10月16日(木)[相田ケンスケ]


相田ケンスケです。 こんにちは。



ようやく、あの体育祭の熱気も冷めかけてきたってところかな。

こういうイベントがあると、クラスが一つにまとまるからいいよね。

応援合戦なんか、ホントにみんなでひとつになって頑張ってたし。

うん、よかったよ。



僕はその日は、やっぱりカメラをずっと抱えてたんだ。

あっちこっちでみんなの活躍する姿を撮りたかったからね。

その甲斐あって、なかなかいい写真が撮れたんだ。

みんなに随分喜んでもらったよ。



なに? もっといい写真はないのかって?

ふっ、君たち、まだそんな事を言ってるのかい。

僕はもう、そういう下品なことは卒業したんだ。

そんなことで僕に期待しないでくれ。



あ、惣流、なんだよ、勝手に人の鞄を・・・

あっ、それは!!



・・・・・惣流・・・?



あぁ、その写真か・・

よく撮れてるだろ?

三人四脚のゴール直後に、惣流とシンジが抱き合ってるところ。



いてぇ、なんだよ、怒ることないだろ!

ほら、それ、やるからさ。




・・・まったく、惣流も素直じゃないんだから・・・

ホント、僕の周りには何で、こんなに素直じゃない奴ばかりいるんだろう?





          10月17日(金)[葛城ミサト]


こんちはっす。葛城ミサトです。



いや〜、ホントに忙しくって参っちゃうわね。

ここのところ、ろくに家に帰ってないわよ。

やんなっちゃうわね。

徹夜はお肌にも良くないし。

いいことなんか全然無いんだから。

給料は安いしねぇ。

割に合わない仕事よね、これ。



なに? そんなに忙しいんだったら給料が上がっても使い道がないだろって?

・・・甘いわ。   私には可愛いアルピーヌちゃんのローンが残ってるんだから。

それにロータスエランも欲しいしね。



作戦部長だからって、使徒が来たときに指揮を執ってればいいと思ったら大間違いのコンコンチキよ。

はっきり言って、その他の仕事の方がずっと多いんだから。

全く、ろくでもない仕事ばっかなのよね。



でもね、この前の体育の日だけは、無理矢理仕事を休んでシンちゃん達の様子を見に行ったのよ。

ま、これも仕事だしね。



シンちゃんにアスカ、それにレイも、いい顔してたわ。

やっぱりあれが、本来のあの子達の素顔なのよね。

・・・・だって、まだ14歳なんだもんね。

普通だったら、勉強したり、運動したり、恋したり、そういう学校生活を送ってる筈なんだもんね。



ホント、私たちって最低よ。

あんな子供を巻き込んで・・・





          10月18日(土)[碇シンジ]


こんにちは。  碇シンジです。



今日は凄くいい天気だったんだ。

いつもは僕、休みの日だからって自分から外に出ようなんて思わないんだよ。

出掛けるときは決まって、アスカに引っ張られるようにしていくんだ。



でも、今日はちょっと違った。

何故かわからないけど、外に出てみたくなったんだ。

でもさ、やっぱりひとりじゃ淋しいじゃない?

トウジやケンスケに電話をしようかとも思ったんだけど、でも・・・・

そう、アスカが気になったんだよ。



だから、いつもはアスカに言われて出掛けるんだけど、今日は僕の方から声を掛けることにしたんだ。

これ、すごく勇気が必要だった。

だって、   『何であたしがあんたと出掛けなくちゃいけない訳?』

って言われそうな気がしたんだ。



勇気を振り絞って、寝転がってTVを見ているアスカに声を掛けた。

そしたらアスカは、

   『仕方ないわね〜、

    そうね、あたしくらい優しい娘じゃないと、付き合ってくれる娘なんていないもんね〜〜

    ありがたく思うのよ!!』

だってさ。



でもアスカ、言っていることとは違って、その顔は笑ってたな・・・





          10月19日(日)[惣流アスカラングレー]


昨日ね、珍しいことがあったのよ。

ううん、珍しいどころじゃないわね。    初めてのことだもんね。

なにかって?

