<旧車シリーズ 618>


NISSAN CHERRY CAB Dx (C20HS)


 
1969年、ニッサンは600kg積みのキャブオーバー型トラック、ダットサン・サニーキャブを発売する。1トンt積みのキャブスターの下に位置する軽積載トラックで、サイズは全長で400mm、全幅で100mmキャブスターよりも小さく、乗車定員は2名となるものの、最小回転半径は4.3mと格段に優れた。1970年からはチェリーキャブへ改称された。
 エンジンはサニートラックと共通のA10型・直列4気筒988ccエンジンで、最高出力56ps、最大トルク7.7kgmのスペックも同一。ただしトランスミッションは、サニートラックの前進3段コラムシフトであるのに対し、サニーキャブ/チェリーキャブではキャブスターと同じく前進4段のコラムシフトとなる。それでいて平床車デラックスの価格は40.5万円で、サニートラック(40万円)とほぼ同等だった。
 デラックスにはラジオ、ヒーターが標準装備とされたほか、ボディサイドにはストライプが入り、軽快感を演出している。


 
サニーキャブは発売後僅か1年で名称変更を受けましたが、これにはチェリー店を新設したために急遽、専売車種を必要とした背景があるのでしょう。一旦消えたサニーキャブも'75年に復活し、サニーキャブとチェリーキャブが並存することになりました。やがて'80年代のサニーバネット/チェリーバネット時代を経て、最終的にはバネットへ統合されるのですが、本家のチェリーは'78年にパルサーへ移行したので、チェリーの名をより長く留めたのはこちらの方になりますね。

推定年式:1971
撮影時期:1982年6月
撮影場所:山口県徳山市権現町にて