作成者 | BON |
更新日 | 2002/02/07 |
水道における最も基本的な機械設備,ポンプについての場所です。
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水道用ポンプ 水道で使用する機械設備の中核を為す設備です。 |
【参考】
1)ポンプとは
ポンプとは水に運動エネルギーを与える装置です。水道の定義上,圧力を得るための装備として,ポンプの役割は非常に大きいものがあります。
ローマ時代の手押しポンプ
大英博物館の展示品だそうで,ローマ時代の手押しポンプだそうです。コーナーの名前は「Water Supply」...この時代から,人類はポンプを利用していたんですねぇ...
日本では,古くは「そく筒」(そくは口偏に即)などと呼ばれたようですが,現代ではポンプと呼びます。日本ではほぼすべて電動ですが,海外では蒸気で動くもの,などもあるそうです。
2)ポンプの種類と選定
水道用で使用するポンプは,「水道用」「清水用」として製作されているものであれば大体何でも使用できますが,ポンプ本体と動力部を軸で連結したような形状が一般的です。水圧に耐えるよう十分な強度を持っているためか,ちゃんとメンテナンスをしていれば50年以上使用できるようです。
インジェクション(水を取りこむ側)の形態から,押込式(ポンプの羽根車への水の流入は自然水圧による),吸込式(ポンプの羽根車への流入を負圧にて行う)がありますが,水道では下水道のように地下深く設置される必要はなく,構造が平易で信頼性の高い押込式が使用できます。
逆に,井戸のような深い設備や,用地上,設計上の制限から水中にポンプを沈める,水中ポンプという形式を使用します。水中ポンプでは,ポンプ本体と動力部がコンパクトな筒状のケーシングに納められ,井戸の中に吊り下げられるようになっています。陸上式に比べて多少メンテや信頼性に劣るものの,井戸ではこの方式でないとほぼ汲み上げることはできないといえるでしょう。
また,水道で使用する揚程と水量では,通常は使用する羽根車が多段渦巻きポンプになります。
渦巻きポンプの事例
1枚目は某市水道施設に設置された渦巻きポンプの事例。2枚目は老朽化して撤去されたポンプ設備のオブジェ(^o^)。左の電動機部分でペラを回し,手前の穴の部分から水が入って上に出る仕組みです。水道用のポンプは他用途のポンプ(雨水排水や汚水用など)と比較して揚程が高く,そのわりには水量が少ないため,渦巻き形や多段渦巻き形のポンプになるのが一般的です。
3)ポンプの設計
●ポンプの能力の選定
ポンプ能力の計算方法は設計指針などにも掲載されていて,一般論程度なら簡単に計算できます。ただし,効率や余裕率などをどうするか,など,少し経験や製品情報が必要な部分もあります。
工事中。 m(_ _)m
●付帯配管
吸込側の口径は吐出側の口径に比べて1〜2ランク大きくします。また,大規模なポンプではスムーズに起動するために電動弁を付属しています。
●水撃圧
水撃圧に関する情報については配水のページにあります。
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水撃現象 水圧の急激な変化により衝撃が生ずる現象。 |
【備考】
(2)ポンプ関連サイト
水道用で使用するポンプでは,荏原,クボタ,日立,三菱などのメーカーが有名です。リンクフリーの分だけですが少し紹介します。
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【クボタ】 製品インデックスに各種製品の紹介があります。美しいサイト。 |
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日立汎用ポンプ総合メニュー@【日立産業機器グループ】 見やすいので便利なサイト。 |
省エネポンプに関する新製品で面白いのを見つけましたので,勝手に紹介。
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【Hzfree】 制御方法の工夫により大幅に省エネを達成とか。荏原さんの製品。一度どっかで使ってみたいです。 |
【参考】
ポンプメーカーの雄といえば荏原さんですが,許諾が必要なのでリンクしてません。三菱さんはどこにあるのか分かりませんでした。自分で探して訪問してください。