マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例

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「NTはLinuxより2.5倍速い」はMSお得意の謀略情報説(1999/05/08記録)

 MSはLinuxにNTが脅かされ始めたために、お得意の嘘をでっち上げた謀略情報でLinux潰しを図りました。MS Watchの1999/04/16と1999/04/18から転載しました。

「NTはLinuxより2.5倍速い」はMSお得意の謀略情報説

標題: 「NTはLinuxより2.5倍速い」はMSお得意の謀略情報説
---
 Mindcraftが、NTはLinuxより2.5倍速いというテスト結果を出しました。こ
れが実はMSがスポンサーになって金を払って作らせたテスト結果であり、NTは
チューンしておきながら、LinuxではSambaの動作が遅くなるように設定にして
作られたテスト結果であると指摘されています。
 樋口さんや鬼島さんがメールでいろいろ教えてくださいました。ありがとう
ございます。それをまとめると。
 まず、日経BizTechのニュース。
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/
comp/55903
大規模サーバ・ベンチマークでNT4.0がLinuxを破る
と、その詳細である日経バイト速報
http://www.nby.com/Toc/default.asp?URL=GetStory%2Ecfm%3FID%3D1901
をご覧ください。
 一読すると、NTが非常にいいように思えますが、これが自社に都合のいい嘘
をでっち上げてメディアを使ってばらまくというMSの常套手段だというので、
Linux界ではすでに反論が掲載されています。
 概要は
http://linuxtoday.com/stories/4938.html
にあります。詳しい話は、
http://lwn.net/1999/features/MindCraft.phtml
にあります。もっとわかりやすくなったバージョンが、
http://lwn.net/1999/features/MindCraft1.0.phtml
です。
 日本語だと、CNetのフォーラムで、「顔くん。」という方が一部を紹介して
います。

http://cnet.sphere.ne.jp/cgi-bin/forum/usr/show.cgi/forum/usr/
?view=msg&note=note0046&start=15

です。
 これを読むと、日経BizTechと日経バイトはまんまと乗せられた誤報と思え
ます。
 そういえば、コマツさんからのメールで、
http://www.nikkeibp.co.jp/media/ms/ie5/function/index.html
にIE5とNC4.5の比較があって、IE5の管理ツールを使うとセキュリティホール
のあるIEを簡単にばらまけるのでしょうかという質問がありましたが、大量の
設定と配布を簡単にするのがその管理ツールの機能なら、当然そうなりますね
(笑)。
 それはそれとして、ぼくが、これはまずいんじゃないかと思ったのは、
http://www.nikkeibp.co.jp/media/ms/
以下(ちなみにディレクトリ丸見えだけどいいでしょうか)にあるのは、完全に
パブ記事、いわゆる広告と合体した記事なのに、それを知らせてないことです。
 通常、新聞や雑誌で、こういう露骨なパプ記事を掲載するときは、消費者が
誤解しないように、PR特集だとか、広告ページだとかを表示して、広告である
ことがわかるようにするものですが、上記ディレクトリ以下のものは、広告枠
はMSKKが独占使用だし、内容もMSべったりなのに、日経BizTechの通常記事で
あるかのようになっていて、広告であることがわかる配慮はないですね。これ
で、いいんでしょうか。>日経BP
 これだけ、露骨に広告ページを作っているサイトだから、先の記事も誤報じ
ゃなくて、MSに協力するために確信犯で乗ったという疑いももたれちゃいます
よね。日経バイトはそんなことないと信じたいですが。

 話を戻して、A look at the Mindcraft report
(http://lwn.net/1999/features/MindCraft1.0.phtml)をぼくな
りにざっとまとめると、
-- ここから ---
■Mindcraftという調査会社について。
 Mindcraftはクライアントから金をもらってテストをする会社。
 いままでも、MSがスポンサーになって、「NTはSolaris 2.6より4倍速い」
「NTはNetWareより速い」といったテスト結果を発表してきたが、アンフェア
だと非難されてきた。
 中村注:今回もMSがスポンサーになっているから、発表される結果には、ク
ライアントであるMSに有利になるようバイアスがかかっていると考えられると
いう指摘。

 面白いことに、今回は、前記2つのテストにはある、価格性能比については
省略されている。
 中村注:LinuxとNTを価格性能比で比べると、Linuxが断然優位なので、都合
が悪いから省略された可能性大。

■Linuxサーバの設定について
・ファイルシステムやバッファキャッシュのパラメータがあるのに、チューン
してない。チューンするとSambaは倍速くなる。
・テスト時に2.2.3カーネルがあったのに、問題がある2.2.2カーネルを使って
いる。
・ディスクは、外周と内周で転送レートが1.5倍から2倍違う。テストで外周と
内周がどう使われているのか不明。
 中村注:最初は、NTとLinuxを同じディスクにインストールしてテストした
という情報でした。外周にインストールされたOSのほうが有利なので、NTがそ
うだったのではという感じでしたが、それは間違いだったようです。ただし、
データについてはどうなっているのか、不明のままです。つまり、NT用のデー
タはスピード的に有利な場所においてあるのではないかという疑念を表明して
います。
・LinuxがうまくサポートできていないRAIDコントローラを使っている。
 中村注:でも、RAIDのサポートが少なかったり、ドライバの出来不出来が大
きいのは、NTに対するLinuxの弱点ですから、受け入れる必要があると思いま
すけど。Linuxの出来のいいドライバがあるRAIDでテストしてほしいという気
持ちはわかりますが。
・テスト直前のプロセスにApacheもSambaもいない。
 中村注:つまり、サーバとしてリクエストを受け付ける状態で待機している
のではなくて、リクエストが来てからよっこらせと起動する状態でテストされ
ているとしたら、おかしいんじゃないかという指摘。
・NTのネットワークカードに対しては、チューンしているが、Linuxに対して
はやってない。
・NTは1012MBのスワップファイルを作っているが、Linuxについては不明。
 中村注:Linuxのスワップ領域が不利な設定になっている可能性の指摘。

■Apacheの設定について
 中村注:簡単にいえば非現実的設定ということです。
・今回のテスト環境のような、大規模向けの設定になってない。
・ロギング(何をやったか記録を取る機能)の設定がおかしい。ApacheはOSと同
じディスクにロギングするようになっているが、これはパフォーマンスを落と
す。一方、IISはRAIDにロギングするようになっている。IISはテスト中ロギン
グしないようになっているのに、Apacehがヒットがあるたびにロギングする設
定になっている。
・ApacheではKeepAliveを無効にしている。

■Sambaの設定について
・widelinkパラメータが"no"になっている。これはとくにSMPではペナルティ
が大きい。
・Sambaはクライアントとして、95/98より、NTを相手にしているほうが性能が
出るのに、テストのクライアントマシンには、1台もNTがない。
・イーサネットコントローラの設定がおかしい?

■その他
 中村注:テスト結果に影響はなかったと思うけど、ちょっと変じゃないかと
いう項目が挙げられています。
・メモリ4GBのマシンでやっている。Linuxはデフォルトでは960MBまでしかサ
ポートしない(2GBにするパッチはあってかなり簡単)。いずれにせよ、
Mindcraftは、利用メモリの上限を1GBに制限したというから、フェアだと思い
たい。でも、なぜ、3GBのメモリを抜かなかったんだろう。そっちのほうが簡単
なのに。
 中村注:1GBに制限したといいながら、実はこっそりNTは使っていたのでは
という疑念の表明です。隠しAPIやら裏道をいくらでも勝手に作って、MSだけ
がこっそり使うなどというのは、朝飯前ですからね。
・Linuxでは、kerneld, portmap, NFSも動いている。テストに不要なのになぜ?
・ファイルハンドルが不足したんじゃないか。でも、今回は違うようだ。
-- ここまで ---

 Linuxが全社レベルの大規模環境で弱いことは、ぼくも紹介してきたし、
Solaris, HP-UX, AIX, Digital UNIX, SCOなどと比べてこういう結果が出ても
不思議はないけど、相手が大規模環境に弱いNTだったから、おかしいと感じた
人が多かったんでしょうね。
 それにしても、MSはアンフェアな商習慣を非難されても、相変わらず、こう
いう謀略をやりますね。逆にいえば、ゲイツが表面上どういおうが、それだけ
Linuxに対して神経質になっている証拠です。ゲイツがこき下ろしたり、平静
を装う場合は、実は、その製品がMSにとって脅威であることは、歴史が証明し
ています。なんとかLinuxを叩きつぶしたくて仕方ないんでしょうね。

「NTはLinuxより2.5倍速い」はMSお得意の謀略情報説(その2)

標題: 続報
---
 アンフェアなテスト結果を発表したとして大騒ぎになっているMindcraftの
テストの続報です。
 NTはちゃんとチューニングしたが、Linuxはチューニングしなかったことを
Mindcraftが認めています。Red Hatが協力してくれなかったと弁解しています。
Red Hat側は、正規ルートで申し込みがなかったといってます。Thanks > 遠藤
さん
 詳しくは、
http://www.zdnet.co.jp/news/9904/16/b_0415_02.html
物議をかもす「NTはLinuxより高速」のテスト報告 
http://www.zdnet.co.jp/news/9904/16/mindcraft.html
NTはLinuxより速い……か?
をどうぞ。

 Mindcraftってテスト会社の癖に、テスト対象のOSについて、そんなことも
知らないし、調べ上げる能力もなかったのか、と非難をするのは簡単。でも、
Linuxのほうにも反省点はあるはずです。
 今回の件で、Linux側が反省しなければならないのは、Linuxの場合、チュー
ニングなどの情報が得られにくい指摘されている部分です。
 今までなら「カーネルのソース読めよ」とか「/usr/src/linux/
Documentation/にあるドキュメントを読めよ」で済んでいたことも、今後は、
そうはいかないということですね。
 もっとわかりやすい形でユーザに情報提供するための努力がますます必要に
なりますね。

 それにしても、Mindcraftって、さらのLinuxをインストールしてテストした
のではなくて、古いLinuxからバージョンアップした状態でテストしたようで
すね。普通、そういうことしないと思うけど。

 それから、Mindcraftのテスト報告について詳しく反論したものがありまし
た。Thanks > 匿名希望さん
http://www.linux-hw.com/~eric/mindcraft.html
です。

 板倉さんから一発ネタ。
---
   辞書引いたら、"craft"って、「人をだます技術」という意味も
   あるんですね。

   mind: 心
   craft:だます技術

   ・・・なるほど。
---
 うまいっすね。

 なお、この件に関する資料の日本語訳も含め、さまざまな資料へのリンクが米 Mindcraft 社の調査結果に対する Linuxコミュニティからの反駁 にあります。参考にしてください。

補足(1999/05/16)

 本日のMS Watchに書いた分をこっちにもおきました。

「NTはLinuxより2.5倍速い」はMSお得意の謀略情報説(その3)

 これも数日前のASAHIネットのjouwa/salonから。例の、MSがMindcraftに金を積んでNTに有利なテスト結果を中立な第3者を装って公表させたという謀略疑惑の件です。

標題: Mindcraft続報の続報
---
 奥野さんという方から。
---
マインドクラフトのLinuxとWindows NT Server の比較の件
ですが、昨日 LWN (http://lwn.net/) を見に行ったら、
Open Benchmark Invitation (http://www.mindcraft.com/openbenchmark.html)
にリンクが張ってあって、もう一度今度はMindcraft持ちでテストをする
ようです。結構Linux側には厳しい結果が出るような予感がしてまして、
少しドキドキしながら楽しみにしています。
---
 ぼくもSMPマシンなどではまだまだ厳しい結果が出るだろうと思っています。
今回は、Linux側もずいぶんチューン出来るようですからその辺は期待したい
ですが。
 ある程度、結果を予測させるテストとして、
http://www.zdnet.com/pcweek/stories/news/0,4153,401970,00.html
NOS crossroad
が出ています。
 4プロセッサのインテルプロセッサマシンで、NT, Linux, NetWare, Solaris
をテストしています。総合的にいえばまんべんなく平均点以上をとったNT、重
要な業務ならSolaris、シングルプロセッサでファイルとプリントサービスが
主ならNetWareといったところでしょうか。もちろん、Linuxも真剣に検討すべ
き対象になってますが、チューニングなどがまだまだ大変だという評価ですね。