それはね、シンジの方から   『遊びに行かない?』   って誘ってきたのよ。



あたし、すごくびっくりしちゃった。

だって、そんなこと考えてもいなかったし。

思わずいつもの調子で答えちゃったけど、でも、内心はとても嬉しかった。

でも、とっさに断らなくって良かった。

あたし、そう言っちゃいそうだもんね。



それで、昨日はお昼ごろから出掛けたのよ。

すごくいい天気でね。

やっぱりシンジも、昨日くらいにいい天気だと、家の中にいるのがもったいなくなったのかもね。



公園に行って、ハトにえさをあげて、それから散歩したんだ。

目的もなく、ただ歩くだけだったんだけど、それでも気持ちよかった。




そうそう、公園で、あたしは初めて『わたあめ』って言うのを食べたの。

見たこともない物が売ってたから思わずじっと見ちゃったら、シンジが買ってくれたんだ。

これ、すごく面白いお菓子ね。

ふわってしてるんだけど、口の中に入るとすぅって溶けるのよね。

なかなか奥深いお菓子だわ・・・



夢中になって食べてたら、シンジがあたしの方をじっと見てるのに気付いたの。

すごく優しい顔をして。

あたしは急に恥ずかしくなって、   『なに見てんのよ!』   って怒っちゃった。

そしたらシンジは、   『あ、ゴメン・・・  でも、なんかこういうのもいいなぁと思って・・・』

だって。

あたし、もっと恥ずかしくなっちゃったわよ。



でも、昨日のことは、ずっと忘れないと思う。

いい一日だったな。





          10月20日(月)[綾波レイ]


今日からまた、新しい一週間の始まり。

今日からまた、学校が始まる。

今日からまた、碇くんに逢える。



私は学校とネルフでしか、碇くんに逢えない。

でも、あの人は、いつも一緒にいる。



今日、クラスの人が、碇くんとあの人に話しているのを、偶然聞いたの。

それは、昨日、碇くん達が公園で楽しそうにしてたって言う内容だった。

碇くんも、あの人も、真っ赤な顔をしてた。

でも、嫌そうじゃなかった。



私はそれを聞いて、見て、胸が痛くなったの。

どうしてかわからないけど、胸が痛くなったの。



この気持ち・・・  どうしたらいいの・・・?

碇くん、教えて・・・・





          10月21日(月)[洞木ヒカリ]


こんにちは。  洞木ヒカリです。



実はね、あの体育祭の日からずっと、鈴原にお弁当を作ってるの。

あ、前もちょっと書いたわよね。

でもこれ、結構苦労してるのよ。



・・・お料理のことじゃなくて・・・

そう、学校で、鈴原にどうやって渡すかってこと。



ほら、鈴原って硬派を気取ってるでしょ?

女の子にお弁当を作ってもらうなんて、恥ずかしくて仕方ないらしいのよね。

ホントに喜んでくれてるんだけど、やっぱりみんなの前だとダメみたい。


それに・・・   やっぱり私も恥ずかしいし・・・




だから毎日、休み時間とかにこっそり渡してるの。

今日なんかわざわざ、体育館の裏まで行って渡したのよ?

なにもそこまですることないのに、って思ったけど、でもそこが鈴原の可愛いところかも。



あぁ、明日のおかずはなににしようかな・・・・?





          10月22日(火)[鈴原トウジ]


わしや。  鈴原トウジや。



どういう訳かわからんが、あの体育祭の日以来、いいんちょーがわしに弁当を作ってくれとるんや。

ホンマにありがたいで。

いつも購買のパンばかりやったさかいな。

やっぱりメシは米の弁当が一番や。   な、そう思うやろ。



体育祭の日も、いいんちょーの弁当のおかげでわしはがんばれたしな。

あの日の弁当は、今までわしが食った弁当の中で、一番美味かったわ。

わしんとこには、おかんがおらんからな。

妹にも食わせてやりたかったわ。



それ以来、毎日いいんちょーは弁当を作ってくれとる。

多分、毎日購買のパンばかり食うとるわしを、不憫に想ったんやろうな。

いいんちょーは優しいさかいな。



わしも・・・  いいんちょーに甘えてばかりはおれん。

わしはわしなりに、出来ることをせんとな。

いいんちょーに、お礼もまだしとらんし。



そうやな・・・   どうしたらいいんちょーは喜んでくれるやろ・・・





          10月23日(木)[相田ケンスケ]


こんにちは。  相田ケンスケです。



ふふふ、今日はご機嫌だ。

何故かって?

ほら、これを見てくれよ。  このカメラを!!

ようやく買ったんだ!

昨日届いたんだよ。



そう、そうなんだよ!

良くぞ気付いてくれた!

