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シオドア・スタージョン『輝く断片』amazon | bk1 | 7&Yicon このミス4位,週刊文春3位,闘うベストテン2位,ベストSF9位
●ベストSF6位:『現代SF1500冊 回天編 1996〜2005』 amazon | bk1 | 7&Y 『乱闘編 1975〜1995』 amazon | bk1 | 7&Yicon


【6月25日 新人文学賞の最新事情と注目の若手作家10人】


小説トリッパー夏季号(→amazon)に30枚ぐらいの新人作家紹介原稿を書いた。
「新人賞を受賞し、2003年以降に単行本デビューした新人作家のうち、すでに第二作以降を刊行している人」という条件で各分野から大森が独断でチョイスした10人の紹介。作家の名前がいちばん売れてるのは金原ひとみ、作品の世界的知名度では谷川流が圧倒的に1位か。貫禄では絲山秋子の圧勝ですね。エンタメ陣営の人にはもっとがんばっていただきたい。こんな顔ぶれです。

名前(読み)生年 受賞 デビュー単行本(版元)
●絲山秋子(いとやま・あきこ) 1966年 文學界新人賞 『イッツ・オンリー・トーク』(文藝春秋)
●金原ひとみ(かねはら・ひとみ)1983年 すばる文学賞 『蛇にピアス』(集英社)
●朱川湊人(しゅかわ・みなと) 1963年 オール讀物/ホラー大賞短編賞 『都市伝説セピア』(文藝春秋)
●谷川流(たにがわ・ながる) 1970年 スニーカー大賞 『涼宮ハルヒの憂鬱』(角川スニーカー文庫)ほか
●日日日(あきら) 1986年 碧天舎ラブストーリー大賞他 『私の優しくない先輩』(碧天舎)他
●有川浩(ありかわ・ひろ) 1972年 電撃ゲーム小説大賞 『塩の街』(メディアワークス電撃文庫)
●辻村深月(つじむら・みづき) 1980年 メフィスト賞 『冷たい校舎の時は止まる』(講談社ノベルス)
●道尾秀介(みちお・しゅうすけ)1975年 ホラーサスペンス大賞特別賞 『背の眼』(幻冬舎)
●森見登美彦(もりみ・とみひこ)1979年 日本ファンタジーノベル大賞 『太陽の塔』(新潮社)
●山本幸久(やまもと・ゆきひさ)1966年 小説すばる新人賞 『笑う招き猫』(集英社)


【6月24日 浅倉久志著『就山永崇・宗山等貴』】


ジュンク堂で検索してて発見した謎の本
なんだそりゃと思ったら、著者は正しくは「朝倉尚」さんでした。あさくらひさし違い。読みからデータ入力した際の誤変換?


【6月23日 三島賞・山本賞・川端賞@オークラ】


宇月原さんは受賞者挨拶で一礼してのっけから頭にマイクをぶつけるベタなボケ。
古川日出男は蹴りたい壁。角田光代は千本ノックの話でした。

会場での主な話題は135回芥川賞・直木賞予想。ふうん、なるほどねえ。

二次会は古川さんのところ。朗読つき。柴田元幸氏が来てました。六本木まで行ったら銀座の宇月原宴会に回り損ねてすみません。

三次会は角田組・古川組と合流。角田組の二次会はカラオケで、清水博子さんが飛ばしまくってたらしい。かっこいい紫のブーツ姿でした。遠目に眺める。

三次会では高橋源一郎と子育てエピソード交換。タカハシ家は1歳10カ月と0歳3カ月で、どっちも男の子。いや、それはたいへんですね。

角川書店S戸氏に、直木賞大本命の森絵都さんを紹介してもらったところ、そのとなりには伊藤たかみ氏が。
「好き放題に言ってくださってありがとうございます」
「すいませんすいません悪いのは僕じゃなくて豊崎由美ですいっしょにしないでください僕は伊藤さんの小説わりと好きですよほんとに」
「いやもう、好きなように料理してください。全然かまいませんから」と太っ腹。
 ちなみに伊藤さんはカラオケでツイスト「宿なし」を歌って、めちゃくちゃ上手かったとか。
 渦中の芥川賞候補作家・中原昌也は相変わらず。青山墓地で待つとか都庁で待つとかバカなことを言っております。


【6月10日 ワールドカップ開幕】


 まあ4年に1度ですから。しかし1日3試合見るとほかになにもできない。サイトの更新はもちろんできない。サッカーは1日2試合まで。前回が異常な大会だったおかげで、今大会は順当。韓国でつらい目に遭った国が慰めてもらう大会かな。