 LinuxWorldには、
http://www.linuxworld.com/linuxworld/lw-1999-05/lw-05-penguin.html
Stop the Mindcraft madness
というのがありました。
 読むと、MindcraftってBruce Wienerという人が一人でやってる会社らしく
て、ベンチマークも、MSのラボに証人として?彼を呼んでベンチマークを手伝
わせて、結果を「中立」な結果として発表したような気配濃厚です。^^;
 ついでに、
http://www.linuxworld.com/linuxworld/lw-1999-03/lw-03-penguin.html
Removing the plank
では、MSはLinuxはだめだといいながら、司法省との裁判とのからみもあって、
Linuxは非常にいいなどと矛盾したことをいってることが指摘されています。
 また、InfoWorldが、4プロセッサのマシンで、NT + MS SQL Serverをテスト
したとき、負荷が高くなると毎回クラッシュしてしまったことも指摘してあり
ますね。同じテストを受けたシングルプロセッサのAS/400 + DB2は、4プロセ
ッサのNT + MS SQL Serverより遅いけれど、NTがクラッシュする負荷になって
も淡々と処理を続けたそうです。ほんとのスケーラビリティとは何かってこと
ですよね。つまり、瞬間最大風速がすごくても、それだけじゃ実務では使えな
いということですね。
 手元にないので記憶ですが、この記事の前半は、「LinuxWorld日本版」じゃ
なくて、たしか「JavaWorld日本版」1999年6月号のコラムに翻訳が載っていた
と思いました。
 Windowsの製品ラインが、95/98, NT/2000, CE, 64bit NTに分化して収拾が
つかなくなってきている部分は翻訳があったけど、64bit NTの開発がWin2000
とは別に行なわれ、とても難航している話などは翻訳されていなかったように
思います。日本版にはそれだけの紙面がないからでしょうか。
 このままでは、32bit Windowsと64bit Windowsに分化するのは必至で、そう
なったら、64bit Windowsに32bit Windows互換ボックスを設けるようですが、
最初にNTが出たとき、16bitのソフトとの互換性が低かったことを思えば、
Windowsでは64bitへの移行は非常に厳しいでしょうね。

補足(1999/05/22)

 本日のMS Watchに書いた分をこっちにもおきました。

「NTはLinuxより2.5倍速い」はMSお得意の謀略情報説(その4)

 ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: Mindcraft続報の続報の続報
---
 MSからお金をもらってNTに都合のいいテストを行なったMindcraftのベンチ
マークテストは大変な論議を巻き起こしましたが、どうしてベンチマークとい
うものが、いろいろ論議の的になるのかの解説です。
 この前紹介したPCWeekのテストの繰り返しですが、ウェブサーバなら
Solaris、アプリケーションの豊富さではNT、シングルプロセッサの性能では
LinuxはNTより勝る、というまとめをしています。
 詳しくは、
http://www.zdnet.com/pcweek/stories/news/0,4153,402638,00.html
Why OS performance tests drive people insane
をどうぞ。
 Sm@rt Resellerが今年1月に行なったシングルプロセッサのテストについて
は、
http://www.zdnet.com/sr/stories/issue/0,4537,387506,00.html
Linux Up Close: Time To Switch
http://www.zdnet.com/sr/stories/news/0,4538,2196106,00.html
The Best Windows File Server: Linux!
http://www.zdnet.com/sr/stories/news/0,4538,2196115,00.html
Linux Is The Web Server's Choice
http://www.zdnet.com/sr/stories/news/0,4538,2196127,00.html
How They Stack Up
をどうぞ。
 結論は、サーバとしてNTより速くもうLinuxに移行していいものになってい
ます。
 シングルプロセッサでは、ファイルサーバとしてのLinuxは、Mindcraftの報
告とは逆に、LinuxのほうがNTより2.5倍速いですね。


マイクロソフトが独禁法違反を認める(1999/05/08記録)

 いままでさんざん言われてきたマイクロソフトによる独禁法違反商法ですが、違法行為を行なっていたことを認め、社告を新聞各紙に出しました。MS Watchの1999/04/18には書いていたのですが、今日、ようやくこちらにまとめた次第です。

標題: マイクロソフトが独禁法違反を認める
---
 マイクロソフト(MSKK、Microsoft日本法人)が、独禁法違反を認め、1999/04
/16の新聞各紙にお知らせを出しました。朝日新聞だと、社会面の下、お詫び
などが載るところに載っていました。
 社長の成毛の名前で、Word/Excel/Outlookを抱き合わせで、プリインストー
ルすることを強要していたことを今後は止めるというお知らせです。罪を認め
る文書が成毛名義で出るなんて初めてじゃないか。
 こういう記事もありました。
http://www.zdnet.co.jp/news/9904/16/ms.html
マイクロソフトが白旗? 公取委の審決を受けて社告を掲載

 ただ、以前からいってるように、対応するタイミングが遅いですね。
 今回のことも、せめて1年前に止めさせておくべきでした。MSとMSKKは、犯
罪を犯そうがシェアを握ってしまえば、自分らの勝ちだという行動原理で動い
ていますし、実際、この抱き合わせの強要で、シェアを握ってしまいました。
 ジャストの業績悪化もそれが原因になっているわけで、健全な市場競争が保
証されるように、公取委はもっと体制も予算も整えて変化の早い業界に対応す
べきですね。

 当初は成毛自身が絶対そんなことはやってないと言い張っていただけに、成毛名義でこういう文書を出さなければならなかったのは、面白いですね。

 でも、こういうお知らせを出したからといって、MS/MSKKがほんとに強引なビジネスを止めるとは、まだまだ安心できません。特に日本では政府側は企業には甘いし、企業も従業員も社会正義に照らして告発するという意識は希薄ですからね。

 せめてIBMがやられているくらいには、縛っておくべきですね。そうすれば、MS/MSKKお得意の嘘を並べた自社製品と他社製品の比較資料なんかは全部アウトになります。MS/MSKKのサイトにあるかなりのドキュメントを改訂するか、削除する必要が出るでしょうね。


MSKKによるNT対UNIXの比較の大笑い(1999/02/12記録)

 MSやMSKKの嘘を並べる営業手法がわかる話なので、MS Watch 1998/12/20から、こちらにも記録します。

MSKKによるNT対UNIXの比較の大笑い

 ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MSKKによるNT対UNIXの比較の大笑い
---
 元MIXの連中が日経が手を引いてから勝手に自分らで作ったN-MIXという世界
があるんですが、そこのtry会議で話題になっていて、元MIXのぼくのところに
わざわざ知らせてくれました。
>おそらく既にご存じだと思いますが、あまりに笑えたので
>念のためにご連絡します。
>変わってない皆さんの反応もおまけにつけました :)
と知らせてくれたpaxさん、そしてtryの人たち、ありがとうございます。全部
引用すると長くなるから止めますが、ほんと、みんな、ツッコミ鋭いよね。
 話は何かというと、
http://www.microsoft.com/japan/education/techinfo/
application/comparison/unix_int.htm
にある「サーバーオペレーティングシステム評価ガイド」という文書。
 日付が1998年4月という半年前であることを割り引いても、あまりに笑える
嘘のオンパレード、一言でいって怪文書ですね。こういうのを臆面もなく出し
てしまう神経がすごい。これはMSやMSKK(日本法人)の常套手段。こういう嘘を
並べて、ライバルを中傷し、自社製品が優れているかのごとく宣伝し続けてき
ました。
 具体例はいくつもあって、詳しくは、ぼくのウェブページ
http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ms-cs.html
[マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例]
をどうぞ。
 しかし、MSは嘘をつかない、広くいえば企業は嘘をつかないなどと原始時代
の感覚で、こういうのをモロに信じてしまう人が後を立たないのが実態です。
詐欺やマルチ商法など怪しい商売がなくならないはずですよね。
 NTとUNIXについて、もっと正確な比較を知りたければ、たびたび紹介します
が、
http://www.ne.jp/asahi/personal/kobayashi-osamu/
Translation/kirch.net/unix-nt.j.html
John Kirch著、小林修訳「Microsoft Windows NT Server 4.0とUNIXの比較」
をどうぞ。
 それから、unix/linuxに書きましたが、
http://cnet.sphere.ne.jp/News/1998/Item/981218-2.html
[Linuxの市場占有率が急増]
もどうぞ。
 記事中、NTはUNIXに比べ(FreeBSDやLinuxよりも)性能が低く、拡張性(スケ
ーラビリティ)がないため、UNIXなど他のOSなら1台で済ませられるのに、各
サーバごとにマシンを購入しなければならず、結果的に売れたNTの本数が増え
たという点が笑えます。
 上記、「サーバーオペレーティングシステム評価ガイド」の主張とは逆に、
導入費用が高くなり、管理すべきサーバマシンが増えるわけですから、管理運
用費が高くなります。NTはよく落ちると評判で、全国の支店にNTを展開してい
るようなところは、システム管理者大変ですね。それで、NTからUNIXに乗り換
えて、本社で集中管理するように変更した有名企業もあります。
 NTは、最初の導入費用が安いようにみえるけど、後が大変ですから、「行き
はよいよい、帰りはこわい」なんですよね。もちろん、NTを使ってちょうどい
いサイズのビジネスもあるわけだから、一概にNTを否定するのもまた馬鹿な話
だし、UNIX、ましてやブームのLinuxを入れればすべてが解決するかのように
考えるのも馬鹿です。そんな魔法はないんだから。
 要は適材適所、それを判断できる目を養うのが大切で、コンピュータ業界は
弱肉強食ですから、それがないなら、いいように食い物にされる、それもまた
致し方なしということです。

 と書いたところで、今朝、面白いレポートを見つけたので、紹介します。ASAHIネットのunix/generalに書いたものから。

標題: 各UNIX(含むNT)比較
---
 D.H.Brown Associatesが各種UNIX(含むNT)を比較したレポートがあります。
 対象となっているのは、
IBM AIX 4.3.2
COMPAQ Digital UNIX 4.0E
Sun Solaris 7
SGI IRIX 6.5
Hewlett-Packard HP-UX 11.0
Microsoft Windows NT Server 4.0 EE
です。総合評価はこの順になってます。1位AIXで、最下位NTということです。
 Solaris 7がRAS(Reliability, Availability, & Serviceability)と
Scalabilityでトップです。なのに、なぜ、AIXとDigital UNIXの後塵を拝する
結果になったかというと、まず、AIXの首位の原因。
 AIXは、System Managementが飛び抜けた首位であること。Internet/
Intranet Capabilitiesでも首位。ほかも大きな失点なく、3位あたりにつけ
ているのが原因でしょう。
 2位Digital UNIXは、Distributed Enterprise Servicesが首位で、
Internet/Intranet Capabilitiesが肉薄した2位。PC Client Supportが首位
です。ほかもなんとかかっこがついてるからでしょう。
 NTはEnterprise EditionというMSが誇るフラグシップの最上位バージョンで
すが、予想通り、ぼろぼろです。PC Client Support以外は、どの項目も最下
位独走。最下位を免れたPC Client Supportでも、自分がPCだから得意なはず
なのに、実は首位ではなくて2位です。ほかは悲惨の一言。当然、総合でも最
下位です。
 詳しいことは、D.H.Brown Associatesによるレポート
http://www.dhbrown.com/cfeprise/page_int.cfm?OBJECTID=129&Method=VIEW
を直接ご覧ください。

 このレポートでは、NTは、最上位のEEでさえ、Scalability, Distributed Enterprise Services, Internet/Intranet Capabilitiesなんか、ダントツ最下位です。ScalabilityはかろうじてOKレベル、Internet/Intranet CapabilitiesもOKレベルそこそこ、Distributed Enterprise ServicesはOKレベルにすら達していません。

 N-MIXの連中が、MSKKが掲示している「サーバーオペレーティングシステム評価ガイド」という文書を読んで笑い転げたのも当然で、あれがいかに欺瞞に満ちたものかがわかるでしょう。

MSKKによるNT対UNIXの比較の大笑い(その2)

 最近、MSKKに掲載されている「サーバーオペレーティングシステム評価ガイド」という文書が、デタラメばかり書いてあるとんでもない文書だというメールを、続けてもらいました。これについては、すでに1998/12/20MSKKによるNT対UNIXの比較の大笑いというタイトルで書いてますので、そちらを見てください。

