<旧車シリーズ 619>


TOYOPET DYNA 1900 (RK170B)


 
1963年、トヨタ伝統のキャブオーバートラックのダイナが初のモデルチェンジを受け、二代目がデビューした。セミボンネット風のノーズに初代の面影を残すものの、4灯式ヘッドランプの採用や大きく後傾させたフロントウィンドウなどで、キャビンの古臭さを一掃している。運転席も110mmスライド調節可能となり、快適性も向上させている。
 基本的にシャシーやトランスミッションは旧型の流用で、3R-B型・1897ccエンジン(最高出力80ps)や2〜4速シンクロメッシュの4段コラムシフト、2800mmのホイールベースにフルフローティングのリアアクスルも、先代のRK160型と同一である。最大積載量は2トンで、荷台長は標準車が10尺、ロングボディー車は13尺である。
 この二代目ダイナのトピックスのひとつがディーゼル車の追加である。J型はクラス唯一の5ベアリングを採用する2336ccエンジンで、65psの最高出力、14.5kgmの最大トルクを発生した。東京店頭渡価格はガソリン車の7万円高となる76.0万円であった。


 
クラシカルな雰囲気を持つ初代ダイナや、10年近くその個性的なデザインを維持した三代目ダイナと比べると、この二代目は印象の薄い存在であることは否めません。そのためか、私の撮影記録も極めて少なく、ナンバー付きの現役車は写真のクルマを含めて2台しかなく、同年代のトヨエースあたりと比べても、その稀少度は際立っています。やはり、重積載クラスのトラックは、時代を生き抜くには平生の使用環境が厳し過ぎるのでしょうね。

推定年式:1965
撮影時期:1986年3月
撮影場所:山口県新南陽市道源開作にて