11月16日(日)[碇シンジ]


こんにちは。碇シンジです。



アスカが・・・ 風邪をひいた。

昨日の晩から少し様子が変だったんだけど、今日になって悪化したんだ。

朝、声を掛けても何も言ってこないから、変だなって思ってアスカの部屋に入ったんだ。

いつもだったら、こんなことしたらアスカに何をされるか解らないけど、

今日は妙な予感がしたから・・・



そうしたら、真っ赤な顔をして苦しそうにしているアスカが、そこにいたんだ。

僕はすごく驚いて、アスカに駆け寄った。

そして額に手を当てて熱を見たら・・・  すごい熱だったんだ。



それからの僕は、自分でも意外なほどに冷静だった。

ミサトさんは昨日からいない。

だから、僕が何とかしなくちゃいけないんだ。



いつもだったら出来ないような事まで、今日は出来た。

冷静だったけど、やっぱり必死だったんだよね。



結局一日中、アスカのそばにいたよ。

だって、目を離したらどうにかなっちゃうんじゃないかって・・・  不安だったんだ。



でも、夕方には熱も下がって、随分良くなったみたい。

本当に安心したよ。     よかった・・・・



やっぱりね、アスカは元気じゃないと。

アスカ、明日は学校、行けるかな?





          11月17日(月)[惣流アスカラングレー]


参ったわね、ホントに。

このあたしが風邪で寝込んじゃうなんてね。

シンジにみっともないところを見られちゃったじゃないの。



でもね、昨日の事はホントに感謝してるわ。

シンジって、結構頼りになるのね。

あたしは昨日は頭がボーッとしてたから、殆ど何も考えられなかったんだけど、

ミサトもいなかったし、シンジはひとりであたしの事を看てたのよね。

それもあたふたする事なんかなくって。



正直、見直した・・・ って言うよりも・・・

多分、あたしが今まで、シンジのそういう部分を見てなかったのよね。

やっぱり男の子なんだなって思った。



昨日、シンジが作ってくれたリンゴのすりつぶしは、本当に美味しかった。

食べるものなんか全部駄目だって言う感じだったけど、あれだけは美味しかった。

シンジはあたしが全部食べたのを見て、もうひとつ作ってくれたっけ。

結局それは、待っている間にあたしが寝ちゃったから・・・ 食べられなかったんだけどね。



それに、一日中看ていてくれたみたい。

ずっと、そばにいるのを感じてたから・・・




ありがとう、シンジ。

今日だけは・・・ 素直なあたしで、いたいな。





          11月18日(火)[綾波レイ]


最近、少し違う気がする。

碇くんと、あの人のこと。

ふたりとも、少し今までとは違う気がする。

どこがどうなのかは解らないけれど、違う気がする。



ふたりとも、よく笑う。

楽しそうに、笑っている。

碇くんの笑顔をたくさん見られるのは嬉しいこと。

でも・・・  どこかが・・・ なにかが・・・  痛い。



私も変わったのかしら。

多分、そうなんだろうと思うの。

それって、いいことなの?




・・・・ わからない・・・




でも。

私は、今の私の方が好き。

昔の私よりも、今の私が、好き。

これも・・・ きっと、碇くんのせいね。

碇くんも、今の私の方が好きだって、言ってくれる・・・?





          11月19日(水)[洞木ヒカリ]

こんばんは。   洞木ヒカリです。



ここ数日、アスカが碇くんに対して、妙に素直なのよね。

これはなにかあったわね、と私はピンと来たのよ。

女のカンを侮っちゃいけないわよ?

こういうのって、ほとんど当たるんだから。



お昼休みに、アスカを追求したのよね。

初めはアスカも   『なんにもないわよ!』   ってシラを切ってたんだけど、

最後には真っ赤になりながら白状したのよ。



そう、そんなことがあったの・・・

碇くんが付きっ切りで看病してくれたの、アスカのことを。

だから、素直になりたかったのね。




アスカ・・・ いいわね・・・



碇くんのこと、離しちゃだめよ?

アスカは知らないかもしれないけど、碇くんって結構人気あるんだから。

アスカがいるからみんな敬遠してるけど、ね。

それに、綾波さんだっているんだからね。

私はどっちを応援するって事は出来ないけど・・・



でも、頑張ってね、アスカ!





