北摂・明ヶ田尾山の雑木林を彷徨う            

 
下止々呂美から望む明ヶ田尾山 (中央奥)
■目的地:鉢伏山(604m)・明ヶ田尾山(619.9m) <山域:北摂・箕面市・豊能町>
■2.5万図:広根
■日にち:2003年12月14日(日)
■天気:晴れ時々曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  下止々呂美 発 [約150m](10:55)〜青龍寺〜395P東・鉄板の橋分岐その1(11:30)〜
  鉄板の橋分岐その2 [約405m](11:45)〜鉢伏山(12:25-12:40)〜梅ヶ谷源頭部(13:10)〜
  明ヶ田尾山(13:40-13:50)〜北尾根〜R423 着(14:30) =自転車=下止々呂美

【里】 久しぶりの青空。山歩きたいの虫が出てくる。前夜から決めていた明ヶ田尾山へ
止々呂美から登ることにする。が、出遅れた。丹波方面が良かったかなと躊躇しながらも、
R423に入って北上すると黄葉の残りに誘われる。
 採石場や第二名神工事など荒れた風景に気が進まない道だが、止々呂美に入ると
旧道沿いの里は静かな雰囲気がまだ残っているのでホッとする。下止々呂美からは
鉄塔立つ鉢伏山や冬枯れの雑木をまとう明ヶ田尾山が聳える。麓の山はまだ黄葉を
まとって青空に映える。

【植林】 明ヶ田尾山からは地図に道のない北尾根を下りる予定。目標地に自転車をデポして
下止々呂美に戻る。広い路肩に車を停めて出発。ととろみ荘の前で余野川を渡り集落へ。
青龍寺の前を通る実線の谷道を登る。約2m幅の舗装道を道なりに行くと水道水源地があり
その次の橋を渡ればごろごろの地道。やがて北に大きく曲がる。植林の中のざれた道が続く。
鉢伏山からの谷を右に見てそろそろ分岐かなという頃、鉄板の小橋が細い沢にかかっている。
火の用心の標識がNo.27を右に指す。植林からすぐに明るい雑木林の斜面を巻いて登る。
沢  
登りで唯一のいい雰囲気
【崩壊】 落ち葉の積もる細い道。一部崩壊。沢の横に石垣を組んだ旧道のようだ。
前方で獣の音。しばらく気にして歩くと数頭の鹿が395Pの方へ走っていった。
石がごろごろと荒れてきて植林にかかる頃、また鉄板の橋。ここはかなり荒れている。
地図の破線道は右のざれた斜面だがほとんど崩壊。鹿の通った跡を気をつけて進む。
20mも行かずにまた橋があり、谷沿いに明瞭な道が上っている。炭焼きの跡あり。
右手植林、左は雑木林。だんだん登りがきつくなる。その先の道は晴天の昼前というのに
真っ暗な植林の中へ吸い込まれている。不気味なので道のない明るい雑木林の急斜面を
登ることにする。右の植林の中を上り詰めると山頂横の鉄塔下に出るのだろうが、
こちらは鉢伏山山頂の少し西の尾根上に出る。今日一番の急登を幹に掴まり、休みつつ
登っていくと背後に下界の眺めが現れてきた。

【林 その1】 尾根の上は林床に少しササが生えるが落ち葉の積もった雑木林。
鉢伏山はササで覆われた山という印象だったが、なかなか良い雑木林が残っている。
足場の悪い道が続いたが、登ってきた甲斐があった。斜面を登る間に正午のサイレンが
聞こえた。この尾根で昼食にしてもいいのだが、山頂を確認しておきたい。東へゆるりと
尾根を歩くと背を越えるササ。来たなと思って突入したが1分程で抜けて少し開けた所に
山名板の掛かった木と標石があった。先ほどのササは迂回すればよかったのである。
沢  
鉢伏山山頂
【尾根歩き】 この山頂も先ほどの尾根と同じく良い感じの雑木林なので、ここで昼食。
しばらくすると5名ほどのグループが鉄塔の方から登ってこられた。
食事が済んで、鉄塔には行かずこの林の尾根を北東へ歩いてみることにする。
若干、低木がうるさい所もあるがまあまあの尾根である。やがて正規のハイク道に
合流する。この辺りは意外と良い感じの雑木林が多いなぁと思いつつ、歩きやすい
ハイク道を北へ向かう。

【楽園】 やがて梅ヶ谷へ下りるつづら折れとなるが、下草のない落ち葉で覆われた斜面は
なかなか良しである。谷は植林になり明ヶ田尾山を指す道標がある。
緩やかに登り返すと左手の谷源頭部が広いU字状となっている。ついつい誘われてハイク道を
外してみることにした。谷あいながら広々とした感じで心地よく歩くと鞍部につく。
道があるかなと思えば、意外とない。が、ここから西の谷がまた良い感じ。
さらに誘われて入っていくとコブの周りに天上の楽園のような雑木林。下草がない。
こんないい場所がまだあったんだ。いつまでもこのままで残してもらいたいものです。
沢  
"楽園"の鞍部
【林 その2】 鹿じゃないけど駆け回りたい気分に浸りながら、先を急ぐ。元に戻って植林の
中の道よりも、明るい雑木林のほうが良かろうと、北の斜面を登る。ここもまた急である。
尾根の上に出たところがまた良い感じなので、小休止。緩やかな尾根を登っていくと
再びハイク道に合流。しばらくすると左下にまたまた心地よさげな雑木の谷がある。
またまた誘われて下りてみる。大台の迷岳でU字の広い谷を経験したが、そこに迫るような
素晴らしい雰囲気である。広々とした雑木の谷を源頭の方に歩いていくと右手に
明ヶ田尾山へ向かう道が出てきた。今日はいい歩きが出来たなと大満足。
沢  
明ヶ田尾山手前のU字谷
【下り】 明ヶ田尾山の山頂は6年前の今日も来ているのだが、少し切り開いて豊能町の
山名板もあり以前と趣が違う。北東にも新しく切り開いた道が高山へ下りているようである。
何もない時の山頂が懐かしい。コーヒーで一服しながら、地図とコンパスで下りる方角を確認する。
天台山に向かって下りたらいいが、立ち木でわかりにくい。方角を定めて歩きだす。
しばらくは雑木林だが、前方に植林の谷が見えてきた。どうも東に外しかけているようなので
西の尾根にのる。快適な尾根を下っていくと大きな桜とどんぐり?の木。TVアンテナも立っている。
この辺りから次第に勾配が急になり、いよいよ木に掴まりながらでないと下りられなくなる。
ザレてきて落石も多くなる。植林の中が多少は下りやすそうだが、手入れされておらず
枝が張り出して暗い。植生の境目を下る。やがて植林となり、トチの木の明るい場所を過ぎると
いよいよ真っ暗になってきた。足下には明るい光が見えるので道かなと思ったが、荒れた
畑の上端。そろそろヤブになるかと覚悟したがそれほどでもない。そのまま下りたら民家裏の
畑。鹿除けの電圧柵が張りめぐらされているので、北にトラバースしてみる。丁度いい具合に
柵はなくなるが国道へは高みとなっており、徐々に下りながら場所を探す。何とか目標地に着地。
 下りの最後は難渋したが、見上げると冬枯れの明ヶ田尾山が西日に輝いていた。
沢  
下りる途中で植林斜面を見上げた様子 
 今回の上りと下りのコースは崩壊、急斜面、落石など危険なところがあり、一般にはお勧めできません。


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2003.12.27. BY M.KANE