問題4-2-2 解説

(1) 下図で,波面が境界面に到達した後に,反射しながら AB 間を通り過ぎる時間を \(\Delta t\) とすると,点 A から発する素元波の半径は \(v_2\Delta t\) となります.左図と右図はそれぞれ \(v_2\) > \(v_1\) と \(v_2\) < \(v_1\) の場合ですが,どちらの場合も \[ v_1\Delta t = AB\times \sin i, \quad v_2\Delta t = AB\times \sin r, \] の関係が成り立ちます.この2つの式から AB を消去してスネルの法則が導かれます.

ホイヘンスの原理による波の反射に関するスネルの法則の導出

(2) ここで角度の記号として,入射角は \(i\) で,反射角は \(r_P\) と \(r_S\) で,屈折角は \(f_P\) と \(f_S\) で表わします.また,入射波の速度は \(v_\ast\) で,第1層の地震波速度は \(v_{P1}\) と \(v_{S1}\) で,第2層の地震波速度は \(v_{P2}\) と \(v_{S2}\) で表わします.すると,反射や屈折のスネルの法則は次の一つの式で表わすことができます. \[ \frac{\sin i}{v_\ast} = \frac{\sin r_P}{v_{P1}} = \frac{\sin r_S}{v_{S1}} = \frac{\sin f_P}{v_{P2}} = \frac{\sin f_S}{v_{S2}}. \] この式を用いて, \(i\) = 20° として,種々の角度を計算し波線を描きます.その際,SH波は振動面が境界面に平行なので,境界面でP波を発生したり,逆にP波からSH波が生じたりすることは無いことに留意します.結果を下図に示します.

入射角 i=20 度で入射するP波やS波で発生する反射波や屈折波を作図した結果の図.