作成者 | BON |
更新日 | 2007/04/15 |
水道とアセットマネジメントについて。アセットマネジメントとは,水道事業を構成するあらゆる資産(人,金,施設等)を定量的かつ合理的に維持運営する概念です。
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アセットマネジメント
水道におけるアセットマネジメントとは。 |
【参考】
1)アセットマネジメントの定義
アセット(asset)とは財産や資産を指す言葉で,もともとは不動産や金融業界などの利潤を追求する分野で利用されていた概念で,預金,証券,資本,施設,人材,技術,ブランドなど,さまざまな資産の価値をそれぞれ金額等で定量化し,リスクや収益性などの要因に対する妥当性を評価することで,資産を運営し,収益を最大化しようとする取り組みをいいます。
水道事業におけるアセットマネジメントでも同様の目的を持っていますが,求めるリターンを広い意味での公益性(安定性等を損なわない範囲でのコストの最低化を含む)に置き,管理するリソースを水道施設という資産をメインに据えている点で特徴があります。
公共投資分野で「アセットマネジメント」という言葉を使い始めたのは,私の記憶の範囲では国交省のようで,特に道路などの分野で喧伝されているようです。ただ,もともと企業体としての位置づけの強い水道においては,資産がその役割を果たさなくなることはそのまま経営の悪化につながるため,税金でまかなわれる道路分野での投資とは一味違ったシビアさがもともとあるので,わざわざ「アセットマネジメント」を主張するほどのこともなく,もともと取り組んできた活動ではあるような気がします。
2)アセットマネジメントがなぜ必要か
水道事業は非常に公益性の高い事業であるために,公的信用力を背景として,意図的にリターンが非常に低く抑制されています。これは裏を返せば,将来の不確実性に備えた資金のストックがないことを意味します。(公的信用力によりいつでも必要な資金を好きなだけ確保できるという前提で,信用力の源泉たる資本ストックを求めないスキームになっているということです。)このため,水道事業の資産は,特にその金銭的評価において,実態を仔細に反映したものになっていないことが多いのが実情です。
水道の最普及期からそろそろ更新時期に入ってくるに至って,この情報不足が事業全体,特に更新投資計画に大きな影響を与え始めています。アセットマネジメントという概念で,水道事業,特に施設の資産価値を計測しようとする動きが出てきたのは,このような背景によるものといえます。
また,民営化やPFIなど,公営と異なる民間主体と連携した事業を行う場合,民間側のルールに則り,事業の価値を計測する作業が必要になるのですが,このときにもアセットマネジメントが必要になります。
このように,事業そのものの価値を計測するための取り組みがこれまで以上に重要になってきたのが,アセットマネジメントという概念が重視されるようになったひとつの背景ともいえるでしょう。
3)アセットマネジメントの実現のためには何をするのか
非常に簡単に説明すれば,水道事業を構成する資産について,それぞれの評価額を算出し,資産価値の視点で管理する作業を行い,これを継続運用することで,最も基本的なアセットマネジメントを行うことができます。
このようなデータがしっかりと把握されていれば,機能診断や運営管理,資産管理,投資計画,および各種経済性の分析など,さまざまな分析が可能になります。あとは,資産の評価者の目的に従い,それぞれの評価基準で資産価値を計数評価すればよいということになります。
アセットマネジメントの実現のステップは以下のとおりです。
【備考】
詳しくは本業のほうで...(^o^ )