上の山北尾根から大野山へ    

冬枯れ
北の展望岩から (中央奥が多紀連山、右に弥十郎ヶ岳)
■目的地:大野山の西・上の山(706m) <山域:北摂・猪名川町>
■2.5万図:福住・木津
■日にち:2001年4月01日(日)
■天気:晴れのち曇り
■同行者:単独
■コースタイム:

  渓谷の森公園 発(9:50)〜清陰寺分岐(10:15)〜551m山〜北の展望岩(11:00-11:15)〜
  上の山(706m山)〜南の展望岩(11:20-11:35)〜林道〜山頂(12:05-13:20)〜南東尾根〜
  約725mピーク(13:40)〜約605m鞍部(14:00)〜西畑の神社(14:35)〜杉生下バス停 着(14:45)

       杉生下バス停(14:48)=阪急バス=猪村バス停(15:10) \320

【雑木林へ】 いい天気。杉生から望む大野山は快晴の青に冬枯れが美しい。
昨日は年度末の吹雪だった。春の便りと引き替えに冬枯れの雑木林がそろそろ終わり。
まだまだ歩きたい雑木林がたくさんある。花も気になるがこの春最後になるかも
しれないので冬枯れをめぐる大野山縦走を試みた。
 大野山へは今年二度登ったが、その時ばかりでなく県道を通る度に見上げては
いい雑木林やなぁ、と四季折々の彩りに感じ入る。山頂まで車で登れるものの、雑木林が
たくさん残っている山でもある。
   冬枯れ  
県道から見た南東尾根
【計画】 今日のルートは篠山市後川側の渓谷の森公園からスタート。大野山西の706m山
から北へ派生する尾根に取り付き、山頂を経て南東主尾根にそって歩き杉生に至る。
ただし、このルートにはまったけ山の区域もあるようなので秋には入らないこと。
 杉生からバスで後川の渓谷の森公園へ戻る。杉生で事前にバスの時刻を確認すると
10時から16時では2時間に一本。杉生14時47分発を目標にする。

【取り付き】 渓谷の森公園の駐車場に停車して駐車料を払いに事務所へ行く。\500。
雪が残っているかもねと教えられたが、実は昨日の吹雪に身を置いていたのである。
 身支度をしてわんぱくの森という丘の道を登ってみる。沢へ下りコテージの上流になる
谷を登って直ぐに登山口道標に着いた。杉林のなかに山道がある。今日はこの林の途中で
清陰寺という指示に従い、となりの尾根に取り付く予定。
 沢を渡って植林を少し登るとさらに西隣の小尾根へ巻く道。小尾根に上ると展望台の
標識。それほど見晴らしは良くない。この小尾根を上る踏み跡がない様なので雑木の谷を
巻く道に沿って次の尾根へ。ここは清陰寺が右へ下るようだが、左の上りに明瞭な山道が
ある。標識には×の印が付いている。
   冬枯れ  
北尾根鞍部の雑木林
【北尾根】 急登の末、コブ。鞍部へ下りると左に道あるもまっすぐ登る。黄色のプラ杭が
時々埋めてある。10:30、尾根を登って15分で共同アンテナ2基立つコブ。また少し下りて
上り返すと左は雑木の斜面。三度目のコブを下りた鞍部の雑木林が美しい。また登ると杉林。
道幅が少し広くなる。再び雑木が広がってきた。床は雪が一面。大岩が現れる。さらに登ると
覆い被さる様な大岩。横を巻く。苔がきれい。低木に掴まり登る。この辺りの雑木林は深山
北尾根と同じ雰囲気で素晴らしい。そろそろササが出てきてピークかという時にまた大岩。
   冬枯れ  
南の展望岩から (中央が昼ヶ岳、右に大船山)
【上の山】 この大岩は上の山ピーク706mの北に数mの所。北の展望良し。見慣れた大野山山
頂とは違った角度である。後川の里の向こうに弥十郎や多紀連山。膝ほどのササが疎らな
上の山ピークへ登って見ると南側にも大岩。立ち木に掴まって登ると、これまた南の好展望。
しばし休憩しておにぎり。春の日差しが柔らか。
 岩を下りて尾根を行くとだんだんササが激しくなってとても歩き難い。踏み跡も獣道もない
ほど繁っている。雪でつぶされた後を伝って何とか切り抜け循環林道に出る。

【山頂交信】 いつの間にか天気は曇ってきた。山頂は10人ほど。ベンチが空いていたので
腰をおろしてラーメンを作る。その間、無線機で低徘メンバーを何度か呼ぶが繋がらず。
そろそろ下りようかなという時、年初のおろち山オフでご一緒したOAPさんが雪彦山から、
MXFさんが高砂日笠山から繋がる。さらに山ランメンバーの方とも篠山王地山から交信。
   冬枯れ  
広い尾根の道
【南東尾根】 戻りのバスの時間が迫ってきた。この先、まだ読図が必要なのに時間がない。
無線施設の横をいくつも過ぎる。西軽井沢から登ってきた道を左に見送って広い尾根を下り
ていく。雪が残っているが道は明瞭。おまけに、けばけばしいピンクの紐が頻繁に目に入る。
周りは緩やかな広い雑木林。一抱えほどの岩のある二つ目のピークで紐は北に下りていく。
ここから南の方角を目指して雑木林の中を下りて行く。二つの尾根に挟まれた標高700mから
下の広い谷は大きな岩あり、広々とした明るい雑木林ありで、なかなか良いところだった。
 この谷を南へトラバース気味に下りていくが踏み跡不明瞭。しかし、下りていけば約605m
鞍部で山道に出会った。鞍部に着くとパタパタと大きな羽音でキジのような鳥が飛んでいった。

【時間気になる】 この鞍部も明るくていい。ここから南のコブへ登る道は二つに分かれ右は
南西へ下りていくようだ。惹かれていく気を取り直して南東の主尾根筋をキープ。山道が続い
ている。歩きやすい。大小大と620mの等高線で囲まれたコブ三つを繋いでいくが、570mの南へ
延びた支尾根に引き寄せられてしまった。林越しに左に尾根があるなと気づいたが、バスの
時刻が30分後と迫っており、そのまま下りることにした。
   冬枯れ  
杉生から下りた尾根を見る (左上が山頂アンテナ、中央鉄塔辺りに出た)
【激下り】 雑木林の中を転げるように走って下りる。1、2度尻セード。タムシバやアオモ
ジの花も楽しむゆとりがない。急な斜面が続く。やがて松の混じった薄暗い道から腰を超える
猛烈なササヤブが50m程続く。足元には道がきっちりとある。いつもは構えてしまうが、そんな
ことを考える暇はない。漕いで漕いでササを出ると背後に鉄塔、西畑の神社の裏であった。
 舗装道に出て畑の手入れをされているおじさんに杉生へ行く道を聞くと丁寧に教えてくれた。
あと10分。小走りに県道へと抜ける。杉生下バス停、定刻3分前。バスは少し遅れて到着。
猪村バス停で降りるときには最後の乗客だった。日差しの戻った渓谷の森公園でせわしなかっ
た時間を取り返すようにゆっくりと靴を履き替える。
 後日談として、この2時間ほどあとに同じ南東尾根を妻恋地蔵さんが歩かれている。
バスを二時間あとの方へと割り切れば、一緒に歩けたかも知れず、惜しいことだった。

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2001.4.9. BY M.KANE