先月の8月、とても親しくしていた叔父が、バイクで交通事故に遭いま
した。子供がいなく、私をまるで自分の子供のように小さいときから
かわいがって愛情を注いでくれました。とても、健康管理もしっかりし、
事故に遭うとは思えない人でした。原因は、相手の車の信号無視。全く
信号にも気づかなかったそうです。そして、叔父は、皮膚科からの帰り
道でした。現在、1ヶ月がたとうとしていますが、脳幹出血を起こし、
意識障害のまま、病院に入院しています。私は、医学部の6年です。こ
れから、国家試験があり、私が医者になるのを、私以上に期待し、応援
してくれていた人でした。休みに帰省するたびに、よい本をくれたり、
医療関係の新聞の切り抜きを集めて渡してくれました。
事故は私が、卒業試験のために大学に帰る前日でした。あまりの姿に、
言葉が見つかりません。ポリクリで、様々な病気や患者さんをみてきた
つもりでしたが、身内の事故となったとき、私の悲しみは全く違いまし
た。どう受け入れてよいのか、あまりにむごく、spiritualな問いを持
ち続けていました。「100の言葉」を読み進むうちに、涙がこぼれるこ
ともあり、涙を流すことでむしろ気持ちがラクになっている自分もいま
した。そして、感想を書いている次第です。ただ、私が癒されても、現
在も叔父は、入院中です(JCS2桁〜3桁)。きっと、私が本当に乗り越え
られるのには、6ヶ月〜1年はかかります。本当に、叔父がむごすぎます。
本当に、色々なことを考えました。あまりに医療が無力だと思ったこ
と、むなしさ、けれど、私は、医者として生きてゆくこと、そして、そ
れを、叔父は心より応援し楽しみにしていてくれたこと。。。 ポリク
リでは、それなりに悲しんだり、悩んだりもしたけれど、今の悲しみは
全然違うこと。社会や学校の生活も何一つ変わっていないのに、私の気
持ちは違うこと。私は偉そうなことを言っていても、本当には何も分かっ
ていなかったこと、そして、本当の人の悲しみは分からないのではない
かということ。奥様は80歳を超えていて、今までつつましく生活した所
の突然の事故のいたたまれなさ。
確かに、本当に、この悲しみを知る前の自分には戻れないのかもしれ
ません。けれど、この苦しみ、悲しみを乗り越えたとき、この叔父を最
高に感謝し、かけがえのない存在として、心の中でいき続けるのではな
いかと、信じます。そして、私は、医者として生きてゆきます。また、
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【女性、20代】