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なにわ修習記

2000年1月 刑事裁判修習編

2月の修習記


1月31日(月)

 今日は1日法廷傍聴だった。

 午後の事件で、男とその元内縁の妻が相被告となっている事件があったのだが、審理中に男が薄ら笑いを浮かべたりしている。どんな心境でそんな行動をとっているのだろう。一緒に傍聴していた修習生は「規範意識が薄い。」と言っていたが・・。

 夕方、採用内定の提示を受けていた事務所に連絡。内定を受ける旨を伝える。これで一応就職先が決定した。とりあえずホッとする。

 でも実は、もう1件内定の提示を受けていたところがあり、そこに断りの電話を入れるのは断腸の思いだった。非常に魅力的な事務所だったし・・・。今考えても、自分の選択が本当によかったのか迷うところだ。でもいつかは決断しなければならない問題だったので、心の中にもやもやしたものは残るが、とりあえずまた1歩歩みを進めたという感じである。


1月28日(金)

 午前中は単独事件(裁判官1人で裁判所を構成する事件)の傍聴だ。まずは判決言渡しが2件。2件とも同種前科があるため、実刑となっていた。

 3件目は論告・求刑と弁論だ。被告人が犯罪事実を否認している事件である。否認事件だと、検察官の論告要旨も詳細にわたっている。最後に被告人が無実を訴える姿が意外と淡々としていたのも印象的だった。

 次の事件は追起訴分の起訴状朗読や被告人質問。弁護人の対応が見ていておもしろい。被告人が言い足りない部分をよくカバーしているといえば言えるのだが、証拠提出に対する認否をその場で決めている部分があったり、なんか手際が悪いなという感も拭えない。

 傍聴から戻ると、単独事件の判決の起案を発注される。うわっ。これは難しいよ〜。

 午後は令状部見学と、令状実務についての講義だった。勾留質問するところって、普通の法廷かと思っていたら、裁判官と被告人が机をはさんで対面しているんだねえ。勾留質問の待合室も金網で区切られており、以前見学した留置所の中にいすが置いてあるといった感じだ。令状実務についての講義は、主に勾留について説明が行われたが、興味深かったのは捜索差し押さえ令状についての説明。警察はやたらと暴力団事務所を捜索したがるということだった。


1月27日(木)

 今日は1日、記録読み。昨日下ってきたものだ。記録をじっくり読んでいると、事件の当事者間の発言が異なっていたりして、事実認定も結構大変だと気づく。犯罪事実についてはおおむね一致しているんだけど、殺人などについては動機も大事とされているので、その辺りの事実もしっかり考えねばならないのだ。それにしても1日中裁判官室に籠っているのは眠気を誘う・・。


1月26日(水)

 今日から刑事裁判修習だ。場所も地裁へ移る。

 午前中は事務連絡と、刑事裁判修習についてのガイダンス。裁判所内の司法修習生指導室という部屋で行われた。時間や飲食場所などについては結構うるさく言われた。指導室では飲食はできないとのことで、検察修習の時のように、修習生が集まってくつろげる場所がないのは残念だ。

 ガイダンス終了後、配属される部へ案内される。私が配属された部の裁判官は気さくな方のようで一安心。書記官や事務官の人たちともいろいろ話ができればいいな。

 昼は配属部の裁判官と連れだって食事をした。今日は初日ということで裁判官がおごってくださった。ありがたい。

 午後からいきなり修習へ。法廷の傍聴だ。開廷前に弁護士が裁判官室に相談に来て、被告人質問を延長してほしいという。被告人の体調が思わしくないというのが理由だ。結局この日は、被告人に体調を確認した後に、情状についての証人の尋問をするだけに。

 ところがこの証人、ホントに大丈夫かいなと思うほど頼りない。被告人の身元引受人なのに、被告人とあまり連絡を取っていないなんて言うし・・。弁護士側も冷や冷やものだったろう。事前打ち合わせが上手くいっていなかったんだろうか?

 それにしても、昼食直後の傍聴はきつかった。なにがきついかって、満腹の腹で人の話をじっと聴いているのは、起きているのがつらいのである。法廷で寝るわけにはいかんのでがんばったつもりだったが、同僚の修習生からは、固まっていましたよといわれた。うっ・・。

 傍聴から戻ると、起案が1件下りてきた。殺人未遂の事案である。被告人が自白している事件なので、情状が問題になりそうかな、という感じだ。

 夕方は修習仲間と私が行きつけの飲み屋に。ちょっと飲み過ぎて、帰るとすぐに寝てしまった。


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