作成者 | BON,提供IT氏 |
更新日 | 2006/05/28 |
ここで言う異物とは,給水栓から流出する水道水に含まれるべきでないもののうち,主として固体でありフィルターや網目のようなもので十分除去可能で,健康被害の恐れがほとんどないものを指します。
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異物の種類 給水栓から流出する異物などについて, |
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シールコート 最近話題のシールコートについて簡単にまとめました。 |
【参考】
給水栓から水以外のものが流出するとやっぱりいやですよね。水道システムは水道管に圧力をかけて,外からこのような異物が入り込むのを予防するようになっているのですが,それでも,管の内面が剥離したりして,異物が混入してしまうことはあります。
異物として出てくる例には以下のようなものがありますが,まだまだあるかも知れません。
基本的には健康被害を生ずるようなものではないのですが,蛇口から出てきていいものではないですね。比較的多いのが錆び片や土砂ですが,少し水を流してから使う癖をつけてもらえば基本的には無問題。でも,いつも出るなど,どうしても気になるような出方をする場合は,管内の劣化やクロスコネクションの可能性もあるので,事業者さんに相談してみられるのがよいでしょう。
【参考】
1)シールコートとは
シールコートとは,モルタルライニング管の内面に塗布された保護材のことで,メタアクリレートやブチルメタアクリレートなどを反応させたアクリル系樹脂あるいは塩ビ系樹脂がその成分です。
2)シールコートの目的
シールコートの目的は鋳鉄管の直管に用いられるモルタルライニングの保護です。具体的には以下のような効果が期待されています。
3)シールコートの剥離
残念ながら,私がシールコートについて知ったのは,シールコートが劣化して剥離し,異物として水栓から観察される例について教わったことがきっかけでした。
シールコートは剥離して水栓から観測されるときは、白い粉末として流出する場合があり,これが異物として苦情になるケースがあります。シールコートの比重は水に近く1.1程度であるため,管内面から剥離すると比較的自由に管内を移動するものと見られています。
当初は職人が刷毛で塗っていたものですが,シールコートの剥離が問題になり,平成元年ごろから様々に改良が加えられました。改良の内容はメーカーによって異なるようですが,主たるものは,シールコートの材質変更による内面モルタルとの一体化や,スプレーによる塗布,等のようです。これにより,現在の製品では剥離しにくく改良されています。
有害ではないですが,異物は異物ですから,シールコートの流出が観察される場合,その対応策が検討されることが多いようです。
【備考】
資料入手につき追記。