様に「静かである」との評判を持つSymsマフラーを選ばなかった理由は、消音器内部にグラスウールを使っていると思われたからである。
 

2.実物を前にして
 

さて、実際に実物を前にして、その「造り」をチェックしてみる。まず、タイコと呼ばれる拡張・共鳴室の体積は大きく、ノーマル然としている。社外品の中では、比較的消音効果が期待できそうだ。次にその拡張・共鳴室の内部構造であるが、排気ガスの通路として見ると、これは基本的にはストレートな構造となっている。センターパイプ(通称)へと接続することになるパイプ部分には、APEXiがカタログで唄うところの”メガホン構造”が確かに織り込まれていることも分かる。

<タイコ(拡張・共鳴室)の外観と内側、パイプの「造り」の様子)>
マフラーの全景拡張・共鳴室の中はストレート構造メガホン構造とおぼしき部分

ただ、これもまた私個人の意見であるが、クルマの運転中は実際には排気ガスの「流れ」は一定の状態が持続することは少なく、ほぼ常に過渡・遷移状態にあると思われること、また メガホン構造を採用していると思われる箇所は大気開放点(テールエンド)に近く、そこではすでに排気ガスの温度も下がって流速も穏やかであろうことから、実際にはカタログ通りの理論的な効果を得るまでには至っていないように感じる。ただ、仮に効果が無いとしても、自社製品に対して対外的に(ユーザーに向けて)理論的な裏付けを持たせつつ製品化していく企業姿勢は、好ましく思う。

<各部の「造り込み具合(品質)」を簡単にチェックしていく>
各部の「造り」をチェックしてみるハンガー部分の拡大図全周溶接部のチェック

さて次は、細部の造り込みを見てみる。マフラーハンガーに挿入する部分は、中実丸棒の上にフレアが付いた中空パイプをかぶせた造りとなっている。タイコとテールピースとの接合面は、丁寧に全周溶接されているように思われる。その他、タイコ(拡張室と共鳴室)部分のスポット溶接とか塗装状態なども良好で、価格が安い割には安定した品質で造られているように感じられた(あくまで私見であるが)。ちなみに、梱包から取り出した直後の状態では、ステンレス部分を磨いたように思われる白いコンパウンド粉のようなものが、タイコに僅かに付着して残っていた。工場では、出荷前に微細なキズなどを手直しする検査工程があるのだろうか?
 

3.交換前の純正マフラーの状態
 

交換直前の純正ノーマルマフラーの状態について、ここで簡単に触れておく。タイコ部分や接続フランジ部など、サビの発生が目につく。手で触ると、ポロポロと崩れ落ちてくる。放っておくと、このままどんどん進行していくことは避けられない。パイプ本体にもサビ(腐食)が発生しているが、こちらは表面上でのことであり、パイプの肉厚を犯して致命的な穴があくほどまでではないが、あまり良い気はしない状態である。

<放っておくと、サビや固着で後ほど苦労する恐れもある>
交換前のノーマルマフラーその他の外観(サビ進行)

マフラー内部の様子については推し量ることしかできないが、体感上排気音が増して(うるさく)なってきたように思えることもあり、思い切って換えてみようと決断した(可変機構も含めた機能的な耐久性については、まだまだメーカーの基準値内にあるのかも知れないが・・・)。なお、マフラーの交換作業については、特記すべきこともない簡単な作業であるので、ここでは割愛する。
 

4.装着してみて
 

装着後、まずは静的チェックをしてみる。マフラーハンガー(吊り下げゴム)が妙にねじれていないか、差し込みステーの落ち着き具合は良好か。バンパーの開口部に対し、テールピースが左右に偏(かたよ)っていないか、出口がバンパーに近すぎないか。また、意図的に上下左右に振ってみたとき、どこかボディと干渉する部分は無いか。その他、クリアランスの小さなところは無いか。などなど。

<左後輪側から見たところ。パイプとメンバーとのクリアランスは小さめ。>
装着後の近影(サイドから)拡大図(クリアランスが小さめか?)

特に問題となるようなことは無かったが、気が付いた点としては、パイプ本体とメンバー(左後輪側)とのクリアランスが小さいと感じる。パイプ径が若干広がったためであると思うが、この部分は運転中に極端に動く(振動する)箇所ではないため、実用上は問題ないであろう。逆の言い方をすると、この部分以外で気になった箇所は無い。他社を含む「ななめカチ上げ系」のマフラーでは、マフラー出口がバンパー開口部に対して左右にズレる場合も多いと聞くが、今回のハイブリッドメガホン(部番:115-F003)に関して言うと、私のクルマへのフィッティングは良好である。

次に動的チェックを行う。動的チェックというと少々大げさだが、要するに、エンジンをかけて排気漏れの有無などをチェックすれば良い。特に問題無いようであれば、実際に走行してフィーリング(使用感)をつかむ。初期状態の音量・音質などを記憶し、低回転域でのトルク感、高回転域でのアクセルレスポンスなど自分なりの運転モードで感触をつかめば良いであろう。そこには、例えばレストラン駐車場の車輪止めに接触することが無いかどうかなど、実際の使い勝手に関するチェックも含まれる。自分なりの基準(モノサシ)を決めておけば、次にマフラー交換した際に、同様なチェックが可能となる。

・・・な〜んて能書きをたれていますが(しかも素人が)、実際に使い込んでいかないと分からない部分もあるし、各項目を交換前後で数値比較しているワケではないので、ドライバーがごく自然体で使用感(フィーリング)を記憶に留めておく程度で差し支えないと思う。もちろん、同乗者による後部座席からの感想でも構わない。
 

5.まとめ
 

私のごく私的な感想(独断あり)を箇条書きにすると、次のようになる。なお、これはあくまでも感覚的な要素を含む評価であるから、クルマや人やタイミングが変われば評価も変わってくることが十分あり得る点には注意が必要である。

<APEXiハイブリッドメガホンマフラーに対する筆者の主な感想(初期版、抜粋)>
・見た目はノーマル然としている(後ろから見えるタイコの大きさ、テール径など)。
・アイドル時の排気音は予想通り静かな方である(夜の住宅街でもあまり響かない)。
・運転中の車内こもり音は感じない(同乗者もノーマルと比較して差が分かりにくい)。
・低回転域でのトルクの落ち込みは感じない(もともと低速トルクが小さいためか?)。
・中高回転域でのアクセルレスポンスは多少改善方向(目立った変化には至らない)。
・過給圧のオーバーシュート値に変化無し(もともとエキマニ&センターパイプ
(通称)を交換済み)。
装着後、後ろから見たところパイプの取り回し具合フィッティングは良好

音質については、アイドリング時にパルス的なものを感じるというか、ダイレクトな音圧を感じるというか、何と表現して良いか適切な言葉が見あたらないが、排気経路がよりストレートな(=形状的に曲がりや反転が減った)構造に近づいたためか、やや迫力感(というほどのものではなく、小さなレベルでの話だが)が増したような印象である。全体として、ファミリー派の期待を裏切ることのない仕上がりにまとまっていると思う。あとは、耐候性・耐久性などといった品質面での確認が残っている。機会があれば紹介してみたいと思っている。
 

 
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