 ASAHIネットのjouwa/salonでは、昨年中にこれに関連する話題がありました。フォローのひとつを転載します。

標題: 最終更新日
---
 MSKKの例の文書。初版は4月だけど、最終更新日は11月ですね。Thanks >
西原さん
 ますます実態とかけ離れた詐欺文書になっちゃいますよね。

 そういえば、昨日読んだ、日経コンピュータだったと思いますが、
Informixの社長のインタビューがあって、その中で、マイクロソフトの場合、
マーケティングでいってることと実際の製品とはしっかり区別することが
大事なんてことをいってましたね。

MSKKによるNT対UNIXの比較の大笑い(その3)

 西田さんから。

「サーバーオペレーティングシステム評価ガイド」のページの一番
下には小さく薄い文字で、

>この文書には、発行時点で議論されていた問題についての
Microsoft Corporationの見解も説明されています。
>変化するマーケット状況に対応する必要があるため、Microsoft
>は文書内の情報について責任を負うものではなく、発行日以降も
情報が正しいことを保証するものではありません。 

と、書かれています。更に、

>この文書の目的は情報を提供することにあります。 
>Microsoft は、この文書における表現および内容について一切
保証いたしません。

とあります。
「変化するマーケット状況に対応する必要があるため」ってのが
付け足しっぽくていいですね。

 「発行日以降も情報が正しいことを保証するものではありません」と書くと、発行時点では正しいかのようですが、昨年4月号の発行時点ですでに嘘だらけ。つまり、連中は確信犯で自分らに都合のいい嘘を並べているわけです。

 ほんとに問題なのは、「変化するマーケット状況に対応する必要があるため」といいながら、正しく改訂しないこと。NTに都合のいいデタラメを確信犯的に放置していることです。

 さらに「表現および内容について一切保証しません」とありますが、内容はデタラメであるにも関わらずというか、NTに一方的に都合のいいデタラメが多いからこそ、NTの営業やってる連中は、こういうのをセールストークに使うんですよね。マイクロソフトは一流企業だからそんなことはしないなんて思っているのは、馬鹿だけです。そういうことをずっとやってきてのし上がった犯罪者企業なんですから。だから、アメリカのFTCも司法省も10年もそのビジネス手法を調査し、提訴に踏み切ったわけです。

 そして、田中亘や山田祥平やその後継者のような馬鹿な狗ライターが、これを下敷きにパソコン雑誌にMSKKの意を受けて嘘を書きまくってきたし、いまも書き、これからも書くわけです。困ったもんですが、これがパソコン業界の現状ですから、MS製品の導入を考えている企業は、ライバル製品の言い分とよく比較しないと、NTで痛い目にあっている企業の二の舞になりますね。

MSKKによるNT対UNIXの比較の大笑い(その4)

 すでに「その4」になってしまったこのネタですが、まだあります。知らない人は、過去の分を読んでください。ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MSKKの嘘を訂正する文書
---
 MSKKが出している「サーバーオペレーティングシステム評価ガイド」が、嘘
ばかりというのはすでに話題になってますが、疋田さんという方が訂正を書い
ています。詳しくは、
http://www.pp.iij4u.or.jp/~michiro/unix_int_fix.shtml
「UNIXとMicrosoft Windows NT Server 4.0の比較文書」
をどうぞ。


オラクル対マイクロソフト(1999/02/12記録)

 MSやMSKKの嘘を並べる営業手法がわかる話なので、MS Watch 1999/01/20から、こちらにも記録します。

MSKK資料にオラクル反論

 オラクルがマイクロソフトに反論してます。Thanks > 池田さん、菊澤さん。

標題: MSKK資料にオラクル反論
---
 MSKKが「データベース評価ガイド」と称する文書をばらまいているそうです。
これに書いてあるのが、例によって?、嘘っぱちだというので、日本オラクル
が反論しています。
 詳しくは、
http://www.oracle.co.jp/ntsol/o8/doc/vssql65.html
「Microsoft社の資料「データベース評価ガイド」についての見解」
をどうぞ。

 さっきアップロードしたと思ったら、朝一番でさっそく柳原さんからメール。ありがとうございます。

 さて、Oracleが反論文書を公開したというトピックを読みましたが、
MS側の文書へのリンクがなかったので参考までにURLを送る次第です。
UNIX評価文書と同様に情報の修正があちこちに見えます。

http://www.microsoft.com/japan/education/techinfo/application/
comparison/oracle_int.htm
http://www.microsoft.com/japan/education/techinfo/application/
comparison/oracle_sel.htm


MS TerraServerの嘘(1998/07/20記録)

 MSが構築したTerraServerはやってることが、MSの宣伝文句とは違って、ちっともスケーラビリティの実証になっていない詐欺だというお話。ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MS TerraServerの嘘
---
 MSはNTとSQL Serverのスケーラビリティを実証するためと称して、
TerraServerというサイトをオープンしましたが、これはちっともスケーラビ
リティの実証になっていないのではないかという記事。
 詳しくは、
http://www.zdnet.com/pcweek/opinion/0706/06wide.html
をどうぞ。
 基本的な論点は、大量の画像データによって、データ量はやたら多くみえる
けれど(9GB * 324)、やってることは単純な参照だけ。テーブル数はわずか数
十個で、大量の画像データは全然トランザクションと関係ないということです。
 これは、ぼくがウェブページの「Scalability Dayの嘘」で書いたのと同じ
ことですね。つまり、テラバイト級のディスクからデータが取り出せる以外の
意味はない、つまりスケーラビリティうんぬんの意味はないということです。
すなわち、MSは1997年11月のScalability Dayでやって非難されたことを、
さらにインターネットに広げて、堂々とまだやってるわけです。
 くれぐれも引っかからないように。
 それから、このサイト、データベースに接続できなかったり、ユーザ数が多
すぎると拒否されたりして、何日間もろくに使えない状態だそうです。
 さすがはMicrosoftの技術ということでしょうか。

 これの訳文は、有料のPC Week Wire日本語版では、7/17に配送された記事に、
「TerraServerはSQL Serverの実力を表していない」として載ってましたが、
もしかすると来週以降どこかでPC Week日本語版ウェブにも載るかもしれませ
ん。

参考
Scalability Dayの嘘


ナレッジマネジメントを巡ってLotusとMSが応酬(1998/07/20記録)

 ネレッジマネジメントという概念を巡って、LotusとMSがやりあっています。ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: Lotus対MS
---
 LotusとMSがナレッジマネジメントを巡ってやりやってましたが、MSの無知
がばれただけに終わったようです。
 MSのExchangeは、Lotus Notes/Dominoに勝てないもんだから、どんなことに
もいちゃもんをつけて事実をねじ曲げ、嘘をねつ造し、貶めようと必死です。
 これはMSのいつもの手口です。技術的にかないそうにないもの、製品として
優れたものに対しては、(ゲイツ自身すら)でたらめをばらまいて口先介入する
ことで、自社の凡庸な製品を脅迫的に押しつける時間稼ぎをするのです。
 最近でもNetwork Computing、NovellのNDS、Lotus Domino/Notesなどには、
この手口を使ってきましたが、今回もまたやってるわけです。

 LotusのKnowledge Managementは、Groupwareの名前の付け替えにすぎないと
主張したMSの文書は、
"Lotus' Knowledge Management Strategy Announcement"
にあります。目先を変えるだけの名前の付け替えばかりやっているMSが、こう
いうことを主張するのは、泥棒の説教なので爆笑ですね。

 Lotusの反論は、
"Microsoft attack pieces miss the mark"
"Microsoft Misunderstands Knowledge Management.
 Why Microsoft Just Doesn't Get It (Again)"
です。日本のロータスもこれをすぐ翻訳して、ウェブに掲載すべきですね。
 PC Weekのコラムでも、MSのあきれた馬鹿さ加減が詳しく指摘されています。
詳しくは、
"A little knowledge is a dangerous thing"
をどうぞ。

 Lotusのナレッジマネジメントのページは、
http://www.lotus.com/home.nsf/welcome/km
http://www.lotus.com/solutions/knowledge.nsf/
content/kmhomepage?OpenDocument
です。
 Lotusの"Compare Notes and Domino"のページにある文書はいずれも興味深
いですね。日本のロータスは、これらも全部翻訳してウェブに掲載すべきでし
ょうね。Exchange Serverを売り込むためにMSが主張しているデタラメに反論
しているのは、いま、
"Microsoft によるノーツ/ドミノについての「分析」における
問題点を解明する"
だけでしょう?
 以下は、その興味深いページ。
"Compare Notes and Domino"

Exchange "Fortune 50" Marketing Claim Rings
Hollow Microsoft Marketing Tactics: In Your Best Interest?
"Comparing Microsoft Active Server Pages to Lotus Domino"  Exchange Server(以下ES)でデータが消えてしまったトラブルの話は、PC Weekのコラムにもありました。すごいですよ。ESはディスクが壊れているのに、 何の警告も出さず、ログも残さず10日間動き続けて、Infobaseというデータベ ース部分のデータを壊し続けていたそうです。メンテネンスしたときにブート したらデータが消えていて初めてわかったんですね。10日分のメールがパーで す。詳しくは、 "24-by-7 minus 10 days of data = ouch!" をどうぞ。  なんか解決策はないかと質問したら、MSは、ディスクの検査を定期的にする ようにという官僚的答を言ってよこしたそうです。じゃ、定期的に自動でシャ ットダウンして、ディスクの検索をして再び立ち上げる機能がどうしてESにな いのか質問したら、ESは24時間×1週間連続稼働するソフトとして売っている のでそういう機能はないという答(爆笑)。これに憤慨してつけたタイトルが、 いくら"24-by-7 minus 10 days of data = ouch!"です。24時間×1週間連続 稼働と宣伝したところで、10日分のメールがなくなるようなソフトに意味があ るのかという皮肉ですね。  結局、DOSのバッチファイルでExchangeを毎晩シャットダウンして、ディス クの検査をして、サービスを再起動するようにしたそうです。  ここでついこの前話題になった、富士銀行のシステムで、毎晩NTを落として リブートするというのと同じですね。  メインフレームやUNIXは当然としても、NetWareやOS/2も当たり前のように 何ヵ月も連続稼働しているだろうし。NT + ESを使うくらいだったら、Linux/ FreeBSD + sendmailというフリーの無料のソフトの組み合わせの方が、性能も いいし、安定しているんですけどね。なにしろ、インターネットのメールは、 事実上、sendmailで動いているわけだし。  NTとMSのBackOfficeのサーバって何なのでしょうね。コストや機会損失を考 えると、そうまでして使う価値はないと思うんですけど、そうまでして使わな いといけないと思いこまされているところが、MSの魔力なんでしょう。外から 見ると、変な宗教にはまっている連中と同類にしかみえないんだけどね。かわ いそうだけど、まあ、自業自得だからね。痛い目にあって自分で気づくまでは どうしようもないよね。


Notes対Exchange Server(1998/04/14記録)

 匿名希望さんから、ロータスとマイクロソフトが、NotesとExchange Serverでやり合っているというメールを頂戴しました。ありがとうございました。

ロータスの反論は下記にあります。
"Microsoft によるノーツ/ドミノについての「分析」
における問題点を解明する"

マイクロソフトの文書は以下にあります。
http://www.microsoft.com/exchange/Comparisons/
lotusanalysis.asp?A=4&B=1
でも私の環境(NN2.02, Power Macintosh)で繋ぐと落ちてしまいましたので
中身は確認できませんでした。ActiveXでも貼りつけているのでしょうか?