          11月20日(木)[相田ケンスケ]


おっす。  相田ケンスケです。



やっぱり人って、変わるもんなんだろうな。

最近つくづく思うよ。

特に、シンジ、惣流、そして綾波だ。




シンジもそうだけど、惣流は変わったと思うよ。

前よりも良く笑うようになったしね。

まぁ、相変わらず自意識過剰だし、高飛車なやつだし、すぐに怒るし、

扱いづらいのは確かなんだけど、

でも、前よりもずっといい感じになったな。

あまり無理をしてないのかな?



綾波は・・・  変わったなんてもんじゃない。

あまり綾波のことを知らない人にはそう思えないかもしれないけど、

最近の綾波は、前とは全然違うんだ。

なんてったって、表情が出てきた。

未だに、大きな声を出したり、大笑いしたりすることはないけれど、

でも確かに、笑ったりするんだ。

ずっと前の、そう、シンジが来る前だな、あの頃の綾波からは想像も出来ないよ。



僕はさ、惣流も綾波もカメラ越しに見てるからよくわかるんだ。

カメラは嘘をつかないからね。



このふたりに共通しているのは・・・ やっぱりシンジだな。

何故かって言うのは・・・  なんとなく、わかる、気がする。


うん。





          11月21日(金)[鈴原トウジ]


わしや。   鈴原トウジや。



そやな、やはり、あんときの話をせんといかんやろうな。

いいんちょーを遊園地に誘ったときのことや。



わしは回りくどいことは苦手やさかい、いいんちょーに弁当箱を返すときに

ストレートに言ったんや。

   明日、遊園地でも行かへんか?  いいんちょーが良ければやけど

ってな。

いいんちょーは予想外に喜んでくれたわ。

わしはてっきり断られるかと思うとった。

これもいいんちょーの優しさかいのう。



当日のことはあれこれ書かん。

ただな、思うとった以上に楽しかったわ。

いいんちょーには感謝しとる。



今日な、妹の奴にこのことを話したんや。

まぁ、行きがかり上、そういう話になってもうてな。

そしたら妹の奴は、

   『お兄ちゃん、私、その人に会ってみたいな』

なんてぬかすんや。



う〜ん、困ったのう。

妹の願いは叶えてやりたいところやが・・・

いいんちょーに、また迷惑をかけてしまうやないか・・・





          11月22日(土)[惣流アスカラングレー]


今日は雨だったのよね。

さすがに雨の中に出掛けていく気はしなくって、今日は一日家の中にいたの。

何もない、のんびりした一日だったわね。



ペンペンも、こういう日はずっと寝てるのよね。

あたしも、雑誌を読んだり、テレビを見たり、シンジをからかったりして過ごしたんだ。



あ、そうそう、一つ、大きな出来事があったのよ。



今日は久しぶりに、シンジのチェロを聴いたの。

前にも何回か聴かせてもらったけど、最近はご無沙汰だったもんね。



シンジのチェロってさ、なんかいいのよね。

うまく言えないけど、ね。

それも、前よりも今の方が、ずっと良く感じるんだ。

どうしてかな?



ま、いいことよね。

また明日もリクエストしちゃおうかな・・・





          11月23日(日)[碇シンジ]


こんにちは。  碇シンジです。



今日は、久しぶりにいい天気だったんだ。

だから、無性に外に出たくなったんだよ。



どこに行こうかって考える前に、僕はアスカがどこに行きたいかな?って考えちゃった。

変だよね。  アスカと一緒に、どこかに行くって決めた訳でもないのに。



でも、そう思ってからはやっぱり、アスカが気になったんだ。

僕は思い切って、アスカに声を掛けた。

   天気がいいから公園でも行かない?   って。

そう言えば、前にも一回、こういうことがあったよね。

あのときは、公園でわたあめを買って食べたんだっけ。



アスカは、別にいやそうな感じでもなく、賛成してくれた。

良かった。



今日は街で買い物をした。

服とかを、アスカの見立てで買ったんだ。

アスカってセンスがいいからね。



その帰りに公園に寄って、またわたあめを食べようと思ったんだけど・・・

今日は売ってなかったんだ。

アスカも僕も、がっかりしちゃったよ。




でも、夕焼けが凄く奇麗だったから・・・  いいかな。

アスカもわかってくれるよね、きっと。





          11月24日(月)[綾波レイ]


