象気功


五禽戯



五禽戯・鹿戯




さて、続いて、五禽戯のうちの鹿戯である。

鹿戯では「鹿角」という手の指の形を作って、いろいろと動作を行うわけである。


まあ、この鹿角の形を作ると、分かる人はわかると思うが、後背部の命門(臍の裏側)の両側付近にテンションがかかり、また、みぞおちを中心とした左右の臓器にも影響があるのである。

命門の両側の臓器といえばもちろん腎臓であるので、主に腎経を刺激する形であるわけである。

動作においては、後背部を主体としたストレッチであるから、動作においても腎経を主体として刺激して、腎機能を活性化することが主な効果であるわけである。

しかし、鹿角で左右に捻りあるいは伸ばすことにより、肝臓や膵臓・脾臓にも影響があるのである。

腎臓を中心として、上腹部の臓器を活性化する功法であるわけである。

また、気功の基本のひとつであるストレッチをこれでもかと行うわけであるから、全身の血行が促されるわけである。


動画の中でも解説しているように、第一の動作の「鹿抵」では踏み出す足先を捻り、さらに後ろ側の踵を見るように捻るわけであるので、まあ、後背部から脚部までの腎経を刺激することを主体として、足先から頭部まで捻ることになり、全身ストレッチになるので、全身の血行を促すことになるのである。

第二の動作の「鹿奔」では、つま先を上げ、目は臍を見て、命門を開き、背骨全体から脚部の裏側をストレッチするわけである。

まあ、任脈に比較して通りにくい督脈を開くという効果もあるわけあるが、基本的には後背部左右から踵までの腎経を開き、腎を活性化させるということが目的であるのである。

漢方では、腎を西洋医学の腎臓の機能のみに限定せず、生命の源あるいは生体エネルギーである精の貯蔵庫と捉えるわけであるので、ここはひとつじっくりと鹿戯を行ってその効果を確認していただきたいところであるが、なにしろ五禽戯自体がどれもこれも妙な動作であるので、人のいないところでこっそりとやらないと、「やだあ、あの変な人がまた変なことやってるわよ」なんて気持ち悪がられるのである。


ううむ、しまいには五禽戯マニアから苦情が来るのである。

まあ、とにもかくにも、気功の基本的な目的は養生あるいは健康増進であるので、その意味では、生命の源である腎を活性化することは、体力を養成し、免疫力を高めることになり、あなたを不老長寿・不老長生に導くことになるわけである。

人生をよりよく生きるには、何はなくとも健康な身体を作ることが最重要であるのである。

たとえ、人を助けることを神による使命と自覚しても、自分が不健康で動けなければ、自分が「助けてくれ-」になってしまうのである。

まずは、とにもかくにも、自分の健康状態を最善にすることが、人を助けることにつながるわけである。


そのためには、生命の源である腎経を開き、腎を活性化して、精を養生することである。

腎が最善の状態になれば、生命エネルギーの溢れたパワフルな体になり、当然、脳も最善の機能を発揮するわけである。

鹿戯はそのための簡潔な功法であるわけである。

つーことで、ますます佳境に入り込むのか迷いこむのか遭難するのか、超能力も霊能力も念力も獲得しない、悟りも開かない、至高体験も超常思考もテレパシーも空中浮揚も宇宙との交信も霊気も神気も神のお告げも関係ない、気功の本道である健康増進のみを成就する功法である五禽戯の解説はさらに続くのである。

ううむ、硬いな、笑いがぜんぜん取れとらん。

続く。


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