日本語のものは以下にあります。
http://www.microsoft.com/japan/bkoffice/Exchange/ex55/compare.htm
ロータス側の反論から察するに、英語の文書が全て翻訳されている訳では
なさそうです。

 これは、MSのいつもの手口といえばそれまでですが、MSが他社製品を攻撃するときは、実はその製品が優れていてMSにとって脅威だから、口をきわめてののしる癖があることを思い出してください。

 MSの原文は、かなり大きな文書ですね。それでメモリが足りなくてブラウザが落ちたのかも。それにしても、日本のマイクロソフトってほんと頭悪いよね。原文は、全部ちゃんとHTMLだけで読めるようにしてあるのに、日本語訳は、細かくちぎってしかもWordの文書だもんね。それだけでもう読む気しないから、これもちゃんとHTMLだけで読めるようにしてあるロータスの主張のほうだけ読んで、やっぱりロータスが正しいと思うよね。

 なお、Exchange Serverの問題点は、日経コンピュータ1998年2月16日号の「検証!話題の製品」でも指摘されています。共有フォルダで不可解な現象が発生する(原因不明)、パブリックフォルダの出来の悪さ、運用管理の難しさ、バージョンアップのトラブルなどです。ご一読を。

補足(1998/04/17)

Exchangeのトラブル(その2)

 MS Watchの1998/04/17にも書きましたが、Exchange Serverのトラブルレポートが集まっている場所があります。http://www.macintouch.com/exchange.htmlです。教えてくださった屠耿(トコウ)さんの解説によれば、何でもGEの人がExchange Serverが一ヵ月もダウンして頭に来て投稿したら、ボーイング社から軍事施設からいろんなところから同様の苦情が寄せられたので、編集者がまとめたもののようです。

補足(1998/04/17)

Exchangeのトラブル(その3)

http://member.nifty.ne.jp/MacsForce/Column/Column_9801.html#anchor3873517

 MS Watchの1998/04/18にも書きましたが、またExchangeのトラブルネタ。Thanks > 遠藤さん

 「導入コストは安いものの、運用(管理)コストの増大が目立つNT」というのは、もはや常識ですね。PCサーバ + NTは目先のコストは安いんだけど、それに釣られて導入するとあとが大変なんですよね。管理者なんか死ぬ思いでしょう。UNIXと違って遠隔管理が標準じゃできないし、出張につ出張でしょうね。「デンソーシステム管理者と合コンしてみたい」とのことですが、Exchange登場時に盛んにマイクロソフトの宣伝に使われていた石川島播磨重工のシステム管理者も誘ったほういいかも(笑)。

 そういえば、日本サンが「見た目だけいい女にだまされるな」と漫画でNTを皮肉った小冊子をプライベートショウで配ってました。ああいうのは大々的に配らないと内輪受けで終わってしまってもったいないよね。ほんとのことなんだから。あれ、NT系の雑誌の付録につければいいのに。MSKKが圧力かけてつけさせないかもしれませんが。

補足(1998/07/10)

 上記、ロータスの反論のURLが変更になっていることを教えてもらったので、上記では新しいURLにしました。ちなみに古いURLは、http://www.lotus.co.jp/Productinfo.nsf/
00682465f1481c33492564970035a21b/
2ec4af03be8f68f649256545001c36db?OpenDocument
です。それにしても、Notesが自動生成するURLって、地獄のように長いですね。

補足(1998/07/20)

Exchangeのトラブル(その4)

http://member.nifty.ne.jp/MacsForce/Column/Column_9801.html#anchor3873517

 ナレッジマネジメントを巡ってLotusとMSが応酬にも書きましたが、またExchangeのトラブルネタ。以下、ASAHIネットのjouwa/salonから部分引用。

 Exchange Server(以下ES)でデータが消えてしまったトラブルの話は、PC 
Weekのコラムにもありました。すごいですよ。ESはディスクが壊れているのに、
何の警告も出さず、ログも残さず10日間動き続けて、Infobaseというデータベ
ース部分のデータを壊し続けていたそうです。メンテネンスしたときにブート
したらデータが消えていて初めてわかったんですね。10日分のメールがパーで
す。詳しくは、
"24-by-7 minus 10 days of data = ouch!"
をどうぞ。
 なんか解決策はないかと質問したら、MSは、ディスクの検査を定期的にする
ようにという官僚的答を言ってよこしたそうです。じゃ、定期的に自動でシャ
ットダウンして、ディスクの検索をして再び立ち上げる機能がどうしてESにな
いのか質問したら、ESは24時間×1週間連続稼働するソフトとして売っている
のでそういう機能はないという答(爆笑)。これに憤慨してつけたタイトルが、
いくら"24-by-7 minus 10 days of data = ouch!"です。24時間×1週間連続
稼働と宣伝したところで、10日分のメールがなくなるようなソフトに意味があ
るのかという皮肉ですね。
 結局、DOSのバッチファイルでExchangeを毎晩シャットダウンして、ディス
クの検査をして、サービスを再起動するようにしたそうです。

 ほかの部分は、ナレッジマネジメントを巡ってLotusとMSが応酬を見てください。

補足(1998/07/20)

 ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: 使われているWebサーバ
---
 思い出しました。
"Microsoft によるノーツ/ドミノについての「分析」
における問題点を解明する"
について、伊藤さんという人からこんなメールが来ています。

さて7/10のMS WatchのLotusの反論のページ中に”ロータス
Webサイトはドミノで運営されているのではありません”というMSの人がのた
もうたお言葉がありますが、この様なサイト(http://www.netcraft.com/cgi-
bin/Survey/whats)で調べることができます。結果はちゃんと
Lotus-Domino/Release.
と出てきます。
ここのサイトで思い出しました。ここでMSNのサーバ(www.msn.com)を調
べるとMicrosoft-Internet-Information-Server/1.0.と出ます。4.0ですら問
題があるとテラサーバなんぞ落ちたところで誰も迷惑を被ることはありません
が、MSNのサーバが落ちたら、と考えると身震いしてしまいます......自分
は困りませんが....。

 テキストブラウザのLynxでは、']'を押して'D'で簡単に調べることができて、
実際にwww.lotus.com, www.lotus.co.jp, domino.lotus.com, domino.lotus.
co.jpを調べたら、全部Dominoでした(ちょっとバージョンは違うけど)。ロー
タス/Lotusがマイクロソフト/MSは事実をねじ曲げる会社だと非難するのも当
然ですね。MSは、事実をねじ曲げても、でかい声で言い続ければそのうち信じ
る奴が出てくることをよく知っています。怪しげな宗教の勧誘と手口は一緒な
んだから。メディア社会では、「嘘も100回言うと本当になる」傾向が強い
ので、特に日本のようにMSに都合のいいことを無批判に垂れ流す社会では、大
変に効果的な手法です。
 それはさておき、www.msn.comを調べたら、ほんとにIIS1.0でやんの。すご
いですねえ。こんなセキュリティホールだらけの簡単に落ちるサーバで運用し
ているだもんね。どういう言い訳をしても、セキュリティをまじめに考えてい
るとは思えないけれど。


Caldera対MS(1998/02/12記録)

 ASAHIネットのjouwa/salonに書いたものから、Caldera対MSの訴訟のことを若干加筆修正して転載しておきます。

標題: Caldera対MSがヒートアップ
---
 元Novellのレイ・ノーダがやってて、DR-DOS(OpenDOSから名前を元に戻した
んだって)やOpen Linuxで有名なCalderaが、MSの訴訟でヒートアップしている
そうです。
 以前から、DOSを巡ってCalderaはMSと訴訟をやってましたが、それがだいぶ
熱くなってきた模様です。詳しくは、
http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?980210.wcmscaldera.htm
をどうぞ。
 Win95についてMSは、ゼロから全部作ったOSといってDOSとは全然別のOSであ
ることを印象づけようとしたかと思うと、DOSと完全に統合されたOSといって、
GUI部分はDOSとは分離不可能であるかのようにいったりもしました。しかし、
こういう主張は、Andrew Schulmanの「Unauthorized Windows 95」などによっ
て、全部大嘘であることが明らかになってしまいました。Schulmanが指摘した
のは、Windows 95 = Windows 90 + 5でしかないこと。すなわち、1990年に出
たWindows 3.1(DOSにGUI部分をかぶせたもの)と本質的には変わらず、外見上
の変化と若干の強化が行なわれたものにすぎないということです。そのせいで、
CompuServeだったかAOLだったか忘れたけど、Schulmanは、MS関連のフォーラ
ムから締め出しを食らって、これが問題になったりもしました。いかにもMSら
しい手です。
 (いつもながらのことですが)なぜ、MSはそんな嘘までついて、Windows 95が
DOSとはまったく無縁の別の新しいOSであるかのように、あるいは、互換性の
ためにDOSが含まれていても、それはGUI部分と非常にタイトに結びつき、切り
離し不可能であるかのようにいわなければならなかったのか。それが、この
Calderaの訴訟と大きく関係しています。
 当時、MS-DOSの互換DOSとして、IBMのPC DOSは別にすれば、Digital 
ResearchのDR-DOSがありました。Digital Researchはパソコン黎明期にCP/Mと
いう名OSを作って一躍有名になった会社です。MS-DOSは、CP/Mの汚いコピーだ
ったOS(シアトルコンピュータプロダクツのQD-DOS。QDはQuick and Dirtyの略)
をMSがめざとく買い取ってIBMに売りつけたものです。Digital Researchは、
レイ・ノーダ時代のNovellが買収し、レイ・ノーダがNovellを追われてCaldera
を作ってからは、権利はCalderaに移っています。
 DR-DOSは、実際、Windows 3.1を動かせました。Windows 3.1というのは、
DOSにGUI部分をかぶせただけのもので、DOSに互換性があればMS-DOSである必
要はなく、DR-DOSでもよかったわけです。おいしい汁を一人占めにできなくな
るので、これはMSにとってはまずいことです。それまでMSはDOSを搭載してい
てもいなくても、コンピュータを出荷したらDOSが搭載されているものとみな
してライセンス料を徴集するという、すごくがめつい契約をパソコンメーカに
押し付けてました。ところがこれが司法省に反トラスト法(独禁法)違反だとや
られて、この手法による収入の道がだめになったんです。
 しかも、Windows 95がDOSとGUI部分に分離可能なものであるなら、Windows
3.1の時代がそうだったように、パソコンメーカは原理的には、DOS部分を
DR-DOSにして、MSからはGUI部分だけ買うということもできるわけです。そうな
るとMSはOSの支配権を失い、パソコンメーカをコントロールできなくなる恐れ
があったのです。それで、しきりにWindows 95はDOSとはまったく別、GUIとDOS
部分は分離不可能と主張し、マスコミを使って情報操作によってこのイメージ
をばらまき続けたのです。それにずっと異議を唱え続け、虚偽の主張で不当に
DR-DOSを市場から排除したといって争っているのが、Caldera対MSのこの裁判な
のです。

 で、「Unauthorized Windows 95」については、いま、もう絶版みたいです
ね。AMAZON.COMで調べても入手困難になってたし、版元IDG Booksのカタログ
にもなかったです。それでもどういう本だったか、雰囲気知りたい人は、
http://ftp.uni-mannheim.de/info/OReilly/windows/
win95.update/schulman.html
http://www.sonic.net/~undoc/bookstore.html#unreskit ftp://ftp.ora.com/pub/examples/windows/win95.update/unauthw.html あたりを、みてください。ツールを作ったりして、Windows 95の内部をいろい ろ調べて、MSの主張がまったく嘘であることを、解き明かしていく様は、そこ らの推理小説より面白いです。書名やら出版社忘れちゃったけど、日本語訳も 出てたはずです。  ちなみに、Caldera(http://www.caldera.com/)にいくと、DR-DOSがダウンロ ードできます。以前は、OpenDOSという名前で、評価用や個人の趣味の利用は 無料にしていましたが、今回、やはりDR(Digital Research)の遺産であること を明確にするために、再び、DR-DOSにしたようです。まだ、サイト内でもDR- DOSと書いているところとOpenDOSと書いているところが混在していますね。評 価用や個人用が楽しむ範囲では無料で利用できるようですね。商業利用につい ては別途ライセンスが必要のようです。それからすごいのは、カーネルのソー スコードもダウンロードできること。  DR-DOSは、プロテクトメモリ管理、マルチタスクのしっかりしたDOSですか ら、まだまだ組込み系やら応用分野はありそうですね。

補足(1998/02/13)

 この問題は、InfoWorldだけでなく、PC Weekも記事にしています。そのURLは以下に示しますが、その記事の日本語訳が日本誤訳になっちゃってたことを本日のMS Watchのほうに書いたので、それを以下に転載して補足としておきます。

 翻訳の間違いのことをいうと、PC Week日本版で配信された、Calera対MSの訴訟の記事で大きな間違いがありました。翻訳だと、DR-DOSの権利をMSが買っていることになってるんですが、全然逆。DR-DOSの権利はCalderaが買ったんです。"Caldera, of Orem, Utah, sued Microsoft the day that it acquired the DR-DOS operating system from Novell Inc."の"it acquired"の"it"は、Calderaです。そうでないとCalderaがこの前までOpenDOS、そしていま再びDR-DOSとしてDR-DOSを売ってられるはずがないし、裁判成り立たないもんね。

