作成者 | matchy (arranged by BON) |
更新日 | 2005/03/31 |
水道技術者のうち,特に経営や維持管理関係の資格とその制度についてとりまとめます。事業管理者と技術管理者を混同しやすいので,必要にせまられて整理をしたときのメモです。
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水道事業管理者 水道事業の責任者の役職名なので,実は資格ではありません。 |
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水道技術管理者 こちらは,水道事業の技術上の要件に関する資格。水道法改正により,委託可能になりました。 |
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水道施設管理技士 水道施設の維持管理担当者の資格として,このほど創設されました。 |
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その他関連する資格 直接必要とはならないケースが多いのですが,特殊なケースで必要。 |
【参考】
1)資格
水道事業管理者は,事実上,公営企業としての水道事業の最高責任者です。地方公営企業法7条〜9条に規定があり,公営企業としての水道事業について,以下の4つの権限を除く全ての権限と責任を負うことが定められています。
上記4つを除く,ということは,たとえば人事に関する事項,給与に関する事項など,非常に強い権限を有するということで,事実上,地方自治体の3役に続く地位となっています。このため,3役に水道事業管理者を合わせて4役,という言い方をする場合もあります。
2)取得方法
実は...取得する資格ではありません(^_^)ゞ...
正確には役職名ですので,助役とか出納役とかと同じように,任命されるものです。
なお,「地方公営企業法」に規定されていることに注意してください。水道事業が完全に民営だった場合,地方公営企業法上の水道事業管理者を置く必要はありません。
【備考】
地方公営企業法他,今村先生ノートなどから。
1)概要
水道技術管理者は水道法に規定されています。規定は以下のようになっています。
「水道の管理に関する技術上の業務」の最終責任者で,実体上組織で運営される水道事業において,個人を特定して責任者を明確化するもの。こと技術上の要件については,技術管理者の判断は,水道事業管理者も従わなければならない。以下の権限を有する(水道法19条)。
このように,水道技術管理者は,水道事業者が必ず一人は設置しなければならない技術上の管理責任を負う者で,民営水道事業や受託によって運営される水道事業でも管理者を設置することが必要です。水道法の改正により,この技術管理者の業務部分まで含めて委託することが可能になりました。
2)取得方法
水道事業の実務経験者,もしくは日本水道協会の研修を受けることで取得できます。水道技術管理者の研修は水道協会が窓口になって受け付けていますが,2ヶ月程度と非常に長い研修が義務付けられているうえ,事業体の推薦が必要だったように思います。(聞いた話ですので間違ってたら教えてください。)
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【(社)日本水道協会】 いうなれば,水道事業体の総本山。伝統と格式を備えて... |
なお,民間受託の場合は,受託水道業務技術管理者の資格者をもって同等とすることになる予定(既に実現?)で,この資格制度については,水道技術研究センターや水団連などが中心になって検討を重ねています。
参考までに,以前,資格制度が見直しされるようになった経緯などが掲載された場所を紹介します。
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必置資格等に係る見直しの検討状況の中間公表@【厚生労働省】 資格制度の見なおしについて。水道事業管理者,給水工事主任など。報道発表資料より。 |
3)更新
管理技士は5年単位で更新することが求められます。
更新登録は受講申し込みのうえ、e-ラーニング、すなわちネット上での受講と、1級についてはレポート提出が求められるようです。ただ、内容が全くわからなかったのでといあわせたところ、大体以下のような作業量とのお返事をいただきました。
【備考】
水道施設管理技士は水道施設の運転管理者の資格で,平成16年度から申請が開始されました。日水協が手続き全般を実施しており,水道技術研究センター,水団連なども協力しているはずです。水道協会のサイトに制度等に関する詳しい情報が掲載されています。
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【(社)日本水道協会】 いうなれば,水道事業体の総本山。伝統と格式を備えて... |
この資格の重要なポイントは,受験資格に実務経験の規定があることです。私のようなコンサル業の場合,この1年の規定がどうしてもネックなんですね。
第9条 第6条第1項、第2項に定める2級及び1級の受験資格における、「水道事業体での現場実務経験を一定以上有すること」とは、水道事業体における経験で、次の各号に定める資格の種類別のいずれかに該当する場合をいう。
3 本条第1項に規定する業務で、その業務がその性質上非継続的又は断続的業務の場合は、第8条第4項の規定を準用する。 |
2級試験の出題範囲は,(社)日本水道協会「水道維持管理指針1998」,(社)日本水道協会「新訂 水道法逐条解説」(2003年10月発行)から,四肢択一で50問,出題されます。1級については、これに加えて記述式問題が出題されます。
実際に試験を受けてみた印象は以下のとおり。(050123経験年数等の制約から浄水1級を受けました。)
【備考】
1)危険物取扱者(甲種,乙種,丙種)
危険物取扱者は,発火性または引火性の物品の保安・監督を行う。
2)消防設備士(甲種,乙種)
消防設備士は,消防用設備などの工事または整備を行う。
3)建築設備士
建築設備士は建築設備全般に関する知識及び技能を有し,建築士に対して高度化複雑化した建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行うもの。
【参考】