問題6−5−1 解答

(1) 古緯度を, \(\tan\lambda=\frac{1}{2}\tan I\) から計算した結果は次の通りです.また,大陸の向きを表わす方位角は北から東回りを正としています.

地質時代年代 (Ma)伏角 (°)偏角 (°)古緯度 (°)方位角 (°)
始新世4010.5354.15.35.9
暁新世60-30.8348.2-16.611.8
後期白亜紀80-54.5331.2-35.128.8
前期白亜紀120-61.7302.1-42.857.9

インド大陸の古緯度と方位角を古地理として図示すると次のようになります.注意する点としては,古地磁気の偏角の向きと当時の大陸の方位角は逆になることです.

古地磁気方向から求めたインド大陸の古緯度と方位角(古地理)

(2) 緯度1度に対する距離は次のようになります. \[ 2\times\pi\times6371\div 360 = 111.19 \approx 111\ \mathrm{km}. \]

(a) 120 Ma から現在までのトータルの移動速度は, \[ (20+42.8)\times 111\times 10^5\div 120\times 10^6 = 5.81\ \mathrm{cm/yr},\] となり,1年当り約 5.8 cm です.

(b) 60 Ma から 40 Ma の間の移動速度は, \[ (5.3+16.6)\times 111\times 10^5\div 20\times 10^6 = 12.2\ \mathrm{cm/yr},\] で,およそ 12 cm/yr となりました.これは現在最も速い拡大速度である太平洋プレートの約 10 cm/yr より 20% 速い値です.

問題6−5−2 解答

地図の外周に付けた正負の角度目盛りは回転時の目安とするためで,オイラー極の経度をゼロとしています.そのため,地図内の 30° 毎の経線とは関係ありません.作業は,トレーシングペーパーに中心のオイラー極,地図外周,目盛線のゼロを写し取ってから開始します.結果は以下の通りです.

(1) 下図のように,2つの APWP は 195 Ma 以前で,見事に一致します.北米大陸にはグリーンランドも含めて写しておくと,回転後に北大西洋が閉じるのが分かりやすいです.

ヨーロッパを固定し,北米大陸とそのAPWPをオイラー極の回りに回転し,閉じた北大西洋

(2) アフリカと南米では, APWP はヨーロッパと北米の場合ほど見事には重なりませんが, 200 Ma 以前の軌跡は大体重なるようです.特に, 300~470 Ma の特徴的な軌跡は両大陸でよく似ています.また,回転後の両大陸の海岸線は良く合っています.

アフリカ大陸を固定し,南米大陸とそのAPWPをオイラー極の回りに回転し,ほぼ合体した両大陸