 ということで、原文(http://www.zdnet.com/pcweek/news/0209/10ecald.html)と訳文(http://www.zdnet.co.jp/pcweek/web_wire/9802/13/p-016.html)を読み比べてみてください。訳文で、「これまで,カルデラはマイクロソフトがMS-DOSとWindows 3.1を結びつけたとして訴訟を起こしていた」というところも、原文は"was focused only on (中略) to Windows 3.1"なんだよね。それが今回は、Windows 95に対しても検討が始まることになったわけで、"only"を強調してほしかったと思いますね。

 DR-DOSが出てきたので、CalderaのLinuxパッケージについていうと、CalderaのLinuxはOpenLinuxという名前で、Lite, Base, Standardがあって、Liteはタダです。これでもインターネット・イントラネットサーバにはNTよりも十分です。当然フリーのサーバ群のライセンスは無制限です。BaseになるとStarOfficeなどいわゆる商用オフィスパッケージもつくので$59です。オフィスものがつくので、英語圏の人は、これでWindows 95/NTはほぼ要らなくなるでしょうね。StandardはNetWare/IntranetWare対応になり、ほかにも商用パッケージがついて、$399です。元Novellだけあって、NetWareの機能が強化されているので、NetWareとの親和性は非常に高いLinuxですね。

補足(1998/02/14)

 CNetの記事(http://cnet.sphere.ne.jp/News/1998/Item/980212-2.html?mn)は、Windows 3.1だけだったということが強調されていますね。

補足(1998/03/13)

 上で話題にした、Andrew Schulman 著「Unauthorized Windows 95」(IDG Books Worldwide Inc.)の日本語版ですが、安江さんという方から、情報を頂戴しました。
 Andrew Schulman 著、太田純 監訳「Windows 95 内部解析」(ソフトバンク)(ISBN 4-89052-768-0)がそれとのこと。安江さん、ありがとうございました。

 ところで、この本、いま、ソフトバンクに行って、書籍の検索をやったら、出てきませんね。著者が違うけど、「Windows95 内部解析」という本はありました。データベースの著者間違い? それともSchulmanの本は絶版になったけど、同名の別の本は、まだあるということ? よくわからんです、はい。

 それと、私の記憶が正しければ、この和訳本情報、安江さん以外の方からも以前に頂戴した記憶があるんです。ずっと書かなければと思っていて、そのまま埋もれてしまって忘れてしまったと感じがするんです。もし、以前に「私がメールしました」という方がおられましたら、ご面倒さまですが、中村(show)までご一報ください。遅ればせながら、ここにお名前を載せることにいたします。

補足(1998/04/11)

 「乳の詫び状」1998/03/18で、この話題が面白い展開になっているなどと書いたものだから気になっていた人は多いかもしれません。お待たせしました。やっとまとめる時間ができました。

 まず最初に言っておくと、ぼくが勤めるソフトヴィジョンに、訳本の現物がありました。ぼくの机から1メートルかそこらの人の机の横にあったのです。確認したところ、安江さんの報告通りでした。

 つまり結論は、ソフトバンクのデータベースの登録間違いだったということです。

 田沼さんからは、紀伊國屋のウェブサイトで検索した結果が送られてきました。それによれば、訳者が、「阿部尚子;金田芳明;佐藤亜古;藤本一枝;三原貴子ほか訳」となっていました。太田純監訳では登録されていないようですね。訳者がどうなっていたかは確認し忘れたので、また月曜日にでも会社で現物によって確認してみますが、表紙に載っている監訳者の名前が出ないとすれば、ちょっと困るかも。

 奥野さんからは、丸善オンラインブックストア(http://www.maruzen.co.jp/)での検索結果が送られてきました。それによれば、訳者として載っているのは、阿部尚子の一人でした。こちらも監訳者の名前がありません。

 こうやって比べると、書籍データベースのデータは、会社によってずいぶんマチマチの登録がされているんだなあと感じます。今回、著者が違っていたり、監訳者の名前がなかったり、訳者の名前がなかったり、いろいろでしたから。

 戸村さん、KIOさんから、情報をいただきました。ありがとうございます。前回、名乗り出てくださいとお願いした件、該当者は、工藤さんでした。安江さんほどの情報は提供してないのに恐縮という話になって、工藤さんは、その償い?でもないんでしょうが、ソフトバンクのサーバから例の本の表紙画像をダウンロードして、画像処理ソフトで著者名部分を拡大して確認してみたとのこと。そしたら、やっぱりAdrew Schulmanだったとのこと。執念ですね。ソフトバンク、データベースの著者名を直さず、この表紙画像の著者名のところを改竄して辻褄合わせたりして(爆笑)。

補足(1998/04/17)

 ライターの中村繁利から、「Unauthorized Windows 95」のISBNを示したほうがいいんじゃないかという忠告があったので、示します。「ISBN4-89052-768-0」です。彼によれば、日本書籍出版協会(http://www.books.or.jp/)で、ちゃんと探せたそうです。そういえば、ISBNを、「-」を入れずに入力してくれっていう検索サイトもありました。紀伊國屋だったかな。いろいろ流儀があるんですね。

補足(1998/04/17)

 NCWorldの記事(http://www.ncworldmag.com/ncw-02-1998/ncw-02-caldera.html?caldera)が、CalderaとMSの問題を取り上げています。

補足(1998/04/21)

 会社で現物を確認したら、奥付には、訳者たちの名前がちゃんと載っていました。

補足(1998/08/01)

 Caldera対MSで進展がありましたので、記録しておきます。ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MSはCalderaにソースコードを提示せよの命令
---
 ぼくのウェブページ
http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ms-cs.html
では、「Caldera対MS」としてずっと追っている話題があるんですが、その訴
訟で進展がありました。
 裁判所がWindows 95のソースコードをCalderaに提示するよう、MSに命令し
たというのです。
 これはMSがDR-DOSを不当に排除したとCalderaが訴えた訴訟ですが、最初は
Windows 3.1に限定されていたのが、Windows 95まで範囲が広げられたという
経緯があります。この辺の詳しいことは、前記、ぼくのウェブページを参照し
てください。
 で、今回、Calderaに有利な判決が出たわけです。
 英語で報じているのは、いくつもありますが、
 日本語だと、
http://www.zdnet.co.jp/news/9807/30/b_0729_05.html
裁判所がMicrosoftに対しCalderaへのソースコード提示を命令
や
http://cnet.sphere.ne.jp/News/1998/Item/980730-3.html
カルデラがWindowsソースコードの一部を勝ち取る 

を読んでください。
 いま、Calderaの
http://www.caldera.com/news/index.html
に行って、DR-DOS Newsをみると、コンピュータ系以外の新聞でもニュースと
して取り上げられた様がいくつも誇らしげに並んでいます。

補足(1998/08/31)

 Caldera対MSの訴訟にからんで、MSがライバルのDR-DOSをつぶすために、故意にWindowsがクラッシュするコードを入れていたと、ウォールストリートジャーナルが報じたそうです。ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MSのDR-DOSつぶし
---
 Caldera対MSの訴訟で、MSは裁判所から証拠として、DOS/Windowsのソースコ
ードを提出するよう命令されたにもかかわらず、まるで薬害エイズ隠しをした
厚生省みたいに、見つからないなどとふざけた弁明をして、一部しか提出しな
い状態です。これについては、#3097で書いたとおり、
http://www.zdnet.co.jp/news/9808/27/caldera.html
をみてください。
 ところで、この訴訟は、MSがWindows 3.1発売当時に、DR-DOSを潰すために
汚い手を使ったということが問題になっています。それについて、ウォールス
トリートジャーナルが1998/08/27に、「Microsoft に暗雲: 独禁訴訟で昔のE 
メールが浮上(WSJ 8/27/98) ─ 敵のOSを使ったコンピュータを停止させるバ
グを潜入 ─」として記事にしたようです。これは、Tackさんという方からメ
ールで教えてもらいました。ありがとうございます。>Tackさん
 記事の肝は何かというと、DR-DOSをつぶすために、Windows 3.1のベータ版
には、DR-DOSで動いていることが判明したら、故意にクラッシュするコードが
入っていたということです。
 これによって、「DR-DOSだとWindows 3.1は動かない、だからMS-DOSを使え」
というイメージを植え付けたわけです。実際そうなりましたもんね。当時、
NIFTYなんかでも、DR-DOSに乗り換えた人がWindows 3.1のベータがクラッシュ
するなんて話が話題になっていると聞いたことがあるのを思い出しました。
 こうやって、DR-DOSではWindows 3.1は動かないと言いふらしたあげく、製
品版では証拠隠滅とばかりに、問題のコードは動かないようにしていたとのこ
と。
 実は、Windows 3.1にDR-DOSを見つけるとクラッシュするコードが暗号化さ
れて入っていることは、Andrew Schulmanが見つけて、DDJ(Doctor Dobb's 
Journalといって、プログラマ向けの専門誌。ドクタードブズジャーナル(DDJ)
日本版(翔泳社)にはぼくも連載しています)で1993年に示唆したことがあるそうです。
問題のコードに入っていたサインの文字列から、このコードにサインしたのは、
Aaron Reynoldsだそうです。そのため、このコードは、AARDコードとして
知られているそうです。

 ともかく、Windows 3.1にDR-DOSつぶしのコードを入れることは、Aaron 
Reynoldsが勝手にやったことではなく、MS幹部のBrad ChaseやDavid Coleも知
っていたことが当時のメールからわかっているとのこと。Brad Chaseは、なか
なかうまい表現をしていますね。「DR-DOSを締め出すために」「列車が出る前
に脱線させる」んだそうです。

 裁判の結果はわかりませんが、証拠として認定されるとかなりMSには不利で
すね。独禁法違反の犯罪を、会社全体でやっていた証拠になりますから。
 で、ぼくにいわせると、当然、MSの連中はやったに決まっています。以前か
ら何度も繰り返しているように、MSは、決してまともな勝負で勝ってきたわけ
ではなく、こういう犯罪的手段を使ってライバルを蹴落とし、そのあとは証拠
隠滅と脅しによって関係者の口封じをして、のし上がってきた会社です。いわ
ばMSは犯罪者集団です。その証拠となりうる歴史的事実がまたひとつ浮かび上
がったということです。
 ほんと、ここまでデタラメやってると、MSはオウムと大差ないよね。

補足(1998/09/05)

 MSのDR-DOSつぶしの続きです。ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MSのDR-DOSつぶしの続き
---
 Windows 3.1のベータで、DR-DOSだとWin3.1が動かないようにしていた件で
すが、続報記事があります。Sm@rtResellerの調べたことが次に載っています。
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/03/aard.html
「Win3.1エラーメッセージは「都市伝説」ではない」
です。
 この記事では、MSが繰り返し否定してきた、エラーメッセージがたしかに存
在すると述べています。しかも、それを確認できるプログラムまで用意してあ
ります。

 DR-DOSつぶしを図ったのは、Win3.1だけじゃないんですね。QuickCもDR-DOS
だと動かないようになっていたわけですね。これは、MSが全社的にDR-DOSつぶ
しに動いていた証拠といえるかもしれません。さらに、QEMM(Quarterdeckのメ
モリ管理ソフト)を入れていると、Win3.0が動かなかったというのは、ライバ
ルつぶしにこういう手を使うのが常套手段だったことを示唆しています。ぼく
は個人的には、絶対そうだと断言しますけれど。^^;

