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5.特種用途自動車の輸入台数・輸出台数

 特種用途自動車の輸入台数と輸出台数について調べてみました。
1968年〜1998年までの、延べ31年間の通関実績値です。

 
●1999-10-12:暫定公開、 ●1999-10-14:コメント&流行語などを追記、 ●2001-11-02:レイアウト変更

■ はじめに/(調査のきっかけ) ■
街中を走る救急車を観察すると、ほとんどはトヨタのメディカルハイエースです。救急車市場の約7〜8割をトヨタが占めると言われています。残りの2〜3割は、日産のキャラバン(ホーミー)の救急車仕様です。 しかし、これらハイエースやキャラバン(ホーミー)の中に混ざって、ベンツの1BOX 救急車も見受けられることがありますよね。そう、車体のフロントには、あのエンブレム(マルの中に3本の針が放射状に120°おきに並んでいるヤツ)が付いている車両です。

「ベンツの救急車・・・。きっと(価格が)高いんだろうな。メディカルハイエースでさえ、800万円とも1200万円とも言われるのだからな (仕様差により異なる。それにしてホントか? 価格にえらい開きがあるが。まぁそれはいいとして)。よ〜し、車両の価格はちょっと分からないけど、特種用途自動車の輸入車について、ちょっと調べてみるかぁ〜! まずは台数の把握かな。」・・・ということで、輸入台数と輸出台数について、図書館に行って調べてみました。う〜ん、やっぱり根気よく探してみるものですねぇ。 ちゃ〜んと出てきました。「大蔵省調べ」 による通関実績値として、その記録が残っていました。
 

■ 特種用途自動車の輸入台数&輸出台数 ■
以下に、各年度ごとの輸入台数および輸出台数を載せます。また、至極簡単ではありますが、その年に流行った特徴的な言葉を並記してみました。時代の雰囲気が多少なりとも伝わるでしょうか?
 
年 (暦年ベース) 輸入台数(台) 輸出台数(台) 国内保有台数(台) 当時の流行語など
1968年 (昭和43年)  237  9450 253931 3億円事件
1969年 (昭和44年)  149 13418 298222 アポロ11号
1970年 (昭和45年)  229 24656 341315 大阪万博
1971年 (昭和46年)  225 44817 392341 よこはまたそがれ
1972年 (昭和47年)  291 70038 446834 浅間山荘事件
1973年 (昭和48年)  684 37187 505596 オイルショック
1974年 (昭和49年)  935 14916 550266 巨人軍は不滅
1975年 (昭和50年)  407 23016 586895 およげ!たいやきくん
1976年 (昭和51年)  480 29353 624018 ロッキード事件
1977年 (昭和52年)  784 41718 667523 津軽海峡冬景色
1978年 (昭和53年)  758 57615 711596 未知との遭遇
1979年 (昭和54年) 1312 81527 759351 インベーダー
1980年 (昭和55年) 1082 56985 790911 カラスの勝手
1981年 (昭和56年)  692 59945 823510 ぶりっこ
1982年 (昭和57年)  301 73153 851000 積み木くずし
1983年 (昭和58年)  275 85532 879614 ニャンニャンする
1984年 (昭和59年)  286 97754 909365 かい人21面相
1985年 (昭和60年)  541 131021  942377 タイガース優勝
1986年 (昭和61年)  387 134747  978275 ダイアナ妃来日
1987年 (昭和62年) 1453 125552  1027614  マルサの女
1988年 (昭和63年) 1077 21898 1086711  ソウル五輪
年 (暦年ベース) 輸入台数(台) 輸出台数(台) 国内保有台数(台) 当時の流行語など
1989年 (平成 1年)  320 10617 1146182  ベルリンの壁
1990年 (平成 2年)  633  8193 1206996  アッシー君
1991年 (平成 3年)  584  9975 1267569  湾岸戦争
1992年 (平成 4年)  661 13862 1314761  冬彦さん
1993年 (平成 5年)  806 12797 1361722  ブルセラ・コギャル
1994年 (平成 6年)  345 21438 1420734  同情するなら金をくれ
1995年 (平成 7年)  327 17326 1500784  阪神大震災
1996年 (平成 8年)  508 29425 1601998  O−157
1997年 (平成 9年)  869 32486 1500548  たまごっち
1998年 (平成10年)  435 24459 1600791  ややややった〜
(↑注、後述↑)

以上、表中に記載した数値は、運輸省(当時。現・国土交通省)調べによるものです。
 

■ 輸入台数は少なかった・・・ ■
 

 

 

・・・上記のような感じです。一覧表にしてまとめてみると、特種用途自動車の輸入車というのは実は非常に台数が少なかったんですね。1000台を越えているのは、ここ30年ほどの間では、1979年 (昭和54年)、1980年 (昭和55年)、1987年 (昭和62年)、1988年(昭和63年)の4回しかありません。他の年度ではすべて3ケタですから、1ヶ月あたりに換算すると、わずかに10台〜30台程度・・・ということになります。