これさ、今のデジタルのカメラじゃないんだよ。

完全なアナログって言うか、ほら、感光式の、フィルムを使う奴なんだ。



やっぱりさ、フィルムにはフィルムの味って奴があるんだよ。

デジタルのも当然いいけど、やっぱりこっちも捨て難いな。



高かったんじゃないかって?

そう、そのとおり。

結構無理したよ。



なに?   その金はどこから来たのかって?

ふっ・・・   なかなか鋭い質問だが・・・


世の中には、知らない方が幸せってこともあるのさ・・・





          10月24日(金)[葛城ミサト]


こんにちは。   葛城ミサトです。



なに?   今日はおとなしいな、ですって?

そりゃあ私だって、たまにはそう言うときもあるわよ。

お酒も飲む気分にならないときとか、ね。

ま、今日はそんな気分なのよ。



別にさ、なにがあったって訳じゃ、ないのよ。

ただね、ちょっと疲れてるだけ。

ごめんなさいね、こんなこと言って。

ちょっとね、そんな気分なの、今日は。



そうね、こういう日は・・・

シンちゃんじゃないけど、音楽でも聴いて、ボーッとしてるのが一番ね。

なんにもしないで、ただ、ボーーっとしているのが・・・




だいじょうぶよ。

明日になれば、また、元気になるから。

でも、今日だけは・・・

許してね。





          10月25日(土)[惣流アスカラングレー]


こんにちは。  惣流アスカラングレーです。



今日はすごく暑かったのよね。

常夏だからいつも暑いんだけど、今日は特別暑かったの。

温度計を見たら何と、34℃もあったわ。

暑い訳よね。



普通だったらこんなに暑い日は、エアコンの効いた部屋の中にずっといるんだけど、

今日はちょっと違ったの。

あまりに暑いから、かえってなにかしたくなっちゃったのよね。



夏、暑い、と来れば、行きつく先は当然プールよね。

実はね、この前、いい水着を見つけて、思わず買っちゃったんだ。

それを着るチャンスを、ずっと待ってたのよね。



当然、ボケボケシンジを連れていったの。

まぁ、あたしひとりで行ったら男どもが群がって大変だから、虫除けみたいなものよ。



あたしが買ったのは、白地に大きな向日葵がプリントされているワンピース。

カット自体はまぁ、割と大人しめだけど、全体のセンスがいいのよね。

シンジはどんな顔するかなって、ちょっと、ううん、すごくどきどきしてた。



着替えて出てきたら、シンジはもう待ってた。


そして・・・


ふふふ、あたしは見逃さなかったわよ?

シンジの目が一瞬大きくなって、それから赤面したのを。

    これ、似合ってる?

って聞いたら、シンジはますます赤くなって、

   『うん・・・』

って言って、また下を向いちゃった。

これ以上は可哀相だったから、やめておいた。

でも、シンジも気に入ってくれたみたいで、嬉しかったな。



今日はね、それだけでもう、いい気分だったの。

楽しかった。



あ、でもシンジ、明日もまた、泳ぎの特訓をするわよ!





          10月26日(日)[碇シンジ]


こんにちは。  碇シンジです。



昨日今日と、アスカに連れられてプールに行ってるんだ。

すごく暑いから、プールもいいなって思った。

泳がなければ・・・



アスカは新しい水着を買ったんだって。

   『どう?』   なんて聞かれたけど、そんなの、なんて言ったらいいかわかんないよ。

でも、急にどきどきしたのは憶えてる。

確かに、良く似合ってた。




アスカってさ、やっぱりすごく目立つんだよね。

遠巻きに見ている人も、結構たくさんいた。

そして、僕の事もみんな、見るんだ。

僕はそれが恥ずかしくって・・・




アスカにその事を言ったら、

   『別にいいじゃない。  見たい奴には見せておけばいいのよ』

だって。

ホントに、アスカらしいよ。

だけど、僕はやっぱり恥ずかしい・・・



あ、でもアスカ!

泳ぎの特訓だからって、背の立たないプールに突き落とすのだけはやめてよ!





          10月27日(月)[綾波レイ]


綾波レイです。



今日、碇くんが学校に来たときに、私は少し驚いた。

どうしてかと言うと、碇くんの顔が黒くなっていたから。

みんなと話しているのを聞くと、碇くんは土曜日と日曜日、プールに行ってたそう。



誰と行ってたのかは碇くんは言わなかったけど、でも、みんなわかってたみたい。

何故かというと、同じように焼けている人がもうひとり、いたから。


その人は・・・  あの人。



碇くん、あの人と一緒にプールに行ってたのね。

私もずっと前に一回、碇くんと一緒にプールに入った事がある。

あれはネルフのプールだった。

みんなが修学旅行に行っている間のことだった。


でも、碇くんはあのとき、泳いでいなかった。

どうして?