 QEMMは、いまさら説明の必要もないと書けるほど、DOS時代は世界を席巻し
た非常に優秀なメモリ管理ソフトで、PC(日本でいうDOS/Vパソコン)で、これ
とNorton Utilitiesを使ってない奴は馬鹿だといっていいくらいでした。「電
脳騒乱節」にもいろいろ書いた覚えがありますね。当時のNEC PC-9800シリー
ズには、こういう優秀なメモリ管理ソフトがないせいもあって、フリーメモリ
が少なくてみなさん苦労してました。
 記事は、QEMMで動かないようにしていたのは、QuarterdeckのDESQViewをつ
ぶすためだったのではととれる書き方です。
 DESQViewはこれまた優秀なソフトで、マルチタスク・マルチウィンドウで既
存ソフトが使える操作環境だったんです。BYTE誌に「混沌の館」を書いていた
パーネルなんか、絶賛してたはず。実際、よくできていて、DESQViewがあれば、
Lotus 1-2-3, WordPerfectといったオフィスソフトやCADなどのグラフィック
スソフトも、マルチウインドウで同時実行しながら使えたわけです。
Quaterdeckのメッセージは、開発者に向けては「Windows用にソフトを書き換
えるのはコストが馬鹿にならない。DESQViewならそのまま動く」、ユーザに向
けては「Windows用ソフトが揃うまで待つ必要はないし、Windows用ソフトに新
たに金を払う必要もない。DESQViewならいままでのソフトが、マルチタスク・
マルチウィンドウでそのまま動く」。
 だから、一応いわゆるオフィスソフトに限定はしておきますが(ほんとは限
定しなくても成立するけれど)、本質的には、いまに至るまでWindowsは
DESQViewから大した進歩はしてないよね。下手すると、いまのExcel/Wordを主
流とするオフィスソフトは、当時の1-2-3, WordPerfectなどのDOSソフトより
トータルな生産性が低いかも。結局、パソコン業界がやってきたことは、本質
的には大した改善にもなってないことを、新商品だ新技術だと広告で並べてて、
チョウチン雑誌で煽って、買い換えさせてきただけなんですよね。買い換えさ
せないと、儲からないからね。
 以上のように、MSとしては、Windows普及のためには、DESQViewは目の上の
たんこぶだったわけです。だから、DESQView/QEMMのどちらだったか忘れまし
たが(あるいは両方かもしれません)、MSはWindowsではDESQView/QEMMは不要に
なる、DESQView/QEMMは使えないなどとしきりに言っていた記憶があります。
Quarterdeckは、WindowsでDESQView/QEMMが動かなくなるという問題を解決し
て、当時の雑誌広告で、「MSはWindowsでDESQView/QEMMは使えないというが、
我々は使えるようにした」などと宣伝していたことを思い出します。
 もし、BYTEかPC Magazineの1990年から1993年くらいのバックナンバーがあ
るなら、Quarterdeckの広告を調べてみてください。たしか、そういう広告が
あったと思うんですよね。もし、見つけたら、その広告のコピーなんぞ送って
いただけるとありがたいです。

 それに、DESQViewは、UNIXのX Windowにも対応したDESQView/Xというのもや
ってたんです。1990年の秋にCOMDEXにいって、DESQView/Xをみてびっくりした
覚えがあります(あ、そういえば、DESQView/Xのパンフレット、辞めたW君の
机から出てきたんだよね)。
 DESQView/Xは、Xさえ動いていれば(UNIXでもX端末でも)、ネットワーク経由
でPCのソフトが全部使えるんです。実際のソフトの実行はPCがやっていて、X
端末のほうは、キーボード、マウス、画面を担当しているわけです。
 なーんだ、軽量クライアント(Thin Client)を昔からやってたんだよね。
CitrixのWinFrame, MetaFrameやUNIX界で最近話題のVNC、IBMのDesktop on 
Callだっけ、それにMSのWTS。全部、DESQView/Xと原理は同じですね。

 DESQViewやDESQView/Xを復活させると面白いかもね。商品としては売れない
だろうから、フリーソフトにしちゃって、ついでにソースも公開すれば。
 マジで、いまの、Pentiumの400MHzで高速ハードディスク、大容量メモリの
環境で、ああいうDOSのソフトを動かしたら、どうなのか、やってみたいです
よね。どこかの雑誌で企画してくれないかな。

 やっぱ、今も昔もいいソフトはよくできてますよね。MSのように品質の悪い
ソフトを、力ずくで押しつけてくる会社が世界を席巻しているから、品質のい
いソフトが、生き延びるかどうかは、また別問題なのが、ちょっと悲しいです
けれどね。ああいう、古典といっていいソフトを集めてる人っていないのかな。
地上からなくなるまえに、集めておかないとまずいんじゃない?
 よし、おれが集めるか。じゃあ、ジャンボ宝くじ、また、買うぞ。それで1
億5千万当たったらね。^^;

補足(1998/09/10)

 先週、ASAHIネットのjouwa/salonに書いたものから。

標題: 元恋人?が証言
---
 Calderaとの訴訟では、MSのドイツ法人のOEM顧客担当マネジャーだった
Stefanie Reichelから証言を取ったとのこと。この人、ゲイツの元恋人だそう
です。
 詳しくは、
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/04/caldera.html
「MS対Caldera訴訟,新たな証人はMicrosoftのアキレス腱?」
をどうぞ。
 たしかに、DR-DOSはヨーロッパで強かったんですよね。

補足(1998/10/07)

 本日のMS Watchに書いたものですが、こちらにも記録しておきます。

標題: CalderaとMSの訴訟
---
 だんだん泥沼化しつつあるようなのが、CalderaとMSの訴訟。
詳しくは、
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/29/caldera.html
「きな臭さを増すMicrosoftとCalderaの訴訟」
をどうぞ。
 なんか、MSは、ああだこうだと屁理屈こねくり回して訴訟を長引かせようと
しているようにみえますね。

補足(1999/05/08)

 本日のMS Watchに書いたものですが、こちらにも記録しておきます。

標題: Calderaが証拠を公開
---
 MSが違法にCalderaのDR-DOSをヨーロッパ市場から排除したとして争ってい
る件で、Calderaが証拠を公開しました。
 当時ヨーロッパで好調だったDR-DOSを潰すために、いろいろと策略を行い、
DR-DOSでWindowsが動かないようにするコードを組み込んでいたことなどは、
すでにウェンディ・ゴールドマン・ローム著、倉骨彰訳「マイクロソフト帝国
 裁かれる闇」(草思社)上下2巻でも明らかになっていましたが、それに関連
するメールなどが証拠として公開されたわけです。
 詳しくは、
http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?990428.picaldera.htm
Caldera unveils evidence in Microsoft case
をどうぞ。CalderaはLinuxをやるCaldera SystemsとDR-DOSなど軽量クライア
ントをやるCaldera Thin Clientsに分社化していますが、今回の資料は、
Caldera Thin Clientsのサイトにあります。
http://www.calderathin.com/lawsuit/
をどうぞ。
 この裁判は、ぼくはCalderaの勝ちだと思ってみてますけど、これで負ける
といまでも勝ち目のない司法省の裁判も全然勝ち目がないと思います。

補足(1999/06/03)

標題: Caldera対MS
---
 Caldera対MSの裁判で若干の動きがあったようです。
 MSのライセンス形態が排他的であったかどうかか焦点です。詳しくは、
http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?990528.pimscaldera.htm
Microsoft licensing at issue in Caldera suit
をどうぞ。

補足(2000/01/12)

標題: CalderaとMSが和解
---
 CalderaがMSに対して起こしていた独禁法違反訴訟で、両社が和解に達しま
した。詳しくは、
http://www.zdnet.co.jp/news/0001/11/caldera.html
MSがCalderaとの訴訟で和解――容疑は認めないが和解金支払い
http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000111-5.html
MSとカルデラ、反トラスト法訴訟で和解
をどうぞ。
 これも、司法省の裁判同様、MSの敗訴が濃厚でした。和解金は1億5千万ド
ルらしいですが、もっと高い可能性もあるそうです。しかし、容疑は認めない
というのが、いかにもMSですね。
 いろいろな記事や本に書かれているように、ヨーロッパでも、かなりあくど
い商売をやってDR-DOSを潰しにかかっていたことが明らかになってます。
 その当事者だった、ゲイツのかつての(ひょっとしていまでも?)恋人の一人
ともいわれたMSドイツ法人のStefanie Reichelが証言を取られたり、Windows 
95のソースコードの開示を裁判所に命令されたりと、MSは土俵際まで追いつめ
られていました。金で解決が済むならということでしょう。公判が始まれば、
司法省のときみたいに、またMSがドジを踏み、叩けばホコリが出る証人が相当
突っ込まれることが予想され、やばいことまでしゃべられちゃかなわないでし
ょう。
 ここは、MSにとっては屁でもない金を払うのが得策ということですね。
 容疑は認めないというのは、日本のMSKK(マイクロソフト、MS日本法人)でも、
似たようなことをやりましたね。
 公取委から抱き合わせ販売を強要しているとして是正措置を要求されたとき、
事実関係は争わないが、命令には従うとかなんとかいってました。実際に抱き
合わせの強要をやっていたのは、隠しようがなかったわけで、MS本社の今回の
和解も、事実上、容疑を認めたといっていいでしょう。
 というわけで、この裁判、Calderaの事実上の勝利に終わりました。

補足(2000/02/09)

標題: まだ続くCaldera対MS
---
 MSが大金を支払うことで和解したCaldera対MSの訴訟ですが、ゲイツ(Gates)
の恋人だったレイチェル(Reichel)の証言が公開されたことで、また話題にな
っています。
 その証言では、MSのドイツ法人は、DR-DOSを潰すために汚い手を使っていて、
その証拠になるものを破棄したことを認めていました。
 #5531で、
> いろいろな記事や本に書かれているように、ヨーロッパでも、かなりあくど
>い商売をやってDR-DOSを潰しにかかっていたことが明らかになってます。
> その当事者だった、ゲイツのかつての(ひょっとしていまでも?)恋人の一人
>ともいわれたMSドイツ法人のStefanie Reichelが証言を取られたり、Windows 
>95のソースコードの開示を裁判所に命令されたりと、MSは土俵際まで追いつめ
>られていました。金で解決が済むならということでしょう。公判が始まれば、
>司法省のときみたいに、またMSがドジを踏み、叩けばホコリが出る証人が相当
>突っ込まれることが予想され、やばいことまでしゃべられちゃかなわないでし
>ょう。
> ここは、MSにとっては屁でもない金を払うのが得策ということですね。
と書きましたが、ほんとにMSにとっては、レイチェル証言はヤバかったんです
ね。
 なお、この話は、最初、ウェンディ・ゴールドマン・ローム著、倉骨彰訳
「マイクロソフト帝国 裁かれる闇」(草思社)の訳者である倉骨さんから、メ
ールが送られてきました。
 著者のウェンディ・ローム(Wendy Rohm)さんが、THE SALT LAKE TRIBUNE(ユ
タ州最大の新聞だそうです)にこんな記事が載っているといって教えてくれた
話を、2000/01/31に、ぼくに転送してくださったのです。
 紹介しようと思って、ちょっと倉骨さんに確認してたりしているうちに、忙
しくなって本日までこの話題を書く暇がなかったのでした。Smart Resellerに
も記事が出て、まずいなあ早く書かないとと思っていたら、ZDNet Japanにも
その訳が出てしまいました。
 せっかく、早く教えてくださった倉骨さんやウェンディ・ロームさんには申
し訳ないことをしました。すみませんです。
 それにしても、倉骨さんて、懐が広いですね。いや、別に、カンガルーだと
言ってるわけじゃないです(笑)。ぼくは、ここやLinux Japanで、「オープン
ソースソフトウェア」の倉骨訳は、ひどいっていろいろ言われているぞなんて
書いていたのに、ちゃんとこういう情報を教えてくださるわけですから。あり
がとうございます。
 ということで、THE SALT LAKE TRIBUNEの記事は紹介しなくても、他を読め
ば内容はわかると思います。
 それから、ウェンディ・ロームさんの記事も、紹介しておきます。
 詳しくは、以下のリンクをたどって読んでください。

http://www.intellectualcapital.com/issues/issue341/item8029.asp
Wendy Rohmの書いた「Saving Face: The Recasting of Bill Gates」
http://www.zdnet.com/sr/stories/news/0,4538,2433485,00.html
Smart Resellerの記事「Caldera vs. Microsoft: It's Not Over Yet」
http://www.zdnet.co.jp/news/0002/07/caldera.html
上の訳「まだ終わっていないCaldera vs. MS訴訟,封印を解かれた重要証言」


NovellのNDS for NTを嘘でこき下ろす(1998/01/25記録)

 MSは、NDS for NTを使う奴にはNTをサポートしないと、嘘で固めた文書によってユーザとNovellを脅迫するという行為を行ないました。それを伝えた記事が、InfoWorldのhttp://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?980116.wmsnds.htmです。

 NDS(Novell Directory Service)は、NetWareで有名なNovell(日本は、ノベル)が開発したディレクトリ技術です。ディレクトリ技術は、精密な電話番号簿みたいなもので、ネットワークにつながっているコンピュータ、ユーザ、ファイル、アクセス権限などさまざまなものを管理する技術です。NDS以前も、BanyanのStreetTalkという非常に評判のいいディレクトリ技術があっていまでも使われていますが、NDSはそれと並び称されるようになった評価の高い技術です。

