以下に、テレメイツアキラ の「情報市場」という掲示板のログをたまたま(?)保存していた方から頂いた「偽宮台」書き込みのコピーを転載します。レイアウト等は原文とは異なるものと思われます。
書き込みその1
みなさん、こんにちは 宮台です
さて、私が考える援助交際論ですね
今日は援助交際が生まれた背景を分析したいと思います
根本的な原因は成熟社会がもたらす
「まったりとした日常」 でしょう
戦後以降、勤勉実直を国民的倫理として振りかざし、
日本人は一丸となって日本国の豊かさの確立に
勤めました そうした時代では右翼的思想こそが
日本の国民的代表思想であったわけで「性」に関しても
貞操観念が倫理という名の下に管理されていたわけです
ところが経済の高度成長を通過し、バブル経済に歓喜
しては失望し、そして戦後50年を迎え日本は完全に
成熟社会を迎えました これ以上の豊かさは必ずしも
日本人にとって必要とはなり得ないという時代が到来
したわけです そうした時代では他の時代に比べ、
人々の生きる指針が不透明化し、「向上」のための
オリエンテーションを抱くことについてその必要性に対し
どうしても懐疑的になりがちです
そうなると人々は新しい価値観を求め、旧式の価値観は
陳腐化していきます かつての日本人の誰もが
抱いていた「向上」の精神は希薄し、向上の必要のない
「まったりとした日常」で、通念の倫理観が通用しない
「まったりとした性」を求めるムーブメントが起こるのは
時代的必然性を充分に満たしています
性的倫理が荒廃していく時代ではまず性体験をする
若者の年齢層が少しずつ低齢化します
「新しいコミュニケーション」として1985年に
誕生したテレクラはそうした退廃的世紀末的、性の荒廃
時代にぴったりとマッチしたわけです
「新しいコミュニケーション」とは建前でそれは
誕生以来、1998年までの約13年間売春の温床機関
として機能してきました
大ざっぱに言えばこうした流れ、つまり成熟社会がもたら
す「まったりとした日常」と「性の荒廃化」と
新しい価値観を伴う、世紀末に象徴される形骸的な
コミュニケーションを満たすべく誕生した「テレクラ」
とがシステムとしてシンクロするといった流れが
女子中高生が「援助交際」という名の下で
「体を使ってお金を取る」という新しい局面を
迎えさせたと思います
援助交際の背景については今後も取り上げていきます
宮台でした
書き込みその2
みなさん、こんにちは 宮台です
さて今日は援助交際が昨今にいたって急激に
蔓延し続ける、その根本的原因について論じてみます
大きく分けて原因は2つ それぞれ位相の異なる原因
ではありますが、それは現代社会に援助交際を蔓延化
させた根元的な原因でありますのでぜひ紹介して
おきましょう
1.口コミによる集団作用の効果・・・
大蔵官僚のノーパンしゃぶしゃぶではありませんが、
人間はとかく性的で且つ珍奇な体験を口コミという
ある種の集団に基づく条件作用に従い、被奴隷化する
という性向を誰もが持っています
特に性に敏感な女子中高生の場合、93年に端を発した
ブルセラ(女の子が専門のショップでパンツやブルマーや
セーラー服を売り、相応の報酬を受け取る)に象徴
されるように1人の女の子がブルセラをやり、それを
腹を割って話せる友人に話し、その友人が別の友人に
話し・・・という具合に、それはアッという間に
短時間で多量の金銭を稼げる「お得なHバイト」として
同時代の女の子に急速に浸透していく
当然マスコミの影響力も加担して性に敏感な女子中高生は
ますます好奇心をかき立てられ「やれば自分にでも
できる」という「他の子には負けてられない」的な
優劣感情までもが生じる
そうなればもう蔓延化は確実なものとなる
援助交際はブルセラに象徴される「口コミによる蔓延化」
というシステムをほぼ完全に踏襲しており、当然その
根幹には女子中高生の性に対する敏感さ・他の子との
優劣感情・珍奇さに対する好奇心があるわけで踏襲は
必然性を帯びています
2.重度の規制がもたらす悪のアングラ化・・・
社会に、その円滑的な動きを妨げるような
「社会にとって望ましくない悪のシステム」が誕生し、
それが諸悪の根元となり、人々が旧来の倫理観に対して
以前よりも幾分懐疑的にならざるを得ない時代的状況が
現れると、頭の足りない、それ故に具体的な政策の
取れない「お偉い」はそれを一番手っ取り早い「規制」
という形でねじ伏せようとする
臭いものには蓋をし、ニオイに気づいていながら
気づかないフリをする
それで諸悪の根元がなくなるという幻想がある
そんなのは(つまり、安易に規制すること)所詮、
対症療法にしかならないわけでその芽を絶たない限り
悪はどんどん芽生えていくのだ
それどころか対症療法は悪をアングラ化させ、もっと
傷を悪化させ得る
テレクラを規制したところで女子中高生の援助交際が
減るわけではない 彼女たちは規制になんか負けない
規制されたならば「もっとうまくやろう」とする
最近では、街頭で直接オヤジに声をかける女子中高生も
珍しくなくなってきている 従来ならば信じられない
状況が、「お偉い」による規制の為に発生している
のである そうなると援助交際はますます悪化し、
ますますその芽を絶つことが困難になってきている
(事実上、ほとんど不可能である)
これは「規制」という安易な政策がもたらす、別の意味
での「悪」である
以上挙げた2点が現在の援助交際蔓延化の大きな
根本的原因となっている
以後はそうした原因に対し、今後我々はどうすべきか
について論じる

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