私の今日の一日。


朝、起きる。

顔を洗って、それから朝御飯の準備。

碇くんに、   『朝はしっかり食べないと駄目だよ』   

って言われたから、それから毎日食べることにした。

今日は昨日作った炊き込み御飯に、お味噌汁と御浸し。

美味しかった・・・ と思う。



そのあと、お洗濯にお部屋の掃除。

奇麗にすることが気持ちがいいことを、私は知った。



そのあと、本を読んだの。

碇くんに貸してもらった本を。

碇くんも最近、本を良く読んでいるんだって。

すこし・・・  嬉しい。



お昼御飯はパンを食べた。

野菜のサンドイッチにして。

お料理って、面白い。



3時頃になって、買い物に出掛けた。

いつも買い物にいくときはドキドキする。

碇くんに逢えるかもしれないから。

今日もそう思って行ったけど、今日は逢えなかった。

凄くがっかりした。



今日の晩御飯はパスタにした。

茹で具合が難しいけれど、上手に作れたときはとても嬉しい。

そういうときは、碇くんにも食べてもらいたい。

でも・・・



今日のパスタは上出来。

とても美味しかった。



夜。

私は早く眠る。

そうすれば、明日が早く来るから。

碇くんに逢える明日が、早く来るから。

早く明日になって欲しい。




おやすみなさい。





          11月25日(火)[相田ケンスケ]


相田ケンスケです。   こんにちは。



僕が朝起きて、まずやること。

それは、今日持っていくカメラを決めることなんだ。


なんだよ、そんな変な顔するなよ。

これって凄く重要なことなんだぜ?

カメラを決めるには、その日一日のテーマを決めないといけないんだからさ。

だからこれには時間を掛けるんだ。



今日は、デジタルカメラじゃなくて、昔の光学式のカメラにした。

それも、モノクロフィルム。

ちょっと前まではなかなかフィルムもなくって、結構苦労してたんだ。

でも、最近カメラを通じて知り合った人から、いいお店を紹介してもらったんだよ。

それからはあまり苦労しなくなった。

そのお店の話もしたいんだけど、長くなっちゃうから又の機会にするよ。



今日は特にテーマは決めなかった。

あえて言えば、モノクロで撮ることがテーマかな。



そうそう、惣流やシンジの写真も撮ったよ。

最近は、前みたいに写真を売ることもあまりしなくなったんだ。

おとなしめなスナップを少し売るだけ。

何でかって?


だってさ、シンジに悪いじゃないか。

自分の彼女の写真を他の男が持っているなんて、気分がいいもんじゃないだろ?

だからさ、やめたんだ。



その分の収入減は痛いけど、でも・・・

ふふふ、ただでは転ばないのが、この相田ケンスケである。





          11月26日(水)[葛城ミサト]


どもども、ミサトです。



なになに?  最近は自分の一日を書くことになってんの?

ふ〜〜〜ん。

あ、それがそもそも日記ってもんよね。

それじゃ、私の一日でもちょろっと書きますか。



朝。

優雅に誰よりも早く起きた私は、シンちゃんとアスカとペンペンのために朝食を作る。

今日のメニューは、ハムステーキにサンドイッチ、小松菜のサラダ、それに自家製の野菜ジュース。

今日もいい出来ね。

まぁ、私はリツコとは違うから、食事の準備なんて余裕よ余裕。

リツコも少しは見習いなさいな。

ますますお嫁に行けなくなるわよ。




あああっ、リツコ!  なにすんのよ!

せっかく書いた私の日記を・・・

なに?  日記は事実を書けって?

これが事実でない証拠でもあんの!?



・・・あ。

ゴメンナサイ、リツコ様。

そのテープの公開だけは勘弁して下さい。

私が悪うございました。

反省しています。





ふぅ。  ・・・さすがはリツコね。

怒らすと怖いから、今日はこの辺にしておこう。

じゃね。





          11月27日(木)[鈴原トウジ]


おっす。  わしや。


実はな、ちょっと困っとるんや。

いや、ほんとに困っとるわけやあらへん。

でもなぁ・・・



明日な、いいんちょーがわしの妹の見舞いに来てくれるんや。

妹の奴がいいんちょーに会うてみたい、言うてな。

いいんちょーに無理を言うて、来てもらうことになったんや。



いいんちょーはいやな顔ひとつせんで、引き受けてくれたわ。

ホンマに有り難いこっちゃ。

いいんちょーってええ奴やのう。



でもなぁ・・・

わしはどうすればいいんや?

どんな顔すればいいんやろ。

そもそも、妹の奴にどうやって紹介すればいいんや?

『うちのクラスのいいんちょーや』

って言うんか?

それもちょっと、なぁ。



うーーん。

嬉しいんやが、悩むのう。





          11月28日(金)[洞木ヒカリ]


こんにちは。   洞木ヒカリです。



今日はすごく緊張することがあったの。

だって、鈴原の妹さんのお見舞いに行ったんだもん。



昨日ね、鈴原からいきなり、

   『いいんちょー、すまんが今度、わしの妹の見舞いに来てくれんか?』

って言われたの。

何でも、妹さんが私に会いたがってるんだって。



私はそれを聞いて、とても嬉しかった。

でも、すごく緊張もしたの。



病室に入るとき、心臓がドキドキして仕方がなかった。


でも、勇気を出して、妹さんに会ったわ。




初めての印象は、とても可愛い子。

鈴原には全然似てないの。

兄妹だなんて思えないもんね。


そして、すごくいい子。

明るくって、元気で、お兄さん思いで。

一緒にいると嬉しくなるような子ね。

鈴原が可愛がるのも、わかるな。



そしてね、別れ際に言われたの。

   『お兄ちゃんをお願いします』

って。

小学2年生の子によ?

あの子にすれば、精一杯の背伸びだったんだろうな。


でも、そのときは私はそんな余裕はなくって、真っ赤になって

   『こちらこそ、よろしくね』

って言うのが精一杯だった。

まったくねぇ。




今度、またお見舞いに行くことを約束したんだ。

ふふふ、なんだか妹が増えたみたいで、楽しいわね・・・





          11月29日(土)[碇シンジ]


こんにちは。   碇シンジです。



今日は朝から雨だったんだ。

それも、横殴りのすごい雨。

雨もこのくらい降るとすっきりするよね。



でも、アスカはやっぱり機嫌が悪いんだ。

たぶん、どこかに出掛けようと思ってたんだと思う。

だって、昨日の晩は服をたくさん並べて、いろいろ楽しそうにしてたから。

   『シンジっ、こっちとこっち、どっちがいいと思う?』

とか、ずいぶん聞かれたもんなぁ。



そりゃぁ頭に来るよね。

せっかく楽しみにしてたのにね。



でもね、天気には逆らえないもんね。

こればっかりはどうしようもないよ。



・・・・だけど・・・

どこに、そして誰と行くつもりだったんだろう・・・





          11月30日(日)[惣流アスカラングレー]


今日は昨日とは大違いで、いいお天気だったのよね。

ほんとは昨日晴れて欲しかったんだけど、一日ずれただけだから勘弁してあげるわ。



そういえばシンジ、あたしが昨日出掛ける予定だったのを知ってたみたいね。

気にしない素振りを装ってたけど、あたしはちゃんと気付いてたんだから。

そうよね、たまにはこうやって焦らせるのも必要よね。

まったく、ホントにばかシンジなんだから。

この意味もわかんないんだろうな、きっと。



昨日のこともあってか、今日はなんだかシンジもそわそわしてた。

そして、

    『アスカ、ちょっと買い物でも行かない?』

なんて言ってきたのよ!?

そのときのシンジの顔は真っ赤になってて、すごく可愛かった。

あたしはこの時とばかりに極上の笑顔を作って、

    『いいわよ』

って言ったの。

そのときのシンジの、驚きと喜びの混じった顔って言ったら・・・



やっぱりシンジには、あたしがいないとダメなのよね〜〜





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