 一方、MSにはディレクトリサービスがありません。NTのドメインは、ドメインの数が増えると使い物にならず、管理者を地獄に突き落とします。これは数年前からアメリカではNTの重大な欠点としてたびたび指摘されてきました。日本でどれくらい指摘されてきたのかよくわかりませんが、「LAN TIMES」「日経バイト」か「日経コンピュータ」あたりであったはずですが、初心者向けの雑誌には、こういう指摘はありそうもないですね。NTの専門誌には、いまだにNTのドメインで管理しようという記事があって、彼我の差にあきれるくらいです。

 このようにNTは、ネットワーク規模が大きくなると管理ができない、管理負担が大きくとても運用できないといわれてます。対照的にNetWareは、NDSのおかげで管理が非常に楽だとだれもがいいます。NT Serverを管理するために、別にNetWareを1台導入するという話もあるくらいです。そんなNDSをNTからも使えるようにしたのが、NDS for NTです(現バージョンはNetWareが1台必要ですが、将来はNTだけでもNDSを使えるようになる予定です)。

 これはMSにとって脅威です。NTは5.0でActiveディレクトリというディレクトリ技術を搭載することになっていますが、5.0の出荷がざっと1年先、バグがとれて安定してくるにはさらに1年以上、いままでのMSの実績からすると3年以上経たないと使い物にならないでしょう。早目で考えても、2000年以降にならないとだめだと思われます。その間、NovellのNDSが標準になってしまったら、困ります。それで、口先介入で顧客にNDS for NTを買わせないようにするという手段をとったわけです。しかも例によってというか、嘘で固めた中傷文書によって詐欺的営業をやっています。これがMSに対してよくいわれる、ユーザを脅しにかけた、汚い商売のやり方の実例です。

 Novellは「MicrosoftはサポートしなくてもNovellはします」といって、ただちに反論しています。Novellの主張については、http://www.novell.com/lead_stories/98/jan16/bridge.htmlを読んでください。いかにMSが嘘を並べ立て、NovellやNetWareを誹謗中傷し、結果としてNTやありもしないActiveディレクトリを持ち上げているかがよくわかります。でも、Novellの主張をそのまま信じるなんて、それはお前がアンチMSだからじゃないかという声があるかもしれません(付言しておけば、ぼくはアンチMSじゃなくて、アンチ独裁、アンチ独占です。たまたま現在は、MSが独裁的独占企業だからその行動を監視しているだけです)。しかし、技術屋の目からみれば、このNovellの主張は全部正しいのです。NetWareの長い実績と確固たる根拠に基づいて、MSの嘘を理性的に理路整然と論破しきっています。

 と思っていたら、InfoWorldに続報が出ました。MSが嘘で固めていたことを自ら認めたという話です。詳しくは、(http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?980121.wnmsnds.htmをお読みください。ね、予断と偏見でぼくがNovellの主張が正しくMSの主張は嘘だといってるわけじゃないことがおわかりでしょう。

 ところで、ここまでMSが出した文書がどこにあるか、示してなかったことにお気づきですか? これには理由があるんです。いま読める文書は、http://www.microsoft.com/ntserver/comparisons/ndsfornt2.aspにあります。しかしこれは、嘘で固めて、NDS for NTをサポートしないといったことがNovellに完膚なきまでに反論され、InfoWorldが報道して問題になって、あわてて訂正したあとの文書です。以前の文書は、http://www.microsoft.com/ntserver/comparisons/ndsfornt.aspにあったのに消されてしまって、訂正文書を見せるようになっています。つまり証拠隠滅ですね。訂正前の文書は、NDS for NTを使うNTユーザにはサポートはしない、もしNDS for NTを使うと、セキュリティやらアップグレードでこんなに不利益を被るぞと脅しまくる文書でした。MSは、どうして(訂正前のような)そんな文書が公開されてしまったのか、それは長い話になってしまうなど、信じられないってなことをいってますが、それこそ、信じられないほど下手な言い訳であって、笑っちゃいますね。話は簡単で、嘘を吹きまくり、ライバルを脅しで潰す、MSのヤクザ体質がモロに出ただけのことです。

 しかし、その脅しはNovellによって嘘であることが指摘され、あわてて修正を施したわけです。Novellは、修正してもなお、これはユーザをミスリードする悪質な書き方指摘がしてあるといってます。たとえば、MSはNDS for NTを使うとNTのセキュリティが弱くなるといってますが、Novellは元々NTのセキュリティは弱いし、NDS for NTを使うことでNDSの強力なセキュリティ機能が使えるのでNTのセキュリティは強化されるのだといってます。ぼくは、これ、Novellのほうが正しいと思います。

 MSがNTが高度なセキュリティ機能をもっているといって宣伝するとき、米国防省のC2クラスのセキュリティ基準をクリアしているといってることを見聞きしたことがあると思います。なんだか、国防省の基準をクリアしているんだから、すごいなあと思うかもしれませんが、これ、詐欺的なんです。というのは、NTがC2クラスのセキュリティをクリアするのは、なんと「ネットワークにつながっていないとき」なんです。これは、NT 3.5の評価レポート(http://www.radium.ncsc.mil/tpep/epl/entries/CSC-EPL-95-003.html)に、「Because the evaluated configuration does not include a network environment, both products are considered stand-alone workstations.」と書いてあります。すなわち、ネットワークにつながっているNTは、NT WorkstationでもNT Serverでもセキュリティ基準をクリアできてないんです。いまどき、ネットワークにつながずスタンドアロンで使うNTなんて意味があるんでしょうか。それで基準をクリアできないNT。それなのにあたかも強固なセキュリティをもっているかのように宣伝するMS。なかなかのからくりでしょ。

 で、Novellによれば、現在、ネットワークにつながっていても、C2クラスのセキュリティ基準をクリアしているOSは、NetWareだけです。つまり、NTより、NetWareのほうがセキュリティははるかにしっかりしているわけです。ということで、NDS for NTを使ったほうがNTのセキュリティは強化されるというNovellの主張のほうが、ずっと説得力があります。

 みなさんも、MSのこういう汚い手口にだまされないようにしてください。いつでも、こういう手を使って人をだまそうとする会社がMicrosoftです。それで伸びてきた会社なんですから。

 日本でもたとえば、ソフトバンクのドル箱誌『DOS/Vマガジン』1995年8月15日号に、マイクロソフト(MS日本法人)の子飼いライター田中亘が、マイクロソフトの営業資料を元に、NetWareについて大嘘を書きまくり、NTをほめまくるという露骨な特集記事を書いて、ノベルが厳重抗議した事件がありました(ノベルの抗議文は、http://www.novell.co.jp/info/pressrel/950817.htmにあったんですけど、もうなくなってますね。残念)。「DOS/Vマガジン」と田中亘のお粗末さは、いまでも語り草です。だから、今回もいかにもMicrosoftらしいやり口だと、過去を知っている人は思ったことでしょう。そんな田中亘が、インプレスの「できる」シリーズで大金持になっちゃうんだから、いいのか、悪いのか。個人的には、田中さん、お金稼げて家も建てたそうでよかったねと思います。ライターとして評判最低で、あのままじゃ、食い扶持ないと思ってたから。

 横田さんから、ノベルの抗議文について、メールを頂戴しました。

電脳騒乱節のころから貴兄のファンでした。
# Vol.5 が読みたいです。
Show's Hot Corner も楽しみにしてます。

さて
「マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例」の
「NovellのNDS for NTを嘘でこき下ろす(1998/01/25記録)」の件ですが
田中亘の NT の大嘘に対する
Novell の抗議は以下の URL で読めます。 

http://www.novell.co.jp/pressrel/950817.htm

以前「星降る夜のパソコン情話」のあとがきで
紹介があって、この抗議を読みたかったのですが
ご紹介の URL では
file not found
が出るばかりでした。
思い直して適当に URL をでっちあげて打ち込んだら
# 数文字省いただけですが
あっけなく読めました。
でも http://www.novell.co.jp からたどっていく
方法はないんですよね。

それでは

 ということで、横田さん、ありがとうございました。

補足(1998/02/15)

 横田さんからはその後、「田中亘のNTの大嘘に対する」は、「田中亘のNetWareに関する大嘘に対する」の書き間違いでしたというメールを頂戴しましたので、お知らせしておきます。このくらいは読者はわかるので心配するほどのことでもないですよ。>横田さん

 InfoWorld以外にも、ComputerWorldもこの件を記事にしていました。すごく長いURLですが、http://www2.computerworld.com/home/online9697.nsf/
$defaultview/9A525DCF0A7C9E6D85256593007AC288
をみてください。

補足(1998/02/17)

 「スーパーアスキー」1998年3月号で、Pual E. Hoffmanが「eyes overseas」という連載で、「Microsoftはいずれ傲慢さのツケを払う」というタイトルで、NDSでMSが嘘八百を並べて顧客を脅迫したこの件について、書いています。

補足(1998/04/11)

 倉嶌さんという方からメール。このメール、非常に勉強になりました。きっかけをくださった倉嶌さん、ありがとうございます。

> http://www.microsoft.com/japan/products/ntserver/security/fc2e3.htm
> 
> 》Novellは、NetWareがC2クラスのセキュリティを備えている唯一の
> 》ネットワークオペレーティング システムである、と幾度となく主
> 》張をしてきましたが、これは真実ではありません。実際にはこれ
> 》までC2またはFC2/E3と評価された製品はありません。
> 
> なんて書いてまして、私はこっちを信じていました(こっちを先に
> 見たので)。
> これ見るとNTはネットワークもC2レベルのように受けとれるの
> ですが、これも嘘あるいは誤解をまねくように記述されたものなん
> でしょうか?

 このページ(以下、MSのページ)を読んでみましたが、「これも嘘あるいは誤解をまねくように記述されたもの」といえます。

 まず、「ヨーロッパにおいて、米国のNational Security Agencyが実施するC2"Red Book" (ネットワーク) 評価に該当するものです」とありますが、これがトリックなんです。あくまで、ヨーロッパにおける評価であって、たとえそれがC2クラスに相当するにせよ、アメリカのNSAが実施した評価の結果を直接述べたものではありません。これをもってC2クラスの基準をクリアしているとは当然いえません。MSが、「NTがC2クラスの基準をクリアしている」というときには、「ネットワークにつながっていないスタンドアローン環境でのみ」というのも忘れないでください。

 たとえるなら、銀座においしいフランス料理のレストランがある。そこは、本場フランスでいえば、3つ星に相当する評価を、日本のフランス料理専門家で構成する大日本平成フランス料理委員会とかなんとかいう組織から得ている(笑)。だから、このレストランは、フランスの3つ星レストランなのだ。こういう論法です。でもそれは、決して、フランスのミシュランの3つ星じゃありません。あくまで相当するだけであって、勝手に結び付けてイメージ操作を行なっているわけですから。

 それからこの文書は、古いです。最後にある「1997年5月現在」ということから判断すると、1997年5月ごろのものだと思います。古くないとすれば、意図的に嘘を書いていることになるでしょう。

> 》Novellは、NetWareがC2クラスのセキュリティを備えている唯一の
> 》ネットワークオペレーティング システムである、と幾度となく主
> 》張をしてきましたが、これは真実ではありません。実際にはこれ
> 》までC2またはFC2/E3と評価された製品はありません。

といってますが、MSのページにあったクラス別評価リスト(http://www.radium.ncsc.mil/tpep/epl/epl-by-class.html)をみると、現在、C2クラスの認定を通っているのは、NetWare 4 Network System Architecture & Design、NetWare 4.11、それにNT 3.5ですね。だから、C2と評価された製品はあるわけです。リストからたどると、NetWare 4 Network System Architecture & DesignとNetWare 4.11が認定されたのは、1997/10/07です。つまり、現時点でNetWareはC2の認定を受けています。1997年5月に書かれた文書だとすると、執筆時点では正しい文書ですが、現時点では、この文書の意図する内容、つまり、NetWareはC2クラスの認定を通ってないという宣伝は嘘になってますね。

