作成者 | BON |
更新日 | 2002/02/21 |
二酸化塩素による消毒処理は,塩素臭がせず,消毒副生成物を発生しにくいなどの長所を持つために注目されており,海外では実施例もあります。ここでは二酸化塩素消毒に関する情報を取りまとめます。
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二酸化塩素消毒 水道で一般的に行われる塩素消毒について。 |
【参考】
ちょっと加筆。
1)二酸化塩素処理の特徴
先ごろ厚生省から二酸化塩素の消毒使用をにらんだ,水道用薬品の評価のための試験方法ガイドラインが公布されたところです。
二酸化塩素は,遊離塩素よりも消毒効果や酸化力が若干高く,またトリハロメタンなどの消毒副生成物を生成しにくいために,近年注目されるようになってきました。また,塩素より異臭味が少ないようです。また,未確認ですが,管内での残留時間が長く,再増殖の抑制に有効,という意見もあります。
ただし,次亜と比較して,値段が高い,測定が難しい,発生装置の制御が複雑,などの弱点があるようです。消毒副生成物などの懸念が大きいケースなどで有効となる可能性がありますが,通常は安価な次亜で問題ないものと考えられます。
2)二酸化塩素発生/注入装置
4HCl+5NaClO2>4ClO2+5NaCl+2H2O 二酸化塩素殺菌装置についてですが,第5回水道技術国際シンポジウム展示会で,株式会社タクミナによる二酸化塩素(次亜塩素酸)殺菌装置が展示されていました。当日いただいた資料によりますと,その発生装置の構成は図のように2段構造になっています。海外視察で見たのも2液法が多かったですが,3液法でも別にいいようです。
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イタリア
ピアゾーラ浄水場の二酸化塩素注入設備
ピアゾーラ浄水場は比較的小規模な浄水場です。2種類の薬液タンクがあり,シールで色分けされています。各々のタンクには塩酸と次亜塩素酸ソーダが貯留されていて,その廻りには防液堤が設置されています。写真は2つの原料液を混合するための設備で,塩酸と次亜塩素酸ソーダをここで適量づつ混和し,二酸化塩素を発生します。わざわざ現場で発生させるのは,二酸化塩素の保存性がよくないためです。
ただ,見学したどの施設でも,予備と称して次亜塩素酸ソーダを直接注入するラインを設けていたようです。実際に採用する際には注意すべき点かもしれません。次亜から二酸化塩素に切りかえる作業は時間をかけてゆっくり行うそうで,これは,急に切りかえるとスケールの剥離などが発生して装置のトラブルの原因になるため,ということでした。
【備考】