【6月2日 緒方貞子名刺ゲット】


名刺ジャンケンではかなり強そう。
昼間、NHK週刊ブックレビューの収録だったんですが、後半の特集が『紛争と難民――緒方貞子の回想』でゲストが緒方さん。控え室で用もないのに名刺交換させていただきました。かっこいいおばあちゃん。
紹介した本のラインナップは番組のサイト参照。控え室では野崎歓さん、栗田有紀さんと四方山話。主に海外文学翻訳業界の話とか。


【5月25日 横溝正史ミステリ大賞】


乱歩賞を受賞した早瀬乱氏と、なぜか横溝賞授賞式で初の対面。綾辻さんが強く推しての受賞だったらしい。『サロメ後継』がホラー大賞をとれなかったほうが不思議なんだけど、乱歩賞受賞作出版後に、改稿版を単行本で出すことが決まった模様。

その早瀬乱氏は、なんと樫原辰郎監督と高校の同級生だそうです。「さて、わたしはだれでしょう?」と監督宛に本人から伝言。ヒントは高三のとき前の席に座ってた男、とか。

同級生のよしみで、『レテの支流』を映画化してあげるといいと思いました。あれならそんな予算はかかんないんじゃないかな。

ソニマガ書籍部門のウィーヴ移籍に関して、業界内で囁かれているウワサをいろいろと聞く。なるほど、そういうことか!

L社でコトネたんの担当(もしくはそれに準じる立場)だった人の苦労話を聞く。爆笑。第2作はほんとに幻冬舎から出るのかなあ。小説以外は、彼女をめぐるすべてがめちゃくちゃ面白いのに。なかなかうまくいきませんね。

角川のケータイサイト、ししどん日記は自分で書いてないらしい。ヒデキンは自分で書いてるらしい。

横溝賞の今年の受賞者はなんと仁淀村出身。同郷の坂東眞砂子さん(選考委員)は根掘り葉掘り出身地のことを聞き、
「インターネットとかグローバル経済とか、そういう上っ面のことを書いてないで、自分の田舎のことをじっくり調べて書いたらどうぞね」
 と土佐弁で説教し、受賞者に思いきり引かれた。(と、坂東さんが豪快に笑ってました)
 まさか、晴れの舞台で、捨ててきた故郷からこんなかたちで復讐されるとは……という『砂の器』みたいなストーリーが瞬間的にオレの脳内を駆けめぐりました。
 ちなみに受賞者は高知高校出身。坂東さんはそれを聞いて、
「ええ!! 高知高校出て作家になれるの!? 初めてやない?」とか言ったらしい(笑)。それはもうただの傍迷惑な高知のおばちゃんです。


【5月16日 推理作家協会賞待機】


おとといamazonで注文したLet's Note R4がはやくも到着。
R3のハードディスクが物理的にご臨終を迎えたので、とりあえずR4を買った。amazonはべんりだけど考えてみると5年保証がつけられないのがネックかも。
R3から死にかけのハードディスクをとりだそうと思ったらこれがたいへん。先人の懇切丁寧なページがあったおかげでなんとかとりはずしに成功しました。 キーボードがあまりにもペノペノで爆笑。さすがに990グラムに収めるための技術力は凄いというか、箱庭芸術だね。むかしさんざん引っこ抜いてたThinkPadの中身とはまるで別世界。しかしもとに戻せるのかこれ。ベアドライブ買ってきて入れなきゃ。

協会賞は西葛西の喫茶店で待機。受賞は下馬評通り「松本清張辞典」と「下山事件」。やっぱり鉄板だった。長編が恩田さんで短編は平山さん。自分が候補になってなきゃ東京會舘に行くところですが、落選者なので焼肉残念会@大将を決行しました。


【5月4日 SFセミナー終了】


昼間の一般参加者は約220名、合宿参加者は約110名(スタッフ、ゲストを除く)で、例年より1割増しだった模様。
浅倉人気か、朝の企画は前のほうの席に、数年ぶりに顔を見るファンダムの勇者たち(50歳以上)が何人も。その一方、伝説の浅倉久志の実物をひとめ見ようとやってきた大学生もけっこういたらしい。あ、女子高生の人もいたな。合宿の浅倉部屋も超満員でした。

もっとも今回のセミナー一番のレアアイテムは山岸真だったとの声がしきり。元気そうでよかった。

会場で驚いたのは、金森達の原画販売。SFマガジン掲載分(扉イラスト)から、コーンブルース「暗い潮を刈れ」とクラーク「第二の夜明け」のを買って浅倉さんにプレゼントしました。よく考えたら一枚は浅倉さんのサインをもらって自分用にすればよかったな。 いや、自分用にはスタージョン「海を失った男」扉イラストを買ったんですが。

