作成者 | BON |
更新日 | 2003/03/02 |
土木学会環境工学委員会のワークショップで訪問しました,独立行政法人土木研究所自然共生センターと,郡上八幡の訪問記録です。前者は河川実験施設,後者は水の潤沢な地域における水利用の生活跡を残す町です。当日お世話になりました関係各位に感謝申し上げます。m(_
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【独立行政法人 土木研究所 自然共生研究センター】 自然研究所の公式ホームページ。 |
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【郡上八幡】 郡上八幡の魅力を紹介。 |
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自然共生研究センター訪問記録 2月28日午前訪問。天気は晴れ。 |
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郡上八幡訪問記録 2月28日午後訪問。花粉飛散悲惨... |
【参考】
これら水道に関連する場所の訪問記録についてはどんどん行っていきたいと思っております。もし取材させていただけるところがありましたら是非ご紹介ください。
自然共生研究センターは,独立行政法人土木研究所の施設で,木曽川の支川である新境川から水を引き込み,流路を再構築可能としている3本×800mの実験河川と6箇所の実験池を有する非常に大規模な研究施設です。新境側は農水や下水の影響を受けるため,水質は木曽川より悪い状態でかつ変化もかなりあるようなのですが,われわれ利水側の興味として見れば,河川浄化などの研究にはかえって良い条件なのかなとも思います。
まずはセミナールームで概要説明のビデオ,その後所長室で研究概要の説明をいただきました。一応こちらも専門家集団で行っていますので,お忙しいところを研究員の方にご説明いただきました。ちなみにフィールドの提供はただだそうですので,持ち込み研究をやりたい方には非常に魅力的な条件かも...ただし,人手にはかなり苦労されているようですので,その場合は人の負担をしてあげてくださいませ。
実験河川沿いに下流側から歩きます。冬なので植生などは枯れてますが,実験条件としても植生の影響がかなり出るので,意図的に植生を除去し,草の繁茂を防ぐ加工をしている場所もあるそうです。
環境教育の方法についても研究テーマの一つだそうで,順路の途中にはこのように様々な趣向をこらした学習用の看板が立てられています。
【備考】
訪問日=030228午前。ご案内いただきありがとうございました。
郡上八幡町は岐阜の山間にある美しい町で,郡上踊りなど観光で有名です。この町は,わき水を生活用水として流す溝を張り巡らし,この水の共同使用に関する決めごとなど,水利用における伝統の一旦を伝える価値有る風習(の名残)を残す町です。このような水利用の風習を見学することを目的に,海外からの訪問者も来るそうです。
まずは資料館へ。その後担当の方に,町内の生活用水関連の史跡類を案内いただきました。
水路は全般に射流になっているのが大きな特徴ではないでしょうか。これなら上流で使用した水が下流に影響を与える時間をかなり制限できそうです。方向が変わる部分には必ず水勢工が施されています。また,所々にスリットが切ってあり,ここに木で出来た堰板(正式名所は忘れました)をはめ込んで水溜まりが作れるようになっています。堰板をはめると断波の観測ができますので,水理学の研修にも使えます(^o^)。
また,使用する時間帯は町ごとに区分されていたそうで,水路の清掃については今でも交代で行われていることを示す看板などが立っていました。生活用水の水槽は,上流から下流に向けて,飲料水,食料品洗浄,食器洗浄,洗濯,というように水槽がいくつかに分けられており,カスケード利用が実践されていたことが伺えます。ちなみに,偉い人の住居ほど上流側の城に近い位置に住んでいたのも一種のカスケード利用かもしれません。
また,川沿いの比較的低い場所に,名水百選の第一番目に選ばれている「宗祇水」があり,観光地になってます。とりあえず賞味しました。ま,おいしいっていや美味しいです。このあたりは鍾乳洞などもあり,地下水中にミネラル(硬度成分)が豊富なのも影響しているかもしれません。ただ,衛生的かどうかはちょっとわかんないです。まあ自己責任でどうぞ。
翌日は宿泊地にて岐阜大学の先生,日本ガイシ株式会社の研究者の方を講師にお招きして勉強会でした。
【備考】
030228午後訪問。ご家族連れで家族サービスもよいでしょう。外国からの訪問客など案内すると喜ばれそうです。