う〜ん、このように考えると、特種用途自動車の輸入車は完全な希少車と言っても良いのではないでしょうか。もしかすると、ウニモグなんかもこの類にカウントされているのでしょうか? フロントに脱着式のアタッチメント(バケットなど)を付けて、「作業工作車」 による8ナンバー登録をしていても、おかしくないように思うのですが・・・。ベンツの救急車やウニモグの他には、どんな車種が考えられるでしょうか? う〜ん、悩みます。

あっ、「ハマー」 あたりはどうでしょう? 一般の人がこのクルマを買うことはちょっと考えられませんが、確か芸能人で買っていた人がいたような・・・。でも、ハマーは8ナンバー登録になる(or できる)のでしょうか? 実物を見たことがないので何とも・・・。
 

■ 輸出台数について思うこと ■
輸出台数については、単年どうしで比較すると変動がありますが、昭和40年代〜50年代といった大きな流れのワクでとらえると、小刻みに変動しながらも順当に台数が増えていく傾向が読みとれます。昭和60年に入ってからは、最も台数が増え、これは時期的にはバブル期の直前からバブル期の初期に相当すると思います。その後、昭和63年から平成3年にかけて、まるで坂道を転げ落ちるかのような勢いで、あるいは井戸のつるべを落とすかのような勢いで、急激に特種用途自動車の輸出台数が激減しています。

やはり、バブルの崩壊はこのへんの数字にも傾向として現れているのでしょうか・・・。そして平成4年以降は、低めに安定しながら台数が微増傾向にあるように思えます。バブルが回復したのに、なかなか輸出台数が増えない理由を私なりに推定してみると、特種用途自動車で輸出されるものは、実は新車ではなく中古車なのではないか、と。そして平成の時代に作られたクルマは、例え中古車になったとしても、クルマとしての耐久性・耐用年数が格段に向上している。したがって、輸出先でもそれらのクルマは買い換えサイクルが延長されて、結果として日本からの需要が減ったのではないか、と・・・。いや、これはまったく私(KAZ)の勝手な想像ストーリー(根拠無し)ですけど。ホントのところは、一体、何なのでしょうね。意外と当たっていたりして・・・。
 

■ 各年度での流行語(オマケ)について ■
単純に年度ごとに輸入&輸出台数を並べただけでも、一応は当初の目的が達成されたページにはなりますが、せっかくなので、その年度に起こった事件や流行った言葉など、世相を表している (と思われる) キーワードを表に添付してみました。この方が、何となくではあるけれど、その時代の様子(栄枯盛衰) が見えてくると思ったのです。なお、数あるキーワードの中から選んだ言葉の基準は、私・KAZの独断と思い入れによるものです。どうかご了承下さいね・・・。

さて、皆さんはこれらのキーワードに見覚えがあるでしょうか? リアルタイムで体験した事柄もあるでしょうし、体験したけど忘却の彼方に飛んでいってしまっていた事柄もあることでしょう。もしかしたら、このページをご覧の方々の中には、キーワード自体が自分の生まれる前の出来事である・・・という方々もいらっしゃるかも知れませんね。そのような場合は、もう少し年上の仲間や家族に キーワードの意味を教えてもらって下さい。きっと、熱く語ってくれることでしょう。

最後になりますが、「これは解説をしておかなければ分からないだろう」 と思われるキーワードについて書いておきます。それは、1998年 (平成10年)のキーワード 「ややややった〜」 です。これが何のことか分かる方は、いらっしゃいますか?(ヒント:長野冬季五輪、スキー。)

そう、これは、この年の2月に長野で開催された冬季オリンピックのスキー競技で、原田選手が痛恨のミスジャンプをしてしまったあと、奇跡の逆転ジャンプを決めて、見事日本に団体優勝を もたらしたときに発せられた 「うれしさを通り越えた奇声」 なのです。まだ最近のことなので、記憶している方々も多いことでしょう。暗い時代の日本に感動の嵐を巻き起こした立て役者、原田選手の第一声でした。

したがって、これは単純に 「ややややったー」 と軽く発音してはいけません。それまでのつらく苦しい4年間を堪え忍んだものの、1回目のジャンプでは失敗し、しかし、2回目のジャンプでは不死鳥のごとくよみがえって奇跡の逆転優勝を実現したあと、涙ながらに発せられる 「ややややった〜」 なのです。このページの趣旨からはちょっと離れてしまいましたが、まぁ、たまにはこれくらいの脱線話しをしても良いですよね? ということで、ここまでご覧になって下さり、ありがとうございました(何とも強引な「結び」だこと・・・)。
 

 
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