 NT 3.5もC2の認定を受けていますが、しかし、ここに重大なトリックがあるのは、すでに1998/01/25にこの話題を書いたときに指摘した通りです。それはすなわち、NT 3.5がC2クラスの基準をクリアし、認定を通ったのは、「ネットワークにつながっていないスタンドアローンの状態でのみ」ということです。上の本文にも加筆しましたが、クラス別評価リストからたどれるNT 3.5の評価レポート(http://www.radium.ncsc.mil/tpep/epl/entries/CSC-EPL-95-003.html)には、「Because the evaluated configuration does not include a network environment, both products are considered stand-alone workstations.」と書いてあります。ここでいう、「both producsts」とは、バージョン3.5のNT ServerとNT Workstationです。

 Novellの主張、「ネットワークにつながった環境でC2クラスの基準をクリアしたのは、NetWareだけ。NTはクリアできてない。それをC2クラスの基準をネットワーク環境下でクリアしているかのようにいうのは詐欺的」という根拠はここにあります。付け加えておくと、クラス別評価リストからたどれるNetWare 4.11の評価レポート(http://www.radium.ncsc.mil/tpep/epl/entries/CSC-EPL-97-002.html)には、まだ詳細が載っていないので、NetWareがネットワーク環境下で評価されたかどうかは明らかではありません。しかし、Novell(日本はノベル)は、MSほどひどい詐欺的な嘘をつく会社ではありませんから、ぼくはNovellの主張のほうが正しいと判断しています。

 ところで、このリストはとても面白いですね。NT 4.0は、C2にも認定されてないんですね。認定されているのは、まだNT 3.5でNT 3.51でもないんですね。ま、どっちにしろ古すぎるし、しかも「ネットワークにつながってないときのみ安全」なんですから、NTが、このネットワーク時代のOSとして、セキュリティ基準にマッチしているとは、とても言えないと思うんですけどね。MSとしては、早くNT 4.0が認定を通ってほしいと思っていることでしょう。

 NT 3.5は「Operating Systems」なのに、NetWareは「Network Components」に分類されるんですね。この辺、よーわーらん状態です。
 これを悪用すると、「NT 3.5は、C2クラスの認定を受けている唯一のオペレーティングシステムです。NetWare 4.11はC2クラスのオペレーティングシステムではありません」といっても嘘にはなりませんね(笑)。逆に、Novellは「NetWareはC2クラスの認定を受けている唯一のネットワークコンポーネントです。NT 3.5はC2クラスの認定を受けているネットワークコンポーネントではありません」といっても嘘にはなりませんね。どちらも、「ネットワークオペレーティングシステム」と表現するとアウトかも(笑)。あくまで、オペレーティングシステムかネットワークコンポーネントのどちらかでの認定であって、ネットワークオペレーティングシステムという分類自体が存在しないのですから(爆笑)。
 しかしNovellは、「NetWareは、C2クラスのセキュリティを備える唯一の『ネットワークオペレーティングシステム』です」だといってますね。たしかに、NetWareがネットワーク環境下で評価されてC2クラスと認定されたのなら、「ネットワークオペレーティングシステム」といっても、セーフかも。一方、NTは「ネットワークオペレーティングシステム」と表現するとアウトでしょうね。むしろ、「NT 3.5は、C2クラスのセキュリティを備える唯一の『スタンドアローンオペレーティングシステム』です。NT 4.0は、まだC2クラスの基準をクリアしていません」と「スタンドアローン」であることと、NT 4.0は認定を取れてないを強調しないと、不当広告でまずいかもね。

 なんか、役人や弁護士の重箱つつき作戦みたいになっちゃいましたね。でも、企業の流すプレスリリース、宣伝などでは、実際にこういう細かなレトリックを使って、巧みにイメージ操作をしたり、責任回避をしたりしているんですよね。よく、覚えておいてください。

 リストの話に戻ると、C2には、IBMのAS/400やDECのOpenVMSが入っているのが、なんか知らんがうれしかったりしてね。さらにセキュリティレベルが上のBのレベルになると、「Trusted なんとか」という名称の製品が増えますね。きっとスペシャルバージョンなんでしょうね。Trusted IRIX、HP-UX BLS、Trusted XENIX。そんなのがあるの、知らなかった。勉強になりました。

 それから、「Applications」のデータベースソフトでは、Trusted Oracle、INFORMIX-Online/Secure、SybaseのSecure SQL Serverの名前はあるのに、MSのSQL Serverがないですね(Secure SQL ServerはMSではなくSybaseの製品)。やっぱ、セキュリティが弱いMSのソフトだけに、セキュリティが重視される環境では、データベースも信用できないということでしょうか。それとも、NT 4.0がC2クラスにすら認定されてないので、その上で動くMS SQL Serverもダメということなんでしょうか。ともかく、このクラス別評価リストに載っているMS製品は、1998/04/11現在、NT 3.5ただひとつというところが、なんともさびしいし、セキュリティにも不安を感じさせますね。

補足(1998/11/10)

 NT 4.0 + SP4(SP3じゃなくてSP4)が、1998/10/02にようやくC2クラスのセキュリティ基準をクリアしています。今回はいままで違ってネットワークにつながった状態です。先月にASAHIネットのjouwa/salonで中川さんが教えてくれたのですが、書き忘れていました。すみません。

 なぜかまだ、Evaluated Products List Indexed by Ratingには出てないので、http://www.radium.ncsc.mil/tpep/epl/bulletin/bulletin-by-vendor.htmlからたどれる、http://www.radium.ncsc.mil/tpep/epl/bulletin/entries/NCSC-PB-98-003.htmlをどうぞ。

補足(1999/01/17)

 NT 4.0 + SP4がC2クラスのセキュリティ基準をクリアしていますと上で書きましたが、やっぱ、まだ認定されてないと思います。
 というのは、上で「なぜかまだ、Evaluated Products List Indexed by Ratingには出てないので」と書きましたが(現在もまだ出ていません)、出てない理由は、最終評価が終わってないのが原因だと思うからです。それは、Library of Final Evaluation Reportsにも最終報告が、現在もまだ出てないこともそうですし、そもそもhttp://www.radium.ncsc.mil/tpep/epl/bulletin/entries/NCSC-PB-98-003.htmlは、Product Bulletinで途中の状態です。だから、「SECURITY EVALUATION STATUS」には、「A Product Bulletin does not assign any rating to a product. It establishes the candidate class which is the highest class the system could attain should the formal evaluation be completed. As with all evaluations, a system must complete the formal evaluation phase before being assigned any rating.」となってます。たしかに、この文書の最初は、「CANDIDATE CLASS: C2」となっていて、最高レベルでこのクラスまで認定されるかもしれないというあくまでも候補でしかないわけです。

 ということで、NT 4.0 + SP4はC2クラスの認定を通っていませんと訂正します。結局、NTはNT 3.51でネットワークにつながってないスタンドアローンじゃないとC2のセキュリティがないという以前の状態のままです。

補足(2000/04/12)

 清水さんという方から、数ヵ月前に

先ほど、ふと「マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例」のページを覗いて
いたのですが、そこに補足の不足がありましたので、メールを差し上げます。
その中の「NovellのNDS for NTを嘘でこき下ろす(1998/01/25記録) 」の記事で、
補足の最後に「NT4.0は未だにC2クラスの認定を通っていない」と記載がありま
すが、事実と異なっています。
99年の11月時点で、NT4.0+SP6aの組み合わせでC2クラスの認定を取得してい
ます。(やっぱりスタンドアローンのみなのはお笑いですが)
中村さんのページが単なる誹謗中傷サイトに陥らないためにも、更新をいただく
のが吉ではないかと考えます。

というメールを頂戴していました。忘れていて申し訳ございません。実は、この話、jouwa/salonでも1999/12/08に

標題: NT4、やっとC2
---
 NT4に関して、MSはとっくにC2レベルのセキュリティを認定されたかのよう
に嘘をついてきたことが、これまでもたびたび専門家から指摘されていました
が、ようやく認定を通ったようです。詳しくは、
http://www.zdnet.co.jp/news/9912/07/ntc.html
Microsoft,ようやくNT 4.0で「C2」を獲得
をどうぞ。
 以前、MSのコンサルタントをしていて、NTのセキュリティ問題を指摘してい
たCurryという人は、突然死んでいるんですね。

として出ていました。これに対するフォローが中野(米木)さんからあって、中野さんは、日経BP BizItのセキュリティサイトの記事は、自分とこで掲載した記事「Microsoftが米政府セキュリティ評価基準を取得,NT4.0は「C2」を達成」について、「重要じゃないからね」って書いてるのが率直でいいというご意見でした。

 で、私、ここを更新しようと思ったとき、そのセキュリティサイトの記事を読んで、リンクしようと思って探したら、なくなっていたんです。それで、BizItにメールを送りました。すると、BizIt編集部の齋藤淳さんから、記事をもう一度書いて?なんとか復活させますという返事を頂戴しました。そして記事は復活しています。齋藤さんからは、いくつかリンクを張った程度の大した記事じゃないからお役に立てないかもというコメントがありましたが、こうやってちゃんと役に立ってます。齋藤さん、ありがとうございました。。

 これで準備が揃ったはずなんですが、今度は、こっちがあれこれ忙しさにかまけて忘れていたと(苦笑)。結局、本日、清水さんから再び指摘されるまでほったらかしになっていたわけです。

 BizItのセキュリティサイトの記事は、 http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/sec/history/index.html です。これの1999/12/07が当該記事です。


Scalability Dayの嘘(1997/11/17記録)

 ファイルを分けたので、Scalability Dayの嘘(1997/11/17記録)を参照してください。


ブリヂストンをダシにした詐欺的営業(1997/08/08記録)

 ファイルを分けたので、ブリヂストンをダシにした詐欺的営業(1997/08/08記録)を参照してください。


オラクルに対する詐欺的営業(1997/08/08記録)

 ファイルを分けたので、オラクルに対する詐欺的営業(1997/08/08記録)を参照してください。


MSNの料金請求について(1997/07/13)

 ファイルを分けたので、MSNの料金請求について(1997/07/13)を参照してください。


MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発その2(1997/07/08)

 ファイルを分けたので、MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発その2(1997/07/08)を参照してください。


MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発(1997/06/05)

 ファイルを分けたので、MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発(1997/06/05)を参照してください。


ドメインを使うなとMSが抗議(1997/06/05記録)

 ファイルを分けたので、ドメインを使うなとMSが抗議(1997/06/05記録)を参照してください。


「マイクロソフトの冷感商法」(1997/02/16記録)

 ファイルを分けたので、「マイクロソフトの冷感商法」(1997/02/16記録)を参照してください。


野村BPRをダシにした詐欺的営業(1997/02/09記録)

 ファイルを分けたので、野村BPRをダシにした詐欺的営業(1997/02/09記録)を参照してください。


質問1個2万円に値しない質の低いサポート(1997/02/09記録)

 ファイルを分けたので、質問1個2万円に値しない質の低いサポート(1997/02/09記録)を参照してください。


一太郎7に対するネガティブキャンペーン(1996/09/21記録)

 ファイルを分けたので、一太郎7に対するネガティブキャンペーン(1996/09/21記録)を参照してください。


NT4.0のライセンスと不正競争問題その2(1996/09/12記録)

 ファイルを分けたので、NT4.0のライセンスと不正競争問題その2(1996/09/12記録)を参照してください。


IE3.0の不正競争問題(1996/08/27記録)

 ファイルを分けたので、IE3.0の不正競争問題(1996/08/27記録)を参照してください。


NT4.0のライセンスと不正競争問題(1996/08/27記録)

 ファイルを分けたので、NT4.0のライセンスと不正競争問題(1996/08/27記録)を参照してください。


ウィリアム・ザックマン事件(1996/07/23記録)

 ファイルを分けたので、ウィリアム・ザックマン事件(1996/07/23記録)を参照してください。


IISのベンチマーク問題(1996/07/23記録)

 ファイルを分けたので、IISのベンチマーク問題(1996/07/23記録)を参照してください。


美味しんぼ圧力事件(1996/06/21記録)

 ファイルを分けたので、美味しんぼ圧力事件(1996/06/21記録)を参照してください。


NIFTY-ServeのFMS(1996/06/15記録)

 ファイルを分けたので、NIFTY-ServeのFMS(1996/06/15記録)を参照してください。


NIFTY-ServeのSMS(1996/06/15記録)

 ファイルを分けたので、NIFTY-ServeのSMS(1996/06/15記録)を参照してください。


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