関係ないけど、数日前に届いた筑摩書房のPR誌「ちくま」5月号に載ってる橋本治の短編がすごい。タイトルは「組長のはまったガンダム」。
昭和54年当時に35歳だったヤクザの組長が息子と一緒にファースト・ガンダムを見はじめ、どんどんハマっていく話。前後編の前編。 ジオン公国は任侠の論理、地球連邦は腐敗したマッポの論理で動いてるんだそうです。後編が楽しみ。


【4月28日 GW直前号】


 連休の予定ですが、前半は栃木に行って、5/3はSFセミナー2006。大森は朝10:45からの「超SF翻訳家対談」に出ます(出演:浅倉久志、大森望 司会:高橋良平)。6月に出る浅倉さんのエッセイ集『ぼくがカンガルーに出会ったころ』(国書刊行会)出版記念。合宿でも浅倉さんの部屋があるので、浅倉ファンはお見逃しなく。
 あとはジーン・ヴァン・トロイヤー氏が出演するのが珍しいですね。翻訳勉強会みたい。

 この連休、bk1は、10000円超の注文で1000円分バックのキャンペーンを開催中。そこで、1万円お買い物用の最近の本(SFファン向き)を拾ってみた。

『武部本一郎SF挿絵原画蒐集 上 1965〜1973』 \6,300
『SF画家加藤直之 美女・メカ・パワードスーツ 』 \2,730
北島明弘『世界SF映画全史 』 \9,030
SFマガジン600号とかタカノ綾とか
マリー=ロール・ライアン『可能世界・人工知能・物語理論 \6,300
新城カズマ『ライトノベル「超」入門 』 \788
筒井康隆『壊れかた指南』 \1,650
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『バビロンまでは何マイル 上』 \2,100 『下』 \2,100
恩田陸『チョコレートコスモス』 \1,680
花輪莞爾『悪夢百一夜』 \4,001
J・G・バラード『楽園への疾走』 \2,415
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』 \1,890

 最後のカズオ・イシグロはSFです。あと、この機会に飼いのがしている大森望関連書を買ってみようという奇特な人は、こちらからどうぞ。

 入院中から見はじめた『24』トリロジーボックスは、倍速ペース(1シーズンあたり8時間)で視聴終了。評判通り、第2シーズンはかなり出来がいい。けっこう意外な展開があります。キンバリーのパートは全部飛ばしていいと思うけど、あれはコミックリリーフですかね。大災難PTAみたいに笑うところだと思えば、まあ。最低なのは第3シーズンの前半で、ストーリー的にはほぼ無意味。というか、第3シーズンのウイルス兵器は、開発元をなんとかしないかぎり意味がないだろうになあ。24時間では目先の危機に追われてそこまで頭が回らないということか。全部見るヒマがないけど気になる人は第1シーズンの後半から第2シーズンまで見ればいいんじゃないでしょうか。登場人物が合理的な考えかたをしないことが気になる人は向いてません(第1シーズンを見ただけで時間のムダと結論し、トリロジーボックスを大森に売り飛ばした我孫子武丸氏とかね)。



【4月24日 トキオ5歳】


 バースデープレゼントは、東京駅一番街のレゴショップでバイオニクル買い放題の豪遊。ほしいものがピンポイントで決まってるので楽。
 といってもバイオニクル本来の組み立て方どおりには全然つくれなくて適当にブロックを組んでるだけなので、なぜそんなにバイオニクルが好きなのかはよくわからない。自分ではボール型のジョイントの着脱もできないのに……。
 ふだんはこことかの通販で買ってて、売値は通販のほうがちょっと安い。送料を入れると一緒ぐらいか。



【4月23日 ライトノベルフェスティバル】


 キリカは水疱瘡(治りかけ)であんまり出歩けないので、トキオだけ連れて蒲田の第5回LNFへ。タカアキラとか堺三保とか三村美衣とか、トキオの大きなお友だちがたくさんいるので大丈夫。いろいろおもちゃをもらって喜んでました。会場の大田区産業プラザPi0はなかなか変なビルだったし。

 トキオは明日が5歳の誕生日なので、大サービスでガメラ・クロニクルのガチャガチャを4回まわす。8種類のうち6種類まで揃ったのにまだガメラが出ません。



【4月22日 名作平積みソラリス編】


 NHK放送センターで「名作平積み大作戦」の収録。今回のお題は「妻への恋」で、相手は松尾貴史(遠藤周作『深い河』)。こっちの推薦図書は『ソラリス』で、河vs海のよみがえり対決という趣向。じつは松尾さんは、高校時代、初公開時に岩波ホールで「惑星ソラリス」を見て以来の熱血『ソラリス』ファンなんだそうで、ほんとはこっちがやりたかったと悔しがることしきり(笑)。隠し玉に、20年前の下北沢駅前劇場で上演されたWAHAHA本舗「ワハハのスペース珍道中」のビデオを用意してもらってたんですが(ソラリス風呂っていうネタが出てくる)、松尾さんいわく、「ぼくもこのとき客席で見てました」。世間は狭い。
 ちなみに衣裳は、京都の川合さんからわざわざ送ってもらったSF喫茶ソラリスのソラリスTシャツ。Sサイズしかなかったのでパッツンパッツンですが、ウケたのでよかった。
 放送は、BS hiが5月10日(水) 23:25〜24:09。BS-2が5月14日(日)19:30〜20:14。ゲストは生田智子と藤崎奈々子です。藤崎奈々子は国産ミステリをけっこう読んでるみたいで、好きな作家をきかれて乃南アサとか答えてました。渋い。

 終了後、書店員審査員で出演していたオリオン書房の白川さん、三省堂本店の山本さんとスペイン坂びいどろで軽く食事。そのあと本郷にまわってMYSCON。倉阪夫妻の新婚生活について根掘り葉掘り聞きながら大広間でくつろぎ、全体企画に飛び入り参加。「80人ぐらいの全参加者のうちYESと答える人がジャスト7人になるような質問を考える」という趣旨。「45歳以上の人?」とか「子供がいる人?」とかっていうのはどうかと思ったが、結局「『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだ人?」で12人、「森博嗣と名刺交換したことがある人?」で11人とか、そんな結果だった。
「赤川次郎作品を百冊以上読んでいる人?」でピタリ賞が出たのがすごい。
「塔晶夫版『虚無への供物』を持ってる人?」でも7人ぐらいが該当したんじゃないかと思いました。ボツ質問をその場でどんどん訊ねるコーナーがあってもよかったと思った。



【4月15日 日本推理作家協会賞候補作/星雲賞参考候補作】



 日本推理作家協会賞の候補が決定。

■長篇および連作短篇集部門
『ユージニア』恩田陸(角川書店)
『隠蔽捜査』今野敏(新潮社)
『ゴーレムの檻』柄刀一(光文社)
『審判』深谷忠記(徳間書店)
『家、家にあらず』松井今朝子(集英社)

■短篇部門
「克美さんがいる」あせごのまん(『余は如何にして服部ヒロシになりしか』角川ホラー文庫)
「壊れた少女を拾ったので」遠藤徹(『弁頭屋』角川書店)
「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明(『魔地図』光文社)
「バスジャック」(小説すばる6月号・同題短篇集所収・集英社)
「流れ星のつくり方」道尾秀介(小説新潮4月号)

■評論その他の部門
『現代SF1500冊 乱闘編』『同・回天編』大森望(太田出版)
『ナツコ 沖縄密貿易の女王』奥野修司(文藝春秋)
『松本清張辞典決定版』郷原宏(角川学芸出版)
『下山事件 最後の証言』柴田哲孝

 というわけで、『1500冊』が評論その他の部門で候補になってます。びっくり。まさか推理作家協会賞の候補になるとは……。まあ、歴史を繙けば、かつては石川喬司『SFの時代』が受賞してるし、『日本SFこてん古典』も候補になってるんで、SF関連書も対象であるんですが。最近だと風間賢二『ホラー小説大全』が受賞したり、東雅夫『ホラー小説時評』が候補になったりしてるから、あるいはその流れとか。しかし驚いた。一生に一度かもしれない機会なので、待機宴会を開くしか。と思ったけど、協会賞の選考会って、5月16日(火曜日)の午後3時スタートなんだそうで、むしろお茶会? そういえば浅暮さんのときも昼間から蕎麦屋で待ってたんだっけ。その前が菅浩江で、大森が一緒に協会賞の発表を待った人は二人ともみごと受賞しているのだった。今回はいっそ恩田さんと待つか(笑)。

 もうひとつ、ネット投票がスタートした星雲賞のノンフィクション部門でも、『1500冊』が参考候補作に入ってます。こっちのほうはひそかに狙ってたんだけど、参考候補作を見て茫然。『失踪日記』かよ! さらに『監督不行届』かよ! そりゃノンフィクションだから、コミック部門じゃなくてこっちでノミネートするっていうアイデアは秀逸ですが、しかし。星雲賞ドキドキの日々は一瞬で終了した感じ。とほほ。あらゆる組織票を動員しても勝てる気がしない。受賞したら吾妻さんが20年ぶりぐらいでSF大会に来るかもしれないしなあ。ちぇ。

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