碇くんは泳ぐのが嫌いなの?

でも、あの人と一緒ならいいの?



私も、碇くんと一緒に泳ぎたい。



碇くん、今度・・・・



だめ・・・?





          10月28日(火)[冬月コウゾウ]


なんだね、今日は私の番かね?

私のような年寄りに気を使わなくともいいのだよ。

私の話など聞いても、面白くなかろう。



なに?  それでも私に書けというのかね。

そうか、仕方ないな。

それでは、昔話でもしようかね。


今から20年ほど前、そう、日本にまだ季節があった頃の話だよ。

今ごろは『秋』という季節で、山に行けばそれは奇麗な『紅葉』が見られたものだ。

私もまだ、若かったよ。



冬に向かうあの季節が、私は好きでね。

何とも言えない落ち着いた感じが、良かったのだよ。

返す返すも、日本から季節が去ったのが残念だね。

一年中夏というのは、やはり良くないな。



今の子供たちは、『季節』というものを知らずに育っているのだね。

そもそも、その概念すらないのだろう。



しかし、それはそれで幸せなのかもしれないな。

私のように昔を思い出す事もないからね。

やはり子供たちには、元気に、幸せになって欲しいものだよ。





          10月29日(水)[伊吹マヤ]


こんにちは。 伊吹マヤです。

お久しぶりですね。


今回は、副司令から私に回ってきたんです。



実は今日、副司令に突然呼び止められたんですよ。

私はびっくりして、

   『私、なにか悪い事したかしら?』

なんて考えちゃいました。


そうしたら副司令が、うしろからこれを、こっそり出してきたんです。

   『伊吹くん、頼まれてくれないかね』

ですって。

驚いて損しちゃいました。

でも、そのときの副司令の顔は照れくさそうで、ちょっと可愛かったです。



副司令って、感じが良い方ですよね。

何でもネルフに入る前は大学の先生だったそうなんです。

きっと、講義なんかも人気があったんでしょうね。

京都の大学だったそうですよ。

私も一回、講義を受けてみたかったですね。



あぁ、今日は副司令のお話で終わってしまいましたね。

それじゃ、明日は誰にお願いしようかしら・・・?





          10月30日(木)[加持リョウジ]


元気にしてるかい?

俺はまぁ、息災ってところかな。



最近さ、葛城の奴がつれないんだよな。

昨日だって、   久しぶりに一杯どうだ?   って誘ったのに、

   『何で私があんたと飲みに行かなくちゃいけないの』

だもんな。

なんか俺、悪い事したかな?




う〜ん、思い当たる事といえば・・・

この前、食堂の女の子に声をかけているところを見られた事か・・・

それとも、マヤちゃんとあの話で盛り上がっていた事か・・・

それとも・・・



仕方ない、こういうときは素直に謝ってプレゼントの一つでも贈るのが一番だな。

やっぱりこういうときは花だ。

ちょうど今日、奇麗なユリの花を見つけたんだ。

ちょっと高かったが、ま、葛城のためだ。   惜しくはないさ。

そして、今週末にどこかに誘おう。


また、玉砕するかもしれないけどな。





          10月31日(金)[葛城ミサト]


こんにちは。  葛城ミサトです。



加持の奴、さすがに効いたみたいね。

まぁ、結構マジにトゲトゲしてたからね。

たまにはこうでもしないと、あいつは調子に乗るから。

いい薬になったでしょ。



でも、今日はちょっと驚いたのよ。

朝ね、玄関を開けたら、加持がそこにいたの。

座り込んで、居眠りしてたのよね。



私は驚いて、   『あんた、こんなところでなにやってんのよ!』

って怒鳴った。

そうしたら加持の奴、   『お、葛城、おはよう。 これ、プレゼントだ』

って言って、後ろからユリの花束を出してきたのよね。

私は驚くより先に呆然としていると、加持はこう言ったの。


   『ん、まぁ、そうだな・・・

    なんのプレゼントって訳じゃないが、女性に花をあげるのに理由なんて要らないだろ』





私はちょっと、ううん、すごく感動した・・・

そして、反省もしたの。

本当に悪い事、しちゃったなって。





加持くん、ありがと。

そして、ごめんなさい。


明日はお詫びに、私がご馳走